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第2章(春雄)飛べない鳥
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油蝉の鳴き声と教授の低い声が淡々と流れる大学の大教室。点々と座っている学生達は各々静かに時間を過ごしている。夏の日差しが小窓から差し込んでいた。
春雄は西洋経済史の講義を聞き流していて、隣には敦志が座っていた。敦志はボールペンをくるくると回している。
突然、妙な感覚に襲われた。
春雄は思わず顔をしかめて呟く。
「気持ち悪い」
「何が? 風邪?」
敦志は春雄を見ることもなく、そう返した。
何が、と言われても自分でもわからない。言い表し難い不快感。それが体を突き抜けた。
春雄が黙っていると、敦志が口を開いた。
「とにかくあと30分で2限はおさらば。唐揚げ定食からのテレパシーよ」
「何を言っているのかわからない」
「テレパシー受信なんてのは気分が良いものじゃないんだろうし」
春雄は意識が遠くなっていくような気怠さを感じていた。
頭がとろけていくような感じがする。風邪でも引いてしまったのかもしれない。少し寝たら良くなるだろうか。
机に突っ伏して春雄は言った。
「30分後に起こして」
「はいよ」敦志は答える。
春雄の意識は、数秒と経たずに眠りの中へと沈んでいった。
気付くと春雄は薄暗い部屋の中で座っていた。
目の前には一糸纏わぬ女の子が横たわっている。彼女はベッドにふわりと身を預けていた。
女の子、いや女性と呼ぶべきだろうか。その胸の膨らみ、軽やかでゆったりとした四肢は美しかった。しかし彼女の顔は暗がりに潜んでいて、見ることができない。
春雄はベッドの上の女性に近づき、触れようとする。
その瞬間、世界に亀裂が入った。
小さな亀裂は少しずつ増え、やがてひとつの大きな亀裂となり、その亀裂はさらに増え、まるで蜘蛛の巣のように広がっていく。
その世界が亀裂で覆われ尽くした時、暗い部屋も、裸の女性も、それら全ては粉々に砕けて消えた。
春雄はどこまでも続く暗闇に1人取り残された。音、色、光、匂い、そういった概念がそこには何も無かった。そこにあるのは暗闇と、そして春雄だけだった。
すると今度は、遠くに小さな光が現れた。光は次第に大きくなる。その光は春雄に向かってかなりのスピードで近づいてきていて。
やがて光は春雄を飲み込んだ。
次の瞬間、春雄は高校の廊下に立っていた。
見えるもの全てが橙色に染まり、夕暮れ時独特の寂しさが春雄の体を包む。
春雄は無意識に廊下を歩き出した。そして2-Bの教室の前に辿り着く。
軋む扉をゆっくりと開けると。
そこには1人、女の子が立っていた。
橙色の教室の中で、窓から入る柔らかな風に茶色の髪をたなびかせ、彼女はそこに立っていた。
葵だ。
葵は綺麗なアーモンド型の目をゆっくりと春雄に向けた。
制服を着た彼女が佇む姿は、まるで絵画のように春雄の目に映る。
そして彼女の目は何かを訴えかけているようであった。哀願しているような、許しを請うような。
春雄は教室の中に踏み込むことなく、ただ立ち尽くす。そして葵もまた、春雄を見続けている。
一体どのくらい時間が過ぎただろうか。いや、まだ一瞬が過ぎ去っただけなのかもしれない。
彼女の儚さに、美しさに、なにより彼女のその目に、春雄は体を動かすことさえできなかった。
「……るお、なあ、起きてって」
敦志の声だった。
春雄は目を開け、ぼんやりと周りを見渡した。
そうだ、ここは大学の大教室。あれ、教授や他の学生がいない。
「先に学食行ってるから。俺は3限もあるし、早くしてよ」
そう言って敦志は教室を出ていった。
夢か。
俺は高校生の時、夕方の教室で葵の目に吸い込まれた。今の夢は間違いなくその時の記憶だ。
それにしてもあの放課後の学校、そして葵の姿。やけに鮮明だったな。ただの記憶でも夢でもなくて、まるでその場にいたかのような。
しかし暗い部屋にいた裸の女性は誰だろう。あんな記憶は無いはずだけれど。
いや、そもそも女の人の裸を直接見たことなんてあっただろうか。ないはずだ。
春雄はようやくテキストとノートをバッグに入れる。それから席を立ち、学食へと向かった。
大学には4階建の学食棟があった。大きな学食棟で、1階から4階までの全フロアが学食になっていた。
春雄は学食に着くと唐揚げ定食をカウンターで受け取り、窓際の席に向かった。
その席には敦志が既に座っていて、スマートフォンを睨んでいた。
「遅くなった、すまん」
「本日の出席カードの対価をお聞かせ願いたいな」
「ああ、出席とってたのか。ありがとう」
「いつか鶴の恩返しだぞ」
敦志はそこまで言うと、再びスマートフォンと睨めっこを始めた。
「お気に入りのAV女優見つけたか?」と春雄。
「今年から大学の長期休みが秋からになっただろ。サークルのイベントライブの日程、ずらさなきゃいけなくてさ」
敦志は俺とは違う種類の人間だ。人当たりがよく、音楽に詳しい。目鼻立ちが整っていて、ファッションのセンスもある。先輩には可愛がられ、後輩からもすぐに慕われるであろう敦志。2年生ながら、バンドサークルの中心人物になっているようだ。
「次は何の曲をやるんだ?」春雄が尋ねる。
「ブランキー・ジェット・シティ」
「『悪いひとたち』が好きなんだけれど」
「いや、もっと速くて盛り上がる曲をやるよ」
「そうか」
確か敦志と出会ったのは英語の少人数教室だった。好きなバンドの話で盛り上がり、それから自然と一緒に行動するようになった。
俺は敦志のように楽器を演奏してみたいと思ったことはないけれど。
しばらくして昼食をとり終えると、おもむろに敦志が携帯の画面を春雄に見せた。
「なあ、これ……」
再生されている動画には、大学の近くにある、国立の研究所が映っていた。
『8月4日、正午頃、八王子市のエネルギー研究施設で原因不明の電磁波が発生する事故がありました。人体に有害な影響がある可能性があります。近くにいる方はなるべく外出を控えて下さい』
春雄は携帯を敦志に返しながら言った。
「今日、いや、ついさっきか。テレビニュース?」
「さあ。さっきから周りの人達がざわついてたのは多分これかな」
そう言って敦志は少し不安そうに眉をひそめた。
「電磁波……。体が痺れたりするのか?」
「うーん、学食の中にいた方がいいのかな」
「3限に行きたくないだけだろ」
「課題はやったよ」
そう答えると、敦志は携帯をタイトジーンズのポケットに入れた。
春雄は席を立ち、言った。
「帰る。3限が終わったら家に来てくれ。ミッシェルのDVD、貸すよ」
「わかった。ありがとう」
学食を後にした春雄は、大学のすぐ近くにあるアパートの部屋へと向かった。そうしてアパートに着き、玄関の鍵を開けようとしたところで煙草が切れていたことを思い出した。
コンビニに煙草だけでも買いに行くか。ゆっくり歩いてもせいぜい数分だ。
コンビニへと向かう途中、春雄は青々とした道路脇の草木に目をやった。誰も手入れしない、空き地の草木達。夏の太陽光を好きなだけ浴び、のびのびと過ごしているように見える。
空き地の奥に人影があった。よくよく目を凝らしてみると、ワンピースを着た、同じ歳くらいの女の子が立っている。
こんな空き地で何をしているのだろう。1人で呆然と立ち尽くしているだけで、何もしていないように見える。
いや、何かを見上げている?
すると春雄の視線に気がついたのか、彼女は春雄に向かって歩き出した。
春雄は心臓のリズムがおかしくなっていくのを感じた。
彼女の顔はよく知っていた。
葵だ。
「何してるの?」
「……煙草を買いに行こうとしてたところ」
「そうなの。私、家に帰る。またね」
そう言って葵は空き地から出て、コンビニとは逆方向へ歩いていった。
葵がいなくなってからも、春雄はしばらく立ち止まっていた。おかしくなってしまった鼓動のリズムと、逆流した血液の流れを元に戻す為に。
春雄はふう、と息をつく。それから再びコンビニへと向かって歩き出した。
春雄は西洋経済史の講義を聞き流していて、隣には敦志が座っていた。敦志はボールペンをくるくると回している。
突然、妙な感覚に襲われた。
春雄は思わず顔をしかめて呟く。
「気持ち悪い」
「何が? 風邪?」
敦志は春雄を見ることもなく、そう返した。
何が、と言われても自分でもわからない。言い表し難い不快感。それが体を突き抜けた。
春雄が黙っていると、敦志が口を開いた。
「とにかくあと30分で2限はおさらば。唐揚げ定食からのテレパシーよ」
「何を言っているのかわからない」
「テレパシー受信なんてのは気分が良いものじゃないんだろうし」
春雄は意識が遠くなっていくような気怠さを感じていた。
頭がとろけていくような感じがする。風邪でも引いてしまったのかもしれない。少し寝たら良くなるだろうか。
机に突っ伏して春雄は言った。
「30分後に起こして」
「はいよ」敦志は答える。
春雄の意識は、数秒と経たずに眠りの中へと沈んでいった。
気付くと春雄は薄暗い部屋の中で座っていた。
目の前には一糸纏わぬ女の子が横たわっている。彼女はベッドにふわりと身を預けていた。
女の子、いや女性と呼ぶべきだろうか。その胸の膨らみ、軽やかでゆったりとした四肢は美しかった。しかし彼女の顔は暗がりに潜んでいて、見ることができない。
春雄はベッドの上の女性に近づき、触れようとする。
その瞬間、世界に亀裂が入った。
小さな亀裂は少しずつ増え、やがてひとつの大きな亀裂となり、その亀裂はさらに増え、まるで蜘蛛の巣のように広がっていく。
その世界が亀裂で覆われ尽くした時、暗い部屋も、裸の女性も、それら全ては粉々に砕けて消えた。
春雄はどこまでも続く暗闇に1人取り残された。音、色、光、匂い、そういった概念がそこには何も無かった。そこにあるのは暗闇と、そして春雄だけだった。
すると今度は、遠くに小さな光が現れた。光は次第に大きくなる。その光は春雄に向かってかなりのスピードで近づいてきていて。
やがて光は春雄を飲み込んだ。
次の瞬間、春雄は高校の廊下に立っていた。
見えるもの全てが橙色に染まり、夕暮れ時独特の寂しさが春雄の体を包む。
春雄は無意識に廊下を歩き出した。そして2-Bの教室の前に辿り着く。
軋む扉をゆっくりと開けると。
そこには1人、女の子が立っていた。
橙色の教室の中で、窓から入る柔らかな風に茶色の髪をたなびかせ、彼女はそこに立っていた。
葵だ。
葵は綺麗なアーモンド型の目をゆっくりと春雄に向けた。
制服を着た彼女が佇む姿は、まるで絵画のように春雄の目に映る。
そして彼女の目は何かを訴えかけているようであった。哀願しているような、許しを請うような。
春雄は教室の中に踏み込むことなく、ただ立ち尽くす。そして葵もまた、春雄を見続けている。
一体どのくらい時間が過ぎただろうか。いや、まだ一瞬が過ぎ去っただけなのかもしれない。
彼女の儚さに、美しさに、なにより彼女のその目に、春雄は体を動かすことさえできなかった。
「……るお、なあ、起きてって」
敦志の声だった。
春雄は目を開け、ぼんやりと周りを見渡した。
そうだ、ここは大学の大教室。あれ、教授や他の学生がいない。
「先に学食行ってるから。俺は3限もあるし、早くしてよ」
そう言って敦志は教室を出ていった。
夢か。
俺は高校生の時、夕方の教室で葵の目に吸い込まれた。今の夢は間違いなくその時の記憶だ。
それにしてもあの放課後の学校、そして葵の姿。やけに鮮明だったな。ただの記憶でも夢でもなくて、まるでその場にいたかのような。
しかし暗い部屋にいた裸の女性は誰だろう。あんな記憶は無いはずだけれど。
いや、そもそも女の人の裸を直接見たことなんてあっただろうか。ないはずだ。
春雄はようやくテキストとノートをバッグに入れる。それから席を立ち、学食へと向かった。
大学には4階建の学食棟があった。大きな学食棟で、1階から4階までの全フロアが学食になっていた。
春雄は学食に着くと唐揚げ定食をカウンターで受け取り、窓際の席に向かった。
その席には敦志が既に座っていて、スマートフォンを睨んでいた。
「遅くなった、すまん」
「本日の出席カードの対価をお聞かせ願いたいな」
「ああ、出席とってたのか。ありがとう」
「いつか鶴の恩返しだぞ」
敦志はそこまで言うと、再びスマートフォンと睨めっこを始めた。
「お気に入りのAV女優見つけたか?」と春雄。
「今年から大学の長期休みが秋からになっただろ。サークルのイベントライブの日程、ずらさなきゃいけなくてさ」
敦志は俺とは違う種類の人間だ。人当たりがよく、音楽に詳しい。目鼻立ちが整っていて、ファッションのセンスもある。先輩には可愛がられ、後輩からもすぐに慕われるであろう敦志。2年生ながら、バンドサークルの中心人物になっているようだ。
「次は何の曲をやるんだ?」春雄が尋ねる。
「ブランキー・ジェット・シティ」
「『悪いひとたち』が好きなんだけれど」
「いや、もっと速くて盛り上がる曲をやるよ」
「そうか」
確か敦志と出会ったのは英語の少人数教室だった。好きなバンドの話で盛り上がり、それから自然と一緒に行動するようになった。
俺は敦志のように楽器を演奏してみたいと思ったことはないけれど。
しばらくして昼食をとり終えると、おもむろに敦志が携帯の画面を春雄に見せた。
「なあ、これ……」
再生されている動画には、大学の近くにある、国立の研究所が映っていた。
『8月4日、正午頃、八王子市のエネルギー研究施設で原因不明の電磁波が発生する事故がありました。人体に有害な影響がある可能性があります。近くにいる方はなるべく外出を控えて下さい』
春雄は携帯を敦志に返しながら言った。
「今日、いや、ついさっきか。テレビニュース?」
「さあ。さっきから周りの人達がざわついてたのは多分これかな」
そう言って敦志は少し不安そうに眉をひそめた。
「電磁波……。体が痺れたりするのか?」
「うーん、学食の中にいた方がいいのかな」
「3限に行きたくないだけだろ」
「課題はやったよ」
そう答えると、敦志は携帯をタイトジーンズのポケットに入れた。
春雄は席を立ち、言った。
「帰る。3限が終わったら家に来てくれ。ミッシェルのDVD、貸すよ」
「わかった。ありがとう」
学食を後にした春雄は、大学のすぐ近くにあるアパートの部屋へと向かった。そうしてアパートに着き、玄関の鍵を開けようとしたところで煙草が切れていたことを思い出した。
コンビニに煙草だけでも買いに行くか。ゆっくり歩いてもせいぜい数分だ。
コンビニへと向かう途中、春雄は青々とした道路脇の草木に目をやった。誰も手入れしない、空き地の草木達。夏の太陽光を好きなだけ浴び、のびのびと過ごしているように見える。
空き地の奥に人影があった。よくよく目を凝らしてみると、ワンピースを着た、同じ歳くらいの女の子が立っている。
こんな空き地で何をしているのだろう。1人で呆然と立ち尽くしているだけで、何もしていないように見える。
いや、何かを見上げている?
すると春雄の視線に気がついたのか、彼女は春雄に向かって歩き出した。
春雄は心臓のリズムがおかしくなっていくのを感じた。
彼女の顔はよく知っていた。
葵だ。
「何してるの?」
「……煙草を買いに行こうとしてたところ」
「そうなの。私、家に帰る。またね」
そう言って葵は空き地から出て、コンビニとは逆方向へ歩いていった。
葵がいなくなってからも、春雄はしばらく立ち止まっていた。おかしくなってしまった鼓動のリズムと、逆流した血液の流れを元に戻す為に。
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