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一旦待とう。
しおりを挟むこの男は何を考えているんだ。
まさか·····妻をとった仕返しか·····?
わけも分からず頭を回す。
薄暗い路地。
赤い光が遠くに見えた。
「考えてくれないか?」
「え·····あ·····と言うか翔太さ」
「名前呼ばれたツ」
苦笑いが溢れる。
こいつもしかして俺の客だったか·····?
「なぜ俺と結婚したいのですか?」
「理由か·····私の好みに当てはまっていたからだな。」
「その好みって·····」
「プリンでチャラい。NTRの寝とる側の可愛くて反抗的な年下の男が好き。」
自分が凍りついたのがわかった。
俺は確かにプリンだ。
染めるのが面倒で髪を染めていないだけだが·····。
NARか·····確かに翔太目線はそうだな。
可愛い????
ふざけてるかは知らないが俺は別にあざとい系は目指していない。
反抗的·····か?
初対面なら普通だな。
年下の男。
年下·····男!?
男·····
まさかほんとに狙われる日が来るなんて·····
と言うか、こいついくつだよ·····。
·····唯さんが38で·····四つ下の後輩だから·····34か·····
俺は25だな·····
確かに年下だ·····。
「·····返事はまだか?」
「いや·····あの」
「?どうしたんだ?」
翔太の顔を手で押しのける。
「俺は男は無理だ!!!!」
細路地をぬけて走る。
走る。
走る。
無我夢中に走ったのは何年ぶりだろうか。
いつか誰かの旦那に追いかけ回された事があったな。
あれはあれでいい経験だ。
もうやりたくないが。
家に着くと安いアパートの鍵を閉める。
眠い·····。
ベットに潜り込み目をつぶる·····
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