人妻好きが今回も慰謝料払おうとしたらその旦那に迫られてます。

旦那さんは不可解

「きゃーちとくん！」

汚い悲鳴が響く。

叫ばれてしまったので部屋の中へ入る。

鍵の開けっ放し·····オートロックは、無しなのか。

「失礼します。」

旦那さんの方を見ると驚いた。

聞いていた話と違う。

怖いという意味では無いが何処か不思議だったのだ。

長身で長髪。

綺麗な白髪。

糸のような目

線の細い体つき。

目に近く落ち着いた眉毛。

整った顔。

それに合わないうっとりとした目。

「大丈夫ですか？唯さん」

確か唯さんは旦那さんが取り立ての仕事をしていると言っていた。

結婚生活を持続するためにお金を払っているとも。

丞 翔太（たすく しょうた）

ホストをしていて情報網は広いと思っていたが知らない。

こんな珍しい人が、噂にならないわけが無いのに。

ましてや女の子のお客の多いホストに回らない、情報だ。

不思議だ。

仕事の割に顔が綺麗だ。

真っ白いワイシャツ。

袖から見えた腕は綺麗そのものだった。

仕事上、取り立てや用心棒はよく見るが、こんなに綺麗な人は見たことがなかった。

それにそういう類の人はゴリゴリの方が多い。

「大丈夫。この人がなかなか話を聞いてくれなくて·····」

旦那さんは俺に静かに、確実に1歩ずつ近寄ってきた。

そして顔に手を当てられた。

殴られるだろうそう悟っていたのに衝撃は来なかった。

「わかった。、慰謝料はなしにしよう」

「やった！」

無し？

ほんとにこいつはなにをいっているんだ。

ぼーっとしていると唯さんに肩を抱かれた。

「ほら帰るよ」

部屋を出る時。旦那さんの耳が赤いのが見えた。

きっと泣いているのだろう。

申し訳ないとは思ったが放置してた方も悪いだろう。