72 / 96
本編
16.2 領都の生活
しおりを挟む
僕は、魔道具の作り方を基礎から教えて貰った。基礎は知っていたが、先生から習ったわけでは無く、一部は我流だったのだ。
教えて貰うと、目から鱗となった魔法もあった。
単属性の魔法付与は簡単だが、付与する属性が増える魔法陣が多く必要になる。そして一つ一つの作業工程が多いほどに魔法陣が増える。魔法陣が増えると、相互干渉が多くなり、同属性以外の魔法陣が干渉すると威力が下がってしまう。
一つの魔法陣に複数の工程を書き込むと容量が多かったか耐え切れずに自戒する。魔法の質と、魔道具に使う素材の質が良くなければ複数属性を付与した魔道具が作れない。
そういった干渉を消す方法、威力を上げる方法を習得していった。
「明日はお休みですが、クリス様はどうされますか?」
「あ、クリス様明日は休みなんですね」
近くの皿を片づけに来ていたアリスが声をかけて来た。
「アリスさんは、明日用事がありますか?」
なんとなく、気分だろうか。声をかけてみた。
「明日ですか、朝、教会のミサに行きますが。それ以降はあいてます」
「教会か。では一緒に教会に行き、その後、僕とどこか行きませんか?」
「え、良いの。私なんかと一緒に居て」
「アリスさんさえ、良ければですけど」
「え、どうしよう。ちょっとかあさんに聞いて来ても良いかな」
「どうぞ」
「クリス様。アリスさんとお付き合いされるつもりですか」
「だめなの?」
「いえ、クリス様は騎士爵の子供ですから、平民とも結婚はできます。ただできれば爵位のある貴族の子女と結ばれ、爵位を上げる努力をされて欲しい所でもあります」
シスコが、あまり言いたくないのだけどと言うような顔で言ってきた。
「シスコは、好きな人と結婚したくせに。僕にはそれを押し付けるのか」
「クリス様は、継承権1位ですから。昔、私にそう言いましたよね」
「そうきたか。だけど騎士爵なんだ、そう硬い事を言う必要は無いだろう。それに、アリスは気になるけど、まだ男女の関係と言うほどでも無い。
別に、良いだろう」
「良いですよ。ただの遊びは私コリンナが許しませんよ」
「私もです」
サーシャとコリンナが僕に注意をしているのか。あまり気楽に声をかける物では無いと言うことか。声をかけるなら、かける段階でそれなりに責任を取る事を覚悟しておけと言うことなのかな。
「ああ、上手くいくなら責任を取るつもりはあるよ」
「決めていらっしゃるなら、良いのですよ。ですが女の子を泣かせるような主人になって欲しくはありません。クリス様」
「ああ、そのつもりだ。サーシャ。でも気が早くないか。僕が良いと言ってもあっちが振る事もあるんだぞ」
「いえ、よほどの事が無いと」
「そうですよね。クリス様はご自分が思っている以上に優良物件だと言うご自覚を持った方が良いですよ」
ちょうど、アリスが走って戻って来た。年頃の女の子なのだからもう少しお淑やかにした方が良いのではないだろうか。ちょっとおてんばすぎるかもしれない。
「お母さんが良いって。明日はお願いしますクリス様」
「ああ、じゃあそうしようか。何時に出発するの」
「朝食を食べてから、9時に出発します」
「わかった、じゃあ明日」
「はい、明日」
教えて貰うと、目から鱗となった魔法もあった。
単属性の魔法付与は簡単だが、付与する属性が増える魔法陣が多く必要になる。そして一つ一つの作業工程が多いほどに魔法陣が増える。魔法陣が増えると、相互干渉が多くなり、同属性以外の魔法陣が干渉すると威力が下がってしまう。
一つの魔法陣に複数の工程を書き込むと容量が多かったか耐え切れずに自戒する。魔法の質と、魔道具に使う素材の質が良くなければ複数属性を付与した魔道具が作れない。
そういった干渉を消す方法、威力を上げる方法を習得していった。
「明日はお休みですが、クリス様はどうされますか?」
「あ、クリス様明日は休みなんですね」
近くの皿を片づけに来ていたアリスが声をかけて来た。
「アリスさんは、明日用事がありますか?」
なんとなく、気分だろうか。声をかけてみた。
「明日ですか、朝、教会のミサに行きますが。それ以降はあいてます」
「教会か。では一緒に教会に行き、その後、僕とどこか行きませんか?」
「え、良いの。私なんかと一緒に居て」
「アリスさんさえ、良ければですけど」
「え、どうしよう。ちょっとかあさんに聞いて来ても良いかな」
「どうぞ」
「クリス様。アリスさんとお付き合いされるつもりですか」
「だめなの?」
「いえ、クリス様は騎士爵の子供ですから、平民とも結婚はできます。ただできれば爵位のある貴族の子女と結ばれ、爵位を上げる努力をされて欲しい所でもあります」
シスコが、あまり言いたくないのだけどと言うような顔で言ってきた。
「シスコは、好きな人と結婚したくせに。僕にはそれを押し付けるのか」
「クリス様は、継承権1位ですから。昔、私にそう言いましたよね」
「そうきたか。だけど騎士爵なんだ、そう硬い事を言う必要は無いだろう。それに、アリスは気になるけど、まだ男女の関係と言うほどでも無い。
別に、良いだろう」
「良いですよ。ただの遊びは私コリンナが許しませんよ」
「私もです」
サーシャとコリンナが僕に注意をしているのか。あまり気楽に声をかける物では無いと言うことか。声をかけるなら、かける段階でそれなりに責任を取る事を覚悟しておけと言うことなのかな。
「ああ、上手くいくなら責任を取るつもりはあるよ」
「決めていらっしゃるなら、良いのですよ。ですが女の子を泣かせるような主人になって欲しくはありません。クリス様」
「ああ、そのつもりだ。サーシャ。でも気が早くないか。僕が良いと言ってもあっちが振る事もあるんだぞ」
「いえ、よほどの事が無いと」
「そうですよね。クリス様はご自分が思っている以上に優良物件だと言うご自覚を持った方が良いですよ」
ちょうど、アリスが走って戻って来た。年頃の女の子なのだからもう少しお淑やかにした方が良いのではないだろうか。ちょっとおてんばすぎるかもしれない。
「お母さんが良いって。明日はお願いしますクリス様」
「ああ、じゃあそうしようか。何時に出発するの」
「朝食を食べてから、9時に出発します」
「わかった、じゃあ明日」
「はい、明日」
12
お気に入りに追加
361
あなたにおすすめの小説
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
私のスローライフはどこに消えた?? 神様に異世界に勝手に連れて来られてたけど途中攫われてからがめんどくさっ!
魔悠璃
ファンタジー
タイトル変更しました。
なんか旅のお供が増え・・・。
一人でゆっくりと若返った身体で楽しく暮らそうとしていたのに・・・。
どんどん違う方向へ行っている主人公ユキヤ。
R県R市のR大学病院の個室
ベットの年配の女性はたくさんの管に繋がれて酸素吸入もされている。
ピッピッとなるのは機械音とすすり泣く声
私:[苦しい・・・息が出来ない・・・]
息子A「おふくろ頑張れ・・・」
息子B「おばあちゃん・・・」
息子B嫁「おばあちゃん・・お義母さんっ・・・」
孫3人「いやだぁ~」「おばぁ☆☆☆彡っぐ・・・」「おばあちゃ~ん泣」
ピーーーーー
医師「午後14時23分ご臨終です。」
私:[これでやっと楽になれる・・・。]
私:桐原悠稀椰64歳の生涯が終わってゆっくりと永遠の眠りにつけるはず?だったのに・・・!!
なぜか異世界の女神様に召喚されたのに、
なぜか攫われて・・・
色々な面倒に巻き込まれたり、巻き込んだり
事の発端は・・・お前だ!駄女神めぇ~!!!!
R15は保険です。
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる