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本編

8.4 シスコとゴン

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 あれから父上達は大人だけで集まり話し合いが行われた。
 僕の決めた処罰の内容は甘いと言う意見が多く、親戚中がもっときつい内容にすべきだと言ったそうだ。さすがに身内での事、死刑と言う意見は出ないが、外への追放と意見が多かったらしい。
 結局、叔父さんが父上に誠心誠意謝り、さらに持っていた資産を半分ほど没収する事になったそうだ。
 反逆の意志ありとの疑いをかけられるような行為は大変なのだと言う事だ。だが、命のやり取りが無い範囲でまとまったので良かったし、シスコも小さいうちに矯正する事ができれば、大丈夫だろう。
 だが、このまま育てば間違いなく処刑への一本道だっただろう。早めの処分で良かった。

 処罰が公布され、シスコは母親と一緒にかなりきつい躾を受けているそうだ。家のばあちゃんも協力しているらしく、生まれ変わったかのように大人しくなっていると母上が言っていた。ちょっとやり過ぎるではないだろうかと心配になるが、春まで頑張ってもらおう。

 冬になり、頼んでいたおもちゃが続々と届けられた。僕は皆に説明をして興味のあるおもちゃを選んで貰う。最初に遊び方を教えて遊んでもらい、遊べるようになったら仕上げについて説明する。自分で自分用のおもちゃを完成させるのだ。

 長い冬なので、そのくらいの作業がなければ暇がつぶせない。木札で遊びつつおもちゃを作り、遊ぶ。そういう生活が続いた。

 ちなみに、ゴンは僕の護衛となったが、結局、子供の護衛ではやる事はあまりない。なんとなく去年と同じ扱いで、母上達の手伝いをする方が多かった。つまり水くみをしたり、掃除をしたり、食材運び等々だ。

 それではいけない。暇があれば絵札を覚えさせ、少しずつ文字や数字を教えた。
 体を鍛えつつ、頭も鍛えなければ。

 そうして繰り返しの演習をやらせた結果だが、ゴンは馬鹿では無かった。どうやら口下手なだけで頭はそれほど悪くない。

 あまり話さないのは、幼い時に父親が亡くなり母親が逃げ出し捨てられと言う精神的なショックが影響したのかもしれない。
 寡黙でまじめ、力持ち。
 3歳のこの体ではできない事が多い。色々な手伝いをしてくれそうで生活がしやすいそうだ。

 そんな中で凧糸が完成し、凧を完成させた。
 そして、冬の晴れた日に凧を飛ばした。僕にとってはとても懐かしい行為だったが、皆は初めて。空を鳥が以外の物が飛んでいる、そして自分でそれを飛ばせることに感動していた。ただ、やっぱり寒くてすぐに部屋に入った。
 割と南側の地域なのだが、ここは盆地なのだろう。夏は暑いし、冬は寒い。
 正月の時期に外での凧あげは、ちょっときつかった。

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