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本編

6.2 今度は守護霊?

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 おや、何かを見て満足したような気がするのだが、なぜかフワフワと浮いたり、沈んだり。そんな感じがする。
 僕は、どれだけの時間をそうして過ごしただろうか。
 ふと、気が付いたら生まれたばかりの子供だった。
 それからも時折、記憶がよみがえるようだ。しばらくすると意識が消える。それが繰り返される。
 意識のある間は、静かに考え事をしていた。きっと、物静かな赤ちゃんだと思われていただろう。

 母親はどこかで見たことのある顔だった。どこだろう。あまり思い出せない。父親はまったく知らない顔だ。なかなかのハンサム。イケメン。この世界ではなんと言ったか。

 その後、不安定な状態を繰り返しつつ、2歳の頃にほぼ常に覚醒した状態になった。

 今までと全く違うパターンの転生だ。

 そもそも、今回の転生は神様の所に戻った覚えがない。そして前世について今まで以上にとても曖昧な記憶しかない。異世界の知識もある。この世界の知識もある。アクアオルギュスだった時と、アースアシュリーだった時の事は、おぼろげに覚えている。
 不思議な感覚だ。

 どうやらここは、前回生まれたところよりも暖かい。どうやら南に生まれたようだ。今世の僕の立場は、騎士爵の家に長男として生まれたようだ。姉もいないので最初の子供だ。
 王子、伯爵、子爵と来て、男爵を飛び越してほぼ平民の騎士爵。貴族からは平民の仲間と見られ、平民からは貴族とみられる。貴族としての義務はあるが、権利は殆どない、一番厄介な爵位ではないだろうか。ポジティブに考えれば最も平民の近くでそれなりの生活を保ちながら庶民らしく堅苦しくない生活ができるとも言える。

 さて、そんな騎士爵の家は、やはり伯爵家や子爵家と比べてはるかに小さい。それでも日本で庶民として暮らしていた家よりは大きいと思う、あまり思い出せないけど。
 その経験から推察すると一般の家と言うよりは、寄り合い所や幼稚園に住んでいるような感じだ。
 なぜなら夜は家族と使用人だけの家になるが、昼間はこの家に街の小さな子供達が全員集まってくる。皆で子育てしているようだ。主の子供も平民と一緒に集めて育てられる。
 また、夜になると良く会合が行われているし、そのまま良く宴会になる。実に庶民らしい感じだ。

 僕の新しい名前はクリスだ。今までと違いアから始まっていない。
 覚醒してからしばらくするともっと意識がはっきりとしてきた。そして少しだけ記憶も思い出せた。誰かに似ていると思っていた母親は、アースアシュリーの母に良く似ていた。
 この国がアッサンブルク王国だから、母上と血のつながりがあるのかもしれない。ランバート伯爵家が没落した事が影響したのか、母の系統も騎士爵に嫁げるぐらいに没落した親戚がいるのだろう。2歳児が細かい質問をするわけにもいかず、推察しかできない。
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