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第3章 竜の襲撃

3.2.3 竜の退治

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 敵は、最前方にジェネラルが2体。
 その後ろにロード2体、キング1体だ。

「エインズワース伯爵、加勢に来ました。
僕の光の剣なら対抗できます。
ジェネラルの剣を切り落とすので、後を頼みます」

 瞬転で移動可能な距離になった瞬間にジェネラルの近くに移動して剣を持つ右手を光の剣で切り落とす。
 無理をせずに一旦離れる。
 そしてもう一体のジェネラルの前に現れて剣を切り落とす。

 急に現れて、ジェネラルを切り落としたので、ロード2体とキングが防御態勢に入った。
 ロードが盾の後ろに入り、キングを守る。

 貴族の騎士達は、体制を整え、剣の無くなったジェネラルを攻めはじめた。
 ジェネラルは盾を持っていないので、左手一本で防御しながら攻撃を防いでいる。
 
 ロードは盾の後ろから、ジェネラルを攻める騎士に魔法を撃って来た。
 僕も、魔法結界を作り出して攻撃を防ぐ。
 魔法結界のレベル9は、9割の効果を減少させるので、ダメージがほとんど無い。
 僕の魔力は多いと言うのを自負しているが、それにしても相手側の魔法攻撃が多すぎる。
 なぜか、ロードに対して鑑定魔法で魔力残量を調べる事が出来ない。
 同じようにキングもだ。
 何かのスキル防御機能があるのだろうか。

 さっきの戦いでジェネラルですら魔力が尽きるまで10分間もかかった。
 魔法に特化したロードではどちらの魔力が先に尽きるかわからない。
 不安材料を払拭するには、光の剣で戦ってみるしかなさそうだ。
 
 ステータス的にロードは僕の方が力も素早さも上。
 どうやらロードは近接戦に弱いようだ。
 瞬転で近づいて盾を含めて切ってみよう。

 意を決して、瞬転でロード1体の前に出る。
 急に目の前に移動しても、どうやら盾で僕の姿が見えていないらしい。
 光の剣で正面から切る。

 すっと、もう1体の横に移動しながらそちらも切る。

 なんとも、こんな感じで良いのだろうか。
 近接戦が弱すぎる。
 まったく抵抗もなく、すっぱりと切られた2体のロード。
 
 油断すると良くないので、瞬転で後ろに跳ぶ。
 これで残りキングのみ。

「残りキング1体ですが、ジルベール様一人で大丈夫ですか?」
「うーん、ステータスを見る限りでは無理かな。
ジェネラルとも比較にならないぐらい強いよ」
「でしょうね。
ジルベール様、私も行きます。
傷はつけられませんが、身体強化を最大にすれば打ち合いぐらいできるかもしれません。
私が剣の相手をすれば、ジルベール様の分優勢になれるかもしれません」

「でもさ、僕の身体強化は、倍率上げると、常時じゃないんだよね。君たちの速度について行けない気がする」
「大丈夫です。
ジルベール様なら出来ます。
行きましょう。
だめなら、ジルベール様だけ下がってください。
私が、なんとか逃げるタイミングを作ります」

「まあ、やってみるか。じゃあ行きは瞬転で移動して相手の後ろに跳ぶ。
卑怯だけど一発目は後ろから切る。その後は任せる。捕まって、両手は剣を握りたい」


 身体強化も最大にする。息を整える。
「行くよ。瞬転」

 いきなりキングの後ろに出る。
 僕は振りかぶった剣をそのまま降ろす。
 かなりの速度だったはずなのに、後ろに目があるのか剣を剣で止められた。
 入れ替わるようにトシアキとキングの打ち合いが始まる。
 だめだ、剣は光の剣で切ることが出来ない。
 どうやら違う部材で出来ている。
 近づいたので、剣の鑑定が有効になった。
 どうやら暗黒剣と書かれている。
 闇属性を持つ剣だ。
 良く見ると盾も闇属性だ。
 鎧だけが竜の鱗。

 僕が、偶に剣の撃ちあいに入り込む。
 だけど、今の身体強化でも、キングの速度と力の強さに押し負ける。

 まずいな。
 撃ち合って、後ろに押された瞬間に、トシアキをつかんで瞬転で下がる。

「トシアキ、剣と盾が闇属性だ。
光の剣だと切れない。
僕の剣の方にダメージがきてる」

「まずいですね。
私も厳しい感じでした」

 あちらも一息入れるのか追撃が無い。

 息を整える。

「だめだなー、どうしようか」
「闇属性の武器なら、ジルベール様の得意な複合魔法で壊れませんかね。
ロードいないから魔法防御ないし。
本人が無事でも、武器が壊れれば勝機ありですよ」
「あ、そう言われると。じゃあフェニックス撃ってみるか」

 瞬転でちかづいて、複合魔法フェニックスを撃ちこむ。
「フェニックス」
 そして、再び後ろに下がる。

 おお、轟々と燃えてる。

 魔法の効果が終わり、キングの姿が見える。

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