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第1章 誕生期
1.10.2 アメリ・アインスロット
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「学園長から知らせが来ている。試験もトップだったらしいな。アンジェリカが一番だと思っていたが、それを抜いた者がリリアーナの秘蔵っ子だったとは。納得だ」
「それで、アメリのことですが大丈夫でしょうか」
「アメリちゃんの事は任せてちょうだい。私が学園を卒業するまで責任を持つわ。アメリちゃんは学園に通う間この家に住んで、アンジェリカと一緒に通って頂戴。もうこんなかわいい子が私の子供なんてとても嬉しいわ。そうそう馬車での送り迎えもするわ。アンジェリカが行くところしか行けないでしょうから2人の専属はアンジェリカと共有で良いでしょう。護衛のできる侍女が辞めて困っていたのよ。専属は1人に1人しか付けられないでしょ。2人一緒なら2人送り込めるでしょ。これで護衛と侍女の1人ずつで対応できるからこちらも助かったわ。アメリちゃんは青い服が好きなのかしら。でも緑の淡い服も合いそうね。さあさあ楽しみだわ。用意した服だけで足りるかしら」
話かけてきたのはカトレア様だ。
カトレア様はピンクの髪で、いつもキラキラのオーラをまとっている。
存在するだけですべてが許されそうな不思議な雰囲気を持った女性だ。
彼女の家系の長女だけにその特徴が受け継がれるらしい。
カトレア様の話し方は、途中で話を切らず、早口で言いたいことを全部言う。
こちらが何を答えるのか忘れてしまいそうになる。
「住み込みまでさせて頂けるのですか」
単に推薦書を貰いに来ただけのつもりであった私は、驚きの声を上げてしまった。
「なにを言ってるのよ。リリアーナちゃんと私の仲じゃない。困っている時はお互い様でしょ。私達のほうも渡りに船って説明したでしょ。それに私が子供好きだと知っての頼みでしょ。私、娘が増えるのがすごく嬉しくて。もう衣装も準備済みなのよ。青はあまり用意してないのよね。でもピンクも着れるでしょ。新しいタイプのドレスも似合いそうね。アンジェリカと違うタイプだもの、たくさん服を用意できて嬉しいわ」
「おかあさまは、私の服の準備だけでは不足だったらしいの。学園で着る服は地味だしあまり沢山用意しても着る機会は少ないでしょ。2人分の用意が出来ることになってとても助かったわ。着せ替え人形の時間も半分だし」
私は、既に衣装が準備してあるとの事に驚きが隠せなかった。
学園では派手な衣装を着るのではなく、決められた色合いの割と地味な服を着ることになっている。
学園は勉強をするところだ。
衣装が自由となると衣装合戦になってしまう。
それを避けるために学園内ではそれほど自由度のある服は無い。
皆が似たような服を着ている。
もちろん休みの日や、学園で開催されるお茶会などのいろいろな行事がある。
その時は制服以外も必要になる。
この学園時代の社交はとても重要なイベントだ。
「アメリちゃんは家の子になるのだから、これからはアメリと呼ぶわね。アメリはこの家にいる時は私の事をカトレア様ではなく『おかあさま』と呼んでね。さあ、まずはアメリの衣装を確認よ。調整が必要だからお部屋に行きましょう。あなた後は任せるわね。さあアンジェリカもいらっしゃい」
そういって、カトレア様はアンジェリカ様と一緒にアメリを連れて行った。
あっけにとられた私を見て、ファール様が声をかけてくれた。
「まあ、カトレアに任せておけば問題はあるまい。それよりもリリアーナ、今回の件は女王様の耳にも届いているようだ。アメリは、女王陛下お気に入りのアンジェリカよりも成績が良かったのだからな。女王陛下から呼び出しがあった。1週間後に王城へ挨拶に行かねばならん。アメリの服は準備済みだが、そなたの方は大丈夫か」
「え、陛下への謁見ですが、すいません。準備は出来ていません」
「侍女長、やはり用意はないそうだ。家のドレスを出してあわせてくれ。後でカトレアに確認してもらえ」
私は、侍女長に連れられ用意されたドレスに着替え、3つほど候補を絞り込む。
最後にカトレア様がご自分の宝石と合わせたドレスを選んでくれた。
謁見の日はファール様、カトレア様、アンジェリカ様と共にアメリを連れて王城へと向かった。
「それで、アメリのことですが大丈夫でしょうか」
「アメリちゃんの事は任せてちょうだい。私が学園を卒業するまで責任を持つわ。アメリちゃんは学園に通う間この家に住んで、アンジェリカと一緒に通って頂戴。もうこんなかわいい子が私の子供なんてとても嬉しいわ。そうそう馬車での送り迎えもするわ。アンジェリカが行くところしか行けないでしょうから2人の専属はアンジェリカと共有で良いでしょう。護衛のできる侍女が辞めて困っていたのよ。専属は1人に1人しか付けられないでしょ。2人一緒なら2人送り込めるでしょ。これで護衛と侍女の1人ずつで対応できるからこちらも助かったわ。アメリちゃんは青い服が好きなのかしら。でも緑の淡い服も合いそうね。さあさあ楽しみだわ。用意した服だけで足りるかしら」
話かけてきたのはカトレア様だ。
カトレア様はピンクの髪で、いつもキラキラのオーラをまとっている。
存在するだけですべてが許されそうな不思議な雰囲気を持った女性だ。
彼女の家系の長女だけにその特徴が受け継がれるらしい。
カトレア様の話し方は、途中で話を切らず、早口で言いたいことを全部言う。
こちらが何を答えるのか忘れてしまいそうになる。
「住み込みまでさせて頂けるのですか」
単に推薦書を貰いに来ただけのつもりであった私は、驚きの声を上げてしまった。
「なにを言ってるのよ。リリアーナちゃんと私の仲じゃない。困っている時はお互い様でしょ。私達のほうも渡りに船って説明したでしょ。それに私が子供好きだと知っての頼みでしょ。私、娘が増えるのがすごく嬉しくて。もう衣装も準備済みなのよ。青はあまり用意してないのよね。でもピンクも着れるでしょ。新しいタイプのドレスも似合いそうね。アンジェリカと違うタイプだもの、たくさん服を用意できて嬉しいわ」
「おかあさまは、私の服の準備だけでは不足だったらしいの。学園で着る服は地味だしあまり沢山用意しても着る機会は少ないでしょ。2人分の用意が出来ることになってとても助かったわ。着せ替え人形の時間も半分だし」
私は、既に衣装が準備してあるとの事に驚きが隠せなかった。
学園では派手な衣装を着るのではなく、決められた色合いの割と地味な服を着ることになっている。
学園は勉強をするところだ。
衣装が自由となると衣装合戦になってしまう。
それを避けるために学園内ではそれほど自由度のある服は無い。
皆が似たような服を着ている。
もちろん休みの日や、学園で開催されるお茶会などのいろいろな行事がある。
その時は制服以外も必要になる。
この学園時代の社交はとても重要なイベントだ。
「アメリちゃんは家の子になるのだから、これからはアメリと呼ぶわね。アメリはこの家にいる時は私の事をカトレア様ではなく『おかあさま』と呼んでね。さあ、まずはアメリの衣装を確認よ。調整が必要だからお部屋に行きましょう。あなた後は任せるわね。さあアンジェリカもいらっしゃい」
そういって、カトレア様はアンジェリカ様と一緒にアメリを連れて行った。
あっけにとられた私を見て、ファール様が声をかけてくれた。
「まあ、カトレアに任せておけば問題はあるまい。それよりもリリアーナ、今回の件は女王様の耳にも届いているようだ。アメリは、女王陛下お気に入りのアンジェリカよりも成績が良かったのだからな。女王陛下から呼び出しがあった。1週間後に王城へ挨拶に行かねばならん。アメリの服は準備済みだが、そなたの方は大丈夫か」
「え、陛下への謁見ですが、すいません。準備は出来ていません」
「侍女長、やはり用意はないそうだ。家のドレスを出してあわせてくれ。後でカトレアに確認してもらえ」
私は、侍女長に連れられ用意されたドレスに着替え、3つほど候補を絞り込む。
最後にカトレア様がご自分の宝石と合わせたドレスを選んでくれた。
謁見の日はファール様、カトレア様、アンジェリカ様と共にアメリを連れて王城へと向かった。
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