旧転生者はめぐりあう

佐藤醤油

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5部 10歳後半

5.21 シドニア再び

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王都の見学は、つつがなく終了。
大聖堂を含め歴史的な建造物の見学や、治水所、
これから行く高校や騎士戦術大学、魔法大学の見学もあった。

ついでに付いて行ったが、私は王都の事をあまり知らなかったので、勉強になった。
今までもたまにスーとマリアと市内をこっそり回るぐらいだったし。

見学も終り、城に戻る。
今日の夜は大きなパーティがある。
ルカ王子と、サフィーナ様は一足先に社交デビューだ。

もともと、シドニアから帰ってきた後、王太子の宣言前に社交デビューしておく必要があったので予定通りの開催日が、丁度シドニア王妃達の帰る前日でした。
シドニアの王妃も非公式の訪問ですが参加してます。
参加者にはシドニアで戦争があり私がそれをシドニアに被害が無い状態で納め、その報告を含め非公式にシドニアの王妃が来ている事が伝わっています。
いちおう、王妃達は、連日遊んでばかりいたわけではないようです。
転移ボックスを使ってシドニアとの手紙でちゃんと仕事をしてました。
王様が、王妃がいてくれたから、手紙に無い情報を直接聞き情報を補間でき話がスムーズに進んだと言ってました。

我々、子供達はパーティに関係ないので、子供達だけで裏で夕食会です。
シドニアの元王妃2人もこちらにいます。

今朝のうちに案内が出され、クリシュナ様も呼ばれてます。
みんな、その意図は解っている様で、シドニアの王女達は、クリシュナ様を見てちょっと緊張してました。

しかし、予想通りというか、リアン様はそんなことに動じることも無く、
クリシュナ様にも平等にそして丁寧に対応します。
そして、全体を見て妹たちとクリシュナ様が上手く話が出来るようにしてました。
もともと、自分が候補とも思っていないのだろうか?
うん、やっぱりこの人すごく良いよね。
私が、スーにそういう話をしていると、

「そうね。マリアタイプね、顔のレベルは違うけど、
 将来も、2妃様が大きいから胸は同じぐらいになるのかしら」

と、スー私と同じ話してますか?

「フィリップ王子の相手としてだよ?」
と念ため確認すると、

「あらジルさまの妾にするって話じゃなかったのですね」
「スーとマリアという世界一の美少女が2人もいるのに、そんなことあるわけないじゃないですか。
それに、1国の王女を妾ってありえないでしょ」

「あら、うふふ。冗談よ」
となんとなくあしらわれた。
なんか変だな?

----------------------

その次の日、全員をシドニアの送り届けた。
到着後に王様に引渡しの挨拶をして、一度解放。

そして、シドニアにいる大隊長から一連の報告を受けた。
結果は予想以上の成果でした。
シドニア国内での謀反を起こそうとしていた犯人が逮捕されました。
ルカ王子達を捕まえて、グランスラム帝国に亡命するつもりだったようです。

そして、夏に我が領地を襲わせた犯人も先日王城での毒混入の裏の犯人も同じ人物でした。
ラルクバッハの貴族と思っていましたが、国外の貴族が手を貸していたようです。
この貴族は、ラルクバッハに店を出しているようなのでラルクバッハに帰ってから店調べるそうです。
ただし、まだグランスラム側に本当の親玉がいる。
ばれないように死体まで始末しに来た、グランスラム帝国の魔道士。
そしてその魔導師を送り出した真犯人。
残念ながら、魔道士の容姿などは不明で、捜査はそこまででした。

そして、その報告を聞い後、エリンを連れラルクバッハへの移動です。
エリンを迎えにまずは、謁見の間に行きます。
中に入ると綺麗なドレス姿のエリンがいました。
花嫁衣装ではありませんが、貴族の普段着よりも遥かに良いドレスです。
王様から、私にエリンを専属侍女として譲るとの言葉がありました。
エリンは、王様、王妃様方から激励の言葉をかけられ、王様から私へエスコートの引渡しがありました。
なんでしょ、すごく緊張します。
なんだかすごい式典なのでしょうか。
まるで、ちょっと変わった結婚式の様な雰囲気。

次に、王妃様に案内され、もしかして、後宮へ移動しているのかな?
エリンをエスコートしたまま、侍女達が待つ部屋や。

100人近い侍女達から祝福を受け、花びらが舞い散る中侍女達の中を抜けて庭園に出ました。
いや、これ完全に結婚式だよね。
よいのか、相手が10歳の子供なのに。
庭園で、3人の王妃様から贈り物を受け取り、どうやら終了したようです。

旅立ちの許可が出ました。
普段は、馬車での移動になるそうですが、私たちはこのまま転移するので、
このまま王妃様に見送られたまま庭園から1回目の転移。
中間地点に移動。

移動先でちょっと無駄話。

今の式典、すごかったねーなどとと、エリンと色々会話して、
さあ、そろそろ次に行こうかと言ったら、

エリンが、
「ところで、ジルベール様、大隊長さんや、他の兵の方も一緒に帰ると聞いてましたけど、後で迎えに来るのですか?」と。

あ、完全に忘れてた。
で、慌ててもう一度 城に戻る。

先ほどの後宮の庭ではなく、王城前の広場で大隊長が待ってました。
そうそう、ここで待ってるって言ってたわ。

そして、大隊長は、顔面蒼白で立ってました。
どうやら、後宮の庭から帰ったという話を聞いてしまったらしい。

「ごめん、ごめん、王妃様に見送られたから、先に移動しなきゃと思って」と言うと、
「ホントですか、レオン王に置いて行けって言われた訳じゃないですよね」

「いやいや、それは無いよ。単に私が忘れてただけだから。うん。じゃあ帰りましょうね」
「うわ、正直に言われた。マジっすか。私、そんなに存在感無いですか」
「いや、そんなことないよ。思った以上にエリンが可愛くて、忘れてただけだから」
と言ったら、大隊長があらためてエリンを見て「天使だ」と言った。
「あ、この子私の専属侍女だから、見ちゃダメだよ」
というと、ショックを受けたようだ。
大隊長さんは、年を食っているが、独身です。

今度はきちんと移動。
途中で4人の兵士の方々も回収した。
兵士達がエリンに驚いてた。
美しすぎる侍女さんですねーって。
さすがジルベール様。
とか、いろいろ言われた。

みんなエリンを褒めるが、別に悪い気はしない。
何気に私の前で、エリンに自己紹介して、自分をアピールしようとするので、
そこはきっちり止める。
そして、まずはラルクバッハの王城へ。

大隊長さんは、王様に挨拶に。

私は、王妃様方へ、エリンを紹介に。
だって、連れて来いって言われたから。
王妃様は、エリンを見て、皆の第一声は「まあ、かわいいわね。お人形さんみたい」だった。
そして、2妃様が「1妃様の若い頃に似てなくも無いわね。ちょっと縮めた1妃ね。
同じ国だから、何か関係があるのかしらね」だって。
エミリア   髪  青に、両緑。 170cm
エリン     髪 薄い青に、両緑。 153cm
髪の色は、エリンの方が薄めの青だが、目の色は一緒。
ありゃりゃ、並ぶと似てますね。
大きさが段違いですけど。
エリンは、ニコニコ笑顔系なので、印象的には3妃様かと思ってたけど、
顔の輪郭や造りは1妃様に似てた。
侍女服の時は、きちっとしていたけど、今日の様にドレスを着ると印象が違う。
言われると、確かにそうだ。
今日は化粧も違うし、服装も違う。

そして自己紹介を始め、王妃様が、エリンにいろいろと質問したいことがあるから、
マリアと話でもしてこいと言って部屋を追い出さた。
スーは、学校だって。
うーん、3人とも今日は、顔が怖い。

マリアと適当に話をしていたら、シドニアの王妃達とこの侍女の件はもめたらしいと聞いた。
え?
侍女の連れ出しが、ダメって話じゃなくて、だれが教育するかって事で。
公爵家の専属侍女として、教育が足りないから、ラルクバッハで教育をする。
ラルクバッハには、迷惑はかけれない、それならばシドニアで完遂させると、シドニアの2妃が言ったらしい。

でも、こちらの2妃様が、私が教育するとかなり強く押したらしい。
エミリア様は、シドニアも、ラルクバッハの違いも解ってるから、
自分が、教育しようかと言う話があったが、先生としては頼むけど責任者は2妃様になった。
いや、なんでそんなに気合入ってるのかな?
と聞いたら、ジルさま、2妃様の命の恩人ですからね。
それにお友達も救ったところだし、2妃様がなにかしてあげたかったみたいですよ。
と言うことらしい。
ふーん。
じゃあ、とりあえず任せたほうが良いって事ですね。


暫くすると王妃様がエリンを連れて来た。
2妃様から
「もともとシドニアの王城で働いていたので、基礎はできていますが、
公爵家の専属侍女としては、まだ教育が足りません。
1ヶ月王城で教育し、公爵家でも通用する侍女としてからジルベールに渡します」と。

そして、3妃様から、
「メルミーナ家の筆頭侍女と執事が引退すると言う話があります。
不足の教育は、あなたの領地でも受けれるようにお願いしようと思ってます」
と言う話があった。

そうですか、やけに気合が入っている2妃様が少し怖かった。
「えっと、今日は一度連れて帰って明日からでも」
「だめです。1日でももったいない。今日から教育を始めます」
「よろしくお願いします」
と伝えて、エリンを人質に置いて、家に帰った。
ドナドナされちゃった。
エリン、ごめんね。

家では、エリンの歓迎会の準備がされていたが、1ヶ月延期と伝えた。

エイミーが
「超残念。何でー。
  1日ぐらい連れて帰ってきても良かったでしょ」と。

私が「王妃様が真剣な顔で怖かった」というと、
「そうか、王妃様怒らせると怖いからね。しょうがない。
じゃあ、エリンの分は私が食べちゃおうかな。
あ、じゃあ、今日も一緒にお風呂入ろうね」
と言って自己完結していた。

お母様は、公爵家でも通用する侍女がいなかったから教育は助かると言ってます。
それに、メルミーナ公爵家の筆頭侍女が来るのも安心していた。

お母様は、迎え入れる準備をしなきゃと。
はりきってました。
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