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5部 10歳後半
5.15 報告 そしてシドニアの英雄に
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朝シドニアからラルクバッハ国まで転移し、王様に報告してからすぐにシドニアに戻る。
生きていた敵の兵士を回復させ、そして馬車でここまで。
とっくに昼を過ぎ病院で遅めの昼食をとって、大隊長の用事が終わるのを待つ。
そろそろ帰るか、と思ってました。
しかし大隊長から次のお願いが。
更にシドニア王国の王都に転移してシドニア王へ報告ができないかと。
いやいや、このおっさん無茶言うな。
結論をズバッと。
行ったことがないところには転移ができないと伝えた。
ただし、ここからシドニアの王都までなら2時間以内で移動できる方法があると伝える。
「ジルベール殿が問題ないなら、ぜひお願いしたい」と言う返事でした。
へいへい。
移動前にシドニアの地図を貰った。
一般人向けに他国の詳細な地図は売っていない。
私が持っている地図はすごく粗い地図だ。
ようやく今自分のいる位置を正確に把握した。
シドニアは、ラルクバッハほど大きくはない。
温暖な気候に肥沃な土地。
人が住めない魔物が出る北はラルクバッハが防衛している。
建国時代にスーレリアの兄が、グランスラムからの緩衝地として作った国だ。
基本的な法や、習慣はラルクバッハと一緒。
祈る主神がラキシス様。と言う違いがあるぐらい。
移動はしても良いけど、送迎代金はちゃんと払ってねと。
大隊長は、”払ってねで” ビクッとした。
「たぶん大丈夫だ。王子を助けてくれたのだから、王様から絶対に何か褒美が出る」
と自信を持って返事をされた。
はいはい。
まあ期待してないけどね。
とりあえず外にでて、帰ってくるための魔法陣を病院の庭に埋める。
そしてその場で、ガルダを召還。
びびる大隊長。
一緒に連れてきた2名の兵士は病院に居る兵士の面倒を見ながら、このあたりの調査を継続するそうです。
で、有無を言わさず大隊長をガルダに乗せて移動開始。
1時間を少し過ぎたぐらいで大きな城が見えた。
ですけど、あれ?
城の奥の方、50kmほどさきでしょうか。
高空から見ているので、かなり遠いところも見えます。
なんかやばくないかな。
火事?
兵士達が争っているように見える。
煙が何本も上がり、土けむりも見える。
訓練?
とりあえず、王城を一旦通り越し、争っている上を旋回して様子を見る。
大隊長の意見を聞くと、シドニア兵とグランスラム帝国の兵士が戦っているらしいと教えてくれた。
え、戦争って始まってるの?
先頭部分の小競り合いの部分は、1000人ほど。
後ろに控えるグランスラム帝国1000人ぐらいの部隊が4つ。
さらに後方に、兵糧だろか、荷馬車置いてありそれを守ったり移動させたりする人員がいる。
そこに大部隊、全部で5000人を確実に超える規模。
補給含めて最大で1万人ぐらいだろうか。
この国は王都から僅か50kmほどに国境があり、毎年の様に1000~2000人で攻めてくる戦いか必ず行われているそうです。
しかし、いつもは後ろにあれほどの大部隊が控えていることがないとの事。
国境に近くに王都がある理由は100年前の戦争で領地を一部グランスラム帝国に取られたからです。
王様から助けられるなら支援して欲しいとは言われてましたが、どうするんだろ。
大隊長にどうするか指示を仰ぎます。
大隊長が私に魔法で上から攻撃が出来るか聞いてきました。
するとガルダが暴れても良いかと聞いてきた。
大隊長にガルダが攻撃できると言うと、頼むとの事。
許可が出たので、ガルダに攻撃を了承する。
ただし、シドニア兵がいる前方と後ろの荷馬車と明らかに防具すら着てない一般人には攻撃しないように念を押す。
ガルダが、後方に控えるグランスラム帝国の兵士の中央部へ低空で滑降し、大部隊の前方、騎士と思われるグループに火の塊を放つ。
大爆発と共に、グランスラム帝国の兵士が大量に消えていく。
そのあともグランスラム帝国の兵士に数回程の炎の攻撃を繰り返し、ほぼ全滅させた。
前方の1000人はシドニアと混戦状態だったのでガルダは、攻撃していない。
残りの1000人の4つの部隊は、ほぼ全滅。
後方の大部隊は、前半分が攻撃でボロボロ。
後方の一般人2000人ほどは無事。
つまり、無事なのは合計3000人だけ。
さらに攻撃を受けたところの該当兵士7000人の8割がおそらく死んでいる。
グランスラム帝国の残存兵士は多くても5割。
ガルダは、久しぶりに暴れることができたとご満悦。
いやいやガルダさん、やりすぎじゃね。
私は油断していた。
まさか一瞬でここまでの被害を出すとは。
攻撃を許可すると急に速度が上がり大きく揺れた。
私はガルダの上で落とされないように大隊長を抑えながらしがみついて、気がついたらこうなっていた。
ガルダの攻撃はガルダが神界から持ってきた魔法力のほかに、私の魔力もある一定割合で使われる。
魔法力も底をつきかけいるしどう考えてもやりすぎだ。
とにかくもう戦闘は終わり敵は逃走を始めた。
建国王のシン、ああ、本当は自分らしいけどこんなすごい力を持つ聖獣を良く従えたものだ。
どう考えても自分よりも圧倒的に強い気がする。
神格化して、対応できるか、疑問だ。
攻撃を止めて、敵の上を数周周回。
敵が敗走し、国に戻り始めたのを確認したので、我々も王城へ向かう。
王城の庭に手旗信号で呼びかける人がいたのでそこに降り立つ。
先ほどの攻撃を城から見ていたのか、大歓声で迎え入れられた。
そして、ガルダから降りたら、英雄として向かられらる”大隊長さん”。
いや、良かった良かった。
ラッキー勘違い。
私もガルダから降りてガルダにこのまま王城に居ても大丈夫か尋ねる。
攻撃で腹が減ったから豚2頭を丸ごと欲しいと言う答え。
大隊長に伝え、シドニアの兵に用意できるか聞いてもらった。
ガルダの面倒を見ると言ったシドニアの兵にまかせ、我々は王城の中へ。
私は、大隊長の後ろにくっ付いていく。
どうやら、大隊長の子供と思われているようだ。
それはそれで気が楽だ。
丁度良いのでこのまま誤解してもらい、大隊長に英雄をやってもらおうと思っていた。
「英雄様どうぞ」と偉そうな衛兵が王様の下へ案内してくれた。
そして”謁見の間”の扉前に到着。
大隊長だけが謁見の間に入り、私は兵士に止められた。
はいはい、おとなしく待ってますよ。
扉前から下がる。
気がついた大隊長が、急いで私を抱き上げて謁見の間に連れ込まれた。
中に入ってから、大隊長に
「面倒くさいから外で良かったのに」
と言うと
「そんなこと言わないで、ちゃんと誤解を解きましょう」
というが、シドニアの兵のあの盛り上がり、いや、もう無理でしょ。
英雄になったんだから頑張ってね。
とくだらない会話をしていると王様が登場した。
王様が、まず初めにお礼を言ってきた。
そして、ラルクバッハ王国の兵士だと思うが、自己紹介をして欲しいと。
大隊長が、自己紹介を行い状況の説明をする。
王子が襲われたこと、そしてジルベールが助け、王子は今ラルクバッハ王国の王都に無事帰還した。
調査の為に現地に戻りこちらの王に、王子の無事を伝えに来たら、
戦争が始っていたので手伝ったと一通りの事を伝えた。
そして、私に自己紹介をしろと大隊長が言うので
「ラルクバッハ王国の第1王女スザンヌ様、第2王女のマリア様と
婚約を結んだジルベール・クロスロードと申します」と挨拶をした。
すると、婚約は国外にも連絡されていたし、ルカ王子が来ていたので話が出ていたのだろう。
「そうか、ルカ王子から規格外の男子と聞いていた。
話半分ぐらいだろうとあまり信用していなかったが、噂以上だったようだな。
ジルベール殿、お主のおかげで助かった。
礼を言う。
今夜は食事を取り、ゆっくり休んでいって欲しい」と続けて
「できれば、明日は、英雄のためにパーティを開きたいのだが」と言うので
「では、これを残しますので、どうぞ」
と大隊長を差し出した。
「ぶわはははは。しゃれが上手いな。
すまない誤解したもの達の事は、詫びよう。
すまぬが、冗談抜きで、本気で頼む」
「私も結構本気だったのに。
私は、社交にはまだ出ていません、出席は、昼間の行事だけでよろしいでしょうか。
夜は、大隊長さんで我慢していただきたいです。
それと、明後日には帰ります。
こちらのわがままで大変申し訳ありませんが、予定していなかった滞在なので早めに帰らさせて頂きたい。
王への報告もありますし」
「うむ。長くは退き止めできぬのは承知している。よろしく頼む」
そしてそのまま王が今回の件について見解を話してくれた。
おそらくラルクバッハの王子を人質にラルクバッハからの応援が来ないようにした上で、この国を攻める算段だったのかも知れない。
ちょうどグランスラムが攻めて来る少し前に部隊へ早馬が着いているのを確認している。
恐らく王子達を確保したという連絡だったのだろう。
グランスラムは通信機の魔道具を持っているから、後方部隊にある通信機で連絡を受け前線へ伝えに来たのだろう。
グランスラムは、今回1万の兵で攻めてきた。
さらに後方にまだ兵がいるようだ。
追加応援が来て追い出されては侵略した意味が無い。
そこで、ラルクバッハの応援がなければ近隣国もシドニアの到着できないので、難なく征服できる。
今回のルカ王子たちの襲撃は、それが狙いだろうと言うことでした。
恐らくはずっと滞在し侵略し続けるのではなく、時間を稼ぎ食料や財宝を運び出すことが狙いだったかも知れない。
その後、部屋を出て今日泊まる部屋に案内された。
食事が出るまで時間があるそうなので湯浴みして着替えて欲しいと。
侍女に連れられ、体を綺麗に洗われた。
久しぶりにゆっくりと湯に入った。
着る物をどれにするかと言われたので、とりあえず服をマイボックスから何着が取り出しどれが良い?と聞く。
突然空間から出てきた服に驚くが、自分達が用意した服と目の前にある服で上手くコーディネートし、髪型を整えられると、なんかおしゃれな格好になった。
珍しく、鏡の前でチェック。
前、横。
うん、良いな。
侍女の方を向いて
「どうですか?」とにっこり笑うと、緊張した顔がにっこり笑顔になり
「はい、とても良いと思います。お気に召して頂けたでしょうか?」
と聞いてきたので
「はい、とても」と答えておきました。
この子、センスが良いかも。
とりあえず、優種な人材は確保したいな。
少し自己紹介をして、侍女さんの事も聞き出す。
まず名前を聞く。
この侍女さんは、エリンと言うそうです。
ちょっと小さめの身長だがわりと可愛い。
16歳から王城で働き始め、今18歳だそうです。
食事までの時間に少し話をしてみたが感じの良い子だった。
食事に行く前に
「突然ですが、この国での滞在時間も少なく、チャンスがそうあるわけでは無いと思いますから言っておきます。
エリンさん、私の住む国に来て私の侍女になって頂けますか?
突然の事だし、異国に行くことなので簡単に返事ができると思えませんが、明後日までに返事をもらえないでしょうか。
私は転移ができるので移動の時期は相談出来ますから」と誘っておきました。
即答は無く、考えておきますと返事をしてくれた。
気楽に声をかけてしまったが、そう都合よく異国の地にほいほいと付いて行く事は無いよな。
期待せずに返事を待ちましょう。
【後書き】
後のほうで領地が返還されるとしたので、辻褄あわせでここに下記を追加してます。
2017.01.02
国境に近くに王都がある理由は100年前の戦争で領地を一部グランスラム帝国に取られたからです。
生きていた敵の兵士を回復させ、そして馬車でここまで。
とっくに昼を過ぎ病院で遅めの昼食をとって、大隊長の用事が終わるのを待つ。
そろそろ帰るか、と思ってました。
しかし大隊長から次のお願いが。
更にシドニア王国の王都に転移してシドニア王へ報告ができないかと。
いやいや、このおっさん無茶言うな。
結論をズバッと。
行ったことがないところには転移ができないと伝えた。
ただし、ここからシドニアの王都までなら2時間以内で移動できる方法があると伝える。
「ジルベール殿が問題ないなら、ぜひお願いしたい」と言う返事でした。
へいへい。
移動前にシドニアの地図を貰った。
一般人向けに他国の詳細な地図は売っていない。
私が持っている地図はすごく粗い地図だ。
ようやく今自分のいる位置を正確に把握した。
シドニアは、ラルクバッハほど大きくはない。
温暖な気候に肥沃な土地。
人が住めない魔物が出る北はラルクバッハが防衛している。
建国時代にスーレリアの兄が、グランスラムからの緩衝地として作った国だ。
基本的な法や、習慣はラルクバッハと一緒。
祈る主神がラキシス様。と言う違いがあるぐらい。
移動はしても良いけど、送迎代金はちゃんと払ってねと。
大隊長は、”払ってねで” ビクッとした。
「たぶん大丈夫だ。王子を助けてくれたのだから、王様から絶対に何か褒美が出る」
と自信を持って返事をされた。
はいはい。
まあ期待してないけどね。
とりあえず外にでて、帰ってくるための魔法陣を病院の庭に埋める。
そしてその場で、ガルダを召還。
びびる大隊長。
一緒に連れてきた2名の兵士は病院に居る兵士の面倒を見ながら、このあたりの調査を継続するそうです。
で、有無を言わさず大隊長をガルダに乗せて移動開始。
1時間を少し過ぎたぐらいで大きな城が見えた。
ですけど、あれ?
城の奥の方、50kmほどさきでしょうか。
高空から見ているので、かなり遠いところも見えます。
なんかやばくないかな。
火事?
兵士達が争っているように見える。
煙が何本も上がり、土けむりも見える。
訓練?
とりあえず、王城を一旦通り越し、争っている上を旋回して様子を見る。
大隊長の意見を聞くと、シドニア兵とグランスラム帝国の兵士が戦っているらしいと教えてくれた。
え、戦争って始まってるの?
先頭部分の小競り合いの部分は、1000人ほど。
後ろに控えるグランスラム帝国1000人ぐらいの部隊が4つ。
さらに後方に、兵糧だろか、荷馬車置いてありそれを守ったり移動させたりする人員がいる。
そこに大部隊、全部で5000人を確実に超える規模。
補給含めて最大で1万人ぐらいだろうか。
この国は王都から僅か50kmほどに国境があり、毎年の様に1000~2000人で攻めてくる戦いか必ず行われているそうです。
しかし、いつもは後ろにあれほどの大部隊が控えていることがないとの事。
国境に近くに王都がある理由は100年前の戦争で領地を一部グランスラム帝国に取られたからです。
王様から助けられるなら支援して欲しいとは言われてましたが、どうするんだろ。
大隊長にどうするか指示を仰ぎます。
大隊長が私に魔法で上から攻撃が出来るか聞いてきました。
するとガルダが暴れても良いかと聞いてきた。
大隊長にガルダが攻撃できると言うと、頼むとの事。
許可が出たので、ガルダに攻撃を了承する。
ただし、シドニア兵がいる前方と後ろの荷馬車と明らかに防具すら着てない一般人には攻撃しないように念を押す。
ガルダが、後方に控えるグランスラム帝国の兵士の中央部へ低空で滑降し、大部隊の前方、騎士と思われるグループに火の塊を放つ。
大爆発と共に、グランスラム帝国の兵士が大量に消えていく。
そのあともグランスラム帝国の兵士に数回程の炎の攻撃を繰り返し、ほぼ全滅させた。
前方の1000人はシドニアと混戦状態だったのでガルダは、攻撃していない。
残りの1000人の4つの部隊は、ほぼ全滅。
後方の大部隊は、前半分が攻撃でボロボロ。
後方の一般人2000人ほどは無事。
つまり、無事なのは合計3000人だけ。
さらに攻撃を受けたところの該当兵士7000人の8割がおそらく死んでいる。
グランスラム帝国の残存兵士は多くても5割。
ガルダは、久しぶりに暴れることができたとご満悦。
いやいやガルダさん、やりすぎじゃね。
私は油断していた。
まさか一瞬でここまでの被害を出すとは。
攻撃を許可すると急に速度が上がり大きく揺れた。
私はガルダの上で落とされないように大隊長を抑えながらしがみついて、気がついたらこうなっていた。
ガルダの攻撃はガルダが神界から持ってきた魔法力のほかに、私の魔力もある一定割合で使われる。
魔法力も底をつきかけいるしどう考えてもやりすぎだ。
とにかくもう戦闘は終わり敵は逃走を始めた。
建国王のシン、ああ、本当は自分らしいけどこんなすごい力を持つ聖獣を良く従えたものだ。
どう考えても自分よりも圧倒的に強い気がする。
神格化して、対応できるか、疑問だ。
攻撃を止めて、敵の上を数周周回。
敵が敗走し、国に戻り始めたのを確認したので、我々も王城へ向かう。
王城の庭に手旗信号で呼びかける人がいたのでそこに降り立つ。
先ほどの攻撃を城から見ていたのか、大歓声で迎え入れられた。
そして、ガルダから降りたら、英雄として向かられらる”大隊長さん”。
いや、良かった良かった。
ラッキー勘違い。
私もガルダから降りてガルダにこのまま王城に居ても大丈夫か尋ねる。
攻撃で腹が減ったから豚2頭を丸ごと欲しいと言う答え。
大隊長に伝え、シドニアの兵に用意できるか聞いてもらった。
ガルダの面倒を見ると言ったシドニアの兵にまかせ、我々は王城の中へ。
私は、大隊長の後ろにくっ付いていく。
どうやら、大隊長の子供と思われているようだ。
それはそれで気が楽だ。
丁度良いのでこのまま誤解してもらい、大隊長に英雄をやってもらおうと思っていた。
「英雄様どうぞ」と偉そうな衛兵が王様の下へ案内してくれた。
そして”謁見の間”の扉前に到着。
大隊長だけが謁見の間に入り、私は兵士に止められた。
はいはい、おとなしく待ってますよ。
扉前から下がる。
気がついた大隊長が、急いで私を抱き上げて謁見の間に連れ込まれた。
中に入ってから、大隊長に
「面倒くさいから外で良かったのに」
と言うと
「そんなこと言わないで、ちゃんと誤解を解きましょう」
というが、シドニアの兵のあの盛り上がり、いや、もう無理でしょ。
英雄になったんだから頑張ってね。
とくだらない会話をしていると王様が登場した。
王様が、まず初めにお礼を言ってきた。
そして、ラルクバッハ王国の兵士だと思うが、自己紹介をして欲しいと。
大隊長が、自己紹介を行い状況の説明をする。
王子が襲われたこと、そしてジルベールが助け、王子は今ラルクバッハ王国の王都に無事帰還した。
調査の為に現地に戻りこちらの王に、王子の無事を伝えに来たら、
戦争が始っていたので手伝ったと一通りの事を伝えた。
そして、私に自己紹介をしろと大隊長が言うので
「ラルクバッハ王国の第1王女スザンヌ様、第2王女のマリア様と
婚約を結んだジルベール・クロスロードと申します」と挨拶をした。
すると、婚約は国外にも連絡されていたし、ルカ王子が来ていたので話が出ていたのだろう。
「そうか、ルカ王子から規格外の男子と聞いていた。
話半分ぐらいだろうとあまり信用していなかったが、噂以上だったようだな。
ジルベール殿、お主のおかげで助かった。
礼を言う。
今夜は食事を取り、ゆっくり休んでいって欲しい」と続けて
「できれば、明日は、英雄のためにパーティを開きたいのだが」と言うので
「では、これを残しますので、どうぞ」
と大隊長を差し出した。
「ぶわはははは。しゃれが上手いな。
すまない誤解したもの達の事は、詫びよう。
すまぬが、冗談抜きで、本気で頼む」
「私も結構本気だったのに。
私は、社交にはまだ出ていません、出席は、昼間の行事だけでよろしいでしょうか。
夜は、大隊長さんで我慢していただきたいです。
それと、明後日には帰ります。
こちらのわがままで大変申し訳ありませんが、予定していなかった滞在なので早めに帰らさせて頂きたい。
王への報告もありますし」
「うむ。長くは退き止めできぬのは承知している。よろしく頼む」
そしてそのまま王が今回の件について見解を話してくれた。
おそらくラルクバッハの王子を人質にラルクバッハからの応援が来ないようにした上で、この国を攻める算段だったのかも知れない。
ちょうどグランスラムが攻めて来る少し前に部隊へ早馬が着いているのを確認している。
恐らく王子達を確保したという連絡だったのだろう。
グランスラムは通信機の魔道具を持っているから、後方部隊にある通信機で連絡を受け前線へ伝えに来たのだろう。
グランスラムは、今回1万の兵で攻めてきた。
さらに後方にまだ兵がいるようだ。
追加応援が来て追い出されては侵略した意味が無い。
そこで、ラルクバッハの応援がなければ近隣国もシドニアの到着できないので、難なく征服できる。
今回のルカ王子たちの襲撃は、それが狙いだろうと言うことでした。
恐らくはずっと滞在し侵略し続けるのではなく、時間を稼ぎ食料や財宝を運び出すことが狙いだったかも知れない。
その後、部屋を出て今日泊まる部屋に案内された。
食事が出るまで時間があるそうなので湯浴みして着替えて欲しいと。
侍女に連れられ、体を綺麗に洗われた。
久しぶりにゆっくりと湯に入った。
着る物をどれにするかと言われたので、とりあえず服をマイボックスから何着が取り出しどれが良い?と聞く。
突然空間から出てきた服に驚くが、自分達が用意した服と目の前にある服で上手くコーディネートし、髪型を整えられると、なんかおしゃれな格好になった。
珍しく、鏡の前でチェック。
前、横。
うん、良いな。
侍女の方を向いて
「どうですか?」とにっこり笑うと、緊張した顔がにっこり笑顔になり
「はい、とても良いと思います。お気に召して頂けたでしょうか?」
と聞いてきたので
「はい、とても」と答えておきました。
この子、センスが良いかも。
とりあえず、優種な人材は確保したいな。
少し自己紹介をして、侍女さんの事も聞き出す。
まず名前を聞く。
この侍女さんは、エリンと言うそうです。
ちょっと小さめの身長だがわりと可愛い。
16歳から王城で働き始め、今18歳だそうです。
食事までの時間に少し話をしてみたが感じの良い子だった。
食事に行く前に
「突然ですが、この国での滞在時間も少なく、チャンスがそうあるわけでは無いと思いますから言っておきます。
エリンさん、私の住む国に来て私の侍女になって頂けますか?
突然の事だし、異国に行くことなので簡単に返事ができると思えませんが、明後日までに返事をもらえないでしょうか。
私は転移ができるので移動の時期は相談出来ますから」と誘っておきました。
即答は無く、考えておきますと返事をしてくれた。
気楽に声をかけてしまったが、そう都合よく異国の地にほいほいと付いて行く事は無いよな。
期待せずに返事を待ちましょう。
【後書き】
後のほうで領地が返還されるとしたので、辻褄あわせでここに下記を追加してます。
2017.01.02
国境に近くに王都がある理由は100年前の戦争で領地を一部グランスラム帝国に取られたからです。
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