旧転生者はめぐりあう

佐藤醤油

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5部 10歳後半

5.11 脱出

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サフィーナ様の言葉を無視して、さっさと行動開始。

扉を開けて再び時間魔法を発動。
扉を開けた先の壁に王子がはり付けられている。
即座に王子の前にいる貴族風の男の前に瞬転で移動。

目の前にいる貴族風のソファーに座っていた男の、両手と両足を切り落とし抵抗できないようにする。
一応、この男は生かしておく。

周りを確認。
立っているもの、座っているものをあわせて6つのグループ20名ぐらい。
まだ誰も動けてはいない。

瞬転で6つのグループに移動し全員を切り裂く。
最後の1人を切って、最初に切った男の前に戻る。
そして時間魔法を解除。

生きているのは恐らく転がっている男だけ。
男の周りに防音魔法を展開。

男の手足が急に落ちたことに気がつき、大声で悲鳴を上げる。
が周りには聞こえない。

足が無いので起き上がろうとした時にソファーから転がり落ちる。
念のため、転がっている男の傷だけふさいですぐに死なないようにしておく。
そして眠らせる。

王子は気絶していた。
王子の縄を切り落とし回復魔法をかける。
念のため、脈を確認。
どうやら無事なようだ。

この屋敷を含め庭全体まで索敵を展開してみる。

この部屋の先にある玄関ホールに10名。
横の食堂におよそ20名。
庭にばらばらと50名ほど。

とりあえず玄関ホールに移動。
10名を次々に倒すと何事かと食堂からぞどぞろと出てきた。それも撃破。

全員が食堂から出てきたわけではないので食堂内に移動する。
テーブルの下に隠れている兵士も索敵ではっきりとわかるので、テーブルと一緒に火の鳥で焼き払う。
一瞬で燃え尽き最後に水を雨のように撒き散らし、火が燃えないようにする。

外に出る。
玄関前にいた連中がこちらを見る前に雷を落とし気絶させる。

威力が強すぎたのか、電気ショック程度ではなくクロこげになった。
おそらく生きて無いだろう。
急に雷の攻撃の威力が増えていた。

聖獣 白虎王との契約をしたので、雷の特性を持つ魔法効果が10倍だった。

これで火、水、雷の攻撃が強化された。
最弱でも一般の魔法使いの最大攻撃魔法よりも強い。
手加減がきなくなった。

そして、先ほどの大きな雷音に反応し、外を見張っていた兵士が次々に玄関前に移動してくる。
雷でも手加減できないので、それらを火の鳥で次々に燃やしつくす。

残念ながら全員がこちらに向かってきた訳ではない。

逃げ出そうとする兵士数名がいるようだ。

こちらは索敵で確認できているので逃げる兵士の前に瞬転で移動する。
残党を全て探し出し、光の剣で足を切り落とし逃げれないようにする。

全員を全滅させると屋敷に戻った。
そして王子を抱えてサフィーナ様の所に戻る。

ここまででサフィーナ様たちの部屋を出てから5分ぐらいだろうか。

サフィーナ様に終わったことを告げると
「敵が100名ほどいたはずなのに、この僅かな時間で倒したのですか。
本当にお強いのですね。 
私、足手まといになるところでしたね。
待っていて正解でした。
コハクさんも、ありがとうございます」サフィーナ様から丁寧な挨拶が。

そして、サフィーナ様に今の場所がわかるか確認した。
「シドニア王国の端の方です。もうすぐラルクバッハ王国に入る所だったはずですが。
襲われた後に少し移動しているので正確な場所は解りません」

「そうですか。とりあえず襲われた状況を詳しくお話頂けますか?」

「はい、襲われたのは今日の昼間です。
私たちの乗っている馬車が100名を超える賊に襲われました。
こちら側の護衛は、あっというまに殺され恐らく護衛は全滅。
そして私や王子も捕まってしまいました。
魔法が使えなくなる腕輪で拘束され目隠しをされてここに連れてこられたのです」

「おおよそは解りました」

「ジルベール様は、なぜここに?
白虎王の封印を解きに行っていたはずでは」
「そうです。先ほどようやく封印を解いたところです。
そこのコハクは、白虎王と一緒に封印されていた銀狐です。
封印を解除後に、アロノニア様が現世を見回したら、
たまたまサフィーナ様と王子がさらわれいるのを見つけられて、
機嫌が良いからサービスだと言って私をココに送ってくれたのです」

「そうですか、たまたまココをアロノニア様が発見して下さったから助かったのですね。
ああ、アロノニア様、感謝します」
と、お祈りを始める。
他の侍女もお祈り。
敵もいないし、邪魔しても悪いので1分ほどのお祈りを待つ。

「それで、どうしましょう。
どうも、自分の位置が正確に解らないせいか、王都から遠すぎるせいか解りませんが転移はできそうに無いです。
今日は、白虎王の解放をしたので残りの魔力もあまり残っていません。
もう大きな攻防は出来そうにありません。
でもここはまだ敵地ですから、移動したいのですが大丈夫でしょうか?」

「はい、では移動しましょう。
が、どうしますか、馬車などどこにあるか解りません」(サフィーナ)

「そうですね、とりあえず屋敷の表には何も無かったので裏に回って馬車を探しましょう」

王子が起きないので私が運ぼうとすると、
コハクが1人で運べるとお姫様抱っこで王子を抱えた。
うーん、逆だな。
でも絵になるなー。
コハク かっこいいぞ。

裏に異動すると馬車が何台かあった。

その中の大型の馬車を持ってきて王子たちを乗せ出発する。
コテツを助け出した時は、まだ太陽が見えていた。
こちらは東なのだろう日が沈もうとしている。
時間の進みがある。
夕日の位置を参考に、西側にラルクバッハ国があるのだろうと、
とりあえず、そちらへ向けて馬車を走らせる。
暫く走ると、屋敷が見えた。
敵かも知れないので、とりあえず近づき門番に地図を見せてもらう。
そして場所を確認する。

地図上の場所が解り、この館の貴族の名前も教えてもらった。

ようやく目が覚めた王子に、貴族の名を言ったが伯爵位だが知らない名との事だった。
ここで、知らない貴族に助けを求めるのもリスクがある。

一応、門番に、近くに住む他の貴族の名前を聞く。

1人、王子が解る貴族の名前があり、場所を聞けたのでそちらに向かうことにした。
個人情報保護法が無いので親切に教えてくれた門番さん。
ありがとう。

馬車を急がせる。
あ、運転はコハクです。
さすが幻獣です。
ただの獣などお手の物。
私は隣にいます。
四人は馬車の中。

そこから1時間ほど走ると、目的の貴族の家についた。

門番に王子の名前を告げ突然の訪問だが家に入れて欲しいと頼む。

門番が急いで連絡に行く。
家の家長と思われる人が走ってきた。
転んだ。
起き上がって、また走る。
急ぎすぎて、最後は転がりながら到着した。

ずだぼろに怪我をしている。
すごくひどい顔になっている。
コハクが回復魔法を使って回復させた。
コハクはどうやらほとんどの支援系魔法が使えるようだ。
攻撃は、不得意だって。

回復魔法に驚く家長さん。
「ミレール・サイファトと申します。
回復魔法ありがとうございます。
うん、ゴホン、ああ、
ルカ・ラルクバッハ王子とお聞きして、驚いています。
以前お会いした時は5年前でしたが、、、、確かにルカ王子ですね。
今日はどの様なご用件で」

さきほど、賊に襲われたことを伝え、今夜かくまって欲しいと伝える。
家長は、馬車も違うのでおかしいと思ったと、とにかく急いで中に入るようにと。

我々が、家に入ると執事が出てきて応接間に連れて行く。
すぐに部屋の用意ができたと、二部屋貸してくれた。
ミレールさんが「狭い家で申し訳わりません」
と言ってくるが、突然の訪問だしこのような状況なので問題はない。
ありがたい限りだ。

私は、長らくの外暮らしだったので先に湯浴みをさせてもらった。
サフィーナ様たちは、我々よりも広い部屋に4人で泊まる。

食事を出して貰えたみんなで食べる。
家族の食事は終わっていたので自分達だけいただいた。
ルカ王子達は、お昼も食べてなかった。
死を覚悟していたので、食事ができる事が嬉しくて皆で食事前にアロノニア様に感謝のお祈りをしました。

ミレールさんの奥様も出てきて状況を聞き、
明日、周辺の騎士団に王子の無事を連絡してくれる事になりました。
ただし、騎士すらも信用できるかはわからないので、
我々からは、ある程度の距離進んでから報告に行ってほしいとお願いした。
ミレールさんはお昼過ぎに騎士の所に行くようだ。

部屋に帰ると、王子がコハクの事を聞いてきたので軽く説明した。
「幻獣を初めて見た。
   だから耳があったのか。
   耳付きも可愛いけど、サフィーナはもっと可愛いけどね」っとのろけられた。
ハイハイ。
ごちそうさまです。
ちなみに幻獣を見たのは私も今日が初めてです。
「今度、サフィーナも耳つけて貰えないかな」
と小声で言ってました。
エーーーー。
王子の新たな趣向の扉を開いてしまったか?

さて、私は、魔力もなくなってきていたので先に休ませて貰った。
後で、王子が眠るときに交代する事にした。
何かあったときのために4時間後に王子と交代し、起きて様子を見る。
特に何もなったようで、4時間後に王子と交代し、王子に寝てもらう。

私は、部屋の外に立って索敵の範囲を最大限で周りを監視した。

特に怪しい動きは無いまま朝になった。

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