旧転生者はめぐりあう

佐藤醤油

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4部ジルベール10歳 時が動き出す

4.49 アメリの結婚式引き出物

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アメリの結婚式で出す引き出物の準備をしている。
異世界でも、日本と同じように結婚式に披露宴がある。
披露宴では、帰りに来てくれたお客様へ感謝を伝えるための引き出物を渡す。
披露宴自体は、アレクサンドロ公爵が費用を負担するので、
引き出物は、家で負担する事にした。
王家、公爵家、それに幾つかの侯爵家。
上位貴族ばかりが呼ばれるので、気合を入れて品を用意している。

アイテムボックスから発展した改造したリュック化したマジックリュック。
これに、最近色々と調べた技術を追加し、更に小型のマジックバックを完成させた。

以前開発したリュックは、魔石の消費が激しく、維持費がかかっていた。
今回は、前に対して、蓋を開けるロック解除に魔法陣を同期させ、
開いた時に空間への入り口が開くように魔法が発動し、閉じると空間が閉じる。
完全に空間が閉じている間は、魔法石の消費が無い。
開け閉めの時にロックを解除する一手間が面倒になったが、
魔石の消費が殆ど無く、非常に優れた荷物入れとなりました。

さらに、人が持っている時は、魔石からではなく、人の魔力を使う。
魔力消費量は少ないので、魔力の少ない人でも倒れたりはしない。
魔石の消費が少ないので、時間停止の機能をつけても問題ありません。

しかも小型のバック。
(口は大きく開きます。全ての布地は口を大きく開けるために使っている)
ようやく完成したこのバッグを、お披露目込みで引き出物のメインとする事にした。

布地も最高級のものを仕入れ、見た目も非常に高級感を出した。
冒険者が使う前提のリュックに対して、貴族が持っていて問題ない。
令嬢が下げていても全く見劣りしない表面上は綺麗な皮のバックだ。
参加家族の50の家紋を全て調べ、一つづつマークを入れた完全お手製のバック。

今回のアメリの結婚式、午前中に大聖堂で結婚式、
昼からは、昼食会をかねた身内の披露宴を行う。
王家に3公爵家。他の関係貴族合計50家約300名の大披露宴会だ。

最近、王都で、日本食が流行って来た。
領地での温泉宿の食事もそうだし、貸し出し料理人が、
高位貴族のパティー料理の一部を担当している。
そのかいあってか、高位貴族の間では、少しずつ日本食が周知され始めた。

なので、今回、1人 1膳のおはしを配る。
1家あたりに領地で作った、大皿や、中皿などのセットも配り、宣伝する。
通常の食器よりも白く綺麗な中皿。
綺麗な赤色の深皿。
青が綺麗に出たコップ。
そして、綺麗な絵がかかられ、平たい大皿。
これらの領地で作り出し、そこそこ売れ始めた商品を少しだけ配り、
揃えたい家からの追加購入を期待する。

それに、このマジックバックをつける事にした。
マジックバックは、販売価格500万円を想定している。
バックは、空間魔法の効果が無くても原価で1個50万円する。
家紋を入れた今回のお手製は、量産品に対して1個100万円もかかった。
金糸で家紋を入れたのが、金糸が高かった。
見栄えを浴するために、家紋以外にも全周を金糸で囲ったので、高くついた。

余談ですが、ついでに以前のアイテムボックスも、改良版を作った。
これは魔石消費が少ないタイプを300万円で販売する。
そして、元のタイプは200万円で売っていたものを買い取りなら150万円で。
交換なら、お得意様と言うことで、差額負担だけの100万円で交換する事にした。
そうして集めた過去のアイテムボックスも使える魔法陣はそのままで、
新たな魔法陣だけを加えて、また300万円で売る戦略です。

量産型のマジックバックは、元の原価が数十万の高級バッグ相当の刺繍が入っている。
更に魔法付加して、500万円。
材料原価1割、魔法陣を作る人たちの人件費1割。
原価率2割ぐらい。
これら、全て、原価ではコストがかかっている訳ではないが、購入価格で考えるとかなりの高級品。
さらに、金糸のものは、特別製だけで、受注生産。
もちろん、皮の色も指定できます。
値段は決めてない。

ちなみに、マジックバックの配布だけは、王家の方々も1家に対して1個は、まずい。
そこだけは人数分作らないと。

通常のアイテムボックスが10倍空間の付与に対して、
こちらのマジックバックは、一定の虚無空間を付与します。
おおよそアイテムボックス同等の空間を付与しています。

マジックバックは、結婚式に間に合わせようと、職人が頑張ってくれている。
最終工程は、私だ。
仕上がりが確認されたバックに、現在1日5個ペースで仕上げている。
現状の日程なら余裕だ。

披露宴の全体スケジュールが決まり、30分、ナンシーのミュージカルを実行できるように手配もした。
ナンシーに時間等を告げ、練習を見学した。

ところどころ、ミュージカルぽく無い。
いまひとつだ。
腕の伸び、ジャンプの高さなどが足りてない。

しょうがないので、私が代理で歌を歌いながら大げさに立ち振る舞う。
それをベースに、女性が気に入るポーズを話し合って決めてもらう。

それでも、上手くいかない。
どうしてだろう?
そして、気がついた。
鏡が小さい。
自分の姿が全部写らない。踊ると一瞬しか映らない。
これでは、練習にならない。自分の悪いところが見えないのだから。

すぐに、領地で作っている窓ガラス用の平板ガラスに、片側に水銀を伸ばして、コーティングした。
それを何枚も作って練習場に運び込み、全面ガラスにした。
多少のゆがみはあるが、踊っている姿を確認するのに問題は無い。

ダンスの質が一気に向上していく。
みんなでかっこいいポーズを話し合って決めていく。
衣装も決まり、領地の服屋に発注する。

順調に、着々と準備が進んでいく。

余談だが、平板ガラスを鏡に仕立てたのを職人が見て、
平板ガラスのゆがみに気がついた。
ガラスを板状にする場を磨き、鏡を作り、ゆがみを確認。
一枚板で、高さ2m×横2m。
ドレスを着ても全体が写り、ゆがみが無い。
さらに、高さ2m×横1mのガラスも作る。
これを組み合わせれば3枚鏡なので、横も後ろも見える。

そして、このゆがみの無い姿見ガラスは、鏡として売れるほど安定して作れるようになった。
当然ですが、まずは王妃様、王女達に納めます。

その後、口コミで広がり、板ガラスの10倍以上の値段で売れる。
公爵家、侯爵家など、結構高いのにどんどん売れました。
1家に1台かと思ったら、奥様に令嬢と、1人1台必要なようです。
さらに、服やドレスを売るところからの注文が来ました。
けっこう、利益率が高く、儲けました。

儲けた分を全部、自分で浪費などしてませんよ。
もちろん、開発してくれたガラス工房に大半はつぎ込みます。
彼らの生活向上も、彼らの子供達への教育にも使います。

それ以外に、儲けをどうつかうか、これが実に難しい。
大半のお金は、次の世代のために、人の教育や、道路の整備、
家の立替、新しく移住する人の建屋の建設。
そして、次の年の種を育てたり、新規事業への投資に使います。

そのかいあって、領地の子供達の教育費、給食費に使い識字率も向上。
そろそろ、小説家や、漫画が出てこないかなと期待するが、教えているのが、簡単な計算に簡単な文字。
名前を書いたり、物の名前を書いたり。
計算も買い物でだまされないようにする程度。

これからは聖書でも良いからなにか物語を読ませたり、もう少し教育内容を充実させたいなと思うが聖書は無い。3神の物語も、それらしい道徳概念などを教えているわけではない。

物を盗んではいけない、人の為に動く、人を助けあう。これらは口頭伝来。

それに貴族と平民の身分の違い、ルールの違い。これらも口頭。
うーん、貴族も平民も平等などとは教えられないし、この世界、貴族と平民は、義務も責任も違いすぎる。
何を教えるべきか、世界を崩すことはしたくない。

悩むなー。

当面は、多くの平民に対しては、現状の継続。
その中で出来る子はさらに教えて、帳簿をつけたり、経理をさせる。
そういった人の給料は、高くする。
優劣つけながら、最低限を補償し、働く意欲、向上する意欲を増やしていく。

難しいなー。

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