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4部ジルベール10歳 時が動き出す
4.44 スザンヌ・ラルクバッハ3
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その日、結局、上の空のまま、お見合いが終了した。
お見合いの途中をまったく覚えてない。お相手の方々、すいません。
その夜、ジルベール様はずっと寝ているらしく、王城にはいるものの、食事にも来なかった。
王様から2妃様の体の不調は、”呪い”の影響だったと教えてもらえました。
夕方から夜まで王城内の魔法禁止を解除すると判断されました。
そして夕食前に大神官様が王城に来て、王家全員の状態の確認と、お母様の部屋のものを確認して行った。なにやら怪しいものがあるが、はっきりとは解らないと言っていた。魔法禁止を一時的に止める魔法陣の上で魔法を発動させてはいるが、魔法が上手く使えず良く見えないそうだ。明日また、王妃様方の部屋の魔法の発動禁止を解除し、改めてもう一度調査をするそうです。
夕食。おかあさまは、体の調子は良いが、少し食べた後に、眠いとすぐに下がられた。回復魔法の影響で、体の調子が戻りつつある時に出る症状らしく、寝るのが一番だそうです。これは健康に向かっている証拠なのだと。
私は夕食時に一生懸命ジルベール様の話をしました。でも1妃様がジルベールはマリアの婚約者の筆頭だとおっしゃいました。私はショックで、それから黙り何も話せなくなりました。
天国から地獄に突き落とされました。
その後1妃様は私が落ち込んだ状態に気が付き、話しかけてくれました。私は思い切ってジルベール様への思いを話した。
「ジルベール様が運命の人なの。でも、マリアの候補だって。どうしたら良いのでしょうか」と。
1妃様は「マリアの候補は他にもいますから。そんなのは気にしない。本当に運命の相手なら、必ず結ばれるわ。
まずはアタックあるのみ。相手が振り向いてくれないなら、チャンスは無いわね。私は、いつでもスーの見方よ」と。
1妃様は私にいつも優しくしてくれる。
1妃様は女子が欲しかったらしい。でも、自分には女の子が出来なかった。私は、ずっと1妃様に面倒を見てもらっていた。いつもいつも1妃様に助けてもらっていた。1妃様が、味方で入れくれると考えたら、気が楽になり、その日に夜はしっかりと寝れた。
そして朝。
食堂で皆を待っていると、ジルベール様が起きてきたので朝食を一緒にすると連絡を受けた。
やった! 朝からジルベール様を見れる。
うきうきで待っていると、ジルベール様が入室された。
その姿を見て、はっとする。予想通り両目が金眼。間違いない。ジルベール様はシンだ。
でも残念ながら、ジルベール様はマリアの隣の席に座った。くやしい。メルミーナ様の推薦があるから、私の隣にはならなかった。でもお顔が見やすい位置でもあるので、それはそれで。
食事が終わると、シュミットが近づいて話をしている。昨日貰ったプレゼントのお礼を言っているようだ。
ジルベール様は小さな子供の面倒見も良いようだ。優しい人。
そういえば、シンも小さな子供に優しかったことを思い出した。
朝食が終わりましたが、お見合いが始るまで少し時間があります。フィリップが、私について来いと合図をくれた。
フィリップの後ろにいると、フィリップが、ジルベール様に、朝の訓練を誘った。そして二人で連れ立ち庭に行きました。フィリップ、良くやった。チャンスだ。
私は急いでお見合いに行く支度を整え、タオルと水を侍女に用意して貰っている間に、急いで今日のお見合いの衣装に着替える。そしてジルベール様のところへ向かう。ちょうど訓練が終わったところに間に合った。良かった。これで気に留めてもらえると良いのですが。
ジルベール様にタオルと水を手渡しして、少しだけお話。にっこり笑ってもらえた。
幸せ。
それから急いで、会場に向かう。
今日は、候補者皆さん剣の技を見る事に成っています。とわいえ、みなさま12歳以下が大半。
聖騎士団副師団長のアシュリーと打ち合いをすれば、絶対に勝てるわけがありません。年齢相当の動きが出来るのか、資質を見ろということらしいです。
ですが、ジルベール様、余裕で勝ってしまいました。さすがです。
私のジルベール様は、すごいのです。見ている私が誇らしくなってしまいました。
私は、早速戻ってきたジルベール様の横をキープ。今日は、積極的に話しかけます。でも、なぜかジルベール様は席を移動する。
逃がしませんよ。と私の席を移動。
すると、きちんとハンカチで椅子の上をさっと拭いて、どうぞと。
ああ、紳士ですわジルベール様。どんどん、好きになってしまいます。どうしましょう。
折角話が盛り上がっていたのですが、ジルベール様がミシュル様も強いですねと。え、正直そんなのもうどうでも良いのですが、それを顔に出してはまずい。一応、私の為に集まってくれた殿方達ですし。
おほほ。
言われてから、その剣技を見てみると「あら、ほんと、オレリアン様より強いかも」
するとジルベール様から「戻ってこられたら、声をおかけになったほうが良いのではないですか、私もそろそろ周りの視線が痛くて。折角の楽しいひと時でしたが、頑張っている彼に譲ります」
なんてこと。私の思いは伝わっているのかしら、くやしわ。
「まあ、良いようにあしらうわね。でもあなたの言うことも一理ね。
そろそろ他の方のところに行けと、お母様の目も語っているみたいだし、名残惜しいけどミシュル様のところに行きますわ」
と言って席を立ち、押してだめなら退いてみましょう。
「マリア、交代です。私が戻るまで席を確保しておいてね」と言って入れ替わった。
お昼からは、全員でゲーム。ジルベール様となかなか接触できず、ダンスで2回一緒になるも、アピールできず。
どうしよう、午後からはジルベール様以外からのアピールが激しすぎる。みんながいると、私がジルベール様に、アピールできない。
しょうがいない。今夜はジルベール様と一緒に夕食をするらしいので、チャンスは夜だ。
夜に勝負をかける。お見合い中は、あきらめよう。
夕食前、マリアとジルベールが話をしているらしい。先を越された。
夕食、メルミーナ様に邪魔をされ、隣の席を確保できなかったが、お母様がジルベールにお礼を言うという夕食会だったので、ジルベールの正面にお母様、私はその隣に座れた。机が大きいので、対面で話をする時は、みんなで話すような話しかできない。
今度、劇場にみんなで見に行きましょうと言った話が出た。私もぜひジルベール様と行きたい。
夕食が終わると、呪具を確認探すことになった。そして、まずは、お母様の部屋へ、大神官様が怪しいと睨んだあたりを探すようだ。なんと大神官様が見つけられなかった呪具をあっさりと発見。
鏡台の鏡だったそうです。
これは確か少し遠い外国から届いた品。お母様いわく、同じ鏡台が3台あるらしく、1台はこの鏡台を送ってきた近隣国ラスクにあるらしく、そちらの王妃様が使っているはず。お手紙で危険を知らせるそうだ。
他に、1妃様の侍女の1人が軽く呪われていました。見つかって良かった。
ジルベール様、ほんとにすごい。
--------------王家の裏事情----------
裏話1
レオン王と、エミリア1妃、レオニー2妃は、殆ど同時期に結婚しました。
レオニー様はハイルデン公爵家の令嬢で、レオン王10歳、レオニー7歳で婚約していました。
レオン王が14歳の時に、シドニア王国のエミリア王女が11歳で婚約します。
レオン王が18歳の時に、エミリア王女15歳で結婚します。
実際に嫁いできたのは、エミリアが大学を出た18歳です。
レオニー様は、アルフォンス王国の大学に留学していたので、戻ってきて2妃となります。レオン王21歳です。
それから、暫くして、エミリア王妃に女子が産まれ、レオニーにも男子が生まれます。
しかし、3歳になる頃、二人とも死んでしまいます。
流行り病で、国内の子供達の半数が死んでしまいました。それから、国内の病気が落ち着いた後で生まれたのがルカ王子です。
その1年後に、レオニーにも双子が生まれます。エミリア王妃は、最初の女子が心に強く残っており、双子の面倒が大変と言うのもあり、幼い頃スザンヌの面倒を積極的に見ていました。
スザンヌの3歳の誕生日、本来はレオニー様がドレスを用意するのですが、エミリア王妃たっての願いで、エミリア自ら手縫いで用意したほど溺愛してました。
レオニー様は、エミリアの心がまだ回復しきっていないのを知っていたので、王様とも相談して、エミリア王妃のスーへの我侭は、かなりの部分妥協していました。
まあ、甘いものをあげたり、教育を甘やかしたりなどは、そのそもエミリア王妃が許さない性格でしたので、特に問題は起きていません。
そんな感じで、二人の王妃からの愛情を注がれたスザンヌは、かなりの我が侭に娘になるかといえばそんなことも無く。
ちょっと女王様気質が強めのとても優しい女子に育っていきます。
それは、途中で18歳で嫁入りした、3妃アナの影響です。アナは、メルミーナ様の子供です。
王様は、社交界デビューの夜にアナを見かけ気に入り、なんと結婚前にマリアを妊娠させすぐに王城に入ってきました。
スザンヌが6歳前後の頃に新たに入ってきた18歳の令嬢は、非常に優しいお姉さんでした。丁度、前後して前世の記憶もフラッシュバック的に思い出された時期でもあります。そういう時に、スザンヌと対等に、付き合い、正面から向き合い遊んでもくれました。
我が侭を言うときちんと正し、良いことをすれば褒めてくれる。素敵なお姉さんを目標に、令嬢教育を受け育ったからです。もちろん、スザンヌには前世もありますが、性格に影響するほど記憶が鮮明に思い出されたわけではありません。あくまで、多少の知識が授けられた程度で、今世の性格はこの成長の中で確立したものです。
裏話2
2妃がもう1人の妻に似ていると気がついたのは、婚約からずいぶん後の王になった後。
実は王は、建国王の絵姿を見ていたので、メルミーナの妻のカトレアに少し面影があったことは知っていました。
しかし、他の姉妹はそれほど似てはいませんでした。なので気にしたことはありませんでした。
もちろん、公爵家の令嬢ですので小さい頃の誕生日会などでは面識がありましたが、その時点では特に気にせず。
小さい頃は毎年の誕生会でも会っていましたが、アナが10歳以降はたまたま王も忙しい時期で、アナの誕生日に会うことも無かったのです。
そしてデビュタントの時に、アナが建国王の妻の1人に似ている事に気がついたのです。絵姿を見たときから好きになっていたマリの姿。その姿にそっくりのアナの姿。ほれるのは一瞬でした。
お見合いの途中をまったく覚えてない。お相手の方々、すいません。
その夜、ジルベール様はずっと寝ているらしく、王城にはいるものの、食事にも来なかった。
王様から2妃様の体の不調は、”呪い”の影響だったと教えてもらえました。
夕方から夜まで王城内の魔法禁止を解除すると判断されました。
そして夕食前に大神官様が王城に来て、王家全員の状態の確認と、お母様の部屋のものを確認して行った。なにやら怪しいものがあるが、はっきりとは解らないと言っていた。魔法禁止を一時的に止める魔法陣の上で魔法を発動させてはいるが、魔法が上手く使えず良く見えないそうだ。明日また、王妃様方の部屋の魔法の発動禁止を解除し、改めてもう一度調査をするそうです。
夕食。おかあさまは、体の調子は良いが、少し食べた後に、眠いとすぐに下がられた。回復魔法の影響で、体の調子が戻りつつある時に出る症状らしく、寝るのが一番だそうです。これは健康に向かっている証拠なのだと。
私は夕食時に一生懸命ジルベール様の話をしました。でも1妃様がジルベールはマリアの婚約者の筆頭だとおっしゃいました。私はショックで、それから黙り何も話せなくなりました。
天国から地獄に突き落とされました。
その後1妃様は私が落ち込んだ状態に気が付き、話しかけてくれました。私は思い切ってジルベール様への思いを話した。
「ジルベール様が運命の人なの。でも、マリアの候補だって。どうしたら良いのでしょうか」と。
1妃様は「マリアの候補は他にもいますから。そんなのは気にしない。本当に運命の相手なら、必ず結ばれるわ。
まずはアタックあるのみ。相手が振り向いてくれないなら、チャンスは無いわね。私は、いつでもスーの見方よ」と。
1妃様は私にいつも優しくしてくれる。
1妃様は女子が欲しかったらしい。でも、自分には女の子が出来なかった。私は、ずっと1妃様に面倒を見てもらっていた。いつもいつも1妃様に助けてもらっていた。1妃様が、味方で入れくれると考えたら、気が楽になり、その日に夜はしっかりと寝れた。
そして朝。
食堂で皆を待っていると、ジルベール様が起きてきたので朝食を一緒にすると連絡を受けた。
やった! 朝からジルベール様を見れる。
うきうきで待っていると、ジルベール様が入室された。
その姿を見て、はっとする。予想通り両目が金眼。間違いない。ジルベール様はシンだ。
でも残念ながら、ジルベール様はマリアの隣の席に座った。くやしい。メルミーナ様の推薦があるから、私の隣にはならなかった。でもお顔が見やすい位置でもあるので、それはそれで。
食事が終わると、シュミットが近づいて話をしている。昨日貰ったプレゼントのお礼を言っているようだ。
ジルベール様は小さな子供の面倒見も良いようだ。優しい人。
そういえば、シンも小さな子供に優しかったことを思い出した。
朝食が終わりましたが、お見合いが始るまで少し時間があります。フィリップが、私について来いと合図をくれた。
フィリップの後ろにいると、フィリップが、ジルベール様に、朝の訓練を誘った。そして二人で連れ立ち庭に行きました。フィリップ、良くやった。チャンスだ。
私は急いでお見合いに行く支度を整え、タオルと水を侍女に用意して貰っている間に、急いで今日のお見合いの衣装に着替える。そしてジルベール様のところへ向かう。ちょうど訓練が終わったところに間に合った。良かった。これで気に留めてもらえると良いのですが。
ジルベール様にタオルと水を手渡しして、少しだけお話。にっこり笑ってもらえた。
幸せ。
それから急いで、会場に向かう。
今日は、候補者皆さん剣の技を見る事に成っています。とわいえ、みなさま12歳以下が大半。
聖騎士団副師団長のアシュリーと打ち合いをすれば、絶対に勝てるわけがありません。年齢相当の動きが出来るのか、資質を見ろということらしいです。
ですが、ジルベール様、余裕で勝ってしまいました。さすがです。
私のジルベール様は、すごいのです。見ている私が誇らしくなってしまいました。
私は、早速戻ってきたジルベール様の横をキープ。今日は、積極的に話しかけます。でも、なぜかジルベール様は席を移動する。
逃がしませんよ。と私の席を移動。
すると、きちんとハンカチで椅子の上をさっと拭いて、どうぞと。
ああ、紳士ですわジルベール様。どんどん、好きになってしまいます。どうしましょう。
折角話が盛り上がっていたのですが、ジルベール様がミシュル様も強いですねと。え、正直そんなのもうどうでも良いのですが、それを顔に出してはまずい。一応、私の為に集まってくれた殿方達ですし。
おほほ。
言われてから、その剣技を見てみると「あら、ほんと、オレリアン様より強いかも」
するとジルベール様から「戻ってこられたら、声をおかけになったほうが良いのではないですか、私もそろそろ周りの視線が痛くて。折角の楽しいひと時でしたが、頑張っている彼に譲ります」
なんてこと。私の思いは伝わっているのかしら、くやしわ。
「まあ、良いようにあしらうわね。でもあなたの言うことも一理ね。
そろそろ他の方のところに行けと、お母様の目も語っているみたいだし、名残惜しいけどミシュル様のところに行きますわ」
と言って席を立ち、押してだめなら退いてみましょう。
「マリア、交代です。私が戻るまで席を確保しておいてね」と言って入れ替わった。
お昼からは、全員でゲーム。ジルベール様となかなか接触できず、ダンスで2回一緒になるも、アピールできず。
どうしよう、午後からはジルベール様以外からのアピールが激しすぎる。みんながいると、私がジルベール様に、アピールできない。
しょうがいない。今夜はジルベール様と一緒に夕食をするらしいので、チャンスは夜だ。
夜に勝負をかける。お見合い中は、あきらめよう。
夕食前、マリアとジルベールが話をしているらしい。先を越された。
夕食、メルミーナ様に邪魔をされ、隣の席を確保できなかったが、お母様がジルベールにお礼を言うという夕食会だったので、ジルベールの正面にお母様、私はその隣に座れた。机が大きいので、対面で話をする時は、みんなで話すような話しかできない。
今度、劇場にみんなで見に行きましょうと言った話が出た。私もぜひジルベール様と行きたい。
夕食が終わると、呪具を確認探すことになった。そして、まずは、お母様の部屋へ、大神官様が怪しいと睨んだあたりを探すようだ。なんと大神官様が見つけられなかった呪具をあっさりと発見。
鏡台の鏡だったそうです。
これは確か少し遠い外国から届いた品。お母様いわく、同じ鏡台が3台あるらしく、1台はこの鏡台を送ってきた近隣国ラスクにあるらしく、そちらの王妃様が使っているはず。お手紙で危険を知らせるそうだ。
他に、1妃様の侍女の1人が軽く呪われていました。見つかって良かった。
ジルベール様、ほんとにすごい。
--------------王家の裏事情----------
裏話1
レオン王と、エミリア1妃、レオニー2妃は、殆ど同時期に結婚しました。
レオニー様はハイルデン公爵家の令嬢で、レオン王10歳、レオニー7歳で婚約していました。
レオン王が14歳の時に、シドニア王国のエミリア王女が11歳で婚約します。
レオン王が18歳の時に、エミリア王女15歳で結婚します。
実際に嫁いできたのは、エミリアが大学を出た18歳です。
レオニー様は、アルフォンス王国の大学に留学していたので、戻ってきて2妃となります。レオン王21歳です。
それから、暫くして、エミリア王妃に女子が産まれ、レオニーにも男子が生まれます。
しかし、3歳になる頃、二人とも死んでしまいます。
流行り病で、国内の子供達の半数が死んでしまいました。それから、国内の病気が落ち着いた後で生まれたのがルカ王子です。
その1年後に、レオニーにも双子が生まれます。エミリア王妃は、最初の女子が心に強く残っており、双子の面倒が大変と言うのもあり、幼い頃スザンヌの面倒を積極的に見ていました。
スザンヌの3歳の誕生日、本来はレオニー様がドレスを用意するのですが、エミリア王妃たっての願いで、エミリア自ら手縫いで用意したほど溺愛してました。
レオニー様は、エミリアの心がまだ回復しきっていないのを知っていたので、王様とも相談して、エミリア王妃のスーへの我侭は、かなりの部分妥協していました。
まあ、甘いものをあげたり、教育を甘やかしたりなどは、そのそもエミリア王妃が許さない性格でしたので、特に問題は起きていません。
そんな感じで、二人の王妃からの愛情を注がれたスザンヌは、かなりの我が侭に娘になるかといえばそんなことも無く。
ちょっと女王様気質が強めのとても優しい女子に育っていきます。
それは、途中で18歳で嫁入りした、3妃アナの影響です。アナは、メルミーナ様の子供です。
王様は、社交界デビューの夜にアナを見かけ気に入り、なんと結婚前にマリアを妊娠させすぐに王城に入ってきました。
スザンヌが6歳前後の頃に新たに入ってきた18歳の令嬢は、非常に優しいお姉さんでした。丁度、前後して前世の記憶もフラッシュバック的に思い出された時期でもあります。そういう時に、スザンヌと対等に、付き合い、正面から向き合い遊んでもくれました。
我が侭を言うときちんと正し、良いことをすれば褒めてくれる。素敵なお姉さんを目標に、令嬢教育を受け育ったからです。もちろん、スザンヌには前世もありますが、性格に影響するほど記憶が鮮明に思い出されたわけではありません。あくまで、多少の知識が授けられた程度で、今世の性格はこの成長の中で確立したものです。
裏話2
2妃がもう1人の妻に似ていると気がついたのは、婚約からずいぶん後の王になった後。
実は王は、建国王の絵姿を見ていたので、メルミーナの妻のカトレアに少し面影があったことは知っていました。
しかし、他の姉妹はそれほど似てはいませんでした。なので気にしたことはありませんでした。
もちろん、公爵家の令嬢ですので小さい頃の誕生日会などでは面識がありましたが、その時点では特に気にせず。
小さい頃は毎年の誕生会でも会っていましたが、アナが10歳以降はたまたま王も忙しい時期で、アナの誕生日に会うことも無かったのです。
そしてデビュタントの時に、アナが建国王の妻の1人に似ている事に気がついたのです。絵姿を見たときから好きになっていたマリの姿。その姿にそっくりのアナの姿。ほれるのは一瞬でした。
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