旧転生者はめぐりあう

佐藤醤油

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4部ジルベール10歳 時が動き出す

4.7 お見合い二日目ようやく夕食

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そして、夕食。
母と一緒に会場に行くとすでにメルミーナ様がいらっしゃり、王様とお話をしていました。

私と目が会うと失敗したなお前!
という目線を送ってくる。

朝の金眼事件だろか。ちょっとびびった。

でも、不可抗力です。という真面目な顔で返す。

念話でもないけど、これ、通じてるんだろうか?


とりあえず、案内された席に移動。
左にメルミーナ様、その隣にお母様と並び私の右にマリアが座る。
そして正面に2妃様が来るように配置されてました。

冒頭、王様から挨拶があり、次に2妃様から感謝の言葉を述べられ、恐縮しつつ朝食がスタート。

国内の伝統的な料理を食べ、全体的に楽しい感じで会食が終了。
終わると、念のためとお母様と一緒に2妃様
の部屋に連れて行ってもらいました。

そして、いろいろと鑑定眼で見回りましたが、特に異常を見つけられない。
神官様はどうだったか聞いたら、このあたりに物に異常を感じるが、特に呪としての性質は弱いとおっしゃてたそうです。
その周辺を見回り、鏡台の前で違和感を。
索敵が何か反応している。

しかし、鑑定で見ても何も表示されない。
そこで鏡台の鏡を開けてもらう。

これだ。
妙な違和感を感じる。

鏡台を開け鏡に鑑定眼を使ったところ異常を検知、いきなり割れた。

鏡を使って呪を送り込んだと推察。

鏡が割れたので、相手側が気がついて割ったか、気づかれると自動的に割れるようにしていたかは不明。
一瞬の繋がりしかなかったので、犯人を特定できなかった。
とりあえず、同じような異物は近くには無い。

鏡台は、外国製で、非常に高価なアンティークな物を再生させた物らしい。
2妃様の隣国にいるご学友からのプレゼント。
一応、そのご学友に状況を伝えることになりました。

その後、王城中の鏡が集められた。
1妃様の外国製の古い手鏡にも同じ呪の系統の魔法痕跡があった。

王妃宛のプレゼントだったらしいが、侍女に与えていたものだ。
その侍女を鑑定で調べたらやはり呪にかかっていた。

幸い、状態はあまり酷くなく、体調面の被害も殆ど無かったようだ。
神格化する必要もなく、解呪1回で呪が消えた。
もちろん、魔法禁止にはならなかった。

フィリップ王子と約束したので、1時間ほど魔力操作を行い、身体強化の練習をした。
そして、部屋に戻る。
今日の解呪は軽かったので特に負荷も無かったが、別の意味ですっきり眠れる感じがなく、侍女に伝えて、気晴らしに庭の散歩に出かけた。


庭で、第1王女と侍女数名のグループに会った。
すれ違おうと思ったら、第1王女から話しかけて来た。
「メルミーナ様はあなたがマリアの婚約者で決まりみたい言ってるけど、私にも権利があるのよね。
見ていると、あたなが特別マリアを気に入っているとは思えないけど、どうなの?」

今回は、第1王女、第2王女のお見合い。
第1王女スザンヌ様も金眼。
お母様は、現ハイルデン公爵の妹。
ハイルデン公爵家のオレリアン様のお父様と、スザンヌ様のお母様が兄妹なので、血が近すぎる。
ただ過去、金眼同士の兄妹で結婚したこともあるそうなので完全に0ではない。

だがグレイ様なら血縁関係は少し離れ問題ない。
ただし、年下になる。
それは私と同じ年なので問題ないだろうが。

政治的な意図が無く良い年の組み合わせで考えると、私とスザンヌ様、
マリア様と、グレイ様かアレクサンドロ家のロベール様どちらかが良いのだろう。

さて、私の気持ちはどうなのだろう?
メルミーナ様に言われるまま従っているが、そもそもマリアは、元日本人。

もしも、一緒に生活する様になるなら、同郷は楽だ。

そういった観点からも、マリアが一歩リード。

マリアは見ているだけで癒される感じがある。

しかし、スザンヌ様もめちゃくちゃ美少女。
今も、少し見つめられるだけで、ドキドキする。

2妃様、3妃様を見た感じで考えると。
スザンヌ様は美人系で少し長身のすらっとしていながら、スタイルは抜群になるはず。
そしてマリアは可愛い系で身長は少し低め。もちろんスタイルも良い。
童顔に反して、バストも大きく母性愛あふれるイメージ。

うーん。解らん。
しかし、これはどちらも外見に関する印象だけ。

「とても悩む問題ですね。どちらかを選べと言われても、
はっきりと選べるほどお二人を知っている訳ではありません。
その中であえて選べと言われれば、マリア様かな」

「どうして?。メルミーナ様に言われたからなの?、それとも聖女が欲しいの?」

「いえ、メルミーナ様は関係ないし、私は自分で回復魔法も使えますから。
しいて言うなら会った順番でしょうか。
実は、私は、マリア様の誕生日に王城に来ていたのです。
会食の準備要員として、我が家の料理長と一緒に来ていました。
その日の朝です。
この庭で猫が木に登って困っているマリア様にお会いしています。
ちょうど、あの木のところですね。
その時に、猫を助けた時に、妖精の様なマリア様に会ったのが印象的だったと言うのが理由です。
ただ、明確に選べるほどではありません。
そもそも、今回は、私に選ぶ権利はありませんよ。
貴方様方が選ぶのですよね?」

「選ぶのは私達なのかしら、でも決めるのは私ではないのよ。
 でも、私と最初にあっていれば、私を選んだかも知れないと思っても良い?」

「えっと、おそらく。少なくとも両方ともに嫌いではなく、
どちらかと言うと、好きです。スザンヌ様を前にすると、今もドキドキして緊張しています」

「嫌われているなら、諦めようと思ったけど、そうではないのね。
解ったわ。チャンスはありそうって事ね。
私の希望は貴方が1番でお父様に話すわ。心にとどめておいてね」

「はい。選んでいただけたことは光栄です。では、おやすみなさい」

「明日、1日があなたの隣に入れる最後かもしれないから、明日は遠慮しないわ。
ではまた明日」と侍女を連れ部屋に戻って行った。

ちょっと衝撃。
あれで13歳なのか。
すごく強い意志を持っている。
大人と変わらない。
まるで、私たち転生者と同じぐらい低年齢での自我の強さ。
メリーナ様の加護が無いから転生者では無いと思うけど。

しかしこれは個人別で競争してたらマリア不利だな。
まあ本人と大人たちで決めることだし。
なにより選ぶ権利は向こうだし私が悩んでも無駄だな。
考えるのを止めてとりあえず、部屋に戻り眠った。

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