旧転生者はめぐりあう

佐藤醤油

文字の大きさ
上 下
47 / 182
3部ジルベール幼少期2

3.15 マリア・ラルクバッハ7歳

しおりを挟む
今日は私の7歳の誕生日。
先週父からプレンゼントにと、前から飼いたいと言っていた猫を頂いた。
生き物なので誕生日まで待つより譲渡されたらなるべく早く慣れた方が良いだろうと、誕生日の前に先渡ししてもらった。

実は私は前世の記憶がある。
自分の名前や両親の事は覚えていないが、家で猫を飼っていたことを覚えている。
今世の初猫は白の長毛種。
近隣国のアルフォンス生まれの優秀な血筋の猫様らしい。

でも猫の名前は<たま>です。

何でも良いと言われたので前世の王道名をつけました。

さて本日は7歳の誕生日まで生きられた感謝を神様に報告すため、教会でお祈りをします。
しかし朝食後に少し時間があったので、たまを連れて庭を散歩していました。
そこでちょっと油断。
たまを庭で遊ばせようと庭に降ろして様子を見ていました。

最初は私の近くで遊んでいたのですが王宮のどこかで大きな音がし、それにたまが驚いき木に登ってしまいました。

すぐに降りてくるかと思ったらやはり子猫。
登った先で怖くて動けなくなってしまった。
どうしよう。

侍女が近くの騎士に頼みに行ってきますと離れたが暫くしても戻ってこない。
そうこうしているうちに、そろそろ教会にいかなければならない時間に。

私はたまを一生懸命呼びますが相変わらずたまは動けず、私は困っていました。

そこに突然後ろから少年の声がしました。「お困りですか?」と。
そちらを見ると金髪で茶色の目をした10歳前後の少年が立っていました。

とても利口そうなしっかりした顔立ち。
服は貴族向けの服では無く仕事着?。
こんな少年が王城で仕事をしているのか?疑問ですが、とりあえず状況を説明すると自分が助けると言ってくれた。

とは言うものの猫がいる位置は大人の身長よりも遥に高い、4mはあると思われる高さ。
どうするのだろう思っていると少年が手に持っていたハーブを持っていて欲しいと渡して来た。
そして危ないから後ろに下がってと。
まさか飛んで助けようと言うのか。

やはり子供。

無謀にも飛べると勘違いしているのか、確かにこちらの世界は前世の人々よりも身体能力の高い人がいる。
騎士の試合も何度か見たことがあるがさずがに4mの高さに手が届くほどの身体能力は見たことが無い。
何をするだろうと離れたところから見ていたらほんとに飛んだ。

ありえない。

たまに手が届きそれも一瞬空中で止まっているかのようにゆっくり抱き上げる。
まるで時間の流れが遅くなっているかのように。
なぜか落ちる時もゆっくりと降りた。

羽が生えているような、そんな感覚。

気のせいだろうが一瞬笑った笑顔の男の子が天使に見えた。

私はびっくりし茫然と立っていたら少年が近づいて来て、ハーブと猫を交換した。
私はとても嬉しかったので「ありがとう」
と言うと少年は「どういたしまして。では、ほんとは近づくなと言われているので、さっさと退散しますね。できれば内緒でお願いします」と。
あっさりと調理場に向かって走り去っていきました。

調理場にいる誰かの子供だろうか?。
しかしこの普通にはありえないこの出会い。
もしかして運命の出会いかな?。
と思ったが、とりあえずこれで教会へ移動できるとほっとした。

ちょうど入れ替わりで、侍女が第1王子のルカお兄様を連れて戻ってきた。
侍女が近くの頼りになりそうな男性を探したが、皆教会の準備でいなかったので、ちょうど通りかかったお兄様を連れてきてくれたそうだ。
侍女は、ルカ王子を見てボーとしている。
頼りになりそうな男性を探していたのではなくて、お兄様を探していたのではと疑ってしまうが、まあ良いでしょう。

お兄様が「猫が自分で降りてきたのか、良かったね」と頭をなでなで。

今の少年の話を上手くごまかせる話も思い浮かばなかったのでお兄様の言われたとおり、勝手に降りてきたことにした。
そして私は準備のために急いで部屋に戻り、お兄様は教会に向かった。

準備と言っても髪形の最後の調整と飾りつけ程度。
すぐに支度が完成し、急いで教会へと向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

番だからと攫っておいて、番だと認めないと言われても。

七辻ゆゆ
ファンタジー
特に同情できないので、ルナは手段を選ばず帰国をめざすことにした。

殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話

ルジェ*
ファンタジー
 婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが─── 「は?ふざけんなよ。」  これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。 ********  「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください! *2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!

悪役令嬢は処刑されました

菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。

ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした

月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。 それから程なくして―――― お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。 「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」 にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。 「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」 そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・ 頭の中を、凄まじい情報が巡った。 これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね? ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。 だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。 ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。 ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」 そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。 フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ! うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって? そんなの知らん。 設定はふわっと。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! ★恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 連載希望のコメントをいただきましたので、 連載に向け準備中です。 *他サイトでも公開中 日間総合ランキング2位に入りました!

処理中です...