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56 ラスト凌辱 ※
しおりを挟むガリアードは俺を抱きしめた手を緩めて、俺を見る。
「リ、リリアン」
「うっ、うっ、僕、お嫁にきたのに、自分の立場をわかっていたはずなのに、それなのに、僕はおこがましくも、あなたを独占したい」
思わず俺の本音がでた。
「リリアン、私もだ。私も、君を独占したい」
「もう僕はガリアード様だけに独占されていますよ。離縁しても、今後誰のモノにもなりません。あなた以外を受け入れずに、一生一人で過ごしていきます」
「リリアンの想いは知っていたつもりだが、そこまで私を愛してくれていたのか。嬉しいな」
何を喜んでいやがる! 俺の必死の告白を、軽く受け止めるな!
「喜んでいただけたのなら、良かったです。だからもう僕を解放してください」
「それはできない相談だ」
「そんな! 僕の想い理解してくれたんですよね? それなのに僕にあなたが他の女性と子供を作るのを見ていろとおっしゃるのですか! ガリアード様は酷いです」
俺はガリアードを下から見た。そしたら、変な顔をしているガリアードがいた。
「ガリアード様? 聞いておりますか? 僕は真面目なお話を、んん」
急にキスされた、嬉しいけど何?
「愛している、リリアンだけだ」
「んっ、んん、がりあ…ど様、は、んん」
俺は涙を流しながら、それでもガリアードのキスを受け止めた。俺の心は、嬉しさと愛しさと悲しみが混じる。
「リリアン、良く聞いてくれ。私の妻は生涯あなた一人だ」
「じゃあ、側室じゃなくて愛人に子供を産ませるのですか? 僕は、僕以外を抱くあなたを見たくないから、名称なんてどうでもいいのです。ガリアード様の逞しい男根を僕以外に使うなんて、僕そんなこと知ったら、きっと愛しのガリアード様のお子様でも愛せません。だから僕には正妻を名乗る資格がない、ん」
またキスで塞がれた、嬉しいけど何? 俺、真面目な話をしているのに。
「リリアンはどれだけ私のことが好きなんだ、嬉しくてたまらない!」
「ガリアード様はどれだけ酷い男なのですか? 僕を口づけで黙らせて、嬉しいけど、口づけはしたいですけど、でも僕は今真面目なお話を!」
「わかっている、ちょっと喜びに浸らせてくれ」
「?」
ガリアードは俺を抱き寄せて、今度は耳もとを舐めた。
「ひゃんっ」
「ああ、違った。可愛い耳があったから、つい。リリアン愛している」
「……」
愛を囁けば黙るとでも思っているのか!
「リリアン、私は愛人も側室も取らない。リリアン以外を今後抱かない。というかリリアンと出会ってからはリリアンしか抱いてないし、これからもそうだ」
「え?」
ガリアードが俺を見つめる。
「跡取りは妹の子供を一人養子に貰う。妹夫婦にも了承を得ている。言うのが遅くなりすまなかった。俺はリリアン以外を抱きたくないし、リリアン以外に子供を産ませるなどしたくない。そもそもリリアン以外を抱きたいとも思わない」
「え、でも、ええ? 本当ですか!? 妹って、アメリア様? お子をいただくって。じゃあ、ガリアード様は僕だけをこの先も抱いてくださるんですか?」
「そうだ、三人目に元気な男の子がいるから、まだ赤子の内に、我が家の養子に貰う。これからはリリアンが母親だ、忙しくなるぞ!」
「うそっ、嬉しいっ、嬉しいっ、ガリアード様!」
俺はガリアードに抱き着いた。
「リリアン、愛してくれるのは嬉しいけど、別れる選択をしたのは間違い過ぎだ、そんなことを思ったこと自体が裏切りだとは思わないか?」
「あっ、ごめんなさい」
「許さない。私の愛を疑われた。それは夫をバカにしたのと一緒だ」
やべえ、今度こそ本気で怒らせた!?
これ凌辱ルートじゃないよねぇ? 一瞬で喜びから絶望へと変わる心についていけなかった。このままではだめだ。俺は嫁いでから今日までめちゃくちゃ頑張って、ガリアードの信頼を得て、相思相愛ハッピーエンドを作ったのに、まさかの最後の最後、物語本編終了後に凌辱コースにならないよね!?
「そんなつもりはっ、僕は、ガリアード様が好き過ぎて勝手な解釈をしてしまっただけで、決してガリアード様をバカにしたわけではありません。お願いです、怒らないで? 僕を可愛がってくださいませんか? ガリアード様が、欲しいです」
俺の低姿勢、大好き大好き旦那様作戦で、元社畜スキルを……。
「うっ、可愛い……いや、その可愛さにいつも流されてきたが、今日はそうはいかない。今日こそ私という男の本質を知ってもらおう。もう隠さない、この先も君は私だけを受け入れるんだ、もうそろそろ本気を出してもいいだろう?」
だめだった! いつもなら可愛いリリアンのお願いに流されるのに、元社畜スキルは初めて効果をなさない。えっ、マジ!? やはり溺愛ルートには導けても、本質は凌辱夫でしたか!?
どうする、どうなる、俺!?
考える間もなく、俺はベッドに仰向けにされた。そして、あれよあれよと裸にひん剥かれて、拷問のように、長い時間かけて極限まで前だけをいじられ続けて、もう出すものもない。後ろは触ってはくれるし、舐めてもくれるが快感を拾うほどはしてくれない。
「アッ、ああッ、いや、もう辛いっ」
「だめだ。お仕置きなのだから、辛いのは当たり前だろう」
いつもならすぐに後ろをいじるのに、前だけしか触ってくれない。お尻がうずうずして、内腿を閉めようとしても、パカって開かれる。もうぐったりした男根は、機能を果たさない。それなのに、いまだしゃぶってくるガリアード。
「うっ、でも、も、痛いっ、ああ。後ろにしてぇ、ガリアード様が欲しいよぅ」
「俺のコレはもうリリアンしか受け入れないんだ、それをよく理解したか?」
「しましたあっ! ガリアード様のご立派なモノは僕のここだけが帰る場所ですぅっ」
「なんて、いやらしい表現をするんだ。このっ、可愛すぎるだろう!」
「ごめんなさいっ、あああっ! きたっ、きたっ、ガリアードさまが!」
「リリアン! くっ」
ガリアードのソレはいつも以上に大きくなって、俺を苦しめた。そしてもう出るものも無いからか、挿入ってきた瞬間に、後ろが変な動きをして一瞬で飛んだ。
「リリアン? 動くぞ」
「あああ、はっ、が、りあど、さまぁ、あ、あ、おかしいっ、僕の中が、あぅ、怖い、壊れちゃう、ああぁぁぁ。だめ、動いたら、だめっ、変だから、ああ」
「ああ、いつも以上に後ろだけで感じてるな、クソっ搾り取られるっ」
「固いっ大きいっ、ああァ」
ガリアードが激しく動く。俺は必死に掴まる。
「くそっ、くそっ、このまま監禁してしまいそうだ、毎日毎日、この胎は俺の子種をいれてやる」
「あ、あ、あ、嬉しい!」
俺は頭がバカになった。とにかくガリアードがずっと俺の中に居座って、わがままに動いているが、全てが嬉しい、監禁? してくれ、俺をもう離さないで、心の中で思うしかないくらい、もう言語を発することができなかった。
俺は幸せに浸った。だが、イキ過ぎた快楽により、苦痛もあったのは目をつむることにした。
「リリアン、まだ気を失うな」
「あ、はいっ、ああァッ!」
ぱんぱんと肌と肌がぶつかり合う音がする。
俺は明日、いろんなところが内出血するんじゃないのか? 後ろからも犯されて、尻に当たるガリアードの肌との結合部分がびちょびちょ、ぱんぱんうるさい。俺の尻は、猿のように赤くなるのは間違いない。そして体中に、噛み跡とキスマーク、なにかの伝染病のような怖い肌になるのも想像がつく。ジュリにこんな体を見られるのは嫌だな、でもマッサージしてもらわないと、体が動かないと思うし。
もう心はどこかに行っていた。とにかく気持ちいいし、怖い。
「あ、あ、あん、うっ、ああ!」
「リリアン、リリアン!」
「ガリアード様、すきっ、好き、だいすきっ。ああん」
もうこれ以上お腹に入らないってくらい、ガリアードの子種が腹に収まった。そして今度こそ意識も堕ちた。
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