凌辱夫を溺愛ルートに導く方法

riiko

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49 断罪劇 ~第二王子視点~

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「これはなんだ!? なぜ父上にサリファスまでいるんだ!」
「兄上、いくらなんでもやりすぎです。ワインバーグ公爵のお気持ちも考えてください。息子の閨をこっそり見て、さらには息子夫妻の性癖まで知ってしまった親の気持ちを!」
「き、貴様っ!」

 ふっ、わめいているよ。

 俺は国王陛下である父上に全てを話し、公爵と協力してこの日を迎えた。

 父は兄の悪政を知っていたが、正妃の勢力が強く止めることができずにいた。

 その貴族間のバランスも変えたいと思っていたところ、まさかの宰相の協力を次男である俺が持ってきた。幼い頃に亡くなった母を父は愛していたから、その母の産んだ俺は、父から可愛がられていた。政略結婚だけの正妃とわがままな長男には、ほとほと愛想が尽きていたらしい。俺の母は正妃の差し金で亡き者にされた。それを暴けなかったことをずっと父は嘆いていた。どうしても証拠が見つからなかったのだ。だがついに第一王子が関与したとみられる人身売買も、宰相の息子をおとしいれる策略も、証拠が山ほど出てきた。やっと父も表立って断罪できると言った。

 兄に対する愛情が無いわけではないが、兄は母親に似て、正義のかけらも見いだせなかった。そんな息子を正しい道へ導けなかったと父は悔やんでいたが、それは仕方ないと俺は思った。国王であったため、父親としての時間は持てなかった。俺と兄の違いは、育ててくれた乳母や母親の教育方針だと思う。だがそれにより俺は悪の道へは行かずにすんだ。権力を持つものは時に冷静に自分の私利私欲に走らない強い心が必要だ。

 父は病に倒れたとはいえ、表舞台には立てずとも身内のいざこざに付き合うくらいの体力は回復していた。実質、宰相であるワインバーグ公爵が国を支えてくれていたので、父も公爵には頭が上がらなかった。その公爵の愛する息子が第一王子によってはめられそうになっていると聞いたら、寝込んでいる場合ではなく今回の舞台の裏では国王陛下自らが動いていた。

「よくも王家の恥をさらしてくれたな、お前を王族から除籍する。本来なら秘宝を盗んだ者は絞首刑だが、一応元王族だ、命だけは取らないでおこう。平民として生きていくといい」
「ち、父上!?」
「もう私の息子ではない、よくも宰相の息子を、この国を救った英雄をおとしいれようとしてくれた。お前と王妃の悪政に目を瞑っていたが、もう限界だ。平民として権力の無き世界で人としての生をまっとうしなさい。それが親としての最後の指導だ」
「そんな、は、離せっ!」

 兄は屈強な兵士に腕を掴まれた。そして、公爵も侯爵も父もみんな部屋を出て行った。

 取り残された俺と兄。

「兄上、あなたは人にどれだけのことをしたか、その身で知るといい。俺の恋人の弟は、あなたの指示で兄上の私兵に強姦されそうになった。寸前で騎士に救われたが、間に合わなければ男たちにまわされて命も落としただろう、あやうく俺の大切な人を復讐に燃えた女にするところだった」
「あぁ、お前の女は目障りだからまずは弟から汚してやろうと思ったが、失敗したのか、それは残念だったな」

 やはり兄上の差し金だったか。ああ残念だよ、本当に。

「私はこの国を思い、公爵家という強い勢力を王家に引き入れるためにリリアンを後妻に迎えるはずだった! 私の方が国を思っている。お前が身分の卑しい女にうつつを抜かしている間にも、王族として私は動いていた。それを邪魔するなんて!」
「後妻って、あんたまだ奥さんいただろう。それにリリアンは旦那を愛しているんだよ。兄上の出る幕なんてないからな」
「貴族の結婚は愛など必要ない、利益だ。妻には子供を産んでもらったら離縁するつもりだった。あの女はそれしか価値がないからな」
「相変わらずゲスだな。でもあなたはもう貴族ですら無い」

 そこで一人の騎士に連れられてきた男が入ってきた。ずっと辺境伯領の地下牢にいた男なのでとても臭くて汚れている。リリアンをおとしいれようとした最初の刺客の医者だ。

「なんだ、その汚い男は」
「この人は、今日から兄上の旦那様になる人です。平民になったら一人じゃ生きていけないから、この人の妻になるように戸籍を変えておきました」

 そう、兄にはリリアンがされる予定だった凌辱を経験してもらう。

 この医者から聞き出したことは、リリアンに王家御用達ジェルという、ただただ感じてしまう媚薬入りのジェルを使用して、初夜前にリリアンを凌辱するということだった。兄からは凌辱までの指示は受けていなかったとのことだが、リリアンは非処女だったと診察後にガリアードに嘘を告げて、結婚初日から二人を不仲にさせる計画だったと言った。

「な、なにを言っている。私にはまだ妻がいる」

 お前さっき離縁するって言ってたじゃねぇか、調子いいなこの野郎。

「ああ、義姉君は離縁に承諾をして実家に帰られましたよ。妻だからって不当に扱うと後が怖いですよ、あなたに捨てられるのはわかっていたみたいで、新しい旦那候補を紹介したら感謝されました! 安心しました?」
「は?」

 兄上はこの状況を理解できていない、当たり前だろう。少し前まで第一王子として華やかな世界にいた。

「ほら、あなたの地位を危うくした兄上だよ、好きにしていいからね? ああ、あのジェルもここにあるから好きに使うといい」

 リリアンを善がらせようと用意していた、王家御用達ジェルと嘘をついたお粗末な品。俺の元恋人のリックにイキ地獄を味合わせたブツだ。どうせなら俺とリックが付き合っている頃にこれを俺にくれれば良かったのに。もう使うことは一生無いと思うと少し寂しいが、処女の彼女にこれを使うわけにもいかないし、リックほどどんなプレイにも耐えられるとも思えないから、やはりこれは一生使えない。せめて兄上だけでも楽しんでもらうことにしよう。

「ほ、本当に、私が第一王子の夫でいいのですか? 凌辱しても?」
「もちろんだよ! 今後は医者として、街で平民の皆様のためにご奉仕することと、妻を調教することさえ誓えば、お前の命は奪わない。ただし兄を調教できず逃がしたとなったら二人ともここにいる騎士に殺される。元王族なので一応監視はつけるから不備があればすぐに報告がくる。あと、この騎士も凌辱には参加するから三人で仲良くするんだよ!」

 そこには屈強な騎士が一人いる。この男は散々兄上にこき使われていた私兵の一人、恨みが相当強いらしく、自分が監視役に就くと名乗り出てきた。頼もしい、ついでに凌辱にも参加していいよって言っておいた。

 この男は兄上の命令で、したくもない強姦を散々してきて罪の意識で自害しようとしていたところ、俺が救った。俺に恩があるし、捨てるはずだった命が兄を一生苦しめるということで役に立つならと言ってくれた。とてもいい奴だ。

「サリファス! 貴様何好き勝手に言っているんだ、そんなこと第一王子である私にできると思っているのか!」
「だから、もう兄上は王子じゃないってば。ちなみに元王妃様は兄上を捨てて一人で逃げたよ、すぐ捕縛されると思うな。二人そろって暮らせなくなって残念だね。でも兄上はラッキーだよ。夫が二人もできるんだから! 可愛がってもらってね」
「貴様ぁ、あっ、やめろ、離せっ!」

 そこで騎士に押さえられた兄上。もう凌辱始まる? 見られなくて残念だけど、初夜は当人たちで楽しんだ方がいいもんね。この部屋は自由に使っていいと言っておいた。凌辱が終わったら、用意した馬車で、王都から遠く離れたところに家を用意してあるからそこへ行くように伝えてある。医者はともかく、兄上に使われてきた騎士はさすがにそんなところに住まわせるのは可哀想だから、家は気合を入れて綺麗に作っておいた。どこで凌辱しても楽しめる作りにしたから、一生そこで兄上を飼ってくれたらいいなって。

 医者には奉仕してもらうために、そこで医療活動を命令した。昼は医者として働き、夜は兄上を調教する、うん、いい人生設計だね! 

「じゃあね、兄上。初夜楽しんでね!」
「やだ、やだ、やめろぉぉー、私は汚されていい人間じゃない、触るな、やめてくれぇぇー! うわぁ!」

 バタン。扉はかたく閉ざした。これで親友変態夫妻も安心して暮らせるだろう。

 俺も明日には王太子に任命される、ウィンウィンだ! ああ早く彼女を嫁にして俺も初夜を楽しみたいよぉぉ! これから忙しくなるな。

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