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第七章 決断
162、桜の煩悩 3(桜 side) ※
しおりを挟む「おれ、湯船浸かりたいっ、抱っこして入れて?」
なんのボーナスステージだ?
今度は裸で抱っこを許された。俺は争うことなく良太を抱きかかえて湯船に腰をおろした。良太が、ほうぇーって声を出して暖かさにほっこりしだした。
――死ぬ、俺はこの番に殺されるっ――
可愛すぎて俺の息子から、蜜が溢れている。そんなこともつゆ知らずの良太は前からしっかり抱きついて俺の肩に頭を乗っけて、ほえほえ言っている。それはどこの言葉だ? 妖精界の言語なのか!?
妖精さんが俺の肩にっ。
「ん? 股間が大きくなってるよ、どして?」
「気にするな、お前が天使すぎるから、もうしょうがないんだ」
「なにそれっ、天使とか、そんな言葉、ウケるっ」
ウケるっ、これも初めてのワードだ。
ありがとう、神さま、天使さま。良太のボキャブラリーがどんどん増えていく。
「ふふふっ、キスしようか? お口磨いてくれたからもう匂いしないと思うけど、していい?」
「うううっ、お願いするっ、してくれっ」
「よしよし、いい子にはご褒美だよっ、ちゅっ」
ご褒美!
それは妖精がするキスだった。エロさのかけらもない、触れるだけの天使のキス。でも俺の息子はそれすらも快感を覚えた。もう我慢できずそのまま良太の口を大きく開かせて、深いキスをくりかえした。
「良太っ、ご褒美のお礼に良太を気持ちよくさせてもいい?」
「うっっ、ふあっ、もうっ、きもちいからっ、これ以上は、めっ!」
めっ! って、お前はどこまで俺を翻弄するのだろう。
「でも、でもね、俺が気持ちよくさせてあげるならいいよ?」
「ごくりっ」
なにがいいのだ?
俺が気持ちよくさせる? それは良太が俺を気持ちよくさせるということか? 生唾を飲み込んだ。
「ちょっと、外でよう? お湯の中じゃ無理だからっ、はい、だっこ!」
「ああっ、浴槽から出よう」
番の言うままに従うアルファの本能だ。良太を風呂椅子の上に座らせた、一体なにをするのだろう。
「おすわり」
俺は言われるままに、正座をした。
「ふふっ、よくできましたっ、じゃあ、この椅子に座って足開いて。こっちにその大きなおちんちん向けてねっ」
「ぶふぉっ、お、おちんっ!?」
「うわっ、まだなにもしてないのに、もっと大きくなっちゃったよ? お口に入るかなっ」
「えっ、口に? 入れてくれるのか?」
「そうだよー。俺の口は気持ちいいよっ、うまいって評判なんだからっ、あれ? ちょっと小さくなった?」
「良太……」
俺はその良太の素の言葉に、少なからずショックを受けた。
良太は昔、オークションで散々男たちの欲望を口で処理をしてきた。その過去があったから口淫はさせてこなかった、そんな辛いことを思い出させたくなかったから。
「良太っ、お前はそんなことをしなくてもいい、俺に愛されているだけでいいんだよ? 口淫は俺がするからお前はひたすら感じていればいい」
「ぐすんっ、なんで? だって、先輩が言ったんじゃん! 過去を塗り替えてくれるって、上書きしてくれるんじゃなかったの? いつも口でやらせてくれないのは、おれ、の口がいろんな男を加えてて汚いからでしょっ、先輩の味を俺も知りたいっ、先輩のでオレの口の中を上書きしてようっ、グスンっ」
そうだったのか、良太がそんなこと考えていたなんて全く知らなかった。こんなに素直にならないと自分の欲望もしたいことも言えない、俺は番として情けない。たまには酒を飲ませて、本音を言わせたほうがいいのか?
「良太、俺はそんなこと思ってないよ。お前は俺の天使だ。汚いなんて一度も思ったことない、できればお前の可愛い口で俺のこの愚息を可愛がって欲しいっ、ずっと思ってたけど言えなかったんだ、すまなかった」
「えっ! してもらいたかったの? なんだっ、オレずっと引け目を感じてたの。聞けてよかった! じゃあ、お口に入れま――す」
やはり今の良太は欲望に忠実なのだ、泣いていたと思ったらいきなりテンションが変わる。まさに酔っ払いの特徴そのものだ。
「うをっ、うっ、良太っ、ま、て、なんだこのテクニックは」
「ふふふゅ――、ボレっ、うまい、でちょっ、ぐちゅっ、じゅじゅじゅっ」
だめだ、これじゃすぐ出てしまう。
「良太っ、すごく上手だ、もう離してくれ、ないか? このままじゃ良太の口いっぱいに吐き出してしまうっ」
「はきちゃしてっ、オレ、のみたいのっ」
「うっ、っっっっ」
アルファとしての尊厳が……。
こんな口淫は初めてだった、今まで散々俺のを加えてきたオメガは多くいたが、こんな心まで満たされるのは初めてだった。悔しいけど良太のテクニックも、番に愛されているという、その感情も加わってたまらなく気持ちよかった。
俺は我慢も効かず吐き出してしまった。それを良太は一生懸命口に受け止めて、ごくんって飲み干すと、そのまま汚れているペニスをペロペロと舐めて最後まできれいにしてくれた。
「ふ――美味しかった、すごいっ、今までこんなまずいものなんで飲まなきゃいけにゃいんだ――って嫌だったのに、先輩のはすごく美味しいっ。愛してる人だからかな! ふふっ」
「良太っ、愛してる、ありがとうっ」
浴室いっぱいに良太のフェロモンで満たされている、そんな中で良太に愛されて俺は今までで一番の幸せを感じていた。良太の口についた白濁を指ですくうと良太はにっこりと笑うので、そのまま口付けをした。青臭い味がしたが、これを美味しいと思うのは番だからだろう、実際俺も良太のはなんの戸惑いもなく飲めるし、美味しいとさえ思う、が、自分のはまずい。
「っふっ、んはっ、あっ、すきっ、先輩好きっ」
「ああ、俺もすきだっ、愛してる」
「うしろっ、いれて、これで掻き乱してっ」
「い、いいのかっ?」
「うん、だってもううしろ、びちゃびちゃだもんっ」
下にいた良太が俺から離れて、なんとっ、今度は俺の前で恥ずかしげもなく足を開いて後ろの穴を両手でパックリと開いて見せてきた。なんとも魅力的な穴がある、パクパクとそこは生き物のように動いていて、蜜がとろとろと垂れている。
「ゴクリっ」
「ここ、ここにそれ、挿れて?」
「良太っっっ」
「ああっっつっっっ、すごいっ、おおきいっっ、あんっ、あっあっ」
テクニックもなにもあったものではない、俺は必死に抜き差しをした。中はおかしなくらいうごめいる。
「あっあっ、熱いよ、きもちいいっ、あっつ、そこそこっイクっ」
「イケっっ、俺もお前の中にいっぱい出してもいいか?」
「出してっ、俺の中、先輩でみたしてっ、あっ、んんっっっ」
良太と俺は同時に達した。はぁはぁと、良太を抱えながら息を整えていると、良太からすやすやと寝息が聞こえてきた。
良太は落ちたようだ。
アルコールは怖いな。でも大人になったらこういう楽しみ方もできるのかと思ったら愉快になってきた。
「良太愛してる、お前は回を増すごとに俺を虜にして離してはくれないね。どんどん好きになっていってしまうよ」
頭にチュッとして、二人の体をシャワーで流してから、浴室を出て良太にパジャマを着せたりドライヤーをかけたり、そして綺麗な肌が長い時間風呂場にいてふやけてしまったので、全身にオイルを塗って、腰回りも念入りにマッサージを施した。
すると目が開いた良太は気持ちよさそうな顔をして俺に微笑みかける。そのまま太もものマッサージをしつつ、俺の息子が暴れた孔周りも念入りに解した。案の定、後ろはまたぱくぱく言い出したので、そのまま挿れさせていただいた。
「あぅ、あっ、ん」
「良太、愛してる」
「うっ、ああぁぁっ」
その後もベッドの上でも無理させてしまった自覚はあるので、明日は声が枯れて体の痛みは出るだろうなと思った。
少しでも良太の辛さを軽減させるため、最近は内緒で行為の後はこうして全身のマッサージをすることにしている。そうすると寝ていても気持ち良さそうにフェロモンを飛ばしてくるし、可愛く笑うので、やめられない。数回に一度はこうして俺が耐えられなくなり暴走するのだが、それは仕方ない。
「明日も、またたくさん思い出を作っていろんなことを上書きしていこうね、おやすみ良太、いい夢を見て」
そうしていつも通り良太を抱きかかえて眠りについた。
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