162 / 237
第七章 決断
161、桜の煩悩 2(桜 side) ※
しおりを挟む他愛もない話をしていると、しばらくして良太はスヤスヤと眠りだした。それを機にお開きにして二階にある部屋へと良太を運んだ。両親は一階の部屋を使うようなので、声が聞こえることもないだろう。
というか、あの二人は今日も盛るに違いない。
普段忙しいから、休暇中はきっとタガが外れて毎日している筈だ。同じ階ではお互いにアルファがオメガを囲うのに安心できないので、両親と階をわけて使用することにした。
良太をベッドに下ろすと、可愛い寝息を立ててスヤスヤとしている。服を脱がしてパジャマに着替えさせるか。バーベキューをしたから風呂に入れてあげたい気もするか、アルコールを取った後だ。気分が悪くなる可能性を考えて、軽く蒸しタオルで全身を拭くだけにした。
それにしても体まで赤くなっていて、アルコールに弱すぎる。体を拭いていると暖かいタオルが気持ちいのかフニャっと笑って気持ち良さそうにしている。
――可愛いっ――
俺は、この昂ぶるモノをどうしたらいい!? 試練だ、目の前に裸の番がいる。というか拭いているから裸なだけで早くパジャマを着せてあげなければと思うものの、だめだ。魅力的すぎる体を前にとても服を着せられない、ずっと眺めていたいっ。いやっ、だめだ、服を着せなければ寒がりな良太が夏風邪を引いてしまうっ。
俺は数分間、煩悩と戦っていた。
勿論良太を温めるために、良太の体をずっとさすっていた。乳首が立ってしまった。すまないっ、良太っ、お前の意思とは違うこの乳首を許してやってくれ。
おっといけない、肝心な良太の可愛いペニスはまだ拭いていなかった。そっとそれを暖かいタオルで包み込む。
「ふあっ」
良太の吐息が漏れた。気持ちよかったのだろう。勃つ兆しは見えないがまあ暖かいものに包まれれば気持ちいいのだろう。ちょっと力をいれて念入りに拭いてあげることにした。上下にこすって。あっ、良太の繊細なところはタオルでは傷がついては大変だ。手できちんとさすってあげなければ。
「あっ、っふ」
寝息か?
これは寝息だ。そうだ、もう少しだけ綺麗にしよう。そうすると良太のかわいいペニスは起き上ってきた。
「はっ、ふっ、あ」
ここまで来てしまっては吐き出さなければかわいそうだろう。寝ている時に出してしまえば、安眠に繋がるに違いない。そう信じて良太をいかせることにした。すると後ろからオメガが特有の蜜が出てきた。
もうだめだ、フェロモンまで香ってきた。
――挿れたい、挿れたい――
俺もラットに近付く。
「良太っ、すまないっ、愛してる」
「はっっっ、ああっっ」
後ろに指を入れて、かき混ぜた。どんどんと蜜は溢れる。それに俺のラットに合わせて良太が発情する、もう抑えきれない。後ろも柔らかく俺を受け入れる準備が整ったみたいだ。そのまま俺の剛直を差し入れた。
「ぐっ、りょ、うた」
「あああっっ、ええっっ、あっ、なに?」
「好きだっ、愛してるっ、っくっ」
「あんっ、だめっ、イクイクっ、ああっ」
俺は一気に奥まで差しいれ、中に白濁を出したが、止まらずさらに何度も抜き差しをして何度も達した。その間も良太は俺に愛されたまま、ずっとイキっぱなしだった。ああっ、可愛いっ、きもちがいいっ、良太が愛おしすぎて、たまらないっ。
「あっっ、もう、もう、むりっ、あっ、あついっ」
良太は寝ているところを俺に犯されているのに、それでもずっと俺に抱きついているのがたまらなく愛おしい。
酒の力はやばい。
思いっきり口内を貪ってキスをした。チョコレートの甘さとラムのほろ苦さを感じた。
「んんっ、はむっ、あんっあっ、きもちいいっ、先輩っ、好きっ」
「お前はどこもかしこも美味しいっ、ああ良太好きだっ、たまらなく好きだっ」
ずっと良太を上から揺さぶっていた。すると良太がもう出るものもなくなって中でイキはじめた。やばいっ、ひさびさに持っていかれそうになる。このまま俺が本格的なラットに入ったら、まずいっ。酒も入っているのにこれ以上無茶はさせられない。もう一度良太の中に吐き出して、少し中で揺さぶりをやめて止まることにした。その間も良太の中はうねってずっと感じているようだった。
「はっ、はあっ、はっっ」
良太は息を整えている間、ずっと髪をさわって頭を撫でていた。
「うっ、き、きもちわるいっ、ぬいてっ吐く」
「えっ、大丈夫か」
「ああっ、中で大きくしないで、吐くっ、トイレっ、」
揺さぶりすぎたようだった。
酔いが回った良太の顔色が悪くなっている。俺は中から抜くとそこで良太の喘ぎ声が響いた。感じてしまったらしいが、そのまま抱きかかえてトイレに連れて行った。
トイレにこもると良太は勢いよく嘔吐をした。俺はずっと背中をさすっていた。裸でいるのもかわいそうなので、羽織るものを持ちに行くのと同時にコップに水も入れて持っていった。
「ううっ、き、持ち悪い――、ううううっっ」
「良太、よく頑張った、かわいそうにっ、俺がお前を揺らしすぎたせいだなっ、酔いがひどくまわったんろう」
「うえっ、ううっ、グスッ」
良太の背中にガウンをかけて、口にコップを近づけて、うがいをさせる。
「お風呂いきたい、体気持ち悪いしっ、口も磨きたいっ」
「ああ、行こう、抱っこして大丈夫か?」
「だめっ、浮いたらまた吐くっ」
「そうか、じゃあ俺の腕に掴まれ、がんばって歩こうなっ」
良太が必死に俺に捕まって歩く。ああ、まだかわいいっ。俺の愚息がこんな具合の悪い良太を見ても元気になってしまった。
良太を風呂場の椅子に座らせて、暖かく調整しシャワーをかけると、良太がふわ――って声を出している、なんだ、それはどこから出した声だ。天使のささやきのようなそんな音色だった。
「ふっ、あっ、きもちいっ、あっったかい、頭も洗って?」
「ああ、良太の全ては俺が洗うから、安心しろ。気持ちいか?」
「うん、すっきりしてきたぁ」
一通り洗ったら良太はニコって笑った。もしかしてまだ酔っている? こんなに好き勝手触っても全く起こることもないし、恥ずかしがらない。
「今度は歯も磨いて、できる?」
「あ、ああ。できるとも。いいのか? 俺が良太のお口の中を、隅々まで磨いても」
「うん、奥歯までしっかり磨け、オレ、虫歯は嫌だからっ」
「おお、ま、任せろ」
これはまだ酔っている。
でも吐き出したせいか、顔色も悪くないしスッキリしている。オレは歯磨きにミントの香りの歯磨き粉をつけて口の中を念入りに一本一本丁寧に磨いた。こんなに一生懸命歯を磨いたのは初めてだ。番の口の中を自由にしている快感はたまらない。これっ、これからもやらせてもらえないだろうか。
「良太、磨けたよ。口ゆすぐだろ? シャワーでお水入れるよ?」
「おう! ひゃやくいれてっ、ミントが辛いよぅ」
かわいいっかわいいっ、たまらないっ。どうしよう。オレはもう限界突破してしまいそうだ。
「ふへっ、スッキリした。先輩のお口もオレが洗ってあげる、ほらっ、あ――んは?」
「い、いいのかっ!?」
「早くあけろ――。もう磨いてあげないぞ?」
「わかった、お願いするっ」
あげないぞって、ぞって言った。
この言葉は初めて出た。今日はなんだ? オレの誕生日か? キリストの生まれた日か? こんな特別なご褒美をもらえるなんて、オレはっオレはっ。
「ごほっ」
「あっ、ごめん、なんか歯ブラシが舌の奥に入っちゃったよね、これっておうぇーってなるんだよねっ、ごめんごめんっ」
変なことを考えた罰だ。
「いやっ、気にするな。よく磨けてるな。とても気持ちよかったよ、ありがとう」
「うんっ、オレ歯磨き好きなんだっ、岬の歯もよく磨いてあげてるから、うまいでしょ?」
「とても上手だ」
岬とは、岩峰の息子か? まだ幼稚園の幼い子だ。良太はいい母親になるな。オレの子供の歯磨きも上手にするのだろうなと、妄想に浸ってしまった。
応援ありがとうございます!
15
お気に入りに追加
1,713
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる