ローズゼラニウムの箱庭で

riiko

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第七章 決断

155、最後の夏休み 5 ※

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 静かな空間、外からは波の音。二人だけの神聖な場所、そんな時間が優しく流れた。

 そして二人して見つめ合うと笑ってしまった。先輩が俺の唇に軽くチュッとキスをすると、抱き合ったまま会話が始まった。

「良太、さっきはムキになって悪かった」
「いいえ、ちょっと恥ずかしかったけど、でも嬉しかったです、先輩ありがとうございます。それに、またこんなにステキなところに連れてきてくれて。僕はどうお返ししたら良いかわかりません」
「じゃあ、このまま良太を愛させて?」

 それは、このまま抱かせてって意味かな? いつもははっきりいうのに、時々曖昧な言葉を言うからよくわからないけど、間違っていたら恥ずかしいけど、でもこのまま抱いてもらいたい。

「先輩、僕をベッドに連れってって?」
「……うっ、良太!」

 先輩は困ったような嬉しいような面白い顔をしている。急に唇が奪われたから、これが正解なのだと思った。

「んっ、んっ、ベッド……」
「……ああ、そうだったな。すまん。すぐ連れて行く」

 俺を安定のお姫様抱っこをしてそのまま、ベッドルームまで運んでくれた。迷わず運ぶってことは、先輩はここに泊まったことがあるのだろう。昨年は着替えに使っただけだから寝室までは行ってない。

 誰とここに来たんだろうって、いきなりそんな考えが浮かんだ。ちょっと悲しくなったところでベッドに降ろされた。

「どうした? 良太」
「えっ、」
「泣きそうな顔してる、嫌だった? お風呂先にする?」
「あっ、違います。大丈夫です」

 顔に出ていたのか。こんな楽しい時に、よくわからない過去のことで悩むなんてバカみたいで、まるで生産性がない。俺ってこんな卑屈な性格だったっけ? 先輩が寝ている俺の上からかぶさって両手で顔を覆ってきた。

「俺はそんな顔をさせた良太の憂いを知りたい。さっきまで笑顔だったのにどうしていきなりそうなったの? お願い、教えて。察してあげたいけど、俺が考えてる時間が勿体無い、早く良太を解放してあげたいんだ」
「ふふっ、解放って。ごめんなさい。すごく小さい嫉妬しちゃっただけ」
「ん? 嫉妬? 何に??」
「だって、先輩どこも見てないのに寝室がどこだか知ってたでしょ、迷わず僕を運んでた。だから以前もここに来てこうして先輩に寝室に運ばれた子がいたのかなって思ったら辛くなっちゃって。ね? くだらないでしょっ、ごめんなさいっ」

 そしたら、急にぎゅ――って抱きしめられて、耳元に唇が触れてきて、ビクってなってしまった。

「嬉しいよ、いつも俺ばかり嫉妬してるから。良太が存在しない相手に嫉妬するなんて可愛くてしょうがない。ここに恋人として連れてきたのは良太だけだよ。ここは俺にとっても大切な場所なんだ。だから誰も連れてきたことはない、将来を誓った良太だから連れてきた。ここを知っているのは子供の頃から両親とよく泊まっていたからだよ、本当にそれだけ」
「えっ、だってあんな立派な別荘があるのに? ここに?」

 てっきり、恋人を連れ込むのにホテルを利用しているのだと思った。

「このホテルは気に入っていてね、あの別荘はたまたま最近手に入れたものなんだよ、それまではいつもホテルを利用していたんだ、他にも寝室が三つほどあるよ。泊まっている間に全ての部屋で愛し合おうね」
「じゃあ、ご両親との大切な思い出の場所に、僕を連れてきてくれたんだ! 恋人として連れて来てくれたのは僕が初めてなんですねっ、嬉しい」
「これで良太の憂いは無くなった?」
「色々、ごめんなさいっ、」
「いや、良いんだよ。むしろそうやって良太の想いを知っていくのは嬉しいから、本当に可愛い嫉妬をありがとう」

 そして俺からおずおずとキスをする。拙すぎるキスにも先輩は喜んでくれて、むさぼるような先輩のキスが始まると、先輩は舌でこじ開けようとするので、口を開いて先輩の熱い舌を受け入れて、もう息が上がりそうになる。そのまま先輩は俺の胸に手を当てて、乳首を丁寧にこね始めた。

「あっ、」
「ふふ、可愛い」

 唇から二人の唾液が糸を引いて、離れていく。その濡れた唇をみてお腹の奥が疼いてきた。先輩は軽く微笑んでから今度は乳首を片手でつまんで、もう一つの乳首に唇を当てて、ちゅって音を鳴らしてキスをしてから、舌を出してぺろぺろと舐め始めた。

「ああっ」

 その間も空いた手は下へと下がる。俺の軽く硬くなったモノを服の上からさすると、チャックを器用に開けて中身を取り出した。恥ずかしい。ポロんって、簡単に硬くなって外の空気を浴びた。

「んっ」

 先輩の手がそれを握ると、もうそれだけでまたビクビクってなる。おかしくなりそう、先輩の手に導かれてすぐにいってしまいそうだった。

「はっ、はんっ、あっ、だめ」
「だめ? 気持ちよくない?」
「あっ、胸の上でしゃべらないで。あっ、いっちゃう」

 先輩は胸もペニスも同時に気持ちよくさせてくれてあっという間に俺は上り詰めた。

「いいよ、出しちゃいな」
「あああっっっっ」

 プシュっと先輩の手の中に白濁を出した。俺は軽く息が上がっていて、そして後ろが触られてもないのにヒクヒクしてきた。

「せ、んぱいも、する?」

 俺は息があがりながらも、先輩のズボンを押し上げている部分を触った。硬くなってくれていて嬉しかった。

「ああ、俺は良太の中で出したい。いい?」
「うん、出してっ」

 俺はニコって笑って答えた。本当は俺の手でいかせてあげたかったけど、俺の拙い技術よりは後ろに入れてもらった方が先輩もいけるだろうと思ったし、何よりも早く後ろに欲しかった。

「ははっ、煽るな。まだ後ろはほぐしてないから、もう少し良太が気持ちよくなってからだよ」
「でも、先輩のここ、パンパンだよ。かわいそうだよ、早くれてあげなくちゃ、僕の口にいれる?」
「煽るなっ、それも魅力的だけど良太と一緒にイきたいから、後ろにね」
「ひやっ、あっ、あっ、」

 そう喋っている間にも器用に後ろをグチュグチュといじってきた。凄い技だな、簡単に指が三本まで増えていた。俺も前でイッている間も後ろから蜜は溢れていたから、後ろがほぐしやすくなっていたにしても、なんだろう、このテクニックは。

「あっ、きもちいいっ、お願い、もうきて、れてくださいっ」
「良太、れるぞ」
「あっ、んんっ」

 先輩は切羽詰まったような声でれるっていった割には、ゆっくりと入ってきた。あまりにズズってゆっくりれてくるものだから、逆に快楽がずっと続いて、早く早く奥に欲しいって、うずいたまま、前立腺を攻められた。

「あっ、そこ、あっ、いやっ」
「いや?」

 浅いところをいつまでもじくじくと攻められて、気持ちいいんだけど、もっともっとって思う。

「んっんんっ、せ、んぱいっ、意地悪しないでっ」
「してないよ、気持ちよくて俺は蕩けそうだ。良太は?」
「あっ、き、もちいっ、けど、もっと奥にきてほし、ですっ、あっ」
「わかったよ、可愛く鳴いてね、」

 ずんって、大きい質量がグワっと奥まで入ってきた。それだけで散々焦らされていた俺は、あっけなく果てた。自分のお腹の上を白濁で汚した。

「ああ、気持ちいいよ、もう少し頑張って?」
「はっ、あっ、あああ」

 何か言っているけど、俺はずっとイッていて、揺さぶられてよくわからなくなって必死に先輩にしがみついていた。そして速い抽挿ちゅうそうが終わるとお腹の中がブワッと熱くなった。あっ、先輩が俺の中に、そう思って嬉しくてたまらなかった。

「あっんんっっ、先輩、お腹っ、あつい」
「良太、愛してる。お前の中に、俺をずっとれていて」
「あっ、」

 どくどくとアルファの射精がずっと続く。この時間は至福の時間だった。俺の中に種が入ってくる、大好きなつがいの精子が。入っている間もどくどくと俺の腹は熱く、そして俺のペニスからもちょろちょろと少量だけど出続ける。

「先輩、気持ちっ、先輩のがずっと入ってきて、お腹がきもちいい」
「良太、良太、俺の良太」

 先輩のペニスはまだ俺の中で主張している、その間も先輩も俺もひたすら気持ち良さによって、キスを繰り返していた。セックスはこんなにきもちよくて、心まで満たしてくれる。

「先輩っ、好きっ、すきぃっ」
「ああ、俺もお前がっ」

 俺は心地よさの中、意識を失った。
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