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第三章 幸せへの道
50、上條桜 10 (桜 side)
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発情が開けた良太はすっかりいつもの素っ気のない、俺に興味のないそんな良太に戻っていた。
あんなに俺を求めてきた良太とはまるで別人だ。いや発情期中の彼の方が別人なのであろう。
だが、俺はやっと手に入れた番をみすみす逃しはしない。オメガの発情期フェロモンにより、アルファがラットを引き起こす巻き込み事故はよくあることだ。
だから俺は無防備に寝ているところをフェロモンにやられたと言い、罪悪感を持たせた。そして運命ということも伝えた。どちらにしても好きだという意思はわかってもらった。
番になった以上、俺にすべての責任があるので今後、他の奴には渡さないということも多少脅しにはなったが理解させた。
番になったのに、解消したいとすぐに言われた時はとてもショックだったが彼の育ってきた環境などを考慮すると、しょうがないのだと思い必死に説得をした。
まあ、ここまでは良かったのだが俺はその後、良太を本気で怒らせてしまった。
桐生財閥のことは知られたくなかったみたいだ。それは当たり前だろう、わかってはいたがもう良太は俺の所有になったのだから、そこは理解してもらわないと困るので、良太の祖父への対応は俺に任せてもらおうと思った。
しかし桐生には弱みでもあるのか、俺と番ったことがバレてしまったのは、いただけなかったらしい。
勝手に話したことを怒った。祖父を恐れているようだ。この世の終わりのような顔になってしまったのを見たら、流石に彼の了承を取らずに先走ったことは反省した。
とても可哀想になり、それ以上は何も言えなくなり良太の怒りは受け止めた。
それでも俺は嬉しかった。
ある意味、包み隠さない良太が見えたのだから。俺にあんな素の姿を見せてくれた、だから良太の怒りを買ったことに後悔はない。
しかしあんなに愛し合った後に、体全体で拒否されたのには参った。
良太がふてくされて寝てしまった後、可愛い俺の番の寝顔をそっと見に行った。
ああ、天使がここにいる。
寝ていながらも、寝息からはかすかに可愛い良太のフェロモンがふわふわと俺に向かってくる。
寝ていても全身で番を求めているいじらしさに、俺はまた欲情した。
俺の欲情に番なら煽られる。寝ている良太に触り続けキスを与えると良太からキスを返してきた。寝ているのに、番に答えようと必死なオメガの本能に俺は喜んだ。
吐息と、喘ぎ、そして小さい声でもっととねだる。そんな可愛い番の前では抑えられるはずもなく、俺の香りにあてられている素直な良太を抱いてしまった。
無意識にも感じていて、かすかな喘ぎ声も聞こえてくる。
レイプと言われようが、止められない。
まるで性欲を初めて知ったガキのような、童貞のような行動だった。それほどこの子に対する思いには歯止めが効かないのだ。
良太は目覚めて抵抗するも、言いくるめると諦めたように体を任せてくれた。途中、必死に声を抑えるが、感じすぎている良太は知らずのうちに声が漏れている。
頑張っているのだが、どうしたって初めての肉欲の前で快楽を抑えきれなかったみたいだ。そんな抗えない快楽にも、必死に抗おうとする良太も可愛かった。
とにかく、彼の全てが愛おしい。
笑っていても、泣いていても、怒っていても、たとえ俺を拒絶しようとも。何をしたって無駄だ。どんな良太にも俺の心は、体は、反応してしまうのだから。
良太が疲れ切って、意識を失った明け方に行為は終わった。
あんなに俺を求めてきた良太とはまるで別人だ。いや発情期中の彼の方が別人なのであろう。
だが、俺はやっと手に入れた番をみすみす逃しはしない。オメガの発情期フェロモンにより、アルファがラットを引き起こす巻き込み事故はよくあることだ。
だから俺は無防備に寝ているところをフェロモンにやられたと言い、罪悪感を持たせた。そして運命ということも伝えた。どちらにしても好きだという意思はわかってもらった。
番になった以上、俺にすべての責任があるので今後、他の奴には渡さないということも多少脅しにはなったが理解させた。
番になったのに、解消したいとすぐに言われた時はとてもショックだったが彼の育ってきた環境などを考慮すると、しょうがないのだと思い必死に説得をした。
まあ、ここまでは良かったのだが俺はその後、良太を本気で怒らせてしまった。
桐生財閥のことは知られたくなかったみたいだ。それは当たり前だろう、わかってはいたがもう良太は俺の所有になったのだから、そこは理解してもらわないと困るので、良太の祖父への対応は俺に任せてもらおうと思った。
しかし桐生には弱みでもあるのか、俺と番ったことがバレてしまったのは、いただけなかったらしい。
勝手に話したことを怒った。祖父を恐れているようだ。この世の終わりのような顔になってしまったのを見たら、流石に彼の了承を取らずに先走ったことは反省した。
とても可哀想になり、それ以上は何も言えなくなり良太の怒りは受け止めた。
それでも俺は嬉しかった。
ある意味、包み隠さない良太が見えたのだから。俺にあんな素の姿を見せてくれた、だから良太の怒りを買ったことに後悔はない。
しかしあんなに愛し合った後に、体全体で拒否されたのには参った。
良太がふてくされて寝てしまった後、可愛い俺の番の寝顔をそっと見に行った。
ああ、天使がここにいる。
寝ていながらも、寝息からはかすかに可愛い良太のフェロモンがふわふわと俺に向かってくる。
寝ていても全身で番を求めているいじらしさに、俺はまた欲情した。
俺の欲情に番なら煽られる。寝ている良太に触り続けキスを与えると良太からキスを返してきた。寝ているのに、番に答えようと必死なオメガの本能に俺は喜んだ。
吐息と、喘ぎ、そして小さい声でもっととねだる。そんな可愛い番の前では抑えられるはずもなく、俺の香りにあてられている素直な良太を抱いてしまった。
無意識にも感じていて、かすかな喘ぎ声も聞こえてくる。
レイプと言われようが、止められない。
まるで性欲を初めて知ったガキのような、童貞のような行動だった。それほどこの子に対する思いには歯止めが効かないのだ。
良太は目覚めて抵抗するも、言いくるめると諦めたように体を任せてくれた。途中、必死に声を抑えるが、感じすぎている良太は知らずのうちに声が漏れている。
頑張っているのだが、どうしたって初めての肉欲の前で快楽を抑えきれなかったみたいだ。そんな抗えない快楽にも、必死に抗おうとする良太も可愛かった。
とにかく、彼の全てが愛おしい。
笑っていても、泣いていても、怒っていても、たとえ俺を拒絶しようとも。何をしたって無駄だ。どんな良太にも俺の心は、体は、反応してしまうのだから。
良太が疲れ切って、意識を失った明け方に行為は終わった。
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