ローズゼラニウムの箱庭で

riiko

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第二章 運命

32、発情 2 ※

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 もうなし崩しだった。

 野獣化したアルファとそれを喜ぶオメガ。こうなったら、止まらない。オメガの発情が収まるのには、アルファの精を入れて日数を過ぎるのを、ひたすら獣みたいな性行為を続けてやり過ごす。

 それが一般的だ。

 先輩の甘く痺れる口づけが終わると、今度は下の方に落ちてきて、乳首を吸われる。手はさらにその下に降りて俺のすでに立ち上がったものを扱き始めた。先端からどくどくと蜜が溢れる。

「あっ……。だめ やめ……て 先輩正気に戻ってください、こんなことしたら…… んっふっ……ああ! イク、いっちゃうから、お願い、やっ……」
「良太、可愛い イッていいよ 一回出しておこうか、ほら」

 先輩の手に包まれたものはもう限界となり、手の中でビュッと勢いよく射精をしてしまった。

「ああッ!」
「ふふ、かわいい。ああ、良太の出したものも甘くていい香りがする。全身で俺を欲しがっているね」

 一回出したら俺の思考は少し戻ってきたが先輩はどうなのだ? 獣みたいな攻め方をしている割には、言葉も発している。もしや理性が少し戻ってきているのか?

「先輩、もうやめて……先輩、まだ理性ありますよね。もうお願いです。これ以上は……こわい」

 俺は涙を流して、先輩に訴えた。

「良太、無理だよ。アルファにそんな理性を求めるな。目の前に極上のオメガが自分を食べてと、フェロモンを浴びせているんだ」
「オメガ……」

 もうバレている、俺はグズグズと泣き出した。でも先輩は許してくれない。このまま抱くのだろう、先輩はもう俺をオメガと認識している。

「しかも可愛い良太が、あぁ良太、好きだ、愛している。一生大事にする、怖がらないで? 俺に身を任せていれば気持ちいいことしかしない、ほらっまた感じてきた。ふふ、発情期の間は俺がお世話をしてあげるから、感じるままに任せて。俺を誘った責任はとって」
「ああ……いやっ」

 言い終わると同時に、先輩の指が後孔に入ってきた。そこはもう濡れていて、溢れている蜜があるお陰ですんなりと指は入り、一本、二本と先輩が指を増やす。その間も俺の胸や首や腹、いろんなところにキスをこぼしていくのも忘れない。

「やっ、いやっ、痛いっ」
「大丈夫、すぐによくなる」

 どれだけ器用なんだ。入っている指も違う動きをして、俺の理性をどんどん奪っていく。この行為に抗うことなんて、無理というのを本能で知った。

「ふっ、んんっ、あぅ……」

 始めは痛いって思ったけど、すぐに快感を拾い集めてしまってもっと奥にと、自分の腰が動いてしまった。

 それを見た先輩はくすって笑う。

 もうちょっと広げるからねって言って、また唇をむさぼりつつも後方の指を止めることはなかった。これ以上会話を続けることを諦めた俺は、ひたすらに喘いでいた。どうやったって声を抑えるスキルなんてなく、されるままに身を快感に任せた。

「可愛い! もっともっと可愛い声きかせて? 気持ちいの? ああ良太、たまらないよ」

 そうこうしているうちに、なにか一点に違う刺激を感じた。

「ああッ!?」
「良太のいいところ、ここだね。中、凄く痙攣している、そろそろ大丈夫かな、ほぐれているから大丈夫だとは思うけど痛かったら言ってね。」
「へ……っ? あ……ん」

 もうだめだ。先輩の言葉はただの単語でしかなく、理解力さえ失ってしまった。そして何度も、そのいいところという場所を指でしつこく刺激されるたびに、背中を仰け反って、ビクっと体を震わせることしかできなかった。

「いや、あっ、ん、はあ……」

 気持ちいい、ひたすらにそう感じている、そしてこわい。

 指がすっと抜けた。抜けた刺激でまた俺は感じてしまい、ヒュっと声を出した。

 息を切らしながら、少し離れた先輩を見上げたら、恐ろしくどう猛なそれが見えた。立派にち上がり雫を垂らしていた「れるよ」その言葉に俺はビクッとした。

「せんぱい、無理です。そんなの入らない! お願い、もうやめて、グスっ、グスっ」

 俺は混乱と恐怖で涙がとまらなくなる。怖くてたまらないのに、でも本当はそれをすぐにでもれて欲しくてたまらない、もうどうしていいのか意味不明だった。

「良太、怖くないよ。いい加減本能に身を任せて? 泣いたって、煽っているだけだって自覚して。大丈夫、入るよ、心配しないで」
「いやだ、いやだ……いや、助けて…誰か。ああ、ゆうごさん……助け…あああっっ!」

 どう猛なそれが、俺の中を突き刺した。

 れられた瞬間、呼吸を忘れられていて。あ、あっあって、あああしか発していない。それと同時に、俺のモノからも勢いよく白濁が飛び出し、自分の腹と先輩の胸を汚した。

「他の男の名前なんて言うな」

 俺の中に先輩が挿入はいっている、その事実に目眩がしそうになるも、あまりの出来事に対処できないでいた。違和感が半端ない、そこが繋がったと思ったら怖い声で俺を諫める。先輩の欲望を入れた吐息、声も聞こえるが、怒っている雰囲気もある。だからこそ今更抵抗しても無意味だとわかっていても、それでも俺はまだ頭がついていかない。

「あああっ! いやっ、ぬいて……!」
「良太、良太、大丈夫、身を任せて」

 いつもは冷静で焦るような素振りも見せない先輩が、必死な顔をして汗がふきでている。俺の中にれたまま、ずっと動かないで止まっているソレはドクドクと音が聞こえるくらい熱い高まりを感じる、だがひたすら耐えているようにも見える。再度唇を奪われて、俺は何も言葉を発せられなくなる。

「んんっ」
「そろそろ大丈夫かな? 動くよ」
「あっ、やっ、んっ」

 俺の中に居座った後、先輩はゆっくりと動き出した。引き抜いたと思ったら、また一気に刺す。そんなことを繰り返している間、俺の中はきゅうきゅうと先輩を締め付けて、喜んでうねった。

「ん…ん…あぁはっ、ぁぁぁ! あんっ」
「記念すべき初夜に他の男の名前を言うなんて、マナー違反だよ。ほら、俺のことだけ考えて。俺を離したくないって体全体で引き止めている。良太の中は、想像した以上だよ。どんな想像も意味がなかった。あぁ愛してる!」

 俺はひたすら先輩に揺さぶられ、足はかえるのように開きっぱなしだ。自分の体がこんなに柔らかいとは知らなかった。

「あぁぁッ」

 先輩が俺の中で動くたびに、気持ちよくてたまらない。

 快感を拾うことに精一杯で、さっきまで抗っていた気持ちもすでになえていた。ひたすら唇をむさぼられ、下も先輩に支配され、先輩の香りや吐息、唇の中に広がる唾液までもが媚薬にしかならなかった。

「あっ、あっ、んんんっ」

 両足が、自分の腹につくまで曲げられていて、それでいて先輩の剛直を受け止めては、きつく締め上げている。そんなことを繰り返していくうちに、腹の中に、先輩の熱いのが注がれた。それと同時に、気持ちが良すぎて意識を失った。
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