王太子専属閨係の見る夢は

riiko

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最終章 閨係の見る夢は

97、夢見たとき ※

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 ディーが今までで一番、熱い瞳で俺を見つめる。俺もディーを見つめた。二人がようやく交わる時がきた。

「ディー、愛してる。俺をお嫁さんにしてくれてありがとう」
「シン、これから長い人生、ずっと離さないよ、愛してる。シンの中に挿入はいってもいいか?」

 ディーのバキバキのソレが見えるけれど、ディーはまた言葉で俺を求めてくれる。こんなときにまで、まだ俺を気づかってくれる。

「うん。ずっと、ずっとこの時を夢見てきた」
「私もだ」

 ディーが俺の顔に、顔を近づけてキスをした。少し軽めのキス。散々凄いキスをしてきたのに、この時だけはとてつもなく優しい。そっと俺の孔をさすり、先ほどまで三本の指が収まっていたからか、ぱくぱくと開いて、中からは俺の蜜が零れ落ちてきている、それを少し手に取り、ディーは口に含んだ。

「な、なにしてるの?」
「シンの味を確かめていた」
「もう、なにを、あ、ああああ」

 少し俺の気が緩んで笑った瞬間、ディーがディー自身を押し込んできた。いきなりっ、凄い質量が入り込んでくる。

「う、う、う、」
「シン、息を吐いて」
「はっ、はぁ、は、は、ああ」
「そう、その調子だ。ゆっくり息を吐き続けるんだ」
「はあああ、あ、ああ、はっ、はっ、ンんん、苦しいっ」
「すまない、もう少しだ」

 挿入した瞬間、大きすぎて、指とは比べ物にならなくて、あまりの質感に苦しいという感想しかなかった。俺の息子はやはりくたっとなってしまって、体はぴくぴくと勝手にけいれんを起こす。辛い、まさか、こんなに、辛いものだとはっ!

「あ、も、あ、だっ、ああ、苦しい、痛っ、ディ、ディー」
「シン! シン、シン」

 俺を抱きしめて、進むことをやめないディー。肌と肌がくっつく、唇の端っこにキスを繰り返すディー、きっと俺が苦しくて息を吐くために、唇はふさがないでくれているのかもしれないけれど、うううう。

「ごめん、シン、愛してるんだ。やめられない」
「うん、やめないで、最後までちゃんとれッ、んんん、ああああ! はっ、あっ!」

 ミチミチと音が鳴っているんじゃないかというくらい、入ってはイケない未知なる大きさのモノが俺の中を埋め尽くす。永遠のような長い時間かと思った。

「もうすぐだ、もうすぐ全て収まるっ、くっ」
「ディー、あああ」

 ディーが苦しそうにそう言った。

 俺だけじゃなくて、ディーだって苦しんで一緒に結合の時を迎えてくれている。ここで引き返せない。お互いにここで止める訳にいかない。

 ディーは初モノのオメガを今経験しているんだ。経験者しか相手にしていなかったから、だからこそ最終閨係は処女が相手なのだろう。それを実地で初めての嫁でそれをしているんだ。ディーだって初めてのオメガを手探りで抱いているんだ。俺のために、頑張ってくれているディー。正直ケツは快楽よりも苦しさでいっぱいだったけれど、汗を流して頑張るディーを見ていたら、苦しいという気持ちが急になくなった。

「ふはっ、あ? あ、あん、あん、あああ、あっ、いやっ、あ」
「シ、シン? くっ、うう、そんな締め付けっ、うう」

 自然と力が入ったらしく、ディーが悶えた。しかし俺はそれどころじゃない、ディーの香りに包まれて、ディー自身が俺の中にある。そして愛おしい、本当に愛しくてたまらない人と全てが繋がった。心がぎゅうっとして、ケツもぎゅっとした。

「あん、あ、嘘っ、なに、これ、ああああん」
「気持ちいいのか? ああっ、全て収まった。シン、よく頑張ったね」

 ディーの全てが今、俺の中にある。涙が出てきた。ディーが俺と繋がった瞬間だった。

「ディー。好き、ありがとう」
「シン、愛してる、私こそありがとう」

 好きでたまらない。それなのに、なんとかディーに愛を沢山伝えたいのに、体がどんどん熱くなる。もっとディーに愛してるって伝えたい、好きが止まらない、苦しい、気持ちいい、たまらない!

「あ、んん、どうしよう。なんか痛くて苦しいのがなくなって、変になってきた! お尻が変だよぉ、あんん」
「ちゅっ、ちゅっ、シン、シン、凄いシンの中がうねり始めた。う、動いていいか?」

 ディーを下から見つめた。そしてギュって、隙間ないくらい抱きしめた。まだ俺の手に力が残っていて良かった。今、ディーと全てが繋がっている。くっついたら余計に自分の中からみちって音が聞こえてきた気がした。そしてまたディーを締め付けた。

「良い、イイ、きてっ、ディー、動いてっ、あん!」
「シン、行くぞ!」

 ディーが少し離れて、腰を引いて押し付けてきた。

「あ! あ、あ」
「くっ、うう」
「ああ! あ、あ、あ、すごっ、あぁぁぁッ」
「シン、大丈夫か? くっ、シンの中がっ! 痛くないか?」
「痛くないっ、ああ、分かんないっ、あ、あああ、いやぁぁ、うう、ディーっ、あん、凄いの、クルっ」

 俺のモノはまた硬度を戻して、そして先からは雫がずっとしたたり落ちている。ディーが動く速度に合わせて、俺のも動いて、はしたない水がどんどんと腹に溜まる。

「な、なんて香りをいきなりっ」
「あ、ディー、気持ちいっ、動いて、あん、あ、奥っ、奥突いてぇ!」
「行くぞっ!」

 そこからディーは凄い勢いで抽挿を繰り返した。

 ふたりの吐息が混ざり合う。こんなに近くで息を荒らして、耳にディーの吐き出す声が響く。俺の胎にはディーの愛しい分身が俺を快楽へと導く。手は俺の背中まできつく回って、腰が浮くたびにディーの腹に俺の分身が触れる。

 この全てが夢の世界、夢見た世界。

 ディーの汗が俺の顔にしたたり落ちてくる。それを自然に舐めた。愛しい男が出す雫は極上の味がした。それを感じ取って、また深くこの男を想ったかどうかは分からなかったが、すでに思考は気持ちいいとしか感じ取ることはできなかった。自分の胎に未知のものが収まっている。薄い胎はぽっこりと何かが挿入されているのが分かるくらいになっていた。

 ディーが俺の中に……。

 愛している、この男を。

「あ、あ、あ、あ、あ」
「うっ、シン! シン!」

 きっとディーも今、俺を愛していると心の中でそう思っているはず。もう言葉を交わすことはできないくらいに、二人昇りつめていた。

「あ、クルっ、イクっ、いっちゃう!」
「私もっ、シンの中にっ」

 質量が変わる。

 ディーが俺の中で興奮している。経験のない俺だけど、ディーがとてつもなく興奮して、気持ちいいと感じていることは分かった。そして、俺も初めての経験なのに、痛かったのは初めだけで、今はずっと気持ちいい。心が、体が、全てが変わっていく。

「中に出してぇぇぇ! ああああああぁぁぁ」
「くっ!」

 おなかの中が急激に熱くなった。そしてそれはディーが吐き出した瞬間だった。俺の尻からもオメガの愛液は漏れて、そして前からも白濁は俺の腹とディーの腹を汚した。

 ディーの子種が俺の中に入った瞬間だった。

 俺たちは今日夫夫ふうふになって、そして初めて体も結ばれた。

「ディー、ディー、好き、好き、好きっ」
「シン、愛しているっ」

 ディーの重みを体に受けて、全てを受け止めた。ディーがずっと俺の中に子種を注ぎ続けていた。

 それはとてもとても幸せな時間だった。

 夢見た世界に、俺はいた。最愛の男に包まれたそんな世界に……。
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