王太子専属閨係の見る夢は

riiko

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最終章 閨係の見る夢は

96、夜明けの目覚め ※

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「ふぁ――」

 なんだかスッキリした。良く寝たなって思いながら目が覚めると、まだ辺りは薄暗かった。あれ? 今って、なんだっけ? 隣には安定のディーがいた。ここ最近はディーと一緒に寝ていたから、隣に寝ていることを疑問にも思わなかった。

 あれ? もしかしてここは、王太子夫妻の部屋? 

 ああ、そうか。昨日俺は王宮入りして、結婚したんだった。ついに王太子妃となっていた。ってことは、あれれ? 昨夜って俺たちの初夜じゃん。全然記憶にないけど、もう済ませたってこと? 体は全くなんのダメージがなかった。寝落ちする前ディーとキスして、ディーが俺の胸を触って、え? 記憶ってこんなになくなるもの? 俺とディーの記念すべき初夜の記憶が一切ないぞ! どういうことだ!

 隣ですやすやと気持ちよさそうに眠るディーを見たら、そんないやらしさも何も見えなかった。俺たちって、シタ……のか?

 まぁいっか。俺はディーにくっついた。ああ、俺たち夫夫ふうふになったんだな、嬉しいな。ディーの匂い、ああ、好きだなぁ、ほんと好き、この香り。俺だけのアルファだ! 好き好き好き好き! どうしよう、もっと触りたい。ディーを起こさないように、寝返りのふりして、ぎゅってした。ああ、あったかい。気持ちぃい、ディーと触れ合う全てが気持ちいい。

 もうディーに迫ってもいいし、触れ合ってもいい。俺は正真正銘、こいつの妻になったんだ。嬉しいなぁ、嬉しくてたまらない。

 それにしても……俺を抱いたのに、また夜着を着させてくれたのかな? 夫夫ふうふだったら交わりの後、裸のままが過ごすとかではないんだな・ディーはそういうの几帳面なのかなぁ? これまで清い関係過ぎて、そこのところ分からないや。

 ちょっとだけいいかな? 寝ているディーの形のいい唇にちゅってキスをした。ふふ、可愛い。まだ寝息立てている。そうだよね、俺たちの結婚式までずっと忙しくしていたディーを見てきたから、どれだけ頑張ってくれていたかがよく分かる。そりゃ疲れているよね。そんな疲れ切って結婚式して、初夜までしたんだから。さすがのアルファも疲れるか。

 朝起きたら、またするのかな? 

 ディーはあの城に滞在していた時、朝は散歩なんかできないくらい体力なくなるって言っていたけど、今の俺は全力疾走できそうなくらい体力回復しているぞ、ディー! 俺の体力奪わなくていいのかよ、って寝ているディーの頬をつんってした。

 ああ、俺の旦那、可愛いなぁ、かっこいいなぁ、いい匂いするなぁ。キスもっとしていいかな。キスしたら息できなくて苦しくなっちゃうかな? でもさっきくらいのならいいだろう。もう一度ディーの唇にキスをした。もう少しだけ気持ち長めに。でも、口内も味わいたいなぁ。早く朝にならないかな。ディー、早く起きないかなぁ、そんなことを思っていたら、俺の夜着を掴まれて、ディーに組み敷かれた。

「えっ、え、え?」
「シン、私は正直我慢の限界だ!」

 目を開いたディーの目が、赤く血走っていた。寝ているときにいたずらされて怒った? 急に目が覚めて不機嫌になった?

「い、いきなりなに? 寝ているディーを触ったりキスしたから怒った?」
「違う! もう抱いていいか!?」
「え、抱けよ、朝から抱く宣言してただろ。ってかさ、もう起きていいの? まだ寝ていてもいいよ。目が赤いよ?」

 おお、いきなりの抱く宣言! さすが新婚! 

 怒らなくても、もう思う存分抱けばいいのにさ、なんだよ、もう。驚かさないでほしいよ。俺はディーの頬を下から触った。するとディーは力強い手で俺の手を握った。寝起きなのに、ちから凄いなぁ。

「あのなぁ、昨夜はお預けくらったんだ。目覚めてもまだ待てをさせるつもりか? シンは鬼嫁なのか!?」
「お、お預け!?」
「シンは疲れ切っていて、キスをしている最中に寝てしまったんだ。覚えていないのか?」
「あ、ああ、そうか。だから体がなんともないのか、納得だ。んんん、んちゅっ、ん、はん、ディ、あんん、あぁぁっ!」

 凄いキスをされたと同時に一気に服をめくられて、胸をつままれた。痛いっ、いきなり、な、なん、なんだよぉ。

「ちょ、ディ、落ち着けよ、ああん、んん、はっぁん」
「落ち着いていられるか! シン、抱くよ、やっと抱けるんだ。もう目は覚めただろう」

 ディーはキスの合間も手は動かして、早急に俺の息子さんを握られてきた。うおっ、すぐに反応する俺。息子もお目覚めだった。

「さ、覚めたけど、ちょ、んちゅっ、う、いきなりだな!」
「私は散々待った。それなのに昨夜も待たされてしまった。もう、もういい加減待てない。シン、愛してる、シンの全てを私にくれないか」

 ディーは興奮しながらも、ちゃんと言葉でも俺を欲してくれるなんて、素敵な目覚めだよ。もちろんディーにあげる。ディーにしかあげない!

「全部、あげる! もらって、ディー! 大好き」
「シン!」

 ディーの香りが今までで一番強くなった。なに、この香り、凄い、クラクラする。ディーが焦っているように見えても、丁寧にいつも通り、俺の体の全てにキスを落としていく。

「あ、ああ、ディー」

 ディーはもう夢中に俺の全てを貪る。特に一番好きだと思われる俺の小さな胸に吸い付いていた。

「あ、あ、あ、」
「ぴちゃっ、んん、シン、美味しい」
「美味しいわけ、あるか、んはっ、ああ!」
「可愛い、可愛い、ああ、シン、全てからいい香りがしてくる。私のオメガの香りがっ」
「んはっ、はっ、あん、そこ、ばっか、とれちゃうだろォ、あんッ」

 胸を吸い、舐め、手でつまみ、押しつぶす。

 余裕ないならスグに抱けばいいのに、挿入すればいいのに、まだ肝心の俺の蕾には触れずに、ずっと胸にとどまっていた。俺はあまりの快楽に腰が浮く。そして手が自然と自分の下に動いていった。すると、その手を掴まれた。

「私が可愛がるから、少し待て」
「やっ、も。こっちがいい」
「シン、キスして?」
「んっ、むちゅっ、んん、ぷはっ、キス、んんちゅつ、してる、だから抱いて?」

 俺はディーの唇、そして口内、唇の端から全てを舐めて、吸って、貪った。ディーは驚いた顔をしていた。俺のつたないキスがダメだった?

「シン、そんなに私が欲しい?」
「欲しいっ。欲しいに決まってる。ずっと、ずっと、閨係のときからずっと、この時を夢見てきた!」
「シン……私もずっと夢見てきたよ」
「あ、んん、はん、ああああ!」

 ディーは俺の勃起したソレをゆっくりとしごきながらも、俺はずっとディーにキスしていた。合間にディーはそうやって会話をしてきたけど、俺は軽くイッてしまった。

「はっ、あっ、はん、気持ちいい。ああ、ディー」
「シン! 後ろに指をれるぞ」
「うん」

 俺は仰向けになって足を開かれた。ディーは俺の足の間に座って、俺のお尻の下に枕を入れてお尻の孔がしっかりとディーに見えるように開かれた。そして俺の出した白濁をディーの指にまとったのを見せてきた。俺は赤い顔でその姿を見ていた。

「い、れて……」

 孔の周りを丁寧にじわじわと撫でまわしてから、それを俺の孔にれた。

「うっ、あ」
「大丈夫か?」
「う、うん」

 ゆっくりと回しながら、濡れた指を挿入された。じわじわと入ってくる。

「ふっ、ふっ、はぁん」
「ここまでは以前もしたね」
「うん」
「二本目からは初めてだ。ゆっくり行くぞ」
「あん、き…て」

 ディーが慎重に、濡れた二本目の指もゆっくりと入れてきた。小さい蕾をこじ開けるように、ゆっくりとじわじわと進んでいく。くちゅっと水音が響いてきた。

「中から濡れてる」
「い、言わないでよ。あん、はぁ、なんか変な感じ」

 俺の中から、オメガ特有の甘い蜜が出てきている。急に滑りが良くなって、ディーの指がぐいぐいと侵入するのを助けていった。

「痛い?」
「痛くないけど、変? 拡げられてる感覚」
「拡げているからな、ここは気持ちいい?」

 ただ指が入りこみ、そして滑ってあたって、ディーが慎重にゆっくりと手探りで俺を確かめるその優しさが嬉しい。

「気持ちいいかまでは、あん、分からないけど、ああああ、だめ! そこぉ」
「ここ?」
「ソコっ、あ、あ、あ、ああああ」

 ディーがここと言った場所を押しつぶした。先ほどまでただこじ開けられて何かが入ってきたとだけしか思わなかった指が、たちまち自分の中の何かを押し上げた。

「どう?」
「あ、あ、あ、気持ちいいっ、なに、そこ、ダメっ、あああ」
「ここがシンのいいところだな」

 指をれてから、しぼんでいた俺のがたちまちちあがっていく。自然と雫が零れ落ちる。

「いいところって、なに? あ、あん! あああ、ああ、ああ、あ、ディー」
「うん、もう三本目も挿入はいったよ」
「あ、あ、あ、嘘っ!? イッちゃう、ああ、あ、イクよぉ」
「うん、私のでイこうね」
「あああああ、はっん」
 
 すっと指が全て抜かれてしまった、抜かれた拍子に気持ち良い場所というところをかすり、また腰が浮いた。

「ディ、ディー、キス」
「ああ、シン、よく頑張った!」

 ディーが俺にキスをする。濡れた手が髪を触るけれど、そんなこと気にならない。ディーの唾液が欲しくて口の中をいっぱい舌で押した。ディーの口内の水が増えてきて、それを必死に吸った。

「くちゅ、ごくっん、ディー、好きっ」
「シン、愛してる、愛してる。痛くなかったか?」
「うん、大丈夫、だから、ね、もうコレれよう?」

 俺はディーのバキバキのモノを触った。そろそろディー本体を挿入して欲しい。

 早くこれでディーを味わいたい。
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