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第六章 愛になった
81、愛を確かめ合うふたり
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ディーが俺にキスをする。さきほどまでは軽めのキスしかしてこなかったのに、それが今はいつも通りのディーになっていた。
最初から濃厚なのをしてくる。
「ん、んん、ディ、はぁん」
「シン、好きだ。愛してるっ」
「あ、んん、俺も、俺もディ、はっぁ、あ、愛してる」
キスだけで頭がクラクラする。
サッチーとキスするかしないかで散々悩んだのが嘘みたいに、ディーとは何も考えず唇をつけて、唾液の交換までできる。むしろそれをしたいと思う自分がいる。
これが答えだ、キスできるかできないか。
こんな単純なことだったのに、違う男とそれを試そうとしたときに、思い知らされた。キスだって、本当に好きな人じゃなくちゃ、俺はできないみたいだ。
「ディー、キス好きっ、凄く嬉しいっ、やっぱりディーとのキスしか嫌だ。他の人となんてできないよ」
「えっ」
いきなりキスが終わって、唇が離れた。プツっと二人を繋ぐ糸が切れたのを、ぼぅっと見ていた。すると、ディーの顔が……えっ、なんでそんな不機嫌? えっ、俺なにかしたか? つい先ほどまでキスの心地良さに酔いしれていたのが嘘のように、いきなり血液が下へと下がってしまった。それほどまでにディーの顔が怖くて凶悪だった。
「ディ、ディー?」
「シン、お前は、私以外とキスをしたのか!」
いきなり怒鳴られた。甘い雰囲気が一気に崩れる。
「え!? し、してない!」
「私とのキス以外は嫌だということは、私以外としたということだろう。もしや……ロジャー伯爵の次男としたのか?」
「へ?」
「今から殺しに行く」
ディーが俺の上から降りて、すたすたと服を取りに行ってしまった。えっ、行動早くねぇか? 俺まだ何も言っていないのに、もう動いて、服着て、ってえ? サッチーを殺しに行くのぉぉぉぉぉ!?
「ち、ちょっと待ったァぁぁぁぁあ」
俺も大急ぎでベッドから降りて、ディーを後ろから羽交い絞めにした。すると俺が後ろからかぶさっているにもかかわらず、ディーは顔だけ後ろを振り返って、俺を睨んだ。
「あいつをかばうのか。お前の唇を奪ったあの男をお前はかばうのか? それはもうすでにあの男に情がわいたということ……そう理解していいか?」
めちゃくちゃ怖い。でも、ディーに無実の奴を殺すようなことをさせてはいけないと思ったのと、勝手に突っ走るディーに対してちょっと怒りが湧いた。これから思う存分気持ちいいことをするはずだったのに、お預けになったオメガの気持ち、お前は全然わかってない!
「違うわ! ぼけっ、まずその凶悪な顔を嫁にする俺に見せるな! いくら俺でも怖くてたまらない、また泣くぞ!」
「え、ああ、すまない。シンに怒っているわけではない。お前のその清くて形のいい、そしていい香りのする唇を奪った男がいると思うだけで無理だ。お前の唇を知る男は、この世から抹殺されても仕方ないんだよ。そうしなければ私は生きていけない」
ディーはいきなり俺を抱きしめて、意味の分からない言葉を発していた。
自分の唇についてを細かく説明されたことがうわぁぁ――ってなるから、聞かなかったことにする。
「なんで、俺の話を聞かずに勝手に判断するんだよ! 俺は、そんな風に身勝手に行動する男となんて、結婚したくない……かも?」
嘘。したい、めちゃしたい! 俺の相手は生涯ディーだけ。そう思ってるのは間違いないけど、少しだけ意地悪を言った。するとディー。
「ダメだ! ダメだ、先ほど私の妻になると言ったではないか! 絶対だめだ、シンは私の妻になるってそう言った。だからだめだ、別れないぞ。もしそんなことを考えているなら、ここから一生出さないで、私も王太子を辞めてここでずっとお前を監視する」
マジかよ、こいつ、えっ、駄々こねてるけど、言葉の意味がちょっと危なくない? いきなりこんなに豹変しちゃうの? 大丈夫か、俺の旦那になるやつは、なんだかヤバイぞ。一瞬ゾワってしてしまったが、気を取り直してディーをどついた。
「……って、怖いわ! バカっ」
「痛いっ」
ディーが頭を押さえている。俺はオメガだけど、木こりになるために鍛えていたからそれなりに力があるんだぃ!
「ディー、俺とまだ結婚したいなら、そこに座れ!」
「……結婚したいです」
ふてくされたような顔をして、素直に座った。よし、躾は間に合いそうだ。
「ディー、良く聞け。俺はお前が好きだ、愛している」
「ああ、私はもっと愛している。シンを知ったこの世の全ての男を殺せるくらいに」
「もう! 俺の相手はディーだけだ。俺は生まれてからディーとしかキスをしたことがない! 参ったか!」
「え……本当?」
「ああ、ディーは何人とキスしたか知らないけど、俺はディーだけだ!」
「えっと、私の過去の閨係、殺そうか?」
「物騒なこと言うな、バカっ! お前は王家に忠誠を誓った歴代の閨係に敬意を払えっ!」
「はい、すいません……」
俺はディーの膝に座って、抱きしめた。
「俺はお前だけなんだよ、バカっ」
「うん。ごめん」
「サッチーとはキスできなかった」
「しようとしたのか?」
また凶悪な声を出したよ、もう少しは落ち着けよ。
「しようとしたよ、怒るの?」
「いや、シンには怒らない」
「ねぇ、ディー、サッチーは、俺がディー以外とはキスできないって分かっていて、わざと俺とキスをしようって言った。俺に自覚させるために。俺は身分の高い人の愛人にさせられてしまう前に逃げたいから、サッチーに結婚相手になってくれって頼んだんだ。その流れでキスの話になっただけで実際はしてない、いやできなかった」
「……シン」
俺はディーに抱きつきながら、顔を見ずにサッチーとの間にあったことを全て話した。ディーは俺をぎゅっとしながらずっと聞いてくれていた。サッチーとの会話があったからこそ、俺はどんな立場になろうとも、人から卑しい身分だって罵られようともディーを愛することを決めたと話した。結果、王太子妃って立場になるけれど、あの時の俺は王女という正妻のいる人の愛人になる覚悟だったと言った。
それを聞いたディーはどれだけの想いで、俺がディーを選んだかを、俺の本気を改めて分かってくれた。
「そうか、ロジャーには礼をしなければならないな」
「うん、俺はサッチーを利用しようとしたのに、サッチーは俺を認めてくれた」
「ああ、ありがたいな。シンとキスもしていないようだし、もしキスしていたら他国に売り飛ばしていたが、キスしていなくて良かった」
「ん? なんか怖いこと言った?」
「いや、王家から最大の誠意を込めて、ロジャーの望むものを用意しよう」
「そうしてあげてくれ。とても迷惑かけたからね。それに俺たちを結び付けてくれた良い人だろう?」
「ああ」
ようやくディーの誤解を解くことができた。なんだか、この王子は俺のことになると、がぜん心が狭くなるらしい。これからも行動に気を付けよう。巻き込まれ事故に遭う人がいたら、可哀想過ぎる。
「あと、レイにも会いたい」
「なぜだ!」
また、怒るなよ。もう、こんな狭量のディーすらも可愛く思えてきてしまった。俺も重症だ。
「俺、あんなに良くしてもらった友達なのに、逃げるように宿舎を引き払ってさよならも言わなかったから、今頃心配してるよ、だってディーが脅したんだろ?」
「ああ、そうだったな、剣を突き出した。悪かったと、エリザベスを通して連絡を取るようにしよう。エリザベスにも養子の件は話さなければならないしな」
「うん、そうだね。色々やることあるね」
なんだか俺とディーって感じの、会話で、愛の確かめ方だった。
勝手に嫉妬して怒って、でも最後は俺のことを想ってくれているディー。閨係のときと変わらない関係。きっとディーは初めから俺と向き合ってくれていたんだ。俺を守るために秘密は多かったけれど、全ては俺のことを想っての行動だと知ることのできた今は、辛かった過去を一瞬で帳消しにできる。
俺はディーと向き合うことができて、ようやく今安心したみたいだ。とても眠くなってきた。今日はいろんなことがあって、やはり疲れた。このままエッチなことは、ちょっと無理っぽいな。こいつが勝手に怒って中断したんだから、良いよな?
「シン、疲れたな。すまない、全て私のせいだ」
「全てディーのせいだ。もう寝よう、ベッド運んでね、俺もう眠いっ」
「ああ、お休み。シン、明日はもっといちゃつこうな」
「ああ、明日からずっと、俺たちは一緒だ」
そして安心した俺は、ディーの胸の中で眠りについた。
最初から濃厚なのをしてくる。
「ん、んん、ディ、はぁん」
「シン、好きだ。愛してるっ」
「あ、んん、俺も、俺もディ、はっぁ、あ、愛してる」
キスだけで頭がクラクラする。
サッチーとキスするかしないかで散々悩んだのが嘘みたいに、ディーとは何も考えず唇をつけて、唾液の交換までできる。むしろそれをしたいと思う自分がいる。
これが答えだ、キスできるかできないか。
こんな単純なことだったのに、違う男とそれを試そうとしたときに、思い知らされた。キスだって、本当に好きな人じゃなくちゃ、俺はできないみたいだ。
「ディー、キス好きっ、凄く嬉しいっ、やっぱりディーとのキスしか嫌だ。他の人となんてできないよ」
「えっ」
いきなりキスが終わって、唇が離れた。プツっと二人を繋ぐ糸が切れたのを、ぼぅっと見ていた。すると、ディーの顔が……えっ、なんでそんな不機嫌? えっ、俺なにかしたか? つい先ほどまでキスの心地良さに酔いしれていたのが嘘のように、いきなり血液が下へと下がってしまった。それほどまでにディーの顔が怖くて凶悪だった。
「ディ、ディー?」
「シン、お前は、私以外とキスをしたのか!」
いきなり怒鳴られた。甘い雰囲気が一気に崩れる。
「え!? し、してない!」
「私とのキス以外は嫌だということは、私以外としたということだろう。もしや……ロジャー伯爵の次男としたのか?」
「へ?」
「今から殺しに行く」
ディーが俺の上から降りて、すたすたと服を取りに行ってしまった。えっ、行動早くねぇか? 俺まだ何も言っていないのに、もう動いて、服着て、ってえ? サッチーを殺しに行くのぉぉぉぉぉ!?
「ち、ちょっと待ったァぁぁぁぁあ」
俺も大急ぎでベッドから降りて、ディーを後ろから羽交い絞めにした。すると俺が後ろからかぶさっているにもかかわらず、ディーは顔だけ後ろを振り返って、俺を睨んだ。
「あいつをかばうのか。お前の唇を奪ったあの男をお前はかばうのか? それはもうすでにあの男に情がわいたということ……そう理解していいか?」
めちゃくちゃ怖い。でも、ディーに無実の奴を殺すようなことをさせてはいけないと思ったのと、勝手に突っ走るディーに対してちょっと怒りが湧いた。これから思う存分気持ちいいことをするはずだったのに、お預けになったオメガの気持ち、お前は全然わかってない!
「違うわ! ぼけっ、まずその凶悪な顔を嫁にする俺に見せるな! いくら俺でも怖くてたまらない、また泣くぞ!」
「え、ああ、すまない。シンに怒っているわけではない。お前のその清くて形のいい、そしていい香りのする唇を奪った男がいると思うだけで無理だ。お前の唇を知る男は、この世から抹殺されても仕方ないんだよ。そうしなければ私は生きていけない」
ディーはいきなり俺を抱きしめて、意味の分からない言葉を発していた。
自分の唇についてを細かく説明されたことがうわぁぁ――ってなるから、聞かなかったことにする。
「なんで、俺の話を聞かずに勝手に判断するんだよ! 俺は、そんな風に身勝手に行動する男となんて、結婚したくない……かも?」
嘘。したい、めちゃしたい! 俺の相手は生涯ディーだけ。そう思ってるのは間違いないけど、少しだけ意地悪を言った。するとディー。
「ダメだ! ダメだ、先ほど私の妻になると言ったではないか! 絶対だめだ、シンは私の妻になるってそう言った。だからだめだ、別れないぞ。もしそんなことを考えているなら、ここから一生出さないで、私も王太子を辞めてここでずっとお前を監視する」
マジかよ、こいつ、えっ、駄々こねてるけど、言葉の意味がちょっと危なくない? いきなりこんなに豹変しちゃうの? 大丈夫か、俺の旦那になるやつは、なんだかヤバイぞ。一瞬ゾワってしてしまったが、気を取り直してディーをどついた。
「……って、怖いわ! バカっ」
「痛いっ」
ディーが頭を押さえている。俺はオメガだけど、木こりになるために鍛えていたからそれなりに力があるんだぃ!
「ディー、俺とまだ結婚したいなら、そこに座れ!」
「……結婚したいです」
ふてくされたような顔をして、素直に座った。よし、躾は間に合いそうだ。
「ディー、良く聞け。俺はお前が好きだ、愛している」
「ああ、私はもっと愛している。シンを知ったこの世の全ての男を殺せるくらいに」
「もう! 俺の相手はディーだけだ。俺は生まれてからディーとしかキスをしたことがない! 参ったか!」
「え……本当?」
「ああ、ディーは何人とキスしたか知らないけど、俺はディーだけだ!」
「えっと、私の過去の閨係、殺そうか?」
「物騒なこと言うな、バカっ! お前は王家に忠誠を誓った歴代の閨係に敬意を払えっ!」
「はい、すいません……」
俺はディーの膝に座って、抱きしめた。
「俺はお前だけなんだよ、バカっ」
「うん。ごめん」
「サッチーとはキスできなかった」
「しようとしたのか?」
また凶悪な声を出したよ、もう少しは落ち着けよ。
「しようとしたよ、怒るの?」
「いや、シンには怒らない」
「ねぇ、ディー、サッチーは、俺がディー以外とはキスできないって分かっていて、わざと俺とキスをしようって言った。俺に自覚させるために。俺は身分の高い人の愛人にさせられてしまう前に逃げたいから、サッチーに結婚相手になってくれって頼んだんだ。その流れでキスの話になっただけで実際はしてない、いやできなかった」
「……シン」
俺はディーに抱きつきながら、顔を見ずにサッチーとの間にあったことを全て話した。ディーは俺をぎゅっとしながらずっと聞いてくれていた。サッチーとの会話があったからこそ、俺はどんな立場になろうとも、人から卑しい身分だって罵られようともディーを愛することを決めたと話した。結果、王太子妃って立場になるけれど、あの時の俺は王女という正妻のいる人の愛人になる覚悟だったと言った。
それを聞いたディーはどれだけの想いで、俺がディーを選んだかを、俺の本気を改めて分かってくれた。
「そうか、ロジャーには礼をしなければならないな」
「うん、俺はサッチーを利用しようとしたのに、サッチーは俺を認めてくれた」
「ああ、ありがたいな。シンとキスもしていないようだし、もしキスしていたら他国に売り飛ばしていたが、キスしていなくて良かった」
「ん? なんか怖いこと言った?」
「いや、王家から最大の誠意を込めて、ロジャーの望むものを用意しよう」
「そうしてあげてくれ。とても迷惑かけたからね。それに俺たちを結び付けてくれた良い人だろう?」
「ああ」
ようやくディーの誤解を解くことができた。なんだか、この王子は俺のことになると、がぜん心が狭くなるらしい。これからも行動に気を付けよう。巻き込まれ事故に遭う人がいたら、可哀想過ぎる。
「あと、レイにも会いたい」
「なぜだ!」
また、怒るなよ。もう、こんな狭量のディーすらも可愛く思えてきてしまった。俺も重症だ。
「俺、あんなに良くしてもらった友達なのに、逃げるように宿舎を引き払ってさよならも言わなかったから、今頃心配してるよ、だってディーが脅したんだろ?」
「ああ、そうだったな、剣を突き出した。悪かったと、エリザベスを通して連絡を取るようにしよう。エリザベスにも養子の件は話さなければならないしな」
「うん、そうだね。色々やることあるね」
なんだか俺とディーって感じの、会話で、愛の確かめ方だった。
勝手に嫉妬して怒って、でも最後は俺のことを想ってくれているディー。閨係のときと変わらない関係。きっとディーは初めから俺と向き合ってくれていたんだ。俺を守るために秘密は多かったけれど、全ては俺のことを想っての行動だと知ることのできた今は、辛かった過去を一瞬で帳消しにできる。
俺はディーと向き合うことができて、ようやく今安心したみたいだ。とても眠くなってきた。今日はいろんなことがあって、やはり疲れた。このままエッチなことは、ちょっと無理っぽいな。こいつが勝手に怒って中断したんだから、良いよな?
「シン、疲れたな。すまない、全て私のせいだ」
「全てディーのせいだ。もう寝よう、ベッド運んでね、俺もう眠いっ」
「ああ、お休み。シン、明日はもっといちゃつこうな」
「ああ、明日からずっと、俺たちは一緒だ」
そして安心した俺は、ディーの胸の中で眠りについた。
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