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第二章 学園生活
17、友人の秘密
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処女を……失わなかった。
あの後、殿下と風呂に入って体を綺麗にされた。初めてお互いに裸になったわけだけど、殿下のアレを見ることなく終わった。介護のような手際の良さで、俺が出して汚した部分を洗ってくれただけだった。いいや、違う。風呂の中で後ろから抱きつかれて、俺のブツはしごかれ、何回かイカされた。
なんだ、あの男は。抱きつかれたときに分かったけど、殿下は興奮していた。アルファの香りはいつもより強くなって、なにより触れ合った俺の肌には硬いブツの大きさを感じた……見てないけど。
初めてはロマンティックにって言っていたから、昨日は最後までするのかと思った。
だって、普段の後宮から離れて高級な宿屋で部屋をとったってことは、そういうことじゃなかったの? 約束もしていなかった二人が出会い、キスを始めた。その先は自然と初めての交わりになるって、誰もが思うよな?
俺は悩む。仕事はいつどこで始まるのだろうか。全く分からない。王族の考えることなど、分かるはずもないとは思うものの、ここまで俺の置かれている状況に悩むとは思わなかった。
まるで俺ばかりが、いたしたいと思っているかのようじゃないか! そんなことはない。やらないで済むならそれにこしたことはない。金は返さないけどな! というか返す金がもうすでに無い。案の定、オヤジは金を最速で使っていた。
俺は拒んでいないから、問題があるなら殿下の方だ。いや、待てよ。殿下のブツは反応していた。だから、身体的問題はないし、俺相手に勃っているなら、俺に問題があるわけでもなさそうだ。
じゃあ、どうして……。
そういえば、閨係はもうひとりいた。規則で閨係は二人いる。もしかしたらあっちの方が気に入っていて、抱く相手はあいつだけでいいと思っているのかもしれない。二人いるのにひとりしか相手にしていないことを知られるわけにはいかない殿下は、俺を抱く気はないけれど、抱いているぞっていうのを後宮にアピールするつもりで俺を呼んでいるのか? そうだ、それが正しい解釈だ! だったら俺からその先を強請る必要はない。むしろ強請ってはいけないのだ! 俺はただ殿下とおしゃべりをして楽しむ閨カモフラージュの相手でいればいいってことか。なんて楽な仕事だ。
ああ、これで解決だな。後宮医師は閨係同士の交流はしてもいいって言っていたな。じゃあ今度あのもうひとりのオメガにお礼を言おう。ひとりで性欲の強いアルファの相手をしてくれているんだ。感謝しかない。
真実が分かったのならば、殿下が抱かない問題は解決だ! 悩みが解決してスッキリしたそれからの俺は、いつもどおりの日常を過ごしていた。
学園では相変わらずレイと一緒にいる。一応、殿下に他の男との肌を触れ合うな的なことを言われたから、俺はレイと体の距離を取るようにした。頭をワシャワシャされそうになった時に、俺はニヤって笑った。レイの手を取り、得意の護身術をかけてひっくり返してやったら、レイは怒るどころか、もっとやってくれとなんとも変態発言をして……ひいた。
いい男でも変態はいただけないぞ。友達としてもちょっと嫌だ。
「お前、投げられて喜ぶって、どういう変態だよ!」
「いや、シンはやっぱり凄いなって感動して。その技がオメガから出るとは思わなかったし、宙を浮いてスゲぇ楽しかった!」
俺はアトラクションですか?
「お前は、なんていうか。本当に伯爵家の息子?」
「ああ、三男だけど息子だ。でも俺、学園を卒業したら公爵家の人間になるんだった」
「えっ、どういうこと?」
伯爵家の自由な三男坊が公爵家って?
「俺、この間ついにエリザベスと婚約したからさ。エリザベスは長女で妹しかいないから、俺が婿入りして俺は将来の公爵夫になるわけだ」
「うわっ、まじか! お前の彼女、公爵令嬢だったの?」
驚きだよ。レイの彼女は嫉妬深いくせに、俺におそろいの衣装を揃える余裕のある女。どんな人だと思ったら、公爵家の人間か。懐がデカイはずだ。公爵家は最上級爵位。俺なんかが見たことない人種だった。確か王族の血筋が入っているとかなんとか? よく分からないけど。
ああ、それよりも最上級の貴族の上に立つ人を知っていた。この国の王子様と俺はキスをする仲だ。まあ、殿下との仲は非公式だから、実際の殿下は貴族の前じゃ、あそこまで気安くないかもしれないけど。そんなことを思っていたら、目の前の垂れ目の女タラシみたいな顔の親友はシレっと言った。
「あれ、言ってなかった?」
「聞いてない!」
間抜けな顔で「あれぇ、おかしいなぁ」とレイは言い、もうそんなことはどうでもいいかのように話を続ける。
「そうそう。彼女がシンに会いたがっているからさ、これから会いに行かない?」
「おい、いきなりだな!」
「夫の親友まで把握しときたいんだって、可愛いだろう? でも俺いつもシンのこと話しているから、だいたい知っているけどな」
だいたいって何を知っているんだよ。こいつはご令嬢に何を話したんだ?
「えっ、でも俺なんかが会える身分じゃないだろう。さすがに公爵令嬢は……」
「そんなの気にするな。俺だって伯爵子息様だぞ」
バカみたいな自慢をしてきた。
「えっ、でもお前はお前じゃん」
「あはは、そういうところエリザベスが気に入っているんだ。さ、行くぞ!」
俺は強引にレイに連れて行かれて、馬車に乘せられた。
あの後、殿下と風呂に入って体を綺麗にされた。初めてお互いに裸になったわけだけど、殿下のアレを見ることなく終わった。介護のような手際の良さで、俺が出して汚した部分を洗ってくれただけだった。いいや、違う。風呂の中で後ろから抱きつかれて、俺のブツはしごかれ、何回かイカされた。
なんだ、あの男は。抱きつかれたときに分かったけど、殿下は興奮していた。アルファの香りはいつもより強くなって、なにより触れ合った俺の肌には硬いブツの大きさを感じた……見てないけど。
初めてはロマンティックにって言っていたから、昨日は最後までするのかと思った。
だって、普段の後宮から離れて高級な宿屋で部屋をとったってことは、そういうことじゃなかったの? 約束もしていなかった二人が出会い、キスを始めた。その先は自然と初めての交わりになるって、誰もが思うよな?
俺は悩む。仕事はいつどこで始まるのだろうか。全く分からない。王族の考えることなど、分かるはずもないとは思うものの、ここまで俺の置かれている状況に悩むとは思わなかった。
まるで俺ばかりが、いたしたいと思っているかのようじゃないか! そんなことはない。やらないで済むならそれにこしたことはない。金は返さないけどな! というか返す金がもうすでに無い。案の定、オヤジは金を最速で使っていた。
俺は拒んでいないから、問題があるなら殿下の方だ。いや、待てよ。殿下のブツは反応していた。だから、身体的問題はないし、俺相手に勃っているなら、俺に問題があるわけでもなさそうだ。
じゃあ、どうして……。
そういえば、閨係はもうひとりいた。規則で閨係は二人いる。もしかしたらあっちの方が気に入っていて、抱く相手はあいつだけでいいと思っているのかもしれない。二人いるのにひとりしか相手にしていないことを知られるわけにはいかない殿下は、俺を抱く気はないけれど、抱いているぞっていうのを後宮にアピールするつもりで俺を呼んでいるのか? そうだ、それが正しい解釈だ! だったら俺からその先を強請る必要はない。むしろ強請ってはいけないのだ! 俺はただ殿下とおしゃべりをして楽しむ閨カモフラージュの相手でいればいいってことか。なんて楽な仕事だ。
ああ、これで解決だな。後宮医師は閨係同士の交流はしてもいいって言っていたな。じゃあ今度あのもうひとりのオメガにお礼を言おう。ひとりで性欲の強いアルファの相手をしてくれているんだ。感謝しかない。
真実が分かったのならば、殿下が抱かない問題は解決だ! 悩みが解決してスッキリしたそれからの俺は、いつもどおりの日常を過ごしていた。
学園では相変わらずレイと一緒にいる。一応、殿下に他の男との肌を触れ合うな的なことを言われたから、俺はレイと体の距離を取るようにした。頭をワシャワシャされそうになった時に、俺はニヤって笑った。レイの手を取り、得意の護身術をかけてひっくり返してやったら、レイは怒るどころか、もっとやってくれとなんとも変態発言をして……ひいた。
いい男でも変態はいただけないぞ。友達としてもちょっと嫌だ。
「お前、投げられて喜ぶって、どういう変態だよ!」
「いや、シンはやっぱり凄いなって感動して。その技がオメガから出るとは思わなかったし、宙を浮いてスゲぇ楽しかった!」
俺はアトラクションですか?
「お前は、なんていうか。本当に伯爵家の息子?」
「ああ、三男だけど息子だ。でも俺、学園を卒業したら公爵家の人間になるんだった」
「えっ、どういうこと?」
伯爵家の自由な三男坊が公爵家って?
「俺、この間ついにエリザベスと婚約したからさ。エリザベスは長女で妹しかいないから、俺が婿入りして俺は将来の公爵夫になるわけだ」
「うわっ、まじか! お前の彼女、公爵令嬢だったの?」
驚きだよ。レイの彼女は嫉妬深いくせに、俺におそろいの衣装を揃える余裕のある女。どんな人だと思ったら、公爵家の人間か。懐がデカイはずだ。公爵家は最上級爵位。俺なんかが見たことない人種だった。確か王族の血筋が入っているとかなんとか? よく分からないけど。
ああ、それよりも最上級の貴族の上に立つ人を知っていた。この国の王子様と俺はキスをする仲だ。まあ、殿下との仲は非公式だから、実際の殿下は貴族の前じゃ、あそこまで気安くないかもしれないけど。そんなことを思っていたら、目の前の垂れ目の女タラシみたいな顔の親友はシレっと言った。
「あれ、言ってなかった?」
「聞いてない!」
間抜けな顔で「あれぇ、おかしいなぁ」とレイは言い、もうそんなことはどうでもいいかのように話を続ける。
「そうそう。彼女がシンに会いたがっているからさ、これから会いに行かない?」
「おい、いきなりだな!」
「夫の親友まで把握しときたいんだって、可愛いだろう? でも俺いつもシンのこと話しているから、だいたい知っているけどな」
だいたいって何を知っているんだよ。こいつはご令嬢に何を話したんだ?
「えっ、でも俺なんかが会える身分じゃないだろう。さすがに公爵令嬢は……」
「そんなの気にするな。俺だって伯爵子息様だぞ」
バカみたいな自慢をしてきた。
「えっ、でもお前はお前じゃん」
「あはは、そういうところエリザベスが気に入っているんだ。さ、行くぞ!」
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