9 / 31
本編
9、まだ出会いから二日目なのに ※
しおりを挟む部屋に入り見回すと、大きな部屋にはテーブルとソファとテレビ。そしてもう一つある部屋は寝室で大きなベッドが一つ。オシャレだけどモデルルームのような閑散とした感じ。最低限の家具と大きな植物があるだけ。
「ここで生活しているの?」
「してないよ、もともと所有マンションの一つで、ここは由香里と過ごすための仮の場所にしようかと思って急遽業者に頼んで最低限の家具だけ今朝入れた。結婚するにあたって一軒家でも建てようかと思うけれど、由香里に意見も聞かなくちゃいけないし、まずはこのマンションで愛をはぐくもうかと」
「えっ……」
なんかすごくリアルに何かが急激に進んでいない? 僕たちって昨日、出会ったばかりだよね。
「こんな強引な男は嫌?」
さきほどの甘い顔がいきなり真顔になる。ちょっとその顔は怖かったけれど、でも不安にさせたのは僕だしすぐに訂正した。
「えっ、違う、驚いただけ。嬉しいしかないよ?」
本当ならこんな横暴な展開は怖いのかもしれないけれど、楓が僕にいかに本気なのか分かって僕は嬉しかった。楓はその言葉を聞きまた笑顔になった、楓が僕にキスをする、そのキスにうっとりするも、違う!! また早急に始める前に話をしなくちゃ。
「待って、楓!! 僕二人のこともっと話したい」
「だめ、昨夜から今朝までの離れた時間でもう俺は限界。由香里を補充させて」
ええ!? ほんとにほんの数時間じゃない!? 昨夜は日付が変わる少し前に別れて、今まだ午前中。
「あっ、だめ。まだ昨日シタばかりで、まだ体が辛い」
「じゃあ、キスだけでいいから、由香里の体全てにキスさせて……」
「そ、それだけなら」
「由香里!!」
「あん」
真新しいベッドに運ばれて、すぐに服は全てはぎ取られ体の隅々まで舐めまわされた。まだ不慣れな僕の体からは蜜がたくさん出てきて、どうしたってすぐに反応してしまう。楓のアソコは今日もビンビンだよ。でもやっぱりダメ、昨日が初めてなのに楓は何回したと思っているの!? 実はちょっとヒリヒリして痛いんだよね。
「ああ!?」
「由香里、ここ蜜凄いよ、欲しいんじゃない?」
「そんなところに舌いれないでよ、ほんとにジンジンしているんだからぁ」
「ジ、ジンジンって、ど、ど、どんな感じ? やばい、ムラムラしてきた!! なにその可愛い表現、由香里は昨日から俺をどうしたいの!! ここで寸止めとかマジで勘弁してくれ」
なに、その変態発言。この人ほんとにセフレ多きあっさりアルファ様なの!? 噂と違わない?
「ああんっ、だめ、だめ、挿れたら怒るからっ!!」
「くそっ、俺は由香里に弱いから、由香里には逆らえない」
僕をうつ伏せにして、足を閉じさせてそこに楓の大きなモノを出し入れした。確かに後孔には挿入してないけれど、これはこれでめちゃくちゃいやらしい。もうなんなの、なんなのこれ。感じちゃって僕のモノからも楓もモノからも同時に白濁が出て二人で達した。
「はあっ、はっ、楓っ、キス」
「ん、由香里、愛している」
「んん、僕も、ん」
うつ伏せの状態から顔を楓に振り返ってキスを強請ると、濃厚なそれが始まる。二人のフェロモンが凄く強く香っているこの部屋は、まるで僕たちの香りを閉じ込める箱庭のようだった。
「いい香り、楓のフェロモン凄く好き。白檀?」
「良く知っているね、由香里は薔薇だね」
「うん、でも楓はさすがだね、興奮した僕のフェロモン耐えられた人に初めて会った。上位種だからかな?」
「どういうことだ……確かに由香里のフェロモンは普通の人より強いけど、その話し方はまるで、他のアルファにも興奮状態の由香里のフェロモンを嗅がせた言い方だ」
「えっ」
後ろから抱きしめていた楓が、僕を起こした。裸でお互いの精液もべちゃっとついている状態で二人座りあっている。先ほどまでの甘い余韻がすでに無い、怒っている?
「あ、あの」
「言って。由香里は昨日俺が初めてだって言った。じゃあ、由香里のフェロモンはいったいどこの誰に?」
「えっと処女を捨てようと思って、何回かアルファとホテル行ったんだけど……」
「何回か!?」
楓が話の最中に遮り、大きな反応をした。あっ、これって僕が淫乱って言っているようなもの?
「ごめんなさいっ、早く経験してみたくて。でも僕のフェロモンを嗅いだアルファたちは使い物にならなくなっちゃって、それで未経験だったの。こんなオメガ嫌だよね」
「嫌じゃない、嫌じゃないけど、二度としないで。俺と出会う前なら仕方ない。こんな美しい由香里が処女だっただけでも奇跡だし、俺としては喜ぶべきところだろうけど、他の男が由香里を興奮させたって思うと腹がたつ」
「こ、こんなに興奮したの、楓が初めてだよ?」
僕は楓にキスをした。
「やっぱり、続きしよう。楓、抱いて」
「いいの?」
「うん、優しく挿れてね」
楓の雰囲気が柔らかくなってと思ったら、またフェロモンが強くなった。なんとなくだけどまだ一日も経っていないけれど、楓がどういう人が分かってきた。むしろ分かりやすいほど単純だった。怒ったり喜んだり、とにかく僕の行動一つひとつにきちんと反応してくれて、ドキッとする事の方が多いけれど、でも可愛い。僕のアルファ!
44
お気に入りに追加
1,495
あなたにおすすめの小説
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
トップアイドルα様は平凡βを運命にする
新羽梅衣
BL
ありきたりなベータらしい人生を送ってきた平凡な大学生・春崎陽は深夜のコンビニでアルバイトをしている。
ある夜、コンビニに訪れた男と目が合った瞬間、まるで炭酸が弾けるような胸の高鳴りを感じてしまう。どこかで見たことのある彼はトップアイドル・sui(深山翠)だった。
翠と陽の距離は急接近するが、ふたりはアルファとベータ。翠が運命の番に憧れて相手を探すために芸能界に入ったと知った陽は、どう足掻いても番にはなれない関係に思い悩む。そんなとき、翠のマネージャーに声をかけられた陽はある決心をする。
運命の番を探すトップアイドルα×自分に自信がない平凡βの切ない恋のお話。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る
112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。
★本編で出てこない世界観
男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる