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イギリス編
17、アルファの執着 ※
しおりを挟むそこで終わらないのが撮影、アマンダから次の指示は的確にあった。もう自分たちの自由な演技は終わり、今度は指示通りに動くように言われる。
お互いにベッドの中に入って、僕が下で類が上に重なるように見つめあう。僕たちの大事な部分だけを薄いシーツで隠して絡み合うシーン。事後の雰囲気がすでに出ているので終わった後に見つめあいほほ笑む二人。
大事なのは時計。手を絡み時計を絡ませた部分にピントが合い、僕たちはぼやけた感じに撮るらしい。
握る手が熱い、まだ僕の心臓はドキドキいっている。それに僕たちは抱き合っているから布の中はお互い大変なことになっている、もちろん下着越しとはいえ、熱い固まりは触れ合っている。
「kai……」
「……」
そんな熱い目で見られたらたまらない、撮影に集中できない。思わず目をそらしたら類はそのまま僕の首に吸い付いた。
「kai流石ね、追い込まれている感がオメガらしくていいわ‼ ルイ、その執着心の塊の行動は素敵よ、そのまま視線だけこっちに向けて」
僕はその間も感じてしまい、類の手をもっと強く握った。声を我慢していても吐息だけは類の耳に届いているはず。類は見えない方の手で僕を撫でた。
なんか慣れている気がしてきた、僕の方が翻弄されていないか? これがアルファの余裕? 童貞のくせに‼
「じゃあ、次はキスして! kaiは時計が見えるように類の頭に手を載せて、ルイはkaiの頬に手を、そう、時計の針がこっちに見えるようにね」
僕の頬に類の大きな手、そして僕は類に手を回す。自然にくっつく唇、また舌が入り込んできた。
「んン……」
「ちょっと、動かないで。キスしたままで。もうエロくなくていいから!」
「ちっ……」
類は舌を引っこ抜いて、舌打ちした? えっ、なに、なんかアルファというか男を感じ過ぎてちょっと怖くなった。明らかにディープキスを止めるのが不服だというような態度だった。僕が戸惑うと、類はほほ笑んでから、僕にさわやかなキスをした。
「んん」
こういうキスも好きだ。なんか、とっても気持ちいい、口を開けてないからお互いの鼻での呼吸を肌で感じる。この空気感も柔らかくていい、僕はうっとりとして目を閉じているとアマンダのカットの声がかかった。
「二人とも、ぴったりの空気感だったわ、こんな一体感初めて。お疲れ様」
「お疲れ様」
僕はまだ夢の中にいるような感じがした。類が僕の上にのったままアマンダにお疲れと言う、動く気が無いみたい。
「海斗、ごめん。俺たちこんなんだから、ちょっと我慢してね」
「えっ」
僕に聞こえるだけのささやく声で、僕の名前を言った。撮影時はkaiだったから本名を言われてドキってしちゃった。あっ、でも興奮したときは僕の名前言っていたかも? 余裕がある類に名前を言われたからドキドキした。僕がそのままでいると類が近くのスタッフに言った。
「kaiは少しのぼせたみたい。俺が控室に運ぶからとりあえずガウンだけ持ってきてくれる?」
「わかった、kai、大丈夫? ちょっと撮影白熱したよね」
「う……うん、大丈夫」
そして類はガウンを着たら僕には被せるだけにして僕を抱きかかえた。
「ヒュ――、イケメン王子様はガウンでお姫様を運ぶ姿も、一枚の絵になるねぇ、アマンダ、このショットも軽く撮っておいて」
「オッケー」
僕はもう恥ずかしくて類の胸に顔を寄せた。そんな照れた表情もセクシーでたまらないってビリーがからかう。もう時計も外したのに、こんなショット意味がないだろうに。
そして類が僕をそのまま控室に運んだ。
ドアを閉めた途端、僕はまだ余韻が辛くて、そのまま類にキスをした。だって撮影中の僕は、初めての経験っていう設定だったから僕から舌を絡めることはしなくて、されるままだったから。僕だって類を味わいたい、そう思ったら抱っこされている状態で類に縋った。
「ん、か、海斗っ」
「んん、いいでしょ。類やりたい放題僕を好きに扱ったじゃない。今度は僕が好きにしてもっ」
「だって、あれは撮影だから……っ、ん、海斗、なんてキス……」
「はっ、黙って」
類は僕をテーブルに下ろしたので、僕は立っている類を抱きしめてキスを繰り返した。キスが終わると、類は僕を机に仰向けにした。
「海斗、止めて。これ以上したら俺、止まらなくなる」
「止める必要ないよ、この間の続き……しよ?」
「ちょっと、ここ控室だよ」
「大丈夫、誰も入ってこないから、それにソレ収めないと二人ともここから出られないよ」
さっきは、僕と類のお互いの昂るものをガウンで隠して運んだけど、その形でズボンは履けない。それでも類は、ふ――ふ――と言いながら何かを考えているように耐えるようにしていた。なんてセクシーなんだろう。僕はそんな類にちゅっとした。
「じゃあ、互いので擦ろうよ、それならいいでしょ、どうせ鎮めないと僕たち帰れないからさ」
「そ、んなこと」
「あんな風にしたのは類だよ、いくら何でも撮影だからって、人前で僕にあそこまで感じさせた責任はとってよ」
「じゃ、じゃあ少しだけなら……」
少しってなんだろう、可愛い、ここが童貞っぽくていいな。僕は遠慮なく類の下着を下げるともう大きくなったものが。ぽろっと勢いよく飛び跳ねてきた。
「ふふ、いいね」
「もう、海斗にはかなわない」
僕のも自分で取り出して、お互いのソレを僕の手でくっつけた。
「っく」
類はそれだけで、いやらしい吐息をはいた。そして類の手を取って一緒に握ってもらってゆっくりと上下に擦る。
「あっ、はぁっ、きもちいい、類は?」
「気持ちいいよ、っは、海斗っ」
「キス、キスしてぇ」
「くそっ、」
悪態をつく言葉を発しながら、僕の唇をむさぼる類。先ほどの撮影よりも熱いお互いの口内で舌が交じり合う、水音が上からも下からも響く。
僕はテーブルに座っていて、類は立って片手は勝手に僕の胸を触っているし、もう片手は僕と類のモノを握って一生懸命に腰を振りながらしごいている。僕はもうイキそうで背中がそって後ろに倒れそうになると類に支えられてより密着した状態でお互い達した。
いつの間にか深く抱き合い、僕の肩に類の顔が乗っていた。イッた後のセクシーな吐息が僕の耳に残る、僕は思わず類を抱きしめた。お互いのお腹は出したモノでぬめっているけど、そんなの気にならないくらい抱きしめたくて仕方なかった。
「類、気持ち良かった?」
「……うん、海斗は?」
「良かった」
けだるい体を類に預けて僕は余韻に浸っている、類はいきなり僕を抱えて備え付けのシャワールームに入った。
「もう収まったなら、洗い流そう」
「うん」
類は淡々と僕を洗い、お腹に付いた精液を落としていった。僕はボディーソープを自分に付けて類に抱きついた。
「ちょっ、こらっ」
「こうすると気持ちいいよね」
「し、知らないよ。またこんなに密着したらせっかく収まったのに!」
「ほんとだ、また固くなったね、ふふ」
お互いの体が密着する中、下もまたお互いにくっついてしまって、さらにはボディーソープが滑りを良くしてくれた。類のモノがまた固くなりだした。
「ちょっと、海斗。いい加減にして、これじゃまた帰れなくなるだろ?」
「でも、気持ちいいね」
これ以上は類が許してくれなくて、全て洗い流された。僕を求める男達はみな、バスルームでも続きをしたがるのに、類は反応しているはずなのに苦しそうな顔で耐える。もっとこの男の、理性をなくした顔を見たくて仕方なかった。
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