運命を知らないアルファ

riiko

文字の大きさ
上 下
40 / 67
本編

40、運命との交わり ※

しおりを挟む

 戸惑う正樹が抵抗しないよう、少し乱暴だけど壁に体を抑えてうなじを舐めた。すると正樹の香りがより強くなり、着ているバスローブの下からオメガ特有のあの分泌液が垂れてきた。

「もう濡れた」
「やっ、やめろ!!」

 バスローブをお尻のところだけめくり、俺も正樹も準備万端だったからこそ、すぐに後ろかられた。正樹の中はもうたくさん濡れていたのでスムーズに挿入はいるが、それでもまだ抵抗しようと押し出そうとしてきた。

 きつくて、ヌルついて、収縮して、俺をゆっくりじんわり誘ってくる。もうだめだ、れきる前に達してしまいそうになって、一気にズボっと最奥まで挿入した。

「うっ、あぁぁぁぁぁっ!!!」 
「くっ、はあっ、正樹っ」

 なんだよ、コレ。この熱さ。いつも気持ちいい正樹の中は、それよりももっと凄い!! 発情期だからか? 俺がお前を運命と認識したからか!? 止まらない!!
 
「あっあっ、あっ、やっ、やめっ」

 立ったままバックから何度も後ろかられた。正樹のミルクは壁に飛ぶくらいに勢いよく出ている、嫌だという割には、正樹の感じ方は尋常じゃない。というか嫌じゃない、いつものいやいやと同じで正樹は俺を求めている。俺の運命だからなのか、正樹と繋がる時はいつも正樹が何を求めているのかなんとなく感じていた。これが運命?

 好きだ、好きだ、愛している!! 噛みたい!! うなじが欲しい!! くそっ、こんなまま噛んだら正樹は傷つく、俺が運命を拒絶していると思ったまま抱かれているんだ。一度全てを出して、二人とも正気に戻った時、もう一度きちんと話そう。そして改めてつがいになりたいと言おう。それまでは我慢だ!!

「あっ、あっ、んんん」
「正樹、正樹っ!!」

 もう余裕がない、獣となった二人はすることしか頭にない。

「やっ、おねがいっ、やめて、お願いしますっ」

 その涙は、運命が交差した喜びと取りたい。

「やめない、正樹っ、お前は俺を求めている」
「ふっ、んんっ、ぐすっ、うっっ、やっ、やめてっ、お願いだから、首はやめて、」

 俺は自分の犬歯の歯がゆさを抑えるために、自分の腕を噛んだ。正樹のうなじはまだ噛めない、痛みで少し正気が戻った気がした。

「そんなにあの男とつがいになりたかったのか?」
「うっ、もうやめてっ、櫻井のところに返して、おねがいっ、ああぁぁっっっ!!!!」

 わかっている、わかっている。

誤解したままうなじは噛まないから、でもお前のここは俺のモノだ! 今俺が正樹を抱かなかったら、また櫻井に抱かれてもいいと思ってしまうだろう? ごめん、正樹。きちんと繋がってない状態で誤解を解きたいけど、まずは正樹のヒートを落ち着かせるために、このままっ!!

 そして一番最奥を突いた。そして正樹の力が抜けて倒れそうになり支えながらも、俺はまだ出るものを正樹の中にずっと出し続けた。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

【完結】可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない

天田れおぽん
BL
劣性アルファであるオズワルドは、劣性オメガの幼馴染リアンを伴侶に娶りたいと考えていた。 ある日、仕えている王太子から名前も知らないオメガのうなじを噛んだと告白される。 運命の番と王太子の言う相手が落としていったという髪飾りに、オズワルドは見覚えがあった―――― ※他サイトにも掲載中 ★⌒*+*⌒★ ☆宣伝☆ ★⌒*+*⌒★  「婚約破棄された不遇令嬢ですが、イケオジ辺境伯と幸せになります!」  が、レジーナブックスさまより発売中です。  どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!

灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」 そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。 リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。 だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く。が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。 みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。 追いかけてくるまで説明ハイリマァス ※完結致しました!お読みいただきありがとうございました! ※11/20 短編(いちまんじ)新しく書きました! ※12/14 どうしてもIF話書きたくなったので、書きました!これにて本当にお終いにします。ありがとうございました!

欠陥αは運命を追う

豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」 従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。 けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。 ※自己解釈・自己設定有り ※R指定はほぼ無し ※アルファ(攻め)視点

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...