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見つめるだけじゃもう足りない!
しおりを挟む「ぁん……はぁ」
クチュクチュと水音が響く室内、四つん這いになり後ろ手に掴んでいるディルドを抜き差ししながら一人喘いでいる周 円(あまねまどか)はアナニ―が毎夜の日課で目を瞑り脳内で好きな男の顔を浮かべながら必死に自慰に更けていた。
「も……と……お、くぅ……」
『まどか……愛している』
「ぼく……もぉ、ん、ぁぁああっ!」
現実では言われる事のない愛の言葉を想像すると腰をゆらめかせながらペニスをシーツにこすり付け絶頂を迎えると同時に押し込んでいたディルドを引き抜きビクビクと痙攣して快感に酔いしれる。
円はこの引き抜く瞬間が一番好きで自慰は毎晩これだった。
シーツには自分が放った精液とアナルを解す為に使用したローションで染みを作りディルドは勢いよく引き抜いたせいかベッドの下に転がっている。
引き摺る気だるさをものともせず起き上がり胡坐をかくとティッシュに手を伸ばし濡れたままのペニスや腹部を軽く拭きゴミ箱に投げ捨てた。
拭いたものの体液諸々で濡れた肌をきれいにするため風呂場へと向かう。
「んー……っ、気持ちいい」
火照った身体に冷水がかかりブルッと震えるが数秒後に湯が出て気持ち良さそうな声をあげてしまう。
湯で曇った鏡を手で拭い鏡を見ると自慰後の色っぽい顔と肌がそれに映し出された。
「顔は悪くないと思うんだけどなぁ~~肌だって……一応ケアしているからすべすべだし~~問題は……」
ペタペタと自分の肌を触り確認していたら
「まどかーー!!!お前また俺の部屋でオナニーしただろ!!俺の部屋はオナニー部屋じゃないぞ!」
ガラガラと音がしたと思ったらスーツ姿の男に大きな声を出しながら風呂場のドアを開けられ思わず慌てて持っていたシャワーを男に向けてしまいびしょ濡れにしてしまう。
「わっ!ちょっとシャワー浴びてるんだから開けないでよ~~それにそんな大きな声ださないで~ウルサーイ!」
全裸男とホスト風びしょ濡れスーツ男が風呂場で対峙しているという異様な空間ができあがってしまった。
「おまっ!シャワーをこっちに向けるな!」
脱衣所がビショビショになる前にスーツ姿のまま男は風呂場の中に入りドアを閉めると着ていたスーツと下着を脱ぎドアの隙間からそれを脱衣所に置いた。
それから振り返ると円の持っていたシャワーを奪い取り頭から浴びた。
「なんで入ってくるのー?」
「湯かけられたから仕方ないだろ……このまま風呂入るぞー」
「別に一緒に入らなくてもいいじゃん……」
文句を言いつつも受け入れてスポンジを泡立てながら身体を洗い始めた円の身体を上から下へと視線を動かし自慰後の姿を男は眺めていた。
「ちょっとーそんな見ないでくれる?洗いづらいでしょ~……ぁんっ…って何すんの!」
「感度はバッチリだな。弟じゃなければ最後までお相手願いたいところなんだが……残念だ」
泡の下に隠れてはいるものの赤く熟れた乳首をつままれ意図しない嬌声がもれてしまった。
残念といいつつも円の身体を開発したのはこの男だ。
もちろん乳首も開発してあるせいか感度は抜群だが産まれてこの方、恋人は居たことがなく寂しい独り身――齢35の魔法使いを拗らせた童貞処女だ。
そして、一見ホスト風なこの男は周元(あまねげん)39歳、円に恋人が出来ない原因でもある。
「で、どーだった?使い心地は」
「まぁまぁだったよ~~引き抜く時にもーすこし引っ掛かりが欲しいトコロ……」
「改良の余地ありか……お前がモニターになってくれるおかげで男性用ディルドの売れ行きがいい。――相変わらずの性癖だな」
周家の家業は大人の玩具の開発と販売そして営業で元はこの家業を継いでおり今は通信販売でかなり売り上げているもものの円はそんな家業には入らず高校教師として働いている。
ちなみに円はゲイのネコで、元はゲイよりのバイで別れた妻との間に息子が一人おり円の働く高校の生徒だ。
中学の時に自分の性癖に気付いた円はすでにバイだと公言していた兄に相談していた。
自慰の仕方やアナルの解し方などすべては兄の教育の賜物だったりする。そのせいか中学男子にしては色気が出てきて襲われそうになることもしばしばで元々、可愛らしい顔をしている円は女子にも男子にも人気者だった。
身長は残念ながら伸びず156㎝あるかないかという……生徒に囲まれると囚われの宇宙人状態になる。
「気持ちいからいいの!でも兄さんのせいで、玩具が手放せないんだけど!どーしてくれんの……恋人だってできやしない」
円がぐすんと泣き真似をして湯船をブクブクとしていると元も洗い終わったのか湯船に入ってきた。
狭い湯船に男二人……円が小柄だとしてもかなり狭く感じる。
「俺のせいって訳じゃないだろ。恋人なぁ――お前、彼奴一筋だろ?さっさと告っちまえばいいのに……まぁ、今の状況じゃむりか?」
「もうっ!他人事だと思ってぇ……」
「はぁ」と悩まし気に息を吐く円の肩を抱き寄せた元が頭を撫でてくれる。いつもは口喧嘩が多い二人だけれど元はよく円を甘やかしてくれて結構仲の良い兄弟だ。
「生徒に手はだせないよな……だが来年には卒業だろ?そろそろいいんじゃないか?」
「こんな小さいおっさんを若い子が相手にしてくれる訳ないでしょ!18も年の差あるのにー」
「んー見た目だけなら余裕で並べると思うがな……」
今でも小さくて可愛らしい姿は健在で高校生……稀に中学生に間違われることも多々有るが実年齢を知るとみんな引いていく。
そんな円と対照的なのが元で身長190㎝以上は有りかなりのイケメン、円の身長は全て元に取られたようなものだった。並ぶと親子に間違われるがナンパ抑止の為によく連れだされる。
イケメンの元と一緒に並ぶのは結構優越感があり円は喜んで駆り出されていた。
元の身体をチラリとみて厚い胸板にしっかり筋肉の付いた二の腕に脹脛、重量感のある男性器、円は自分にないものを持っている元がとても羨ましい。
自分の身体に欲しいという事ではなくこういう肉体に抱かれてみたいという思いからで、元を想い人の身体と似通ったという意味で想像しながらいつも自慰をしており何度か体育の授業やプールの授業で覗いていたので思い描いては毎日致して大分痛い事をしていた。
想像していたら下腹部が熱くなりぞくぞくとした熱が股間に集まってしまう。
「ん……無理だよ……僕、そんな勇気ないもん……見ているだけで…いいから」
「円?」
様子が変わった円に気付いた元は抱き寄せた腕を外し顔を覗き込む。
涙目で潤んだ瞳で元を見つめてもじもじと膝を擦りあわせているその姿はとても煽情的でその姿に元は何度かゴクリと唾を飲み込む、その音にハッとした円は元から目を逸らせて背中を向けるも手が前に伸び円は抱きしめられ首筋を舐められた。
「な、なんでもない……っあ、やめ……」
「お前な……何を考えていたのか知らないが、そんな顔するな。俺の前ならまだしも他の男の前でそんな顔してみろ一発で襲われるぞ。彼奴の前でその顔できれば一発で襲ってもらえたりしてな?既成事実作ってみるのも手だぞ?」
円の濡れた髪を撫でながら不穏発言をする元に円は振り返りキッと睨むと元の腕から抜け出し湯船から上がり浴室から出るとその姿を手をふりながら見送る元に叫ぶ。
「そんなので襲ってもらえるならとっくにしてるよ!!」
バンッと音を立ててドアを閉めると浴室からは含み笑いが聞こえそれに円は一層イライラが募る。
部屋に戻りながら身体を拭き下着とシャツを着ると先程汚したシーツを取り換えベッドの下の放置したままのディルドを洗って片づけて一息つく。
そしてパソコンを立ち上げ今回使用したディルドの感想を入力する。
元が渡してくるアダルトグッズは女性用もあれば男性用もある。一応アナルは処女なので大きいディルドはお断りしているが熱の通った本物を挿入してみたいと感想を入力する度にいつも考えてしまう。
そして入力していた指を止め先ほど円に言われた言葉は反芻する。
「きせい、じじ、つ……か」
「おっ、襲う気になったか?」
「にゃっ」
いつ風呂から上がってきたのか元が円の背後から近づきパソコンの画面をのぞき込できたそれに一瞬驚いたものの肩をビクつかせるに止め元を睨んだ。
「にゃ、とか可愛いなぁ~お前」
元は揶揄うように言いながら乱暴にわしゃわしゃと頭を撫でてきた。
「……どーせ、僕はちいさいですよー」
自分がちみっこいのは知っているのでそれを武器にはしている節はあるものの可愛いと言われるのは男としては腹が立つ。
「そういうとこが可愛いんだよお前は……で、とうとう襲うのか?」
「むぅ……が、がんばってみる……」
「そうと決まれば、これと―――……これを使え」
床に置かれた段ボールの中からゴソゴソと透明なボトルと瓶、桃色の袋と銀の箱が取り出され机に置かれた。
ボトルは何となくローション系で銀の箱はスキンなのは分かるが他が何なのか首を傾げる。
瓶の蓋を持ち上げて左右に揺すると中身がコロコロと揺れる。蓋を開けて中身を覗くと飴の様な物だった。
「それはキューブ型ローションで体内に挿れると熱で溶ける媚薬成分配合のローションだ。試してみるか?」
元にローションを奪われるとそのままベッドに四つ這いに押し倒され手慣れた様子で下着の脱がすと尻の窄みに固形物を滑りこませ挿入していく。
「ちょっと!にいさ、ぁん……はぁ……」
毎度、元に慣らされている円の身体は抵抗はせずそのまま受け入れてしまう。
体内の固形物がトロトロと腸内の熱で溶けて滴が内腿を伝う頃には媚薬成分が効いてきたのか円の身体が熱く火照り触ってもいない前が勃起する。
「おっ効いてきたか?前もビンビンだな。どうだ?感触は?」
「ああっ……あつ、い……それに、お尻が……ムズムズするぅ……な、に、これぇ……やぁっ」
「尻に欲しくなるだろ?これで埋めてやるから尻上げろ」
いつの間に取り出したのか12連のアナルパールを円に見せニッと妖しく笑う。
円はそれを見てブルッと震えるも枕に顔を埋め言われた通りに尻を高く突き上げる。元がそこに少しずつパールを埋めていく。
「やぁ!く、くるしっ……あぁぁん、ん、ん……だ、だめぇ……前さわ、ちゃ……」
嬌声しか出なくなった円に元が追い打ちをかけるように円のペニスを後ろから掴み上下に扱くと先走りが竿を伝い扱かれる度に水音がするそれが余計に厭らしく気分が高まり腰を振ってしまいアナルパールがアナルから出入りしている。
それに煽られた元が下着から自分のペニスを取り出し自慰をしながら円の尻朶をペロリ舐め甘噛みをして円の快感を高めていく。
「はぁ……まどか、エロすぎ……ここ使わせてくれ……」
そう言うと元はペニスにローションを垂らすと円の足を閉じさせ股に挿入して抜き差しする。
腰を打ちつける度に元の腹で押されたアナルパールが前立腺や奥を刺激してしまい激しい快感に涙を零し耐えきれなくなりあっけなく円は達してしまう。
「あぁっ、にい、さぁ……いっちゃ、そんな、おさな、でぇぇ……て、はな、し…も、イっちゃうぅ……いやぁぁ」
「ん、まどか……まどか……はぁ」
何度も円の名を呼びながら元は腰をグラインドさせ絶頂が近づいたのかペニスを股からアナルパールもアナルから引き抜くとペニスを軽く上下に扱き窄みと尻、背にまでも精液が跳ぶ。
「はぁ……そ、れだめぇぇ、またイクぅ……あぁぁぁっ!」
アナルパールを引き抜く快感で円は再度達してしまいくたりとベッドに沈む。
窄みをくるくると指で撫で突かれ声を漏らしてしまいそれを元に笑われ少し拗ねながら元を睨む。
「ふっ、ほんとココすきだな……」
「んっ……好きぃ……はぁ、もう!」
「媚薬の効果はバッチリのようだったな。まだ試してなかったこっちの袋……」
机の上に置きっぱなしだった桃色をした袋から小袋を出し手の平に渡された。
袋には何も書かれておらず開けてみると中から飴玉が出てきてそれを不思議そうに眺めて元を見る。
「それはエロイ気分にさせる飴だ。そっちはモニターも終了して来週あたりには販売予定、これで彼奴をその気にさせてみろ。」
「うん……ありがと、にいさん……」
複雑そうな表情をしながらもアダルトグッズを受け取り鞄にしまう。
ふと時計をみると時間は20時30分を過ぎたとこだった。円が教鞭をとっている学校は全寮制の名門私立男子校で従業員専用の寮が完備しておりそこに住んでいる。
「あーーーーー!!!門限が!」
「は?外泊届だしてねーのか?」
「うん……」
名門私立校というのもあり教師とはいえ門限が決められている。外泊は前もって届を出さなくてはならない。
門限は21時……電車乗り換えがスムーズにいってセーフくらいで行為の後でとても身体がしんどく間に合うかは本当にギリギリってところだった。
汚れた身体をタオルで拭き服を必死に着替え鞄を背負う、慌てて靴を履き玄関のドアノブに手をかけたところで元に呼び止められた。
「おい、車で送ってやる。」
ありがたいことに送ってくれることになり、この時ばかりは元が神のように感じた。
なんとか門限の10分前に何とか到着し、車から降りようとしたところ元に肩を抱き寄せられ頬にキスをされてしまい円は慌てて車を降りるとドアを閉める。
「人に見られるからここではやめてよ!」
「礼をもらっただけだ。がんばれよー」
車は発進しそれを睨むが時間が迫っていることに気付いた円は慌てて寮へと入っていった。
エントランスを入ると受付がありコンシェルジュが立っている。
「おかえりなさいませ。」
流石金持ち学校、職員専用寮も豪華でちょっとしたホテルかマンションようだ。
円はコンシェルジュに軽く会釈をすると受付の隣にある機械にカードを翳しエレベーターに乗り込んだ。
「はぁ……なんとかセーフだったなぁ……」
部屋の電気をつけ鞄を椅子に置きベッドにあおむけで寝そべるとそのまま眠りについた。
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