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アルゼンの求婚
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今世の魔王。
最悪と呼ばれる存在を「桜泉樹」が感知できない存在。
それ故に誰にも気づかれず、部下にも教えないと分からない。
何故か。
アルゼン・エド・ヴォルク
肉体年齢35 精神年齢300(?)
整った容姿に高身長な俺様魔王
少々暴力で問題を解決しすぎる反面未だに妻をめとらない変わり者
年齢はともかく民からの評価は良くも悪くも普通である。
目立つようで目立たない。
綺麗な顔立ちだが、本当に恋に落ちる人はいない。
王ゆえなのか、内面に問題があるのか。
そんなアルゼンは魔王としての自覚は生まれて直ぐにあった。よくある転生である。
最初は多少戸惑い、直ぐに順応し他の人間よりも成長を早め、天才的頭脳で他の王子を押しのけ、王太子となり父である前王を殺し、自分が王位についた。
1度として、助けなど借りなかった。
全てを1人でこなし、やり遂げたアルゼンは王となりすぐ白桜国に向かった。
理由なんてなく、ただ引かれた。
見えない何かに。
アルゼンは1人こっそりと変装をして侵入した。
かの「桜泉樹」へ。
この時既に、9歳の桜がいた。
桜とアルゼンは会っていたのだ。
守り神となりまだ全ては知らない桜。
アルゼンの異変はこの時起こった。
桜を見る度どうしようもなく抱きたい気持ちに駆られた。
力強く、誰にも触れさせたくないと感じた。
今初めて会ったはずなのに、それは抑えることが出来ない感情。
桜「どうしたの?」
ア「……お前は誰だ?」
桜「え?あっ…まもりがみっていうのよ。」
ア「それが其方の名か?」
桜「え、ああ。名前は桜だよ。」
ア「桜?」
桜「うん。あなたは?どうしてここにいるの?」
ア「さあな。よく分からないが其方と話して落ち着いたよ。」
桜「え?」
ア「其方に会えとでも言われているようだったな…」
桜「???」
ア「私は其方が余のことを知るまで待とう。」
桜「なにを?」
ア「その時がこの世界との決別のときだと忘れるでないぞ。」
桜「けつべつ?」
ア「さて、戻るか。」
桜「え!?もう行くの?大丈夫なの?」
ア「其方に会って随分楽になったし、私はここで見つかる訳にもいかないからな。」
桜「ここにはいられないのね…」
ア「…其方が望むと望まないと私は其方を攫う。どこにいても其方のことがわかるように、私の印でもつけておくか。」
桜「しるし?」
ア「ふむ。」
ニヤっと笑うアルゼン。
ア「後ろを向け。」
桜「えっ」
ア「早く」
桜「はっはい!」
圧に負けて桜が後ろをむくと、アルゼンは桜の首筋にキスをした。
桜「きゃっ」
ア「なんだ。」
桜「なにかしました!?」
ア「特に何もしてないぞ(笑)」
桜「うそ!」
ア「ほんとだ」
桜「……ほんとですか?」
ア「ああ。大したことではない。」
桜「……」
ア「害はないさ。では、私は行く。じゃあな。」
桜「そうですか…」
ア「いずれ会おう。桜よ。」
アルゼンと桜の昔の僅かな出会い。
それはもうアルゼンしか覚えていないこと。
だがこの時、アルゼンは桜の首筋にキスをした。
小さな蕾が後ろの首筋に残っているのを桜は知らない。
ずっと目立たずひっそりと時を待ち、それは叶う時咲かせるのだろう。
魔族の結婚とは、人間からしたら束縛に近い。
番は1人。出かける時も長く離れてはいけない。
血よりも濃い繋がりが生まれる。
魔王らしくずる賢く、アルゼンは桜に求婚したのだった
最悪と呼ばれる存在を「桜泉樹」が感知できない存在。
それ故に誰にも気づかれず、部下にも教えないと分からない。
何故か。
アルゼン・エド・ヴォルク
肉体年齢35 精神年齢300(?)
整った容姿に高身長な俺様魔王
少々暴力で問題を解決しすぎる反面未だに妻をめとらない変わり者
年齢はともかく民からの評価は良くも悪くも普通である。
目立つようで目立たない。
綺麗な顔立ちだが、本当に恋に落ちる人はいない。
王ゆえなのか、内面に問題があるのか。
そんなアルゼンは魔王としての自覚は生まれて直ぐにあった。よくある転生である。
最初は多少戸惑い、直ぐに順応し他の人間よりも成長を早め、天才的頭脳で他の王子を押しのけ、王太子となり父である前王を殺し、自分が王位についた。
1度として、助けなど借りなかった。
全てを1人でこなし、やり遂げたアルゼンは王となりすぐ白桜国に向かった。
理由なんてなく、ただ引かれた。
見えない何かに。
アルゼンは1人こっそりと変装をして侵入した。
かの「桜泉樹」へ。
この時既に、9歳の桜がいた。
桜とアルゼンは会っていたのだ。
守り神となりまだ全ては知らない桜。
アルゼンの異変はこの時起こった。
桜を見る度どうしようもなく抱きたい気持ちに駆られた。
力強く、誰にも触れさせたくないと感じた。
今初めて会ったはずなのに、それは抑えることが出来ない感情。
桜「どうしたの?」
ア「……お前は誰だ?」
桜「え?あっ…まもりがみっていうのよ。」
ア「それが其方の名か?」
桜「え、ああ。名前は桜だよ。」
ア「桜?」
桜「うん。あなたは?どうしてここにいるの?」
ア「さあな。よく分からないが其方と話して落ち着いたよ。」
桜「え?」
ア「其方に会えとでも言われているようだったな…」
桜「???」
ア「私は其方が余のことを知るまで待とう。」
桜「なにを?」
ア「その時がこの世界との決別のときだと忘れるでないぞ。」
桜「けつべつ?」
ア「さて、戻るか。」
桜「え!?もう行くの?大丈夫なの?」
ア「其方に会って随分楽になったし、私はここで見つかる訳にもいかないからな。」
桜「ここにはいられないのね…」
ア「…其方が望むと望まないと私は其方を攫う。どこにいても其方のことがわかるように、私の印でもつけておくか。」
桜「しるし?」
ア「ふむ。」
ニヤっと笑うアルゼン。
ア「後ろを向け。」
桜「えっ」
ア「早く」
桜「はっはい!」
圧に負けて桜が後ろをむくと、アルゼンは桜の首筋にキスをした。
桜「きゃっ」
ア「なんだ。」
桜「なにかしました!?」
ア「特に何もしてないぞ(笑)」
桜「うそ!」
ア「ほんとだ」
桜「……ほんとですか?」
ア「ああ。大したことではない。」
桜「……」
ア「害はないさ。では、私は行く。じゃあな。」
桜「そうですか…」
ア「いずれ会おう。桜よ。」
アルゼンと桜の昔の僅かな出会い。
それはもうアルゼンしか覚えていないこと。
だがこの時、アルゼンは桜の首筋にキスをした。
小さな蕾が後ろの首筋に残っているのを桜は知らない。
ずっと目立たずひっそりと時を待ち、それは叶う時咲かせるのだろう。
魔族の結婚とは、人間からしたら束縛に近い。
番は1人。出かける時も長く離れてはいけない。
血よりも濃い繋がりが生まれる。
魔王らしくずる賢く、アルゼンは桜に求婚したのだった
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