異世界スロースターター

宇野 肇

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三章 訪れる人々

不明瞭なカウントダウン(1)

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 やることは決まった。
 ロゼオたちは表向き客人として空き部屋に通し、下働きという名目で監視兼保護。シズにはこれまで通り、仕事の傍ら、学園生活を送ってもらう。俺とギルは出来るだけ二人一緒に行動しつつ、急に行動パターンが変わっても学院生らが訝るだろうから、それとなく退居準備をしていると匂わせながら、学院へ足を運ぶ日数を徐々に減らした。

 まさかこれから戦争でも始まるのかというような大袈裟な動きは出来ないが、腕を磨き、己の身を守るアイテムのストックを増やすことは日々の中でも十分に出来る。飽くまで俺は冒険者だからだ。義務……いや、それこそがまさに日々の営みであるのだから、不自然なわけはない。依頼の任期満了と共に退任し、マギを離れるために体調や準備を整えているように見えるだろう。肝心の人物にはかえって接触する機会を与えてしまいそうだが、何もせずにいられるほどの力などない。

 とはいえ、ミュリエルとの交流は続いている。何故なら、彼女は魔術師として非常に優れており、指導者として彼女以上に師事する人物がいないからだ。俺たちは学院生ではないわけで、教員に個人指導をお願いできる立場にない。

 彼女と繰り返すのは、ひたすら魔術式を書き、展開するという一連の動作だ。彼女程の手練れになれば己の魔力をインクのように操って空中に式を書き出しそのまま発動へ持っていけるが、俺は不慣れなのも手伝ってそうはいかない。
 魔術式は基本的に魔法陣の形で描かれるが、これは術者が自由に決めることができ、数式のようなものでも発動は可能だ。ただ、ミュリエルのように魔力で直接式を書くとなると図形の方が遥かに早い。
 文字を書くのに身体や意識に染み付いた書き順が邪魔をするらしく、その点、図形は同時進行で、図形の形が上下左右対称であれば一気に書き進めることができるためだ。因みに、魔力を乗せるインクなどを用いて実際に紙や床、壁などに書く場合は文字の方が形を整える手間がなく重用されているらしい。まさにケースバイケースである。ただまあ、文字の方は乱れすぎていると失敗するようだが、それは図形も同じだからどちらも最低限の美しさは求められるのだが。
 魔力での直筆の場合、修正や書き換えが簡単であるためにミュリエルはこちらを推しているのだという。確かに自分の意識一つで魔術式をいくらでも修正できるのは助かるが、その魔力をインクのように操る、というのがまず難しいから、広まらないのも無理からぬ話だ。ペンなど、道具を用いれば魔力消費は一定で済むが、ミュリエルの方法は魔術式を書くための魔力量の調節も自分で行わなければならないのだ。彼女の理想は容赦なく高い。

 まあ、自慢するならば俺もシズも、彼女の方法についていくだけの資質も真面目さも備えていたから、彼女に師事して以来こつこつと励んできたわけだ。俺のノーコンぶりも大分マシになったと思う。シズの方が上手いからどうも自覚しにくいが。
「うーん……」
 俺が魔術を必要としているのは、スキルでは手の届かない部分のカバーをするためだ。
 例えば遮音。これはスキルにはない。効果の及ぶ範囲を指定するという仕様もスキルにはない。大体決まっている。威力もそう。ステータスである程度プレイヤーの好きにできると言われればそうだが、ステータスは一度上げてしまえば下げることはできないから、任意に操作することなどは出来ないと言っても差し支えないだろう。
 他にも、原則街の中の場合、ごく限られた施設かイベント中でしか使えなかったりする。これは現実として非常に不利だし、ジンに限らず誰がいつどこで何をしてくるか分からない以上、どういう行動をするにしても手段は多い方がいい。

 そんなわけで俺は動けるようになってからはより一層鍛錬に励んでいるわけだが、ふと集中が切れて魔法陣は俺の目の前で霧散した。
「まだ調子が悪い……のかな」
 ロゼオ達の襲撃から三週間。シズの尽力のお陰でもうとっくに薬は抜けているだろうとは思うのだが。
 どうもやる気を高めることそのものに失敗しているような気がして、俺はベッドの端に腰掛けて足を揺らしていたのを止めた。自然肩が落ちる。
「気分転換でもするか?」
 既にベッドに横になっていたギルが後ろから手を伸ばしてくる。優しく髪の毛をくしゃくしゃにされ、俺はじっと目を閉じた。そのつもりはなかったはずだが、ギルの両手が俺の頭を包み、柔らかな唇同士が触れ合う。唇の先で揉むように触れられ、腰のあたりがぞくりとした。
「ん……」
 ギルとはあれからずっと同じベッドで寝ているが、セックスはしていなかった。よく眠れているから寝不足とは無縁の状態だし、そういう意味では頗る元気……なはずなのだが。
 優しく俺の頬や耳を撫でていく親指を感じながら俺からもギルへ指を滑らせると、あっという間にベッドの中央へ引き上げられ、仰向けに寝かせられた。視界にはギルの顔が一杯に移り、他の景色が見える余裕はない。
「したい。いいか?」
 率直な言葉に目が丸くなる。
 今? 気分転換の話をしていたのではなかったか。
 そう思い、直ぐにこの誘いが既に気分転換であることに気付いた。
「……声、聞こえる……」
 ギルが今まで何も言わなかったのは俺の具合が良くなるまで待ってくれていたからだろうし、俺もロゼオ達――否、ロゼオを刺激しないためにも控えていた部分はある。
 ブルーノに傷つけられたとはいえ、ギルならきっと怖くはないだろうし、大丈夫だろうという思いはある。ギルの触れ方は優しく、自分の身体が、心が大切にされていると感じることができるからだ。
 幸いあの時は香のせいで現実味が薄く、今のところ夢に見てしまうことも、ギルの体温に怯えることもない。
「聞かせればいい。俺がどれだけお前相手に盛ってるのか、あいつらに分からせればいい」
 低く、穏やかなだけではない声色が俺の身体に熱を吹き込んでいく。胸がきゅっと締め付けられ、でも決して悪くはない。
「……時間、掛けさせるかもしれないけど」
「いい。お前の身体も反応も全部、ブルーノに付けられたなにもかもごと味わいたい」
 ふるりと身体が震えた。既に合わさっている下腹部は暖かく、ある程度の硬さが分かる。それを嬉しいと思うのだから、何を気兼ねすることがあるだろう。
「ん……いいよ。俺がもし嫌って言ってもやめなくていいから、ギルの気が済むまで食べて欲しい」
 羞恥心を乗り越えてそう誘うと、ギルはほんの僅か目を見開いて、それからふと口元を綻ばせた。
「……俺に罰はないのか?」
 掠れた声に涙の匂いが混じっている気がするのは、俺が勝手にそう感じているだけだろうか。
 もしギルが襲撃の夜を気に病んで、夜の触れ合いを言い出せなかったのだとしたら。反省というにはあまりにも深い後悔を、その心の中に抱いているとしたら。
「欲しいの?」
「……気晴らしになるだろ」
 罰を受けることで安堵する心理は理解できる。自分が納得できるような『罪を贖うための罰』を越えることができれば、気が楽になる場合もあるだろう。
 間近に迫るギルの瞳の中に深い自責を感じて、俺は急に気持ちが溢れ出すのを感じた。ブルーノ達の気配に気づかなかったのは決してギルの落ち度ではないのに。今まで見せてこなかった筈なのに、裸になって身も心も互いを求めて近づくと、こんなにもはっきりとギルがしょげているのが分かる。
 俺にだけそんな姿を見せてくれているのだと思うとたまらない、快感にも似た優越感に下腹部が反応しそうだった。
 ――かわいい。そう思うのは駄目だろうか。
 込み上げるよくわからない笑みを堪えつつ、今度は俺からギルの頬に触れ、優しく撫でてキスをしていく。俺を押しつぶすようにのしかかりながらも全く苦しくないその事実。彼の重みと温もりに、俺は何度救われてきたのだろう。
 駆けつけてくれた。側で支えてくれた。暴力の痕は怖かったが、俺のために怒り、行動してくれたことが嬉しかった。
 それらのどこに、ギルを罰する必要がある?
 そう思えるのは何より、ギルのお陰なのだ。ギルが俺を特別に扱ってくれたから。仲間だったはずのロゼオ達を殺すことも厭わないほど、俺が優先順位の一番上であることをはっきりとした態度を示してくれたから。俺はギルが離れていく不安を感じずにいられた。
 ロゼオ達のしでかしたことを内々に終わらせたのも、詰まる所同じことなのだ。俺はギルが俺以外に優しくない場面を目にして、酷く満たされてしまった。彼らを歯牙にもかけない、その必要もない相手だと思ってしまったから。
 しかし一方で、罰を与えないことでギルがずっと自分を責め続けるかもしれないと思うと、なんでもいいからペナルティでも考えたほうがいいのかと少し迷ってしまった。
「罰を与えない罰、ってアリだと思う?」
 少しだけ意地悪がしてみたくなってそう言うと、案の定、ギルは少しだけ顔を歪ませた。そんな顔をさせたいわけじゃない。
「許すだけじゃ駄目?」
「……」
 じっと俺を見つめるギルに訊ねる。
「俺もギルと……早く、気持ち、切り替えたいんだ」
 そっと腰を持ち上げれば、くっついた下腹部が擦れ合う。
「……だから、しよう?」
 自分から誘うのって恥ずかしい。それは多分、俺がギルを受け入れる方だからだ。排泄器官から快感を得て、あられもなく喘いで、乱れる自分を、理性のある時に実感してしまうからだ。
 身体中が瞬間的に熱くなり、羞恥心が身体の至る所でふつふつと沸いている感覚に陥った。
 ギルから目を逸らせなくて、それはつまり、ギルの顔がよく見える代わりに、俺の顔もギルからよく見えるということで。
 俺を見る灰色の滲む黒の瞳をどうにか動かしたくて、両手をギルの背中へ這わせ、形のいい尻たぶを撫でてみる。恐らくギルの身体で一番柔らかいだろうその場所を揉むと、ギルの双眸が細められ、吐息が降りかかった。
 唇が重なって、何度も離れては触れてを繰り返す。ちゅ、ちゅ、と音が漏れ、徐々に深みを増していく。
 唇を舐めて、吸い付いて。上も、下も、丁寧に、しつこいくらいに口元だけでお互いを煽りあう。舌先が触れ、その滑らかで暖かな感触に酔い痴れる。歯の硬さや鋭さとは対照的な艶かしさに夢中になった。
「んふ、ん……」
 ギルの腰が優しく動いて、俺とギルの中心が擦れる。硬さを増した芯だけでなく、下生えと袋も。
 ギルの手が俺の乳首を掠め、キスが途切れ、嬌声が飛び出した。
「んっ、ああっ!」
 優しく乳首へ触れる手はそのままに、首筋を舐められる。耳もそうだが、首回りを攻められると乳首の方までむずむずしていけない。
「んんぅ……あっ……、あ……っ」
 決して激しく求められているような感じはしないのに、柔らかな舌先で舐められ、ちゅ、と小さく吸い付かれ、その間ずっと優しく胸先を弄られ、股間が疼いて、もどかしい。
 ギルの下で身を捩り、自分からギルの腰を抑えて腰を押し付けていると、ギルの愛撫が下へ移動し始めた。
 先に両手が脇腹を辿る。その後に続くようにして唇がキスを繰り返しながらヘソまで下がり、つるんとした俺の下腹部へ到達する。それを枕に頭を預けて見ていると、熟れた俺の芯に頬擦りされ、物足りない刺激に震えた吐息が漏れた。
「熱いな」
 微かに笑みを乗せ、ギルが呟く。そのまま足を開くように言われて、膝をゆるく曲げた状態でその通りにした。
 俺の股座の間にギルの顔がある。何度体験しても、そのことが酷く恥ずかしい。
 ギルは俺の中心を避け、先に内腿に触れた。殊更にいやらしい触り方でもないのに、ぞくぞくして中が疼く。それに合わせて門をヒクつかせてしまっているのもギルからは見えているかもしれない。
 しかし、ギルはただ甘い微笑を乗せて俺を見るだけだ。そのことがかえって言葉よりも雄弁に俺を揶揄しているように思われて、余計にギルの視線の先を意識してしまう。内腿をぺろりと舐めた後俺に見せつけるように吸い付いて、羞恥と興奮に惑う俺をじわじわと逃げられない快感の袋小路へ追いつめてくる。そして俺は、それを期待しながらギルに良いように煽られている。それを望んでいる。
 自分の心の動きを自覚してどきどきしていると、指先が袋の下を優しく撫で、窄まりのある谷へ滑り降りた。思わず息が漏れたが、ギルは肉の谷を暴くことなく、優しく谷間をなぞるだけ。なのに俺は谷越しにギルの指を感じて、更に門を疼かせていて。
 むずむずしてたまらない。少しでも肉を割って指を入れ、そこに触れてくれたら。
「ギル……っ」
「ん? ……どうされたい?」
 肝心な場所には近づくだけで中々欲しいものをくれないギルに焦れて名前を呼べば、甘くも意地の悪い笑みで言葉を促される。
「触って……」
「手か口か、どっちがいい?」
「……両方」
 欲求のままそう言うと、ギルは満足そうに口角を吊り上げた。直ぐに袋に口付けられ、皮越しに先端を揉み込まれる。ギルの指を求めていた場所は空振りに終わって切なく窄めてしまったが、不満に思うよりも先に気持ちよさに流された。
「はぅ! ん……っ」
 芯はぐにぐにと弄ばれ、袋はギルの口の中でしゃぶられて、一気に快感が駆け抜けていく。一つ一つの動作が優しくも甘く、情熱的で、うっとりとその刺激を受け止める。まるで美味しいものを味わうようにギルの手が俺の芯を扱いて、むき出しになったピンク色の腫れた先端を舐め回した。
「あぁ、あ、あ、あ、ああああああ……」
 べろべろと嬲られ、あっという間に先走りの代わりにギルの唾液で濡れていくそれ。裏筋を辿り、雁首に沿って舌先で撫でられ、鈴口を突かれ、手で皮を動かされ、はしたないのは俺の声なのか芯なのか、それともまともに構われないままで癇癪をおこした様に疼く門なのか、俺にはもう分からなかった。
 何度もギルを受け入れ、すっかり快感を覚えた場所がむずむずして、切なくて、触ってほしくて、早く早くと身体がうねる。それをギルが上から優しく押さえつけ、主導権を握って放さない。
 芯に集中する快感に腰を振ると、ギルはそこから口を離してしまった。
「っ……なんで……」
 疼いて仕方のない下腹部が刺激を求めて動いてしまうが、求めるものは得られない。今度こそ不満を持ってギルを見る。と、くすりと笑って自分の唾液でべとべとになった口周りを拭って、一つ、軽いキス。
「勿体無いだろ」
「……なにそれ」
 優しい表情に毒気を抜かれる。しかしどこか目つきは熱に浮かされたような色気が漂っていて、目が離せなかった。
「今日は大事を取って前は一回だけにする。……つもりでいるからな」
 労わるように囁かれ、唇が俺の頬を滑る。優しい手つきも相俟って普通に聞き流しそうになったが、その言葉の中に不穏な要素が入り込んでいるのが引っかかった。
「……。『前は』?」
 ということは。
 それ以外ではその限りではない、というわけで、つまり。
「中だったらお前もずっと良いだろ? イキっぱなしでも最後まで気持ちよさそうにしてるしな」
 ふふ、とギルにしてはご機嫌な様子で浮かべられた喜色に、俺は何をどう言えばいいのか分からなかった。何でもいいから文句を言うべきだというのは分かるのに、肝心の言葉が全く浮かんでこない。
 だから、ギルの思惑を僅かな間でもせき止めることさえ出来なかった。
「気分転換になるように、何も考えられなくなるまで抱き潰す。……お前を一番上等に仕上げられるのは俺だ。何回でも綺麗に咲かせてやるから、俺の方だけ向いてろ」
 文句を探す思考は、続けざまに放たれたギルの台詞によって真っ白に塗り潰される。ギルにしては回りくどい言い回しのはずなのに、思考を飛び越えてあっという間に頭の中が恍惚に染まる。次いで自分でもよく分からない衝動のようなものが込み上げて来て、それが目から零れる前に、ギルにしがみついた。
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