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三章 訪れる人々
水泡ほどの疑惑
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俺の体調が悪くならないようにと非常に渋々ながらもシズは屋敷にロゼオ達を上げることを了承した。
腹が満たされ機嫌のいい二人に風呂に入って貰って、着替えさせる。これも機嫌取りとして有効だったらしく、ブルーノはやや恐縮と気まずさが入り混じった様子だったが、ロゼオから笑顔を引き出すことに成功した。
ソファへ座ってもらい、シズの淹れた紅茶と茶菓子を出して、俺はシズとギルに挟まれるようにしてその対面へ腰を下ろす。好きなように味を変えられるようミルクを添えていたが、俺はそれには手をつけず砂糖と輪切りのレモンを沈めて少しだけ口にし、唇と喉を湿らせた。全く地下牢は環境が悪い。俺が万全の状態であってもおよそ話し合いの場としては相応しくない場所だと切に思う。
……まあそれはそうか。あの場所は特に餓死を前提にしている、人の尊厳どころか命を奪うためにあるわけだから。
「……襲撃理由は昨日聞きましたけど、今日はもう少し詳しく話を聞きたいと思っています」
俺が口を開くと、二人はどこか緊張した面持ちで俺を見た。その視線がギルと俺とを行き来していて、首を傾げる。
「なにか?」
「いや……」
言葉を濁すブルーノに、ギルがこっそり耳打ちしてくる。
「育ちがよくないから、こういう対応に慣れてないだけだ」
なるほど。それもそうか。
緊張しなくてもいいと言ったところで、ブルーノは反省しているのがよく分かる分そんなわけにはと余計に萎縮させそうだし。
「……俺にじゃなくて、ギルに話す感じでいいです。貴方達をどうするかは、ギルに任せようと思っていますから。何か弁解したいことや、伝えたいことがあるのならギルにお願いします。
ただ話の中で気になったことがあったら質問という形で割って入るので、そこだけ理解してください」
しかし、俺だって必要以上に彼らに対して心を砕くほど人間できてない。
ぎこちなく頷く二人からギルへ目を移すと、ギルは心得たとばかりに微かに頷いて、対面の彼らへ向き直った。
「ここに忍び込むのに充分な装備と道具を揃える余裕はなかったはずだ。香もな。その辺りをどうやって間に合わせたのか、俺がクランを解散させてからのことを詳しく話せ」
二人の話は、こうだ。
他にも五人ほどいた仲間たちとともに、まずギルの指示に従ってクランの財産を山分けした。それまで財産の分配などは全てギルが行っていたため少々揉めたが、冒険者組合の職員にとりなされて均等に得ることができた。その時分配したのは口座にあった金だけだったが、盗賊達から分捕った装備品や装飾品は既にギルによって正しい持ち主の元へ行くようしかるべき場所へ預けられていたり、綺麗にロンダリングされていたため彼らはそれだけを持って別れた。
別れの理由は、ギルなしでは盗賊狩りで生計を立てることなど無理だという意見で一致したため。作戦を立てるにしても、前面に立って戦うにしても、最終的にギルの戦闘能力の高さがあったからこそ上手く回っていたのであって、率直に言うのならば皆ギルに頼りきりだったからだ。
その中でも、ギルの行方と安否を気にしたのはロゼオとブルーノを含めて五人ほど。そして実際に探そうとしたのは二人だけだった。勿論、言うまでもなくロゼオとブルーノだ。
他の面々は、これを機にどこかの村に潜り込んで日々の糧を得ることにした。
薄情だと思われるかもしれないが、元々戦う力のない、あるいは弱い者たちの集まりだったのだ。ギルの庇護の下生きている自覚はあったため、それがなくなったのであれば争いの無い所へ流れていくしかない。尤も、ギルの素性について敢えて知りたくなどないと考える人もいた。危ない橋は渡りたくない。御する力もないのに厄介事に首など突っ込めないと、ギルから遠ざかりたいと。
そうした経緯で、結局残ったのはロゼオとブルーノだった。帰る場所もなく行くあてもない。それを埋めていたギルの不在に意気消沈した二人は、冒険者として日々の仕事をこなしながら、ギルの痕跡を探すことにした。そうすることで己を奮い立たせたのだ。
彼らが別れた場所で最も近い城郭都市はゼクスシュタインだったため、二人はそこを拠点にして情報を求め、また転がり込んでくるのを待った。襲撃者は如何にも真っ当でない、暗殺などのいわば裏の仕事を生業としているような風貌であったから、情報屋を回ったりした。
とは言え、収穫らしい収穫もなく、クランの分け前を切り崩すばかりの日々だったようだ。
ところが、そこへ転機が訪れる。とある賞金首の間抜けな捕縛劇。つまり、ギルの所在の判明である。当然二人はギルが捕まったマギまでの移動を決めた。ゼクスシュタインからマギまでは、キャラバンが頻繁に行き来することもあって、旅をするのはそう難しくはない。城壁こそないが、村や街が結構あるのだ。
二人はそういった場所を経由しつつ、盗賊が出そうな場所は遠回りをしてでも回避しながらマギまで辿り着いた。ギルと俺に纏わる情報収集は先に聞いていたから省くとして、当時俺たちはウィズワルドのホームに身を寄せていたため、手が出せなかった。あの家は俺にとってはゲームの仕様としか言いようがないが、このアルカディアでは強固な結界が何種類も張られており、どんなに優れた技術を持った盗賊であっても忍び込めないほどのセキュリティを備えている。そしてその家主も、マギでは名を馳せている魔法使い。一瞬で消し炭にされることは間違いないと、二人は暫く俺たちの様子を伺いながら、ギルを助けるのに必要だと思われる道具を集めながらチャンスが来るのをじっと待っていた。
そこまで見ていたのなら俺とギルの間に主従関係が見えないことも分かりそうなものだが、その時既に二人の中では俺はとんでもない変態で確定済みであり、しかも隷属魔法の中身も知らなかった上に、誤認を正す人間がいるはずもなかったから止まることはなかった。
この『待つ』という行動はギルによって鍛えられたもののようだ。適切な時を待ち、その時が来たら確実に事を為す。
逸ってもいけない。怖気付いてもいけない。
命をかけた生活の中で身についた立派な能力だった。
そうこうしているうちに、俺に一つの依頼が舞い込む。今遂行中の、マギ王立学術院保有の妖しの森の管理人への打診だ。
ウィズワルドのホームを出る上、人気の無い森の中へ生活の拠点を移す。二人にとってまさに好機。しかしここで思わぬ出来事が起こる。
二人の他に、盗賊狩りの一味でもない、見知らぬ男からギルの安否を尋ねられたのだ。
「……それって……」
例の貴族に連なる輩なのでは。
そう思った俺に、ギルも頷いた。
あからさまに怪しがる俺たち二人を見て、しかしブルーノは首を振った。
「怪しいことは怪しかったがな……でも、ローグのことは知ってるような口ぶりだった。捕まったってことも知ってたし、俺たちの言うローグと、そいつの言う『昔関わったことがあった冒険者仲間』ってのは一緒だったはずだ」
「根拠は」
「すげえ強えってことと、ローグの年頃と外見を言い当てた。それに……指名手配されてることとか、ローグのやってた盗賊狩りのことまで知ってたし」
最終的には盗賊狩りの集団としてのクランの名前まで言い当てたのだとブルーノは言った。ギルの顔が険しくなる。
「名前は」
「ジンって言ってたけど多分本名じゃねえ。冒険者登録はジンって名前でしてるみてえだが、ありゃどっか良い所のボンボンじゃねえかな」
自分の住む世界、階級というのはどうしたって染み付くもんだ、とブルーノは言う。それはつまりそれまでどう暮らしてきたかと言うのが所作や風貌に大なり小なり出てくるということだ。髪の艶、肌の滑らかさ、肉のつき具合などはその最たるもので、一朝一夕に得られるものではないから、相手を推し量る一つの目安になる。服装が貧相でも、身包みを剥げば実際どの程度の生活水準なのか、最低限、食うに困るほどなのかどうか分かるのだという。
俺の場合は誤解の元になったが、現地人には当てはまることなのだろう。そのジンと名乗った冒険者は、冒険者としては成功している部類に入るほど身綺麗だったが、人を使うことに慣れてそうな空気が出ていたのだという。多分、言い回しに特徴があったかなにかだ。
ギルは少し間を置いてから口を開いた。
「……そいつの外見、分かるか」
「短かったが茶髪だったぜ。目は灰色。体格は服を着込んでたけどそこそこ良さそうだった。背の高さもローグと同じくらい」
「獲物は」
「剣」
「……柳葉刀だったか?」
「りゅーよーとー?」
「……滑らかなカーブのある、刃の大きい剣のことです」
柳葉刀は青龍刀とも言われているが、青龍刀は本来薙刀状の、柄の長いものを指す。柳葉刀は青龍刀の柄の部分をもっと短くした形をしていて、どちらも剣舞やアクションシーンなどでよく見かけることがあった。うっとりするような曲線美を持つ、重みを活かして遠心力をつけることで対象を叩き斬るタイプの剣だ。ジンと言う人はパワータイプなのかもしれない。
「ギル……知ってる人?」
本当なら訊ねるまでもない。ギルが相手を限定するように質問を重ねたのだから、既に検討はついているだろう。それを俺が確かめたかっただけだ。
微かに頷いたように見えたギルに、ロゼオが声を弾ませた。
「じゃあ一回知らせてやったほうがいいかもな! そいつ、ローグのことすげえ心配してたんだぜ」
「……」
「ジンって奴はおれ達がローグを助けるのにアンタを襲おうとしてるのに気付いてた。それで、助言をくれたんだ」
「助言を?」
オウム返しに訊ねると、ブルーノが頷いた。
「ローグを助け出したいなら、まず主人の方に取り入るべきだってよ。それで気に入られてからローグを譲って貰えって。それが一番安全だからって」
「でもそんなの待ってられなかった。結果はこのザマだけどな」
まあ、ローグが嫌な目に遭ってないから良かった。とロゼオは続けた。
「ジンはおれ達が方法を変えないと知ると、幾つかアイテムを寄越してくれた。それが『姿消しの妙薬』と……アンタに使った、三種類の香だ」
『姿消しの妙薬』は、攻撃行動を取るまでは姿も気配も消せる結構強い薬だ。価格もそこそこする。二人はこれを使って侵入したため、ギルでも感知できなかった。
それに香も、筋弛緩と催淫は効果が薄いものなら夜の営みにと一般の市場にも広く出回っているが、あんなに効果が強いものや、ましてや自白効果のある香なんて今まで見かけたこともない。正規品かどうかは置いておくとして、そんな代物を手に入れられる人物なら、冒険者の他になにかしているはずだ。自分で作ったならまだいいが、例えばどこかの自警団に連なる、社会的地位のある人間とか、あるいは反社会的な、闇ギルドなどに属する、チンピラよりもずっとタチの悪い強者か。ロゼオ達の所感では前者だが、果たして。
険しい顔のまま沈黙を続けるギルを窺う。苦しんでいるように見えるのは気のせいだろうか。
「……そのジンって男は、他に何か言ってたか」
絞り出した声にはどこか迷っているような響きがあった。どうすればいいか分からないでいるような、何かきっかけが欲しいと思っているような、ギルらしからぬ声だった。
「いや……おれ達にはくれぐれも気をつけるようにって、それだけだ」
「そもそも最初は人の奴隷に手を出すのは犯罪だー、分かってんのかーってすげえうるさかったしな」
ロゼオがその時のことを思い出したのか、面白くなさそうに顔を歪めた。
ギルの知り合いらしき人という男。ギルの安否を気にして、俺を襲う算段をしていた二人を諌めるようなことを言ったり、手助けするようなことをしたり。
なんなのだろう。最初に叱るような発言をしたのは二人の覚悟を確かめるためだったのか? そもそも、二人の計画を察知して声をかけてきたというのもおかしくないだろうか。普通に考えて、ロゼオ達は密かに計画を立てていたはずだ。それを嗅ぎつけ口出しをしてくるなんて、ギルへのアンテナをこれでもかと立てるほど気にかけているか、なにか他に思惑があるかのどちらかだろう。
例えば、ロゼオ達を利用してギルを手に入れたい、とか。
「ギル……」
呟くと、ギルはふと俺へ目をやってから、深く息をついた。それから、悪い、と微かに苦笑して。
「そのジンって奴は、確かに一時、声をかけられていた。名乗りもその頃と同じだ。俺もあいつはどこか富裕層の出だろうとは思ってた」
「……王都にいたとき?」
「ああ。俺に読み書きと計算、言葉遣い、仕事にかかるための準備、作戦……そういうものを教えたのがそいつだ」
一瞬、何を言われているのか分からなかった。
今までのギルの口ぶりから誰かに師事していたなんて全く思わなかったし、今のギルがあるのは全て、ギルの力なんだと思っていた。
言われてみれば、ギルの普段の口調は俺の知る不良のものよりもずっと大人しいし、だからこそ俺はギルと話をすること自体は怖くなかった。それに、追われているのにいろんな場所のいろんなことを知っている。俺が勝手に、きっと冒険者時代に培ったものだと――結果的にそれで合ってはいるが、ストリートチルドレンから真っ当な労働者への『更正』によるものだと――思い込んでいただけで。
ギルの中に誰か、そんな風にギルの側に寄り添うようにして彼に影響を及ぼした存在がいることを、どうしてだか考えつかなかった。いや、しかし結局のところギルは努力したのだろうし、そういう意味ではどちらでも同じことのはずだが。
僅かな俺の動揺を感じ取ったわけでもないだろうに、ふ、とギルが息を吐き、意識が今の状況へ対峙しようと戻ってくる。懐かしむには複雑そうな表情は、名前が出た状況のせいだろう。
「……そう」
ギルの言うことが確かなら、その人という人はギルの師匠、あるいは先生と言ってもいい存在だ。そんな人の名前がこんな変なタイミングで出てきて、しかも意図が掴めないなんて、余程単純か素直か、はたまた馬鹿でないかぎりあれこれと考えてしまうだろう。
しかし、実際に交流のあったはずのギルが、こんな風に歯切れの悪い様子だと俺の余計な心配も現実味を帯びているような気がしてならない。
どう声をかけたものかと思案していると、ギルは俺を励ますように微笑んだ。
「そんなに良いもんでもなかったがな。あいつに習ったことで助かったことは多いが、あいつ自身は胡散臭かった。売り飛ばされないように、寧ろ他の奴らよりも警戒していたくらいだ」
「それ、ホントかよ」
ロゼオの顔が不愉快そうに歪む。うん、彼はどちらかといえば単純な部類に入りそうだ。
「お前たちの話が本当なら、あいつの狙いは俺で、気味の悪いことに俺が追われることになるよりもっと前の時期から俺に目をつけていたことになりそうだな」
理由がなんであれ、恐らくそれは間違ってはいないはずだ。
「……例の貴族と繋がってそうな感じはする?」
「その辺りはなんとも言えないが、そうだという前提でいた方がいいだろうな。だがあいつは……ブラフの可能性はあるが、腹芸が得意そうな印象はある。手を組んだところでいずれは出し抜こうとするはずだ」
どの道、狙われているらしいことに変わりはない。ロゼオ達でさえ俺たちの居場所を突き止め、下調べをしていたのだ。ジンなる人物がしていないわけはないだろう。
そうなると、ロゼオ達を実行犯として利用しようとしたようにも思えてくる。
「で、結局ジンは信用ならねえ奴ってことでいいのか?」
落ちかけた沈黙に待ったをかけたのはロゼオだった。ギルはそれに頷き、告げる。
「お前ら、魔術騎士団に突き出さない代わりにヒューイの任期が終わるまでここで働け。ジンが接触してきたら面倒だ」
「ええ!」
「大人しく働いてりゃメシも食えるし寝床も確保できる。お前らの身の安全もな」
「……ジンって奴、そんなにヤバい奴なんすか?」
ロゼオが上げた不満そうな声の直後、俺に寄り添うシズの手に力が篭りハラハラする。だが、続けて紡がれたギルの言葉でブルーノはさっと顔色を変えた。苦々しいような、青ざめたような、緊張感のある張り詰めた顔だった。
「さあな。俺にも分からねえ。まあ、分からねえからヤバいって見方はできるな」
はん、と鼻で笑ったギルの声を最後に、今度こそ沈黙が落ちた。シズに服を引っ張られ、不安そうに俺を見上げる顔が目に入る。安心させるように背を撫でると、ギルと目配せをした。
「今は焦っても仕方がない。俺はとにかく任期が終わるまではこれまで通り過ごしたほうがいいと思う」
「ああ。臆病風に吹かれた挙句指名依頼未達成で評価を落とすのも馬鹿らしいしな。あいつがあわよくばその辺りも狙ってるのかと思うと腹の虫は収まらねえが」
「どうやっても掌の上で転がされてる、って?」
ジン自身が手を下したわけでもない現状、俺たちが勝手に憶測を重ねているだけでしかないのだ。ギルとしては悔しいのかもしれない。
「だが、そんなことは考え出したらキリがない。あいつも馬鹿じゃない。どこぞの業突く張りと違って強引で手の内が見えるようなことはしてこないはずだ。もし派手に動くことがあったら、一気に決着へ持ち込まれることは覚悟しておいた方がいい」
そう言い切ったギルに、了解の意を示す。
任期が切れるまで後四ヶ月。備えるには十分だ。
腹が満たされ機嫌のいい二人に風呂に入って貰って、着替えさせる。これも機嫌取りとして有効だったらしく、ブルーノはやや恐縮と気まずさが入り混じった様子だったが、ロゼオから笑顔を引き出すことに成功した。
ソファへ座ってもらい、シズの淹れた紅茶と茶菓子を出して、俺はシズとギルに挟まれるようにしてその対面へ腰を下ろす。好きなように味を変えられるようミルクを添えていたが、俺はそれには手をつけず砂糖と輪切りのレモンを沈めて少しだけ口にし、唇と喉を湿らせた。全く地下牢は環境が悪い。俺が万全の状態であってもおよそ話し合いの場としては相応しくない場所だと切に思う。
……まあそれはそうか。あの場所は特に餓死を前提にしている、人の尊厳どころか命を奪うためにあるわけだから。
「……襲撃理由は昨日聞きましたけど、今日はもう少し詳しく話を聞きたいと思っています」
俺が口を開くと、二人はどこか緊張した面持ちで俺を見た。その視線がギルと俺とを行き来していて、首を傾げる。
「なにか?」
「いや……」
言葉を濁すブルーノに、ギルがこっそり耳打ちしてくる。
「育ちがよくないから、こういう対応に慣れてないだけだ」
なるほど。それもそうか。
緊張しなくてもいいと言ったところで、ブルーノは反省しているのがよく分かる分そんなわけにはと余計に萎縮させそうだし。
「……俺にじゃなくて、ギルに話す感じでいいです。貴方達をどうするかは、ギルに任せようと思っていますから。何か弁解したいことや、伝えたいことがあるのならギルにお願いします。
ただ話の中で気になったことがあったら質問という形で割って入るので、そこだけ理解してください」
しかし、俺だって必要以上に彼らに対して心を砕くほど人間できてない。
ぎこちなく頷く二人からギルへ目を移すと、ギルは心得たとばかりに微かに頷いて、対面の彼らへ向き直った。
「ここに忍び込むのに充分な装備と道具を揃える余裕はなかったはずだ。香もな。その辺りをどうやって間に合わせたのか、俺がクランを解散させてからのことを詳しく話せ」
二人の話は、こうだ。
他にも五人ほどいた仲間たちとともに、まずギルの指示に従ってクランの財産を山分けした。それまで財産の分配などは全てギルが行っていたため少々揉めたが、冒険者組合の職員にとりなされて均等に得ることができた。その時分配したのは口座にあった金だけだったが、盗賊達から分捕った装備品や装飾品は既にギルによって正しい持ち主の元へ行くようしかるべき場所へ預けられていたり、綺麗にロンダリングされていたため彼らはそれだけを持って別れた。
別れの理由は、ギルなしでは盗賊狩りで生計を立てることなど無理だという意見で一致したため。作戦を立てるにしても、前面に立って戦うにしても、最終的にギルの戦闘能力の高さがあったからこそ上手く回っていたのであって、率直に言うのならば皆ギルに頼りきりだったからだ。
その中でも、ギルの行方と安否を気にしたのはロゼオとブルーノを含めて五人ほど。そして実際に探そうとしたのは二人だけだった。勿論、言うまでもなくロゼオとブルーノだ。
他の面々は、これを機にどこかの村に潜り込んで日々の糧を得ることにした。
薄情だと思われるかもしれないが、元々戦う力のない、あるいは弱い者たちの集まりだったのだ。ギルの庇護の下生きている自覚はあったため、それがなくなったのであれば争いの無い所へ流れていくしかない。尤も、ギルの素性について敢えて知りたくなどないと考える人もいた。危ない橋は渡りたくない。御する力もないのに厄介事に首など突っ込めないと、ギルから遠ざかりたいと。
そうした経緯で、結局残ったのはロゼオとブルーノだった。帰る場所もなく行くあてもない。それを埋めていたギルの不在に意気消沈した二人は、冒険者として日々の仕事をこなしながら、ギルの痕跡を探すことにした。そうすることで己を奮い立たせたのだ。
彼らが別れた場所で最も近い城郭都市はゼクスシュタインだったため、二人はそこを拠点にして情報を求め、また転がり込んでくるのを待った。襲撃者は如何にも真っ当でない、暗殺などのいわば裏の仕事を生業としているような風貌であったから、情報屋を回ったりした。
とは言え、収穫らしい収穫もなく、クランの分け前を切り崩すばかりの日々だったようだ。
ところが、そこへ転機が訪れる。とある賞金首の間抜けな捕縛劇。つまり、ギルの所在の判明である。当然二人はギルが捕まったマギまでの移動を決めた。ゼクスシュタインからマギまでは、キャラバンが頻繁に行き来することもあって、旅をするのはそう難しくはない。城壁こそないが、村や街が結構あるのだ。
二人はそういった場所を経由しつつ、盗賊が出そうな場所は遠回りをしてでも回避しながらマギまで辿り着いた。ギルと俺に纏わる情報収集は先に聞いていたから省くとして、当時俺たちはウィズワルドのホームに身を寄せていたため、手が出せなかった。あの家は俺にとってはゲームの仕様としか言いようがないが、このアルカディアでは強固な結界が何種類も張られており、どんなに優れた技術を持った盗賊であっても忍び込めないほどのセキュリティを備えている。そしてその家主も、マギでは名を馳せている魔法使い。一瞬で消し炭にされることは間違いないと、二人は暫く俺たちの様子を伺いながら、ギルを助けるのに必要だと思われる道具を集めながらチャンスが来るのをじっと待っていた。
そこまで見ていたのなら俺とギルの間に主従関係が見えないことも分かりそうなものだが、その時既に二人の中では俺はとんでもない変態で確定済みであり、しかも隷属魔法の中身も知らなかった上に、誤認を正す人間がいるはずもなかったから止まることはなかった。
この『待つ』という行動はギルによって鍛えられたもののようだ。適切な時を待ち、その時が来たら確実に事を為す。
逸ってもいけない。怖気付いてもいけない。
命をかけた生活の中で身についた立派な能力だった。
そうこうしているうちに、俺に一つの依頼が舞い込む。今遂行中の、マギ王立学術院保有の妖しの森の管理人への打診だ。
ウィズワルドのホームを出る上、人気の無い森の中へ生活の拠点を移す。二人にとってまさに好機。しかしここで思わぬ出来事が起こる。
二人の他に、盗賊狩りの一味でもない、見知らぬ男からギルの安否を尋ねられたのだ。
「……それって……」
例の貴族に連なる輩なのでは。
そう思った俺に、ギルも頷いた。
あからさまに怪しがる俺たち二人を見て、しかしブルーノは首を振った。
「怪しいことは怪しかったがな……でも、ローグのことは知ってるような口ぶりだった。捕まったってことも知ってたし、俺たちの言うローグと、そいつの言う『昔関わったことがあった冒険者仲間』ってのは一緒だったはずだ」
「根拠は」
「すげえ強えってことと、ローグの年頃と外見を言い当てた。それに……指名手配されてることとか、ローグのやってた盗賊狩りのことまで知ってたし」
最終的には盗賊狩りの集団としてのクランの名前まで言い当てたのだとブルーノは言った。ギルの顔が険しくなる。
「名前は」
「ジンって言ってたけど多分本名じゃねえ。冒険者登録はジンって名前でしてるみてえだが、ありゃどっか良い所のボンボンじゃねえかな」
自分の住む世界、階級というのはどうしたって染み付くもんだ、とブルーノは言う。それはつまりそれまでどう暮らしてきたかと言うのが所作や風貌に大なり小なり出てくるということだ。髪の艶、肌の滑らかさ、肉のつき具合などはその最たるもので、一朝一夕に得られるものではないから、相手を推し量る一つの目安になる。服装が貧相でも、身包みを剥げば実際どの程度の生活水準なのか、最低限、食うに困るほどなのかどうか分かるのだという。
俺の場合は誤解の元になったが、現地人には当てはまることなのだろう。そのジンと名乗った冒険者は、冒険者としては成功している部類に入るほど身綺麗だったが、人を使うことに慣れてそうな空気が出ていたのだという。多分、言い回しに特徴があったかなにかだ。
ギルは少し間を置いてから口を開いた。
「……そいつの外見、分かるか」
「短かったが茶髪だったぜ。目は灰色。体格は服を着込んでたけどそこそこ良さそうだった。背の高さもローグと同じくらい」
「獲物は」
「剣」
「……柳葉刀だったか?」
「りゅーよーとー?」
「……滑らかなカーブのある、刃の大きい剣のことです」
柳葉刀は青龍刀とも言われているが、青龍刀は本来薙刀状の、柄の長いものを指す。柳葉刀は青龍刀の柄の部分をもっと短くした形をしていて、どちらも剣舞やアクションシーンなどでよく見かけることがあった。うっとりするような曲線美を持つ、重みを活かして遠心力をつけることで対象を叩き斬るタイプの剣だ。ジンと言う人はパワータイプなのかもしれない。
「ギル……知ってる人?」
本当なら訊ねるまでもない。ギルが相手を限定するように質問を重ねたのだから、既に検討はついているだろう。それを俺が確かめたかっただけだ。
微かに頷いたように見えたギルに、ロゼオが声を弾ませた。
「じゃあ一回知らせてやったほうがいいかもな! そいつ、ローグのことすげえ心配してたんだぜ」
「……」
「ジンって奴はおれ達がローグを助けるのにアンタを襲おうとしてるのに気付いてた。それで、助言をくれたんだ」
「助言を?」
オウム返しに訊ねると、ブルーノが頷いた。
「ローグを助け出したいなら、まず主人の方に取り入るべきだってよ。それで気に入られてからローグを譲って貰えって。それが一番安全だからって」
「でもそんなの待ってられなかった。結果はこのザマだけどな」
まあ、ローグが嫌な目に遭ってないから良かった。とロゼオは続けた。
「ジンはおれ達が方法を変えないと知ると、幾つかアイテムを寄越してくれた。それが『姿消しの妙薬』と……アンタに使った、三種類の香だ」
『姿消しの妙薬』は、攻撃行動を取るまでは姿も気配も消せる結構強い薬だ。価格もそこそこする。二人はこれを使って侵入したため、ギルでも感知できなかった。
それに香も、筋弛緩と催淫は効果が薄いものなら夜の営みにと一般の市場にも広く出回っているが、あんなに効果が強いものや、ましてや自白効果のある香なんて今まで見かけたこともない。正規品かどうかは置いておくとして、そんな代物を手に入れられる人物なら、冒険者の他になにかしているはずだ。自分で作ったならまだいいが、例えばどこかの自警団に連なる、社会的地位のある人間とか、あるいは反社会的な、闇ギルドなどに属する、チンピラよりもずっとタチの悪い強者か。ロゼオ達の所感では前者だが、果たして。
険しい顔のまま沈黙を続けるギルを窺う。苦しんでいるように見えるのは気のせいだろうか。
「……そのジンって男は、他に何か言ってたか」
絞り出した声にはどこか迷っているような響きがあった。どうすればいいか分からないでいるような、何かきっかけが欲しいと思っているような、ギルらしからぬ声だった。
「いや……おれ達にはくれぐれも気をつけるようにって、それだけだ」
「そもそも最初は人の奴隷に手を出すのは犯罪だー、分かってんのかーってすげえうるさかったしな」
ロゼオがその時のことを思い出したのか、面白くなさそうに顔を歪めた。
ギルの知り合いらしき人という男。ギルの安否を気にして、俺を襲う算段をしていた二人を諌めるようなことを言ったり、手助けするようなことをしたり。
なんなのだろう。最初に叱るような発言をしたのは二人の覚悟を確かめるためだったのか? そもそも、二人の計画を察知して声をかけてきたというのもおかしくないだろうか。普通に考えて、ロゼオ達は密かに計画を立てていたはずだ。それを嗅ぎつけ口出しをしてくるなんて、ギルへのアンテナをこれでもかと立てるほど気にかけているか、なにか他に思惑があるかのどちらかだろう。
例えば、ロゼオ達を利用してギルを手に入れたい、とか。
「ギル……」
呟くと、ギルはふと俺へ目をやってから、深く息をついた。それから、悪い、と微かに苦笑して。
「そのジンって奴は、確かに一時、声をかけられていた。名乗りもその頃と同じだ。俺もあいつはどこか富裕層の出だろうとは思ってた」
「……王都にいたとき?」
「ああ。俺に読み書きと計算、言葉遣い、仕事にかかるための準備、作戦……そういうものを教えたのがそいつだ」
一瞬、何を言われているのか分からなかった。
今までのギルの口ぶりから誰かに師事していたなんて全く思わなかったし、今のギルがあるのは全て、ギルの力なんだと思っていた。
言われてみれば、ギルの普段の口調は俺の知る不良のものよりもずっと大人しいし、だからこそ俺はギルと話をすること自体は怖くなかった。それに、追われているのにいろんな場所のいろんなことを知っている。俺が勝手に、きっと冒険者時代に培ったものだと――結果的にそれで合ってはいるが、ストリートチルドレンから真っ当な労働者への『更正』によるものだと――思い込んでいただけで。
ギルの中に誰か、そんな風にギルの側に寄り添うようにして彼に影響を及ぼした存在がいることを、どうしてだか考えつかなかった。いや、しかし結局のところギルは努力したのだろうし、そういう意味ではどちらでも同じことのはずだが。
僅かな俺の動揺を感じ取ったわけでもないだろうに、ふ、とギルが息を吐き、意識が今の状況へ対峙しようと戻ってくる。懐かしむには複雑そうな表情は、名前が出た状況のせいだろう。
「……そう」
ギルの言うことが確かなら、その人という人はギルの師匠、あるいは先生と言ってもいい存在だ。そんな人の名前がこんな変なタイミングで出てきて、しかも意図が掴めないなんて、余程単純か素直か、はたまた馬鹿でないかぎりあれこれと考えてしまうだろう。
しかし、実際に交流のあったはずのギルが、こんな風に歯切れの悪い様子だと俺の余計な心配も現実味を帯びているような気がしてならない。
どう声をかけたものかと思案していると、ギルは俺を励ますように微笑んだ。
「そんなに良いもんでもなかったがな。あいつに習ったことで助かったことは多いが、あいつ自身は胡散臭かった。売り飛ばされないように、寧ろ他の奴らよりも警戒していたくらいだ」
「それ、ホントかよ」
ロゼオの顔が不愉快そうに歪む。うん、彼はどちらかといえば単純な部類に入りそうだ。
「お前たちの話が本当なら、あいつの狙いは俺で、気味の悪いことに俺が追われることになるよりもっと前の時期から俺に目をつけていたことになりそうだな」
理由がなんであれ、恐らくそれは間違ってはいないはずだ。
「……例の貴族と繋がってそうな感じはする?」
「その辺りはなんとも言えないが、そうだという前提でいた方がいいだろうな。だがあいつは……ブラフの可能性はあるが、腹芸が得意そうな印象はある。手を組んだところでいずれは出し抜こうとするはずだ」
どの道、狙われているらしいことに変わりはない。ロゼオ達でさえ俺たちの居場所を突き止め、下調べをしていたのだ。ジンなる人物がしていないわけはないだろう。
そうなると、ロゼオ達を実行犯として利用しようとしたようにも思えてくる。
「で、結局ジンは信用ならねえ奴ってことでいいのか?」
落ちかけた沈黙に待ったをかけたのはロゼオだった。ギルはそれに頷き、告げる。
「お前ら、魔術騎士団に突き出さない代わりにヒューイの任期が終わるまでここで働け。ジンが接触してきたら面倒だ」
「ええ!」
「大人しく働いてりゃメシも食えるし寝床も確保できる。お前らの身の安全もな」
「……ジンって奴、そんなにヤバい奴なんすか?」
ロゼオが上げた不満そうな声の直後、俺に寄り添うシズの手に力が篭りハラハラする。だが、続けて紡がれたギルの言葉でブルーノはさっと顔色を変えた。苦々しいような、青ざめたような、緊張感のある張り詰めた顔だった。
「さあな。俺にも分からねえ。まあ、分からねえからヤバいって見方はできるな」
はん、と鼻で笑ったギルの声を最後に、今度こそ沈黙が落ちた。シズに服を引っ張られ、不安そうに俺を見上げる顔が目に入る。安心させるように背を撫でると、ギルと目配せをした。
「今は焦っても仕方がない。俺はとにかく任期が終わるまではこれまで通り過ごしたほうがいいと思う」
「ああ。臆病風に吹かれた挙句指名依頼未達成で評価を落とすのも馬鹿らしいしな。あいつがあわよくばその辺りも狙ってるのかと思うと腹の虫は収まらねえが」
「どうやっても掌の上で転がされてる、って?」
ジン自身が手を下したわけでもない現状、俺たちが勝手に憶測を重ねているだけでしかないのだ。ギルとしては悔しいのかもしれない。
「だが、そんなことは考え出したらキリがない。あいつも馬鹿じゃない。どこぞの業突く張りと違って強引で手の内が見えるようなことはしてこないはずだ。もし派手に動くことがあったら、一気に決着へ持ち込まれることは覚悟しておいた方がいい」
そう言い切ったギルに、了解の意を示す。
任期が切れるまで後四ヶ月。備えるには十分だ。
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