少年淫魔の神様業!

宇野 肇

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本編

営業日:兄の祷り

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 さく、さくと足を進める毎に地面に落ちた枯葉が鳴る。次第に下がり始めた目線を上げるために背をそらして伸びをした。――この山の奥には、神様がおわすのだと言う。

 俺の家は特別に裕福というわけではない。が、少し前、父さんも母さんも流行病で死んだ。今は俺と、今年十歳になる弟の二人、身を寄せ合うようにして暮らしている。規模は小さくなったけど、幸い俺は十六で体力もあるし、弟と力を合わせて畑仕事に精を出して、年貢用の米と、麦や野菜を作って食っている。味噌や醤油なんかは分けてもらうけど。ぬか漬けや梅干し、季節によっては干し柿をするのも毎年のこと。仕事が終われば、毎日倒れるように寝る。結婚はまだしてない。人手が欲しいからそろそろしたいところだけど、疲れて娘宿めらしやどに行く暇も夜這いをする余力もない。俺を慕ってくれる弟を見ると、弟のために頑張ろうという気になれるのが幸いだった。その弟が、病に倒れるまでは。
 昼間の仕事を欠かすことはできなかった。夜は弟の看病。やれることをやりたくても自分の体は一つしかなく、医者にかかるにも呼ぶにも時間もなく、村の人たちもなんやかんやと世話をしてくれたけど、できることは少なかった。なんとか医者を呼んでもらって診てもらっても打つ手なしと言われ、日に日に弱って行く姿を見て、決めた。もはや神頼みしかない、と。

 山には人でないものが生きている。中には生きてないものもいるだろう。神様のおわす所だ。だから決して、遊びで山へ行ってはいけないよ。

 そんな風にして教えられてきたけど、もう限界だった。収穫期が近づいている。その時期は皆忙しい。今以上に弟の側にいられる時間はない。
 弟が倒れ伏している現状もあって、嫁をもらうのはもちろん、婿に行くことも厳しい。弟を楽にしてやるべきかも随分悩んだけど、たった一人残った家族を手にかけることはできなかった。俺を支えてくれる者のないまま生きていくなんて考えられなかったし、そんなことをちらとでも考えた自分自身に失望した。まだ弟は死んだわけじゃないのに死んだ後のことを考えている自分は汚れているように思われて、ひどく惨めだった。

 疲労もあって足取りは重い。昼間の畑仕事と弟の世話を済ませて、ここに入ったのは日暮れ時だった。もう辺りは暗く、月明かりが差し込んでくるのが唯一救いだろうか。
 神様は桜の木の近くにおわすらしい。まことしやかに囁かれる噂話。妙に具体的な部分があって、俺はそれに縋った。けど、桜の木なんて一向に見えてこない。話ではその桜の木はいつでも花を咲かせているらしいのに、桜の木はおろか、その花びらでさえ見ることは叶わなかった。
 ……駄目かもしれない。
 そう思うと、ひたひたと心に染み入ってくる重いものが一層冷たく、苦しいものになった気がした。気持ちに引きずられるように足が止まる。俯き、汚れた草履が視界に入れながらせり上がる嗚咽を堪えた。
 どうしよう、どうしよう。神様にお目見えできなければ、弟は……。俺は、弟を失うかもしれない。失うのはその命ばかりではなくて、俺もきっと――

「お兄さん」

 考えても恐ろしいばかりだというのに、それでも悪い方へ転がって行く頭の中をどうにもできず、遂には涙がこぼれそうになった時、それは聞こえた。
 可愛らしい、唄うような声だった。誘われるように顔を上げてその主を探す。と、俺は信じられないものを見た。
 満開の桜を背負った、綺麗な少年がこちらを見ていたのだ。年は俺よりも下に思えた。丁度弟と同じくらいだろうか。……確かに、ついさっき顔を上げて周囲を見渡した時は、ただただ静寂と暗闇に仄かに差す月明かりの中、浮かびあがる木々しか見えなかったのに。
「お兄さん?」
 二度目の呼びかけに、俺ははっとなって居住まいを正した。少年がいるのは桜の木の前。その近くに立派な家が見えた。変わらぬ景色ばかり広がっていると思っていたそこは綺麗に開けていて、月明かりだけでも十分に明るく、桜と少年を照らしていた。
「あ、お、俺、」
 うまく言葉が出てこない。この少年が噂に聞く神様なのだろうか。それとも神様にお仕えするみ使いさまか。ともかく、本当におわした。
 喜びで体が震えるも、神様にお目見えするつもりでいたとはいえ、どんな口をきけばいいのかさっぱりわからなかった。
 そんな俺の様子をどう思ったのか、少年はくすくすと笑った。その様子が……月明かりのせいだろうか、とても神々しく思えて、けれどそれ以上に儚く見えた。
「お兄さんは、僕に御用があるのでしょう?」
「あ、……その、あなたがこちらにおわすという神様……ですか?」
 間抜けなことを言っていると思う。突如現れた噂通りの場所。綺麗な見慣れぬ少年。格好も着流しだけど、俺とは全く違う、上等そうなもの。
 怪異じみた出来事に遭遇して尚、そんなことを口にする自分は頭が悪いのだろう。
 俺の顔も発言と同じく間抜けだったのだろうか、少年、いや、神様は苦笑して、そんな上等なものではありませんけどね、と前置きをして、言われた。
「……立ち話もなんですから、どうぞこちらへ。お疲れでしょう。少しのおもてなしならできるんですよ」
 どこか嬉しそうな表情に、俺は何も言えず促されるまま彼に従った。



 桜を通り過ぎ、家の玄関口へ導かれる。引き戸が開き、中へ通された。そこで草履を脱ごうとして、気づく。
「あっ あの、」
「はい?」
「俺は、その……ご覧の通り、汚れているので」
 上がらせていただくわけには、とまごつき、口の中で言うと、彼もそれに気づいたのか、ああ、と声を漏らした。
「では先に湯浴みをされますか?」
「え?」
「湯殿があるんです。小さいですが、それでもよければ」
 裏手にあるので、こちらへ、と案内されるも、俺は飛び上がって手を振った。湯殿と言えば名主様の立派なお屋敷でもなかなかない、贅沢なものだ。温めた湯に浸かり、身を清め、疲れを癒すものと聞く。
「そんな! そこまでしていただくなんてっ……それに、俺、急いでいて、」
「大丈夫ですよ」
 慌てる俺に対して、彼は落ち着いた様子を崩さず微笑んだ。
「ここは時間の流れも違うのです。ですから、大丈夫。夜は長いですし、お兄さんもお疲れでしょう?」
 それはそうですが、と返すも、もごもごとした曖昧なものになり、俺はそっと彼に手を引かれた。綺麗だと感じた通り、手の感触も滑らかでどきりと胸が跳ねる。近くでその顔を盗み見ると、その辺の女よりも綺麗だったのもある。どぎまぎとして上手く動けなくなった俺は、彼に手を引かれるまま湯殿へ案内された。
 桜とは反対側の家の横へ回ると、彼はそこで戸を引いて俺を中に入れた。
「こちらが脱衣所です。ここで着物を脱いでください。こちらの戸を開ければ湯殿です」
 言って、彼はもう一つ中にある戸を引いた。思わず中を覗く。
「これは……」
 そこは、部屋ではなく庭のようだった。というのも、外からは見えないようにということなのか、それとも獣に襲われないためか壁こそ作ってあったが、上は天井がなく夜空が見えていた。綺麗な板張りの床に、大きな焼き物のようなものがあって、その中にむかって伸びる竹筒から湯と思しきものが流れ込んでいる。そこを指差し、彼は言った。
「この中に入って体を洗ってくださいな。お兄さんの着物はお預かりして、仮のものを用意しますから」
「そ、んな。俺なんて水桶でもお借りできれば十分で……」
「僕がそうしたいんです。ね?」
 上目遣いに首を傾げられ、その愛らしい様に答えに窮した。俺がたじろいでいる間にも彼は焼き物の中の湯の温度を確認し、満足そうに笑う。
「丁度いい具合ですよ。火傷することもないと思います。こちらはぬか袋。これで身体を擦って下さい」
 言われ、ぬか袋を受け取るも足の動かない俺に、なんでしたらお脱がせしましょうかと言われて必死で断った。挙句自分で脱ぐと口を滑らせて言質を取られてしまった俺は、半ば強制的に湯殿に入る羽目になった。……なんというか、神様ってこういうものなんだろうか。戸惑いながらも、初めての『湯殿』というものに緊張しつつ、そうっと焼き物……浴槽に足先を浸けた。
 かくして身体を沈めた湯殿はなんとも言えず、心地が良かった。体の疲れがほぐれていくような気がして、丁寧にお湯をすくって肌をこすり、ぬか袋で汚れを落とした。頭を浴槽の外に出して髪の中まで揉み洗いをしていると、仮の着物と手拭いを用意してくれた彼が様子を尋ねてきた。俺の様子を見て、
「頭まで浸かってくださっても大丈夫ですよ。そのうち綺麗になりますから」
 そう言って笑顔を見せてくれたから、俺はそれに甘えた。僕が御髪を洗いましょうか、とからかうように濡れた髪を梳かれて、もう子どもじゃないからと恥ずかしく思いながら遠慮したけど。恥ずかしいというのは、彼にどきどきとしていることが、だ。俺は何をしに来て、誰とお話をしているのかと気を引き締めても、どうにもなるものでもなかった。
 さっぱりして、手拭いで水気を拭き取って着流しに袖を通す。大きさも丁度よく、肌触りのいいそれは、普通なら大金持ちじゃないと用意できない代物じゃないだろうか。そんなことを考えていると、声がかかり、彼が入ってくる。彼は俺を見て嬉しそうに笑った。
「ああ、ぴったりですね」
 無邪気にも思える様子に、ありがとうございますと頭を下げながらくすぐったい気持ちになる。……けど、こうしている間にも苦しんでいる弟のことを思うと、すっと頭が冷えた。
「あの、お話なのですが」
 切りだし、彼の出方を窺う。きっと俺はとても無粋な真似をしているのだろう。でも、湯殿に入っていても弟のことは忘れられなかった。ここに元気な弟がいて、一緒に入れたならきっと、心行くまで味わえたんだろうけど。
 彼は俺の顔を見て、俺のことなどお見通しだと言わんばかりに表情を改めた。
「では、どうぞこちらへ」
 そうして俺は湯冷めもしますからねと羽織を着せられ、新しい手拭いを首にかけるよう言われて、案内のままに彼の家へ改めて上がることになった。

 通されたのは囲炉裏のある部屋だった。夜だというのに部屋の中は不思議と明るく、昼ほどではないにせよ部屋がよく見渡せた。壁際には俺の着物が干されていて、色が変わって、濡れているのだろうことが分かる。……まさか彼が手ずから洗ってくれたのだろうか? そんなこと、あるのか? 疑問に思いながらもそっと足を踏み入れる。囲炉裏の周囲には茣蓙ござが敷かれ、さらにその上にはふかふかとした座布団が置いてあって、そこに座るよう勧められた。その上に胡坐をかく。彼は茶碗に暖かい飲み物を用意してくれた。葛湯だそうだ。火傷しないように言い含められ、俺よりも年下のように思えてもやはり長い年月を過ごしたのが覗えるような丁寧さだった。俺は長男だということもあって気張っていたけど、彼の態度は兄が居ればと思ってしまうほど安心感があったが、幼子のように接されて少し、戸惑ってもいた。
「お兄さんのお話というのは、弟さんの病のことでしょう」
 俺が葛湯をすすり身体を温めていると、彼はそう切り出した。単刀直入に用件だけを言うのは、いくら神頼みと言えど不躾ではないかと考えていた俺は目を見開いた。
「どうして……」
「とても強い気持ちであれば、感じることが出来ますから。……といっても、僕はそう色々なことが出来るわけではないのですけど」
 それを聞いて、やはり彼は神様なのか、と改めて思った。信じていないわけではないし、分かっていたつもりでもどこか現実味がないというのか、俺が緊張しているせいなのか、受け止めきれていない気がする。
「具体的な症状を教えていただけますか?」
 ぼんやりとそんなことを考えていると、彼は囲炉裏を挟んだ俺の正面で微笑みながら、そんなことを口にした。俺は弟がとにかく食欲がなくなって、下痢を頻発するようになり、皮膚はかさつき、かろうじて水は飲めるものの何も食べたくないと言い出していることなどを吐き出した。膝も痛むらしく、直ぐに息が上がるようになったのが始まりだったことも。
「そうですか。それでしたら少し心当たりがあります。お力になれると思いますよ」
「……本当に、……っ、本当に弟は助かるんですか!?」
 茶碗を脇に置いて思わず立ち上がりそうになる。囲炉裏さえなければきっと彼に縋っていた。それを恥じる余裕もなく、穴が開くかと思われるほど彼の顔を凝視する。そんな俺の視界の中、彼は言う。
「助かるのではなく、お兄さんが助けるのでしょう? そのために、ここまで来たんでしょう」
 彼の声は穏やかで、でもそれだけにとても冷静だった。
 俺が、助ける。
 口の中で繰り返すと、それが聞こえたのか彼はやっと頷いた。
「この屋敷の裏手に、畑を持っています。そこに在る薬草なら、弟さんを回復させられるでしょう」
 それは慰めというには、余りある光で満ちていた。
 助かる。助けられる。それが分かって、ほう、と脱力し、知らず身体に入っていた力が抜けた。抜けたついでに、涙まで出そうになった。
「ありがとうございます……」
 それは自然に口をついて出た言葉だった。小さくてか細くて、震えていたけれど。それは多分、今まで口にしたどんな感謝の言葉よりも籠るものがあったと思う。
 そんな俺をよそに、彼はいいえ、と首を振った。
「条件があるのです」
「え?」
 再び俺の身体に緊張が走ったのは言うまでもなかった。息をつめ、彼を見遣る。そうだ、いくら神様といっても、そんなうまい話があるわけはない。
 何を言われるのだろうか、とにわかに胸が騒ぎ出したが、当の彼はなんというか……うっすらと頬を染めて、照れているような表情を浮かべた。
「……大変その、申し上げにくいのですが……」
「はい。俺に出来ることなら、何でもやるつもりでいます。でも、すみません。弟が無事に元気になるまで、命を捧げることはできません」
「ああ、いいえ、命なんてそんな、とんでもない」
 悲壮な顔をしていただろうか、彼は慌てて腰を浮かせ膝立ちになった。それから、またどこか気まずそうに視線を彷徨わせて、腰を下ろす。
「……その、……を、いただきたく……」
「え? す、すみません。よく聞こえませんでした」
 頬を赤らめてもじもじと忙しなく指を絡める様子は女のようで、俺の方も違う意味で緊張してくる。正直に聞き取れなかったことを謝ると、彼は俺をじっとみつめて、それからそっと目を伏せ、しまいには両手で顔を覆ってしまった。その手の隙間から、くぐもりながらもはっきりと、声が漏れた。
「……精が、欲しいんです……」
 泣いているようにさえ思える声は消え入りそうで、なのに静寂の中ではよく響いた。いや、俺が変に聞き耳を立てていたからなのか。
「あ、……あの、すみません、俺の聞き違いでなければ、その、俺が神様に精を……?」
 俺が抱かれるわけではなく?
 暗にそう言いたいのが分かったのか、彼は両手を外すと、羞恥に染まり切った様子でこっくりと頷いた。
「僕はそういう精をいただかないと、立ち行かないのです」
 つまり、行為そのものでなくて、精を望んでいるのだと、彼は言った。もちろん男の精なんてものは、その、行為を伴うもので、だから結局、行為を望まれていると言っても間違いじゃないのだろうけど。
「そ、それ、は」
 囲炉裏を挟んで、沈黙が落ちた。まさかそんなことを望まれるとは思わず、もしや風呂も、もてなしというのもそのためなのではと思い至る。
「そりゃ、俺は……お礼に返せるものなんてないですから、もし神様がそう仰るなら、俺だってすごく、ありがたい、ですけど」
「……ダメでしょうか……?」
 怒られた子どものような姿が弟と重なって、本当に少しだけ、心に余裕ができた気がした。しかし、それでも混乱していたんだろう。
「いいえ、ダメではないから困っているというか……」
「?」
 思わず、言うつもりのなかった言葉を口走ってしまった。しまった、と思っても遅い。口を噤んで歯を噛み締めたって、戻るものでもない。だから、俺はそのまま白状した。
「本当にその、いいんですか? 俺は願いを叶えていただく立場なのに、その俺がその、……その、快い気分になってもいいのかと、」
「なるほど、疑ってらっしゃる」
「そんな!  そんな、ことは……ただ、弟が苦しんでいるのにと、思うと」
 後ろめたい気持ちは拭えない。俯くと、ふと彼が立ち上がりこちらへ来た。俺の隣に膝をつき、そっと、顔を挟まれる。
 そうして合わせた顔は今まで見たどの誰よりも美しくて、濡れた瞳と淡く色づく頬と、ぷっくりとした唇に胸が跳ねた。
「っあ、」
「では、今だけはお忘れください。弟さんは必ず良くなるよう、お約束します。ですから……今だけは、お兄さんの全てを僕にください。僕だけを見て、感じて……」
 彼から目が離せない。そのまま彼は顔を近づけてくると、そっと瞼を閉じた。唇に柔らかいものが吸い付く。口づけだ、と思うと同時にかっと体が熱くなった。握りこぶしを作り、自分の体が勝手に動きそうになるのを押さえつける。
 ちゅ、と幼くも甘い音を立てて、彼の唇は離れた。ずっと目を開けていたままの俺は、その瞼が開かれて行くのをじぃ、と見つめたままで。淡い光に照らされて、その瞳が潤んでいることまで、よくよく分かってしまった。
「お願いします。……お兄さんのこの、硬くて、立派なものを……」
 あぐらをかいていたせいか、彼の滑らかな手は容易く着物の中に入り込んで股間に伸び、撫で上げられた。すでに反応してたそこは興奮でいきり立っていて、俺はたまらず目をぎゅっとつむり、声を上げた。
「ああっ」
 びく、とオスが彼の手の中で跳ねる。一気に息が乱れ、信じられない思いをしながらも、快感を無視することはできなかった。抗うことも。
「ああ……すごい。熱くて……大きくて……」
 うっとりとした艶のある声がして、俺は驚きに目を開いた。目の前の彼はじっと俺の猛るオスに目を落とし、物欲しそうに口を半開きにして、蕩けるような顔をしていたのだ。
 ――今すぐその誘うように開いた口に、押し込みたい。
 そんなひどく乱暴な衝動が突き上げてきて、それを飲み下すように唾を飲み込む。彼はほう、と息を吐いて、俺の着物をあっさりと左右に開いた。あぐらが崩れ、上半身が倒れそうになり咄嗟に肘をついたが、その間に彼は俺の足の間に分け入って、そのまま俺のオスを咥え込んだ。
「あああっ かみ、さまっ……そんな、そんな……!」
 快感が一気に肌を駆け巡る。彼は俺の先を舌で舐め、サオを手で扱いて容赦無く攻め立てた。一人で弄ることはあったけど、彼の口の中は手では到底得られない気持ちよさで、俺は彼が俺のオスを音を立ててしゃぶり、すする姿に尋常じゃなく興奮していた。
 彼の肌は綺麗で、白く、女のようだ。顔立ちも美しくて、微笑む姿は儚げで。そんな彼が、俺のオスを夢中で食らっている。時折漏れてくる切なげな声は女の喘ぎ声にも似て、そのつややかな唇が俺の鈴口に口付け、赤い舌が懸命にサオを舐め上げる様はどんな男女のまぐわいより、あるいは妄想よりも強烈で、俺のオスを内側から扱きあげるようだった。
「だ、め……ですっ、あ、でる、でるからっ、はなし、」
「んぅ、ふ、ん」
「あ、だめだって、だめっ、あ、あっ、はあっ、く、あああっ」
 扱く手が早くなり、先を強く吸い上げられて、俺はされるがまま呆気なく果てた。どくどくと自分の血潮を感じながら、その度にオスの中を抜けて行く快感に腹に力が入る。息を整えながらぼんやりとまだ俺のオスを口に入れている彼を眺めた。彼は優しく俺のサオを扱き、汁を搾り取っているようだった。見えはしないが、その舌が俺の鈴口を何度も舐めているのを感じる。そしてその唇が名残惜しそうに俺のオスに吸い付きながら離れて行くと、彼の舌がその愛らしい唇をなぞって、こくりと、喉仏も出てない喉が動くのを見た。彼は俺の汁の名残でも味わっているのか、黙ったまま口をもごもごとさせ、それからまたこっくりと飲み下すと、満足そうな息を吐いた。そして、今しがたのいやらしい行為などなかったかのように、綺麗に笑った。
「ありがとうございます」
 それを見て、どうしてかまたさっきまでのような顔を見たい気持ちが湧き上がる。終わったのが惜しいのか、狐につままれたような心地が納得いかなかったのかは分からないけど、俺はまたオスが鎌首をもたげるのを予感した。彼はまだ俺の股座の前に陣取っていて、隠すこともできなかった。彼は俺のオスが収まらないのを見るや、もじもじとして俺を上目に見た。
「……まだ、いただいてもいいんですか?」
 どこかとろんと眠そうな表情。それが、眠いからじゃないと分かるのは当然だろう。俺は息を飲んだ。
「……神様のおっしゃる、その、精を捧げるというのは……弟をよくしたらまたここへ戻ってきて、その先ずっと、ということですか?」
 呟き、それなら弟も一緒に彼に侍りたい、と思った。やれることは少ないけど、畑を持ってらっしゃるのならその世話くらいはできるし、俺はまだこれから体も大きくなってきっと力も強くなるだろうから、薪割りや水汲みだって立派にできる。
 けど、俺の言葉を聞いて、彼は目を見開いて、それからすぐに寂しそうに笑った。
「いいえ。今夜、一晩だけ……。ここは人の暮らすところではありませんから。一晩くらいならどうということはありませんが、長ければ……きっと、人でないものになるでしょう」
「それは、神様になる、と」
 彼は、もう俺の言葉には答えてくれなかった。ただ黙って帯を解き、着物を開いて身体を晒した。揺らめく明かりに照らされたその肌はやはり滑らかで女のようで、けれど俺と同じようにそそりたったオスが、彼が男神であることを主張していた。
 そのまま着物を脱ぎ捨てた彼は、四つん這いになるようにして俺に顔を近づけ、また口づけを。俺の汁の味が微かにして顔をしかめたものの、唇を離して見えた彼の顔がとても悲しそうで、俺は心の臓を掴まれたような心地になった。
 そんな顔をしないで欲しい。こちらの方が先に泣いてしまいそうな、思わず抱きしめたくなるような――。
 ……彼は、寂しいのだろうか。こんなところで一人、いること。だから精をというのは建前で、人の願いを叶える代わりに、こうして肌を重ねるのだろうか。
 神様というより、そういうあやかしのようだ。
 それがどこか腑に落ちて、でもそんなことが言えるわけがない俺は、今度は自分から彼に口付けた。
「ん……っ」
 切なげな声。けど、俺の着ている着物に爪を立てるようにしっかりとしがみついてくる感触は嬉しがっているようにも思えて、俺は何度も柔く吸い付きながら、彼の頭をそっと引き寄せて、優しく撫でた。
 筆下ろしは終わってるし、夜這いも何度かされたことがあるから、一応経験はある。……男同士は、ないけど。
 そんなことを考えながら、唇を離す。どこかぼうっとして俺を見る彼は嫌がっている様子はなくて、俺は黙って帯を解いた。
「あ……」
 間近で彼の声が聞こえる。見られている。意識すると、なんとも言えない緊張と興奮が湧き上がった。
 着物を脱いで、少し遠くへやる。これは借り物だけど、少し放り投げる形になったのは許していただけるだろう。汚すよりはいいはずだ。……人間のこと、よく知ってらっしゃるようだし、とこんな時だけ都合のいいことばかりこじつけて、彼を抱き寄せた。女のように足を崩して横座りのような格好になった彼は、俺にしなだれかかるしかない。抱き寄せるために触れた腰は柔らかく、手のひらに吸い付くようだった。
「神様は、……お名前はなんとおっしゃるんですか」
 今更極まりない。けど、名があってそれを呼べば、彼も寂しがることはないのではと、そう思った。彼は、少し考えてから名前を教えてくれたが、俺が名を言おうとすると悲しそうに首を横に振ってそれを遮った。
「名残惜しくなりますから」
 そして、だから名を呼んでくれるなと彼は言う。じ、俺の腕の中で、切なげに見上げてくる姿はそんな風には見えないのに、声色は不釣り合いなほどしっかりしていた。恥じらっているのか興奮か、彼の赤く色づく頬に指で揺れると、じん、と熱さが移った。
「……では教えてください。精を捧げるというのは食すこと、ですか? それとも……まぐわうのですか」
 彼の顔を覗き込むようにして尋ねる。彼はさっと目を伏せて俺から逃れようとしたが、腕の中からは逃げなかった。それが、答えだった。見下ろす形の俺からは、彼のオスが萎えず、ぴんと天を衝いているのがよくよく見えた。
「お兄さんの……好きに、……僕を、抱いてください……、僕のお尻の穴から……お兄さんのを深く入れて……奥に精を注いでください……」
 震える声はやはり泣いているようで、そうっと俺を見上げた彼の目は、今にも零れ落ちそうなほどに水気を帯びていた。その言葉に、唇に、声に、視線に、オスに、言葉にし難いものが肌を撫で去る。彼の表情に堪らないほど求めたくなって、またその唇を塞いだ。
 腰を撫で、尻を揉み、そのまま後ろから股座に入り込んで内腿に手のひらを擦り付けると、彼はびくりと足を震わせ頭を引いて、大きく仰け反った。硬く目を閉じ、俺の腕に体を預け、喉を引きつらせて身をよじる。その姿に寂しげなところはもうなくて、俺は少しだけ安心した。無防備に俺の眼前にさらされた白い喉に軽く吸い付き、顎の線を耳へ向かって舌で辿った。耳たぶを食み、彼の耳の中を舌でなぞると、また彼の体がびくびく震えた。大層な、と思うほどで、なのに彼は余裕もなく身をよじり、快感から逃げるような、それを追うような様子で次の俺の動きを待っている風だった。
「神様……気持ちいいですか……?」
「っ、いい……きもち、いい……」
 泣き声のような喘ぎ声。俺の腕の中にいる彼の動きはよく分かり、男であればまぐわう際にそうするように、ゆらゆらと腰が揺れていた。彼のオスはすでに先走りで濡れていて、それをそっと握り込み、軽く扱く。
「ああっ、ん……!」
「神様、こちらは果ててもいいのですか? 出さない方が?」
 俺の手の動きに合わせて彼の腰も動く。それを横目に彼を見ると、彼は俺の首に腕を回してぎゅ、と抱きついてきた。
「出し、たい……ですっ……あっ、んん!」
 高く細い声はやはり女のようで、俺はそんな彼の声を耳に入れながら随分と興奮していた。言われるがまま達するよう手を早めると、彼が喘ぎ、それを聞いてさらに手が早くなる。
「あ、出る、出ちゃうっ、っにいさ、っあ、ああああっ」
 幼子が泣くような声を出して、彼はオスから汁を吐き出した。それを手で受け止める。突き出した腰を支え、数回ゆるく扱いてから手を放すと、ふん、と甘い香りがした。思い立ち、彼の汁を舐める。舌先に、なんとも言えない、とろけるような味が広がった。
「あ、」
「……うわ、甘い。凄いですね……俺のなんか苦いだけなのに」
 これなら全部舐めてもいい。そう思って手に吐き出された分を全て舐めとると、彼は恥ずかしいのか俺の肩に顔を埋めてしまった。……さっき、自分もやったことなのにな。
 口付けもできないから、代わりに背中や腰太ももを撫でる。彼の体はどこもかしこも、いつまでも触っていたいほどに柔らかく、女の胸や尻に触れているような錯覚さえしそうになった。太ももからつつつ、と指先を残して胸へ移動し、その突起を探る。
「あっ」
 びく、と俺から体を離した彼はやっぱり恥ずかしそうに体を捻ったけど、それだけだ。追いかけて欲しいのか、俺を焦らしているのか。いやよいやよも、と言うけれど、彼はきっとそうだな、と思い、晒された乳首に吸い付いた。
「あん」
 ぴく、と彼の体が動いた。それは俺から逃げるようでもあり、彼の方から胸を押し付けるようでもあった。彼の胸の突起は小さく、桃のような、桜のような淡い色をしていた。それを、綺麗だと思う。丁寧に舌で撫でると、彼は舌が突起を潰すその度に甘えた声を上げた。手でもう片方の突起を弄ぶと、彼の腰が揺れた。オスを突き出すようなというよりは、まるで女のようにオスを欲しがるような動きだ。
 このままいじり続ければどうなるのだろう。
 そう思いながらも、俺も彼の声にオスを刺激されていて、あまり我慢が効きそうになかった。小さく短い、悲鳴のような声で胸への刺激を感じる彼に、その先を知らせるべく、彼の背中に回していた手を下げて行き、ぷるんとした形のまま彼の尻を数回、撫で回した。弾力のあるそれを堪能し、その割れ目へ指を忍び込ませる。すぐに指先がぬるりとしたものを掠め、それと同時に彼が快さそうな声を上げた。そして、指の腹がたどり着いたそこがひくりと動く。尻穴だ。
「あっ、……ん……」
「すごいですね。こんなに濡れて……女みたいだ」
 いや、女でさえここまで濡れそぼるだろうか。指を曲げるようにそこを押せば、彼の柔らかな尻穴はあっさりと俺の指を飲み込んだ。それがどうしてか勿体無いように思われて、すぐに引き抜く。
「あ、……そんな、どうして……」
 戸惑うような声だった。きっと彼が駄々をこねればこんな顔なんだろうか、と思い、愛らしさに口元が緩む。脇に追いやられていた座布団を彼の後ろ、彼が脱ぎ捨てた着物の奥へやり、そこへそっと、彼の頭が乗るように押し倒した。
「見せてください。あなたが……俺を飲み込む場所……どうなってるか、見たいんです」
 囁き、彼の膝を持ち上げて上半身へ押し付ける。と、彼は自分から膝を抱えて、それを受け入れた。彼の顔とオスと、尻穴がよく見える。俺に見られていることを意識しているのか、綺麗な尻穴がすぼめられた。それが照れているようで、俺は何も考えずに可愛い、と呟いていた。
「ここ、ですね……ここに、この奥に……俺の精を放てば、いいんですよね……?」
 他人の尻穴なんてよくは知らない。自分のだって見たことがない。でも彼の尻は綺麗で、尻穴も大便なんてしたことがなさそうだと思ったのは確かだった。そもそも神様がそんなことするんだろうか、なんて思いながら、濡れるそこへまた、指先を押し込む。彼にはそこは見えないだろうが、それを感じているんだろう。じっと俺の手の先を見つめて、指が尻穴に入る感覚に集中しているようだった。
 柔らかな尻穴は俺の指なんてすぐに根元まで咥え混みそうだったから、俺はわざと浅い場所で指をくすぐるように動かした。
「っ、ああっ、……あ、あ、ああ、」
 もどかしいのか、彼は顔こそ背けて目をつむり恥じ入る様子を見せているけど、もれる声も、よじる体も快感を求めているのは明らかで、しっかりと自分の膝を抱えながら俺の指を締め付ける淫らな姿に唾を飲み込んだ。
「おにいさっ……意地悪、しないで……奥に……きて、かき回して……ください……」
 はぁはぁと荒い息をしながら、泣きそうな顔が俺へ向く。俺はわかりました、と中指を押し込み、彼の尻穴の内壁をこすりあげた。
「っ、ああああっ」
 ぎゅううう、と彼が俺の指を締め付ける。下の口、と言っても差し支えないその吸い付きに、さっき彼の上の口に含まれていた俺のオスが焦がれるように跳ねた。彼の中は艶かしく動いていて、とろとろとして柔らかく、女のものと大差はなかった。
「神様、いいんですか……?」
 窺いながら、指を曲げたりして中を刺激する。濡れそぼっていたと思ったそこはさらに愛液で溢れ、俺はすぐにでもオスを突き立てたい衝動を堪えて、代わりに指を引き抜いた。彼がまた残念そうな声を上げる前に尻をしっかと掴み、尻穴に舌を這わせる。
「あんっ、あっ、あああっ、やっ、あああんっ」
 尻穴は俺に舐められる度にきゅっと締まり、また開きを繰り返した。魚の口のようにぱくぱくと動く様子はねだる鳥の雛に餌をやる親鳥のようだとも思え、自身を雛に重ねつつ深く舌を突き出す。愛液は甘いような、ちょっと塩っぽいような味わいで、犬猫が水を飲むような勢いで舌を動かした。相手が彼でなければこんな真似は考えられなかっただろう。鷲掴みにした彼の尻が力を入れる瞬間がすぐに分かる。それをどこかで喜びながら、俺は口付けるように音を立てて尻穴から唇を離した。
 彼はもう言葉もないのか、ふうふうと必死に息をしながら膝を抱えていた手を放した。そうして、俺のオスへ目を遣る。こくりと喉が動き、彼が望んでいるのが分かった。……いや、彼は始めからこれを望んでいたのだ。今更か。
「……入れます、よ」
「はい……」
 オスを手で押さえて、その先を彼の尻穴にぴたりと当てた。黙って入れるのはいけないことのような気がして彼にそれを告げると、彼は俺のオスに添えた手を撫で、それ伝いに彼の方からも俺のオスに触れ、その触れ合った場所を指先で確認すると、愛おしげに口元を緩めた。
 それが限界だった。
 我慢などできなかった。一気に腰を押し進め、先を突っ込む。柔らかな尻穴は指と同じように俺のオスを受け入れ、絡みついた。
「――っ!」
 彼は声もなく喉を引きつらせる。歪んだ顔に痛みがあったかと思うものの、彼の中は俺のオスを締め付け、奥へ奥へと導くように蠢いて、俺はそれに耐えられなかった。
「っく、ぁ、ああ、っ……」
 ずっ、ずずず、と根元までオスを咥えられるまで、腰を止めることもできなかった。
「んっ……く、かみ、さま……、はあっ……い、痛くは、ない、ですか……っ」
 手や口で触られるのとは違う、物凄い安心感。暖かくて柔らかで、女の中に沈める時のような感覚。
 今すぐにでも腰を動かしたくなるのだけは必死で堪えて彼に被さるように手をゴザの上についた。彼は浅い息を繰り返しながら、繋がった場所から手を離して俺の腕を撫で、それから頬を優しく挟んだ。
「平気、です……僕の事は気にしないで……」
「でも、」
「動いてください……僕の中、擦って、気持ち良くなって……」
 お願いします、と切なげに微笑まれて、俺はそのまま彼に覆い被さり肩を抑えてゆっくりと腰を突き出した。彼の中でオスを扱き、中を掻き回す。俺の動くのに合わせて漏れる彼の声が、俺の耳から動きを早めろと言わんばかりに追い立ててくる。オスが肉壁を擦る感触、打ち付ける度に触れ合う俺の熱い股座と彼の尻の冷たさ、眼下で快感に溺れるようにもがく彼の姿そのもの。目で、耳で、肌で、匂いで、感じられるだろうありとあらゆるものが俺の芯を熱し、オスを囃し立ててくるようだった。それに流されるまま更なる熱を求めて、探る様に彼を食らう。俺のオスを離すまいと締め付け、果てるよう唆すような彼の内壁に呻きながら、最早どちらが何を食っているのか分からなくなった。彼が俺のオスを食らうのなら、俺は彼の唇と、胸に実る淡い果実をいただこう。
 腰で彼の身体を揺らしながら、白い肌の上に唇を落とした。
「んっ、んっ、ぁ、ぁあっ」
 蛇のように左右にぶれながら、その実を目指す。そこへ近づくと、今度は胸の突起の周りを回る。するとその桃色の実は硬く勃ちあがり、俺に食ってくれと言わんばかりに突き出てきた。だから、遠慮なくそれを舐めまわす。
「やああっ」
 実の成るすべらかな地平が跳ねた。それでもそこから退こうとは思わない。吸い付き、転がし、じゃれつくようにいつまでも甚振りたい。
「にいさ、っ、ぁ、ああっ、そんな、とこ、ばかりっ……!」
「……気持ち、いいでしょう? 俺のを、しっかりと咥えこんで……ここを弄られて、下の方の口は、ひくひくして、もっとって、返事、してますよ……っ」
「あっ、ぁは、ああああああっ!」
 ぎゅっと指で突起を埋め込んで、舌で弄っていた方は強く吸い上げると、彼は果てる時のように大きな声で身体を強張らせた。俺のオスをしっかり包んでいた内壁が殊更に締まり、果てそうになるのを堪える。多分漏れているだろうけど、どうにかイクのは避けられた。
「はぁっ……っぶね……、かみさま、女みたいに中、締まりました、けど……イったんですか? あなたのここは女なんですか……? 女以上に、男を欲しがるのが上手いようですけど」
 唇だけでなく身体をわななかせている彼に声を掛ける。反応は無いけど、微かに漏れる声はまだ彼が快感の中を揺蕩っていることを教えてくれた。分かっていても、俺はまだ果てていないし、放っておかれているのは少し寂しい。彼に俺を見てほしくて腰を引くと、彼は俺の思い通り目を見開いて俺を映してくれた。それだけのことがどうしてこんなに嬉しく思うのか不思議だ。不思議、だけど、彼の望むものを放つまでの助走にはなった。
「やっと俺のこと、見てくださいましたね」
「っ、あ、待って、待って下さ、あ、あぅ、あ」
「すみません、俺、もう無理そうです……っ」
 腰を掴み、彼の無防備に開かれた尻へ腰を打ちつける。引いて、突いて、俺の思うままに激しく彼の中で暴れた。彼はなす術もなく俺に揺さぶられながらも、また嬌声を上げて、オスを挑発し、俺をどこまでも誘い、あるいは追い詰める。もう我慢するつもりはなく、そう思えばあとは込み上げてくるものに任せて腰を振るだけだ。いつの間にか唸り声にも似た声を漏らしながら、俺は彼を睨みつけ、オスへ与えられる快感に意識を奪われていた。
 我武者羅に、震えるように彼の中、奥深くをもっと、もっととねじ込むように腰を押し付ける。それが彼には快かったのか、ついに恥じらいよりも快感を貪りたい気持ちが優ったらしい彼は大胆に腰を浮かせて俺を誘い込んだ。
「ああっ……、あ、はぁ、んっ、ああん……」
 言葉はなくても彼の表情が、態度が俺を、俺のオスをねだる。終わりが近づき、それを惜しいと思うのは間違いなんだろう。俺は刺激と言うにはあまりに衝撃的な彼の淫らな姿を目に焼き付けるようにして最後の坂を登った。
「んっ、ぉ、にいさ、っあ! ぼくっ……僕の奥、で……っいっぱい、下さいっ お兄さん、の、子種っ、注いで……深く、突き刺してっ……!」
 山の頂を目指す俺の背を、彼の声が押し上げてくる。あるいは、彼の声に引っ張られているのか。俺は請われるまま彼の身体を押さえつけて動かないよう固定すると、オスの求めるまま精を放ち、彼の中へと注ぎ入れた。
「あぅ、……ん、……ぁ、あ……」
 イってからも、一滴も残さないというように彼の中が俺を求め、俺は緩く抜き差ししてそれに応えた。血潮の音は耳元でするようで、股座からも響いている。その鼓動に合わせて、彼がほんの微かに声を漏らし、俺を感じ、受け止める。その様子が健気に思えて、俺は彼の頭を撫でて口付けた。
「どう、ですか……?」
 彼の望むものは叶ったのだろうか。果てた後の気だるさの中、急に頭の中が冴えていく感覚に心中、眉を潜めてしまう。行為に溺れていたのは俺の方だったかもしれない。
 彼は少し寝ぼけたように反応が鈍かったが、俺がオスを抜こうとすると、ぎゅっと足で腰を掴まれてしまった。驚くが、彼もハッとしたような顔をして真っ赤になるから、危うくオスがやる気を出しかけた。……さっきあれだけ吹っ切れてたんだ、絶対嫌じゃないし、むしろ好きなくらいだろうに。まあ、俺もそんな姿にころっといってしまうわけだから、もしかすると彼はそこも含めて分かってやってるのかもしれないけど。
「まだっ……まだ、このままで……あの、ありがとうございます。沢山いただけて嬉しいです……」
 不敬なことを考えていると、彼は顔を赤くしたまま微笑んだ。照れながらもやはりどこか無邪気なその顔には、さっきまでの女の誘うような空気はどこにも感じられなかった。
「……よろこんでいただけて、俺も嬉しいです」
 やりきった、という達成感が湧いて、気怠さが眠気に変わっていく。急速に重くなる俺の身体は彼を潰してしまうのでは、と思ったが、彼は俺を抱きしめると、さっき俺がそうしたように俺の後ろ頭を優しく撫でた。
「どうぞ今しばらくお休みください。お疲れのところ、無理を言ってすみませんでした」
 母のような、父のようなそれに、意識まで遠くへ行くようだった。彼に持ちかけられたとはいえ、こんなに俺が満たされるような心地でいいのかと思った末、謝罪が胸をよぎったが、彼に届いたかはわからなかった。
 夢路さえも分からない中、彼が何事か囁きかけてきた気がした。けれど、それを掴むまでに俺の意識は水底に沈んでゆく石のような速さで落ちてしまっていた。



 腹が空いた。
 空腹は常のことだが、葛湯が良かったのだろうか、行為の最中も快感以外を忘れ去っていたものの、それと同じくらい抗えない感覚を覚えて目が覚めた。天井が見え、次いで柔らかく、温かいものにくるまれているのに気づいた。身を起こすと、これまた上等そうな布団と夜着かいまきの中で眠っていたことがわかった。……座敷、というものなんだろう。畳の上だ。囲炉裏のあったあの部屋じゃない。辺りを見渡しても、襖があるだけで彼の姿は見えなかった。それが少し残念で、けど直ぐに行為のことを思い出して恥ずかしくなった。最初渋っていたくせに、あんなにも無我夢中になってしまうなんて。
 ちくりと弟への罪悪感が胸を刺すも、彼の胸中もまた気になっていた。精がなければ立ち行かぬということは、俺の他にもああやって人の精を……?
 俺が小さい頃から、神様の話はあった。隣村で神様にお目見えしたという話もあったし、同じ村でも昔、そういうことがあったようだというのは聞いていた。そこそこ頻繁にあるものだから、それは神様ではなく人なのではと思ったものだ。あるいは妖に化かされたとか。大陸の方には仙人という者もいるらしいし、そういうものなのかもしれない、とも。けど、騙されたという話は全く聞きもしなかったし、山の中を彷徨い疲れ果てたところを助けられたという話も相当多い。なによりこうして怪奇に遭ってみれば、なるほど、神様だと思ってしまう。どんなに疑ったところで、人ではないことは確かなのだ。であれば、長い間噂のように語られながらも嘘だと軽んじるものがないというのも分かる気がした。そして彼に願いを叶えて貰ったものは皆、彼と事に及んだのだ。おそらくは。
 そのことがどうしてか心苦しく思われて、俺は知らず拳を作っていた。
 精が要るというのなら、俺が永劫お側に侍り、注いで差し上げたい。
 そんなことは過ぎた願いで、俺の勝手な想いだ。ここに長く留まれば人ならざるものへ生るという。彼はそれを望まなかったし、俺は弟を捨てることなどできない。
 人である限り彼には添えないが、人だからこそ彼に近づける。俺の浅ましい独占欲など関係ない。
 一夜限りだと彼は言った。俺は弟のためにここへ来た。それで終わらねばならない。
 己に言い聞かせたところで脳裏をよぎる彼の寂しそうな顔を消せるわけはなく、俺はそっと息を吐いた。
「おや、もうお目覚めですか。流石、お若いですね」
「っ!」
 息を吐き切ったと思ったところで、襖がすす、と開けられ、彼が姿を現した。不自然に身体が跳ねたが、彼は気にも留めずに脇に置いたお盆を取り、中へ入ると、また襖を閉めた。その姿はきびきびとしていて、余韻など欠片もない。……引きずっている俺の方がおかしいのだろうか。
 なんとも言えない思いで彼の動きを追っていると、目の前に茶碗を出された。
「はい、雑炊です。お腹、空いているでしょう?」
 箸を受け取り、それに目を落とす。……米、か? たっぷりと入ったそれは野菜もごろごろと入っていて、俺は彼を見遣った。彼は黙って頷いて、手のひらを俺に見せてどうぞ、と促す。恐る恐る口に運ぶと、その旨味に驚き、声も出なかった。
 まじまじと雑炊を見て目を瞬かせる俺に、彼は困ったように笑う。
「お口に合いませんでした?」
「まさか! こんな……こんな美味いものをいただいたのは初めてです……」
 しっかりと味のついた雑炊。何を入れればこんな味になるのだろう。
「弟にも食わせてやりたいです……そうしたらきっと精もつくでしょう」
 言って、自分の言葉にさっき出したばかりの精が浮かび、俺は咳払いをしてまた雑炊をすすった。……気づかれなかっただろうか。彼は微笑んだだけだったが、俺が雑炊を平らげ、満ちることを知った頃、懐から包みを取り出した。それを広げ、俺に見せる。そこには親指の爪くらいの大きさの丸い玉が七つ、入っていた。
「こちらは丸薬です。一日一丸、弟さんに白湯と一緒に飲ませてあげてください」
「ということは、7日間」
「はい。お兄さんには辛いかもしれませんが、あまり他のものは食べさせないように。水であれば構いませんが」
 彼はそう言うと、薬をまた包んで脇に置いた。そして、再び懐に手を突っ込んで、似たような包みを出す。
「こちらは丸薬ではないんですが、湯で戻して食べてください。麦を混ぜても良いですよ。それこそ雑炊や粥のようにして」
「薬が終われば、これを?」
「はい。お兄さんも一緒に、是非ご賞味ください」
 彼は愛らしく微笑んで、先ほどの丸薬の包みと一緒に枕元へそれを置いた。
「……ありがとうございます。感謝しています。何と言えばいいかわからないくらい……でも、ここまでしていただいたんですから、やっぱり精では足りないように思うのですが」
 気が引けていることを言うと、彼は首を横に振って、気にしないよう俺を諭した。
「丸薬でない方はおまけ、というか……僕からのちょっとしたお礼、です」
「え?」
「たくさんいただきましたから」
 頬を染めて言われ、俺は言葉に詰まった。詰まったけど、咄嗟に彼の手を取っていた。きょとんとする彼に、言う。
「だ、だったら……そのお礼のお礼を、させてください」
 俺の言葉に、彼は息を飲んだ。けど、直ぐに俺の手に手を重ねて、目を伏せ、それからひたと俺を見据え、答えた。
「はい」
 小さくもはっきりとした声だった。そっと抱き寄せ、視線を合わせたその目は既に濡れていて、しっかりと俺を捉える。俺はそのまま、彼の唇を貪った。



 月が空の高みから傾き、じきに夜は開けるだろう。……俺の捧げた一夜。彼は、俺に甘えるように笑いかけ、何度も感謝を示してくれた。俺の方こそそうしなければいけないのに、うまく言葉がでなくて情けなかった。
 洗われて綺麗になった自分のものに袖を通して、彼に渡された包み二つを忘れずに持つ。桜の木の下で、俺と彼は別れようとしていた。俺のそばには白い毛並みの、大きな犬。シロと言って、彼の使いなのだそうだ。これが俺を麓まで導いてくれるらしい。
「シロについて行けば、迷わず帰れると思います」
「すみません、何から何まで」
「いいえ。僕のこと、あまり話さないでくださいね。不用意に森へ入って、迷う方が多いのです」
「分かりました。でも助けていただいたことをごまかせはしないと思いますけど。……その、俺が言うのもなんですけど、ご迷惑をおかけしてすみません」
「いいえ、僕が気づく前に獣に食われてしまうこともありますから。それが心苦しいので」
 立ち入るな、というのは俺からは言えない。それでも度胸試しなんて罰当たりなことをする人間は少なからずいるらしい。
 弟にはよくよく言い含めておこう、と心に決めて、俺は頭を下げて桜の木を離れようとした。
「あ、待ってください」
「え?」
 肩透かしを食らったものの、彼に何かを握らされ、手のひらを開ける。そこには、なんとも言えないものがあった。梅干しの種に似ている。
「これは……」
「とある実の種です。それをお兄さんの家の裏にでも埋めてください。きっといいことがありますから」
 その言葉に、ああこれで最後なのだと急に侘しさが湧いてきて、俺はそれを潰すように種を握りしめた。
「ありがとうございます。このご恩は忘れません」
「繰り返しますが、無理な貢物は要りませんからね。弟さんと、どうぞ仲良く」
「はい。……それでは、失礼します」
「さようなら。お元気で」
 別れの言葉とともに、彼に抱いた思いを包み、届けばいいと思いながら心の中で彼の名を呼ぶ。思いが簡単に捨てられるのなら苦労はしない。きっと、何度も思い出す。彼の名を繰り返す度に。
 彼と桜に背を向け、先を歩くシロを見る。今振り返ればきっと桜を背にした昼の彼が臨めるのだろう。それを脳裏に思い浮かべて、俺は歩き出した。

 身体は驚くほど軽く、流石に犬であるシロには敵わないながらも、俺を気にかけ何度も振り返ってくれるシロを追いかけた。夜道は暗く、けれど月明かりに照らされてかシロは淡く光っているようでさえあって、俺はこけることもなく山から降りることができた。
「ありがとうございます。……神様に、よろしくお伝えください」
 木々を抜けたところでシロが止まった。そして、案内の終わりを知る。俺は頭を下げて礼を言うと、シロは俺の周りを数周して、勢い良く山へと戻って行った。その白い姿が消えるまでを見送って、俺は改めて家路を急いだ。

 まだ夜は明けてないとは言え、畑仕事は朝早いうちから掛からないと時間が足りない。家を出る前に、丸薬を飲ませてやりたかった。
 家に入ると水瓶から必要な分だけ鍋に水を入れ、急いで湯を沸かす。種は弟が元気になったら、二人で埋める場所を決めよう。
 ばたばたとしてしまったからだろうか、彼の屋敷に比べれば、比べるのも馬鹿らしいほど薄っぺらい茣蓙と夜着にくるまっていた弟が目を覚ましたようだった。
「お兄?」
 小さな声が聞こえて、そばに座る。
「すまん。起こしたか」
「ううん。……お兄、なんかいい匂いがする」
 弟の言葉にぎくりとした。彼の匂いが残っていたかと慌てながらも、聞き流す。
「薬をもらってきた。直に良くなる。もうちょっとだけ苦しいのは辛抱しろよ」
「うん……お兄どこにいってたの? 薬って、誰にもらったの?」
 話しているうちに目が冴えてきたのか、弟の声色ははっきりしたものに変わった。それが寝物語をせがむ様子に似ていて、俺はくすっと笑って、答えた。
「神様」
 すると弟は目をまん丸にして、息を飲んだ。その目が倒れる前のようにきらきらとした輝きに満ちるのを見て、笑みが濃くなる。
「ほんと? 山の?」
「ああ。……お前が元気になったらちゃんと話してやる。だから今はきちんと薬を飲んで、よく寝ろ」
 今にも起き上がってしまいそうな弟をなだめ、頭を撫でる。ああ、行水もしてやらないとな。考えながら、湯殿の話をしたらどんなにはしゃぐだろうと今から先のことばかり考える。すると弟は細い手で袖を引っ張ってきた。そして、
「ありがと、お兄」
 そう言って笑った弟の顔はどこか彼に似ていて、俺はぎゅっと胸が苦しくなった。同時に股間に熱が集まるのを感じ、一人慌てふためいた。
「お兄?」
 そんな俺をどう思ってか、弟が不思議そうに俺を見上げてくる。何も知らない無垢な顔も彼と重なり、そう言えばなにかにつけどこか通じるところがあるような――
「な、なんでも、ない」
 頭を振って、なんとか弟に返事をした。
 そんな、まさか。まさか、……な。
 それにもう、もう一度お目見えしたいだなんてそんな軽い気持ちであそこへ行ったって、きっと辿り着けないに違いない。
 この先、二度と彼を見ることは無い。
 その事実にずきりと痛んだ胸を抑えて、俺は弟に微笑みかけた。
 代わり映えのない、けれど弟のいる日々を感謝して、大切にしよう。そうすればきっと、彼には分かるだろうに違いないから。


 彼から貰った種は木となり、数年後には実をつけた。見たことのないそれは美味く、滋養強壮にと重宝されることになる。
 果実の名はサクマ。彼の名に因んで付けたその名は多くの人から慕われ、口にされているけれど――
 彼は、まだ寂しい思いをしているだろうか。
 そっとその名を口の中で広げて、彼を想う。どうか笑っていてくれていればいい。美味しそうにサクマをほうばる弟を見ながら、そう願わずにはいられなかった。
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