少年淫魔の神様業!

宇野 肇

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本編

僕のお家を紹介します

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 魔界と人間界っていうのは実は全く同じところにある。波長が違うっていうのか、焦点が合わないっていうのか、人間風に言うと、ほら、幽霊が見える人とかいるじゃない。ああいう感じ。そこに確かにいるんだけど触れないし、普通、見えない。でも、なにかをきっかけに見えちゃったり、聞こえちゃったりするでしょ? そういうのを焦点や波長が合うって言うんだけど、それっていわば『事故』なの。勇者の張った結界っていうのは単純に二つを別つ他に、そういう『事故』を完全になくすための欺瞞紙チャフ――感知を妨害するものでもある。魔王さまは逆にこの波長をピッタリ合わせることが出来たから、人間界に侵略しに来れたというわけだね。
 で。人間界に取り残された魔族の一部は、余剰分のエネルギーで『巣』を作る事が出来る。これは場所や物の波長をずらして、特に人間から見たり触ったりできなくするための力。人間からすると夢の場所、という感じ。蜘蛛の巣みたいに、ちょっとずつ口から力を吹きかけていって作るの。魔界に繋げられるというわけじゃないけど、これがあるのとないのとでは生存率がもう段違い。僕も使えるようになったから今こうして生きていられるというわけ。
 じゃあどうして弱体化した淫魔の中でもさらに弱いはずの僕が余剰エネルギーなんか持ってるかというと、眷属兼パトロンがいるためだ。この丘陵の中で拾った犬と猫。勿論というべきか、どっちも雄。
 まず拾ったのは犬のシロ。この仔には本当にお世話になった。人間に石を投げられたりして死にかけてたのを放っておけなくて、精を頂く代わりにお世話をしたのがきっかけ。かれこれもう五百年ほどの付き合いになるのかな。最初は僕が世話するばっかりだったけど、元気になると自分で獲物を取ったりして僕よりたくましく成長してくれちゃってさ。たっぷりいただきましたよ、精液を。シロのおかげで満ち足りた僕は人間もつまみつつ巣を作ったんだけど、シロってば僕と一緒にずっと巣に居たらね、なんか神格化っていうのか、普通の動物じゃなくなっちゃってね。魔獣化とか、従魔ってやつだね。言葉を話すようになったり、人間に化けたり出来るようになっちゃったわけさ。
 猫を拾ったのはそんな時。多分シロを拾ってから二百年位経ってたかな。名前はセンリって言うんだけど、こっちは魔獣化するまでお預けを食らった。それもこれも猫のオスってトゲトゲ凄くて、口に含むとか入れるなんてとんでもなかったわけ。僕痛いのキライ。食事するのになんで痛い思いしなくちゃいけないわけ? 食にうるさい人間だって、口に入れて痛い目みながらパクつくなんてそんなマゾな真似……ああ、いや、刺激物好きな人間もいるのか。僕にはちょっと理解できない。まあ、センリも無事人間に化けられるようになった後は、もうとにかく二匹と(センリは人間の姿でお願いしたけど)ヤりまくった。上下の口から一杯いただきました。二匹は自分たちで狩りをして栄養補給できるけど、僕はやっぱり生きたものから精液取らないといけないからね。で、自分の力も強めつつ、巣もちょっとずつ立派にしていったわけさ。悪循環ならぬ良循環ってやつだね。だから神様業なんてやってられるんだ。え? だったら二匹で満足できないのかって? だって食事だもの。毎日同じメニューはちょっとねえ。分かるでしょ? 弱小淫魔としての時間が結構あったからなのか、それとも魔界で生まれた純正じゃないからなのか、人間連中を誑かしてかき回してやろうなんて気概、ちーっとも湧いてこない。冒険心なんて微塵もないよ。お外怖いよ。
 それに僕、今は畑弄りが好きなんだ。これも巣の内に入ってるんだけどね、二匹が僕の眷属になったように、畑も結構影響しちゃっててね。普通人間界では採集出来ないような薬草がたっくさん生えるのさ。人間でいう霊薬とか、媚薬の材料だね。煎じてみたり、炒ったり、干したりして自分で食べてみたから効果は保証する。丘陵で迷子になった人にも何回か飲ませたりしたけどやっぱり効果はあったからさ。淫魔の僕に都合のいいものが多いのは、巣の中に満ちた僕の力のせいなんだろうね。淫魔仕様みたいな。おかげで神様扱いされたし、悪くはない。
 この畑は家の裏手にあって、正面からは見えないようになっている。玄関から見て左手には大きな桜の木があって、これは元々枯れていたんだけど巣の範囲内に入っちゃって、いつも満開。満月の夜に見る夜桜はいつみても綺麗だしいいんだけど。
 で、家。元々は朽ちかけてたのを、これもやっぱり巣にするにあたって頑張って修復した。そりゃもうふーふーしまくった。散々シロとやりまくっても僕自身が大して強くなってないのは主に巣作りに精を出してたから、というわけだね。まさに精の横流しだね。一人暮らしじゃないから、同居人ともいうべき眷属のための環境作りは大事だと思うんだ。センリと出来るようになってからは随分余裕も出てきたし。
 例えば夜に明かりを灯すのとか、風呂や竃の火、それにふかふかのお布団だとか、巣の維持に力を使ったりしてるから消耗するのは消耗する。その殆どは人間を泊める際のおもてなしのため。先行投資っていうのかな。おかげで今は貢物でもらった作物とか米で雑炊とか作れるようになったよ。眷属が出来てからは食うに困るということもないし、暇ができてきたんだよね。だから人間の生活とか食事とか、外の話なんかを人間から聞いたりして勉強した。やっぱり生きて行くのに娯楽や余裕というものは大事だよね。おかげで振る舞う雑炊には畑で採れた薬草も混ぜて、激しく燃え上がる一夜を過ごせるようになったよ。
 思えば長い道のりだったなあと立派になった巣の家の縁側に座っていると、わんわん、と鳴き声がした。シロだ。
「シロ? 今日の狩りは終わったの?」
 僕が立ち上がる間も無く、シロは膝の上に乗ってきて、名前の通り――っていうか姿を見て名付けたんだけど、白いもふもふの体を僕に擦り付けてきた。今はずいぶん大きくなったからちょっと重い。
 そのまま着流しの中に鼻先を突っ込まれて、乳首を舐められて、ぴくんと体が跳ねた。
「あんっ シロったら……また人間の村まで行ってきて雌犬に中てられちゃったの?」
 身をよじるけど、膝の上に乗っかられて動けないから、上半身を倒すしかない。でも、そんなの逃げるうちに入らないのは当然だ。
「んっ、んんっ、あん、シロ、だめ、やんっ」
 動物特有の荒い息。シロは僕の体を知ってるから、特に気持ちいいところを舐めてくる。ちらっと目をやるとシロの赤いような青いようなおちんぽは大きく勃起して揺れていて、すごく食欲をそそられた。ほら、人間って美味しいものを前にするとごくり、って喉が鳴るらしいけど、僕の場合は下のお口がきゅんってなるの。
「あっ、シロ、シロぉ……っ」
 シロの涎でびちゃびちゃになった胸。それでも執拗に攻められて僕のおちんぽも興奮で勃起しちゃう。シロはぼふんと煙を撒き散らして人間の姿になると、僕を見下ろしてにやりと笑った。
「だめ、とか言いながら腰振っちゃうんだもんなあ、俺のご主人サマは。もうこんなにして……やらしーの」
「あん……」
 着流しの上からおちんぽを揉まれて、気持ち良さに甘えるような声が出た。
「シロが乳首なんて舐めてきて、おちんぽだってそんなにしてるからでしょ……」
「雌犬の匂い嗅いじまって、こりゃあご主人サマにご奉仕しなくちゃと思って急いで戻ってきたのに、そんな言い草ねえだろ? ご主人サマだって俺のちんこ見て後ろの穴、ぐしょぐしょに濡らしてるくせに」
 言われて、僕は言葉に詰まった。その通りなんだもん。男にしかなれないと言っても、僕は腐っても淫魔。厳密にはお尻の穴は人間と同じじゃなくて、おちんぽを入れられるように柔らかいし、受け入れるために人間の女と同じように濡れる。排泄器官じゃないからうんこもしない。僕のお尻にある穴は、精液を飲み込むための器官なんだ。そこはシロのおちんぽをみてきゅんってなってから、早く精液が欲しくて凄い早さで濡れてる。よだれを垂らすくらい。
「分かってるなら早くちょうだい……」
「ん、じゃあ先にこっちもらうな」
「あっ」
 着流しの裾をめくり上げられて、シロが僕のおちんぽを舐める。そっちももうだらだらと濡れていて、シロはそれを丁寧に綺麗にしてくれた。淫魔の男性器っていうのは人間の女を孕ませる他に、単純にセックス付けにして愛欲方面から堕落だせちゃおう、淫乱にしちゃおうっていうものだから、そのつもりさえしなければ精液が出て行くことはない。それ以外の時に出てくるのは……相手をその気にさせる、えっちな汁。淫魔の場合汗とか唾液とか、分泌液系は全部そうなんだけど。シロはそんな催淫効果のある僕の汁を美味しそうに舐めて行く。甘いらしい。
「はぁっ……硬くなってきた」
「だって気持ちいいんだもん……」
 淫魔は気持ちいいことに対して貪欲だし、気持ちいいことは喜んで感じる性質だ。嫌なわけはない。
「ねえ、シロ、……も、入れて?」
 おちんぽをぺろぺろ舐められて、イキたい気持ちもある。けど、それ以上に勃起してるシロのを思うと、早く欲しくて仕方がなかった。
 僕がねだると、シロは僕のおちんぽを舐めながらこっちを見てニヤニヤ笑った。
「ったく、俺のご主人サマは堪え性がねえなあ……犬の俺より待てが出来ねえの?」
「したくないの。……はやく」
 腰を浮かせて自分からおちんぽをシロへくっつけに行くと、シロはくつくつ笑って僕の上から一旦退いた。その隙に縁側で四つん這いになって着流しの裾をたくし上げ、お尻を突き出す。
「あーん、は?」
 後ろから楽しそうなシロの声がする。僕はお尻の穴を指で広げて、シロを振りかえりながら『あーん』をした。
「うわ、すっげえ物欲しそう。よだれダラダラ垂らしてひくひくしてんじゃん」
「シロっ……いい加減に」
 僕を煽ってるのは分かるけど、一向に入れてくれる気配のないシロに僕が焦れると、シロは急に変気を解いて犬に戻ってその猛ったおちんぽを僕に突っ込んだ。前戯も何もないのに、濡れて開いた僕の口は喜んでシロを飲み込んだ。
「っ、は、ぁあああっ」
 奥まで届くその大きさに、僕は体をしならせて嬌声を上げた。犬に戻ったシロは、まさに雄犬として容赦無く腰を振って僕を突いてくる。
『ご主人サマは犬に犯されるのが好きなんだよなあ?』
 楽しそうなシロの声が頭に響く。覆いかぶさられて、押さえつけられて、シロの荒い息を背中に感じながら僕は気持ち良さにされるがままになる。
「んっ、そう、すき、すきぃ……! シロの、おっきくてっ、はげし、くてっ、いいよっ、すっごく、きもちいいっ」
 僕の中に入って、シロのは一層硬く大きくなった。特に根っこはぼこぼこに大きくなって、抜けそうにない。そのまま激しく揺さぶられて、頭がしびれるほどの快感が走った。
「ああっ、いい、いいよおっ……! んっ、んっ、はやく、食べたいっ、シロの精液……っあ、あ! いっぱい、だして……ぁ、ああっ」
『もー、ご主人サマったら、食いしん坊、なんだからっ』
「はぁああんっ」
 普通の犬ならもう射精してるはずなのに、僕の眷属になった影響なのか、シロはある程度タイミングをコントロールできるようになった。そのせいでまた焦らされて、僕はシロの下で反論に出る。
「シロだって、っ いっつも雌犬に中てられて、僕、僕に入れたがる、くせにぃっ えっち、なんだからっ 精液、だってっ、水増ししてるの、知ってるんだよっ」
『ええ? 心外だなあ。家に置いてくれてる恩をこうして健気に返してるってのにさあ……俺、雌犬いないと発情しないし。それに水増しったって、犬ってそういうもんだから仕方ねーじゃん……っと、ほら、奥でいっぱい出すよ?』
「う、んっ あ、いっぱい、ほし、い……っ きて、出してっ」
『はは、水増しのうっすいのでもいいんだ? じゃあ遠慮なく……家賃、受け取ってくれよ……っ!』
「ああああっ あんっ! あっ、あああ!」
 ずん、と一番深く突かれて、シロのおちんぽがどくどく脈打つ。僕の中に精液が流し込まれるのが良く分かった。穴の中に流れ込んでくるそれを感じて味わいながら、僕はくったりと力を抜いた。
「あん……おいし……」
 シロのおちんぽをしゃぶってる僕の穴は、もっと欲しそうにきゅうきゅうとシロのを締め付ける。とろとろ溢れるシロの精液を味わいながら、僕は充足にため息をついた。
『はっ、はっ……っはぁ……暫く抜かないぜ? 今は抜けねえだけだけど』
「ん……僕が飲み込めるまで、このままがいい……」
『はいはい、零すと泣いちゃうからなー 俺のご主人サマは』
 まだ犬のシロとのセックスに慣れてなかった頃にシロのおちんぽが抜けて精液も溢れちゃって、僕が嘆いたのを覚えているらしい。泣きはしなかったと思うけど、あの頃は今よりもっともっと弱かったし逼迫してたから、ほとんど泣きかけてたっけ。
「あー、きもちいい……」
 そんなことを思い出しながらまったりとしていると、座敷の方からにゃん、と猫の声がした。センリだ。
「おかえり、センリ」
 シロと繋がったまま頭を持ち上げて迎えると、センリはにゃあ、と一声鳴いて僕の手にすり寄ってきた。可愛いなあ。思ったまま頭を撫でて、首元を爪で軽く引っ掻いていると、センリはそのまま僕をすり抜けた。
「? センリ?」
『あん? どうした』
 シロになにか用でもあるのかと思いきや、センリはそのまま僕の浮かせた腰の中に潜り込んで、着流しが垂れてテントみたいになってるそのイケナイ個室で僕のおちんぽをぺろっと舐めた。
「やん!」
 猫特有のざらざらとした舌は、それはそれでかなりイイ。まだ前はイってなかったのもあって、おちんぽは勃起して硬くなってる。固定してないからセンリの舌でも痛くはないし。仰向けだったらお腹に押し付けられた上で力強く舐められただろうから痛かったかもしれないけど。
 そのままそのいやらしい秘密の空間で僕のおちんぽから溢れるえっちな汁を舐めるセンリに、僕の下の口がまたきゅんってなった。
『うあっ ちょ、それやばい、また勃ちそうなんだけどっ』
「あん、だってセンリがぁ……っ」
 僕とシロはまだ動けないし、動いてシロのが抜けるのもイヤだ。だから僕はセンリの舌を動かずに受け止めるしかなくて、シロも僕が感じて穴が蠢くのを耐えるしかなかった。
「センリ、センリったら!」
『なんだ』
「もう、もうちょっと待っててよ……っあ、は、んっ……そしたらセンリともできる、からぁっ、ん! このままじゃ、またシロとしなくちゃ、」
『問題ない』
 頭に響いてくる声は飽くまでも冷静で、必要な分は舐め終わったのか、センリは僕の着流しをかき分け外に出ると、そのまま人間に化けた。そして僕の前に両膝を付いて、そっと僕の顎を持ち上げた。
「……我が主人あるじは、もうひとつ口があるじゃないか。ここは鳴くためだけにあるものじゃないだろう?」
「あ……」
 妖艶に笑まれて、僕はぞわぞわと腰に走った快感に鳥肌が立った。そっとセンリの股間を見る。きっちり着た着流しの中にあるモノを想像して、きゅんって体が疼く。
『っ、ふ……おいおい、ご主人サマ、すげえいい反応じゃん。俺また復活しちゃったけど、いいよな?』
「んっ」
 途端、腰を揺らされて、僕はいよいよお尻の穴をきゅうって締めてしまった。
「おい、シロもヒトに化けろ。犬のままではやり難いだろう」
『ああ、確かに』
 僕の頭の上でそんな会話をした直後、シロがぼふんと人間になった。おちんぽは犬のままなんて、器用なことするなあ。っていうかいつの間にそんなこと出来るようになったんだろう。なかなか高度なことしてるよ?
 人間になったシロの手が僕の腰を掴む。そのまま突かれるかと思いきや、シロはそのまま僕の腰をねっとり撫で回した。
「腰持てねえと、ご主人サマ動いちゃうからな」
「ぁ、……ふ、ぁ」
 お尻の穴が開くように引っ張られたり、足の付け根を押されて、体がぴくぴくと跳ねてしまう。乳首が疼いて、触りたい。反射的に俯くと、またセンリに両手で顔を挟まれて上を向かされた。
「さあ、私の『家賃』も受け取って貰おう。この……物欲しそうな口で」
「ん、ふ」
 センリの指が口の中に入ってきて、それを舐める。くちゅくちゅと水音が響いて僕の唾液が溢れると、センリは指をゆっくり引き抜いた。僕の唾液がつつ、と糸を引いて、僕の注意を誘う。センリはそのまま着流しを足でさばいて、勃ちあがったおちんぽの先に塗りつけた。そしてその根元を掴んで、先っぽを僕の口へ向ける。でも僕の口元にまでは届かずに、そのぷりんとした綺麗な先っぽと、精液の出てくる鈴口がぱっくりと開いているのが見えて、僕の口にはさらに唾液が溜まった。動けない僕はセンリから来てもらわないと咥えられない。
「あ、センリ……はやく、ちょうだい……? 欲しい、舐めたいよ……」
 シロは黙って僕とセンリのやりとりを見ているみたいだ。でも、邪魔にならない程度に腰をゆらゆら押し付けてきて、それもあって僕の食事とえっちのスイッチは完全に入っていた。
「……っくく、俺の主人は取り立てが上手だと思わんか」
「同感。直ぐにでもあげたくなるよな」
 センリは僕から視線を外して、喉で低く笑ってシロとそんな会話をする。嘘つき。二匹とも焦らすのが好きなくせにさ。
 僕はそんな時間さえも待ちきれなくて、僕は腰を揺らして口を大きく開けた。
「ねっ、はやく……もっとこっち、来て」
 ご主人サマのがよっぽど犬らしい、なんてシロの言葉を背中で受け止めながら、僕は腰を突き出したセンリのおちんぽにしゃぶりついた。
 口の中の溢れそうな唾液でたっぷり濡らして、丁寧に味わう。僕にとっておちんぽの味は最高に美味しいものだ。そのまま栄養になるものだからか、なんていうのかな、エネルギーになりそうな味? 飲みやすいのもいいけど、濃いのも好き。もうなんでも好き。
「あぅ、……ん、……んふ、んっ……おいひい」
「そうか、なによりだな」
 センリの先っぽを舐めて、サオはまだ扱かないで、指先でおちんぽを固定して舌を這わせる。いっぱい精液ちょうだいねって思いながらたまに吸い付いて口で揉んで、裏スジの根元を舐めて、そのまま舌をちろちろしながらまた先っぽへ。
「なあご主人サマ、俺のは?」
「んっう!」
 センリの先っぽをぱくって咥えた途端シロが大きく揺さぶってきて、僕は慌てて口からセンリのを出した。間違って歯が当たっちゃったらダメだもんね。
「あっ、ん、シロのも美味しい、よっ?」
「ホント? 嬉しいなあ。ご主人サマのために発情してきた甲斐がある」
 すでに僕のお尻の穴はぐっちゃぐちゃで、シロの出したのと僕の愛液でぬるぬるだ。シロの根っこがぼこぼことおっきくなってるとはいえ、動けば動くほど隙間から出てきちゃう。
「シロ、だめ、精液こぼれちゃう……!」
「大丈夫だって、もう一回するんだからさ」
 気持ちいいけど勿体無いから振り返って抗議すると、呑気なシロの声が返ってくる。貧乏性って言いたいわけ、と怒ろうとして、すぐさまセンリに前を向かされた。
「余所見する暇などないだろう? くれとせがんで来ておいて放置とは、酷い主人がいたものだ」
「んぐっ」
 頭を掴まれて、センリのおちんぽを押し込まれる。そのままセンリが腰を振り出して、シロの揺さ振りと同じように僕はされるがままになった。
「はっ、っく、……すげー眺め。溢れるくらい後ろ犯されながら男のちんこ美味しそうにしゃぶってさ、下だけじゃ足んねーのかって」
「ん、んんっふ」
「いい眺めじゃないか。どうしようもない淫乱の割りに、必死に舐めている様子は母親から乳を貰う仔のようで健気にさえ見える。実際は奉仕してるのはこちら側なんだがな。淫魔ならではと言ったところか」
 うるさいよ! って言いたくても言えないし、二匹のおちんぽは美味しいから許してあげよう。センリもあんまり無茶に腰を振ってるわけじゃないし。
 そうこうしているうちに、ふたりの動きが早くなった。もう直ぐ美味しいものが味わえると思うと、僕の体も自然、期待に熱くなる。
「っは、はあっ……いく、いくっ」
「んっ、は……っ、俺もっ、あっ、い、きそ……っ」 
 二匹に突かれてくぐもった声を上げながら、僕はきゅう、とどっちのおちんぽにも吸い付いてその時を迎えた。
「出るっ」
「出すよっ」
 余裕のない声と同時に、それぞれが僕の中に射精した。僕も美味しいのと気持ちいいので、触られてないのに愛液をいっぱい出してイっちゃった。びくびくと快感に震えるまま人間態のセンリからぴゅ、ぴゅって出てくるのを飲み込んで、丁寧に舐めて扱いて、綺麗に最後の一滴まで搾り取る。
「ん、センリのもおいしい……」
 ちょっと顎がだるいけど、口に広がって、飲み込んだ分は中でじんわりと染み入るようで、僕はうっとりとそう呟いた。センリは黙って微笑んで僕の頭を撫でてくる。こういうの、いかにも事後って感じでいいよね。
「なあご主人サマ、俺の二発目はー?」
「シロのもおいしいよ。だから、抜いちゃイヤだからね」
「抜けるようになったら抜いて、泣き顔見るのも悪くないが」
「ああ、いいよな。ぐちゃぐちゃな上に精液溢れさせて、しかもそれを必死で押さえようとするのってすげーいい」
「ヤダって言ってるでしょ!」
 もしそんなことしたら怒るからね、と四つん這いのまま振り向くと、シロは屈託ない顔で笑った。
「しないしない。怒んないでよ」
「まだ怒ってないよ。あ、ねえセンリ、僕たちまだ動けないから、お風呂の用意お願い」
「わかった」
「っと、その前に」
 僕の指示にすっと立ち上がるセンリを引き止めて、ほっぺにちゅー。
「ごちそうさま。おいしかったよ」
 やっぱりね、言葉にするって大事だと思う。僕の言葉にセンリは口元を綻ばせると、
「……おそまつさま」
 そう言って僕の頬を手の甲で撫でて、風呂の準備に行ってくれた。それを見送ったところで、後ろで不満げな声が上がる。
「センリばっか優遇ずりい」
「しょうがないでしょ。犬のまんまじゃ後ろ向かないと無理だし」
「そもそもご主人サマが勝手に四つん這いになったんだろ。だから俺はああ、犬の姿で犯して欲しいんだなって思ったから応えたんだけど」
「もうっ ああ言えばこう言うんだから」
「ホントのことだろー?」
 じゃれるような言葉の応酬をしながら、僕はまた上半身を床につけた。縁側だから板張りになってるんだけど、火照った体には冷たくて気持ちがいい。直ぐに僕の熱が移って、上から人間態のシロが被さってきて、満腹な僕は目を閉じた。ちゅ、と肩口にシロが吸い付いてくる。
「……気持ちよかった?」
 耳元で優しい声が響く。そっと瞼を持ち上げてうなずいた。
「うん……ね、シロ。ごちそうさま」
 体を捻って、僕のお腹に手を回して抱きしめてくれるシロに唇を突き出した。シロはそこに吸い付いて、嬉しそうに笑った。きっと尻尾があったらたくさん振ってるんだろうな。そう思いながら、また目を閉じた。
「えっ、ちょ、ご主人サマ寝る気? 待ってよ、いくら暇になったからってそれ酷――」
 ぎりぎり、シロの声はそこまでは聞こえていたんだけど、かといって目が覚めるかといえばそんなことはなくて、僕は気分のいいまま眠りについた。目を開けた時には後処理なんかは全部終わっていて、二匹に挟まれる形で川の字になって布団に入っていた。
「あ、ご主人サマ起きた。ったく、たらふく食ったからってそのまま寝るなよ! 子どもか!」
「やだなー 年食ってるだけで僕はまだ子どもだよ。寝る子は育つっていうじゃない」
「それは人間の子の話だろう」
 結局あの後お風呂じゃなくて体を拭くだけにして、布団を出して寝ることにしたらしい。あったかい二匹の体温にまだまだ眠れそうだと思った僕は、すり寄ってくる二匹の頭を撫でた。
 ……神様業は、不定期営業なの!
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