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温泉は使用人達にも広く開放されているそうだが、無論それは全ての仕事を終え、家人が休んだ後になる。それでも一年を通して人を選ばずありがたいと感じるという。そもそも湯を使えるというのは贅沢だからだろう。バーネット領は特に、長い冬を耐え忍んでいる土地だ。
そんな話を聞きながら向かった脱衣所には、既に替えのナイトガウンが用意されていた。シリル様に言われるまま服を脱ぎ、籠に入れる。脱衣所にさえ誰もいなかったが、元々そういうものらしい。入浴している間にメイドが回収し、洗濯するのだそうだ。昼間に入浴する場合はその限りではないようだが、大体温泉に入るというのは仕事を終えて身体を休めたり、湯治のような治療目的のため着替えは必ず用意しておくもののようだ。
陽も落ちて室内の照明が目に心地よく感じる中、シリル様の肌が露わになる。直視できずに目線が彷徨ったが、シリル様は全く気にせずに浴室の戸を開けた。途端に湯気が溢れ出てくる。中に足を踏み入れると、肌を心地よい温度が包んだ。思わずため息が漏れるほどの感覚だった。
浴室は広く、磨かれた石で調えられていた。日々の掃除が行き届いているのだろう。かび臭さのような不快さはなく、温泉に含まれる成分故か独特の匂いを感じるだけだった。
「すごいですね。サウナほどではなくとも、この広さで寒さが全くないというのは」
「湯に浸かると、ベッドに飛び込んだとき以上に気持ちいいぞ」
「それは楽しみです」
その前に身体を清めるぞと言われるがままに、シリル様の動きを真似してみる。桶を持って床に膝をつき、手桶をつかって湯を身体にかけると、あまりの熱さに身体が跳ねた。
「あっ、つ!」
「はははっ、身体は随分と冷えていたようだな」
シリル様は平然と湯を身体に掛け、最終的に頭から被っている。
「あ、熱くないのですか?」
「慣れだ。それに、そこまで熱くはないぞ? お前も直ぐに慣れるだろう」
「そうでしょうか……」
「ふふ、少しずつかけてやるからこちらへこい。身体も洗おう」
知識としてはどんなものか知っていても、温泉についての作法だのというのは全くの埒外だ。俺はシリル様に手招かれるままに側に寄り、随分と小さな椅子に腰掛けた。機嫌の良いシリル様の様子を見ていると保健室での一件を意識せざるを得ないが、案の定と言うべきか、シリル様の指先が俺の肌を撫でた。
「シリル様、」
ぴく、と反応してしまったのは悪手だった。俺がシリル様を見ると、シリル様は微笑んで俺の肩に口づけた。
「もっと私を意識してくれ」
スポンジに石鹸をつけ、泡立てる。本来は従僕の仕事だが、シリル様は迷いなく手を動かし俺にスポンジを押し当てた。
優しく、時として力強くスポンジが俺の肌を擦る。
マッサージにも似た動きは心地よく、俺は保健室でされたどの看護よりも安心して身体の力を抜いた。
少し前までの俺ならば、こんなことは決して許容できなかっただろう。例えシリル様と想いを通わせていても。
不思議な心地だった。
シリル様の持つスポンジが何度も背中を往復するのを感じながら、俺はゆっくりとシリル様に導かれていることを噛み締めた。
シリル様の願うことで俺ができることなら、なんでもしたい。その気持ちに偽りはないが、俺が恐縮することのないように、俺が自然と受け入れられるように、シリル様に心を砕かれていると感じる。
嬉しい。幸福感を覚える。俺には勿体ない。こんな風にしていただくほど物慣れないでいる自分が不甲斐ない。
とりとめの無い思考が頭の中を移ろい、自分でもよくない方向へ向いてしまったのを感じて気持ちを切り替えた。
「シリル様」
「なんだ? かゆいところでもあるのか?」
上機嫌な声色に、シリル様を振り返って手首を掴んだ。不思議そうな顔をしている彼を見ながら、軽く握られているスポンジに向けて手のひらを滑らせ、そっと抜き取る。
「ルートヴィヒ?」
「……今度は俺にさせてください」
言うと、シリル様の顔がみるみる赤くなる。顔どころか肌という肌の血色が一気によくなったように見えた。
「そ、それは」
「いけませんか?」
「そんなことはないが」
じっと見つめると、シリル様は膝を抱えるようにして身を縮めると、小さく「恥ずかしいな」と呟いた。
「俺も恥ずかしかったです。……シリル様のお身体は平均よりも寧ろよく鍛えられていて美しいと思いますが。あなたをそんなに苛むものがどこにあるのですか」
俯いて顔まで隠してしまったシリル様にそう言葉を重ねると、シリル様は大きくため息をついた。
「お前のその言葉も充分羞恥に値する」
恥ずかしそうにしつつも、はにかみながら顔を上げたシリル様にどきりとした。ぴく、と反応してしまったが、シリル様が囁いた。
「……お前に不埒な真似をされやしないかと、期待してしまうんだ」
早く次に行きたい、と言われて、俺はぐっと衝動を堪えた。
話し合いを終えて無くてよかった。風呂場でよかった。
でなければ、無我夢中で彼を押し倒していたかも知れない。
いとも容易く肌が触れ合い、濡れた肌はなめらかで刺激が強すぎる。多少の恥じらいこそみせてくださったものの、シリル様も似たような雰囲気だったのがより一層よろしくなかった。
二人で湯船に浸かる頃には、俺もシリル様もこのままどぎまぎとしているようでは持たないと気づいていたからか、自滅するような掛け合いはしなくなっていた。
「……両家での話し合いというのは、……今まさに行われているのでしょうか」
「であれば、お前はともかく私はここにいることは許されていないだろうな」
――すでに話はついている。後は形式的な部分と、両家や個人の交流程度だ。
頭では分かっていても、そしてその後にはいよいよシリル様と身体を繋ぐことになるのだと知っていても、据わりが悪い。それを思うことでシリル様への衝動を抑えているような節も否めないが、咎められることはなかった。
「事の発端は私の不始末だ。コナー家に対しこれ以上無闇に圧力をかけることはない」
そもそも同じ中立派だからな、とシリル様が息をつく。
「じっとしていると暑いな」
「出ましょうか」
「ああ。お前は疲れもあるからのぼせると身体に毒だ」
ざば、とシリル様が勢いよく立ち上がる。湯が跳ね、俺は片手で顔を拭いながら後に続いた。温まった身体は淡く色づき血色がよく、のぼせることよりも余程毒だと思った。
「明日……婦人方が出かけた頃合いで、というのが無難なタイミングだろうな」
ナイトガウンを羽織り、髪をタオルドライで乾かしながらシリル様が言う。気のせいか声色はいつもよりも低く思えた。
俺は、……俺も、シリル様に倣うように柔らかなタオルで髪を拭く。両手を動かしながら応えた。
「心しておきます」
「胃が痛いと席を外す手もあるぞ」
「それでは温泉施設にも行けないのでは?」
シリル様が言葉に詰まった。珍しいこともあるものだ。
腕がだるくなり、もういいかと手を止める。頭に被せるようにしていたタオルから顔を出すと、シリル様は首にタオルをかけ、その片端で口元を覆っていた。
良い言い訳を思案しているのかもしれない。が、本心はそこではないように思えてならなかった。
未だ水気を含み乱れたその髪をそっと整えながらシリル様の顔を見る。伏し目がちな表情は憂いを帯びているように見えた。
「あなたが不安に思うことがあるなら、それは俺には拭えないものなのだと思います。仮に今回家から関係を認められたとしてもそれは同じです」
「……」
彼の瞳がゆっくりと俺を見つめ返した。未だタオルで隠された口元は見えなかったが、俺は微笑むことができた。
「精一杯あなたに尽くしたい。その気持ちは変わっておりません」
そんな俺をどう見たのか、シリル様は一度眉をひそめるようにして強く目を閉じた後、くつりと笑った。そして、柔らかくも苦笑めいた顔でそっとため息を。
「――どうやら私は自分の感情に振り回されている場合ではないらしい。お前が私のためにと悪行に走らぬよう、務めるとしよう」
かわいらしくも頼もしくも見えるその表情と声に有耶無耶にされかけたが、決して褒め言葉とは言えない言い方に俺の顔は情けなくも渋面になった。……場合によっては、そうすることも厭わないのではないかと思ってしまったからだった。
そんな話を聞きながら向かった脱衣所には、既に替えのナイトガウンが用意されていた。シリル様に言われるまま服を脱ぎ、籠に入れる。脱衣所にさえ誰もいなかったが、元々そういうものらしい。入浴している間にメイドが回収し、洗濯するのだそうだ。昼間に入浴する場合はその限りではないようだが、大体温泉に入るというのは仕事を終えて身体を休めたり、湯治のような治療目的のため着替えは必ず用意しておくもののようだ。
陽も落ちて室内の照明が目に心地よく感じる中、シリル様の肌が露わになる。直視できずに目線が彷徨ったが、シリル様は全く気にせずに浴室の戸を開けた。途端に湯気が溢れ出てくる。中に足を踏み入れると、肌を心地よい温度が包んだ。思わずため息が漏れるほどの感覚だった。
浴室は広く、磨かれた石で調えられていた。日々の掃除が行き届いているのだろう。かび臭さのような不快さはなく、温泉に含まれる成分故か独特の匂いを感じるだけだった。
「すごいですね。サウナほどではなくとも、この広さで寒さが全くないというのは」
「湯に浸かると、ベッドに飛び込んだとき以上に気持ちいいぞ」
「それは楽しみです」
その前に身体を清めるぞと言われるがままに、シリル様の動きを真似してみる。桶を持って床に膝をつき、手桶をつかって湯を身体にかけると、あまりの熱さに身体が跳ねた。
「あっ、つ!」
「はははっ、身体は随分と冷えていたようだな」
シリル様は平然と湯を身体に掛け、最終的に頭から被っている。
「あ、熱くないのですか?」
「慣れだ。それに、そこまで熱くはないぞ? お前も直ぐに慣れるだろう」
「そうでしょうか……」
「ふふ、少しずつかけてやるからこちらへこい。身体も洗おう」
知識としてはどんなものか知っていても、温泉についての作法だのというのは全くの埒外だ。俺はシリル様に手招かれるままに側に寄り、随分と小さな椅子に腰掛けた。機嫌の良いシリル様の様子を見ていると保健室での一件を意識せざるを得ないが、案の定と言うべきか、シリル様の指先が俺の肌を撫でた。
「シリル様、」
ぴく、と反応してしまったのは悪手だった。俺がシリル様を見ると、シリル様は微笑んで俺の肩に口づけた。
「もっと私を意識してくれ」
スポンジに石鹸をつけ、泡立てる。本来は従僕の仕事だが、シリル様は迷いなく手を動かし俺にスポンジを押し当てた。
優しく、時として力強くスポンジが俺の肌を擦る。
マッサージにも似た動きは心地よく、俺は保健室でされたどの看護よりも安心して身体の力を抜いた。
少し前までの俺ならば、こんなことは決して許容できなかっただろう。例えシリル様と想いを通わせていても。
不思議な心地だった。
シリル様の持つスポンジが何度も背中を往復するのを感じながら、俺はゆっくりとシリル様に導かれていることを噛み締めた。
シリル様の願うことで俺ができることなら、なんでもしたい。その気持ちに偽りはないが、俺が恐縮することのないように、俺が自然と受け入れられるように、シリル様に心を砕かれていると感じる。
嬉しい。幸福感を覚える。俺には勿体ない。こんな風にしていただくほど物慣れないでいる自分が不甲斐ない。
とりとめの無い思考が頭の中を移ろい、自分でもよくない方向へ向いてしまったのを感じて気持ちを切り替えた。
「シリル様」
「なんだ? かゆいところでもあるのか?」
上機嫌な声色に、シリル様を振り返って手首を掴んだ。不思議そうな顔をしている彼を見ながら、軽く握られているスポンジに向けて手のひらを滑らせ、そっと抜き取る。
「ルートヴィヒ?」
「……今度は俺にさせてください」
言うと、シリル様の顔がみるみる赤くなる。顔どころか肌という肌の血色が一気によくなったように見えた。
「そ、それは」
「いけませんか?」
「そんなことはないが」
じっと見つめると、シリル様は膝を抱えるようにして身を縮めると、小さく「恥ずかしいな」と呟いた。
「俺も恥ずかしかったです。……シリル様のお身体は平均よりも寧ろよく鍛えられていて美しいと思いますが。あなたをそんなに苛むものがどこにあるのですか」
俯いて顔まで隠してしまったシリル様にそう言葉を重ねると、シリル様は大きくため息をついた。
「お前のその言葉も充分羞恥に値する」
恥ずかしそうにしつつも、はにかみながら顔を上げたシリル様にどきりとした。ぴく、と反応してしまったが、シリル様が囁いた。
「……お前に不埒な真似をされやしないかと、期待してしまうんだ」
早く次に行きたい、と言われて、俺はぐっと衝動を堪えた。
話し合いを終えて無くてよかった。風呂場でよかった。
でなければ、無我夢中で彼を押し倒していたかも知れない。
いとも容易く肌が触れ合い、濡れた肌はなめらかで刺激が強すぎる。多少の恥じらいこそみせてくださったものの、シリル様も似たような雰囲気だったのがより一層よろしくなかった。
二人で湯船に浸かる頃には、俺もシリル様もこのままどぎまぎとしているようでは持たないと気づいていたからか、自滅するような掛け合いはしなくなっていた。
「……両家での話し合いというのは、……今まさに行われているのでしょうか」
「であれば、お前はともかく私はここにいることは許されていないだろうな」
――すでに話はついている。後は形式的な部分と、両家や個人の交流程度だ。
頭では分かっていても、そしてその後にはいよいよシリル様と身体を繋ぐことになるのだと知っていても、据わりが悪い。それを思うことでシリル様への衝動を抑えているような節も否めないが、咎められることはなかった。
「事の発端は私の不始末だ。コナー家に対しこれ以上無闇に圧力をかけることはない」
そもそも同じ中立派だからな、とシリル様が息をつく。
「じっとしていると暑いな」
「出ましょうか」
「ああ。お前は疲れもあるからのぼせると身体に毒だ」
ざば、とシリル様が勢いよく立ち上がる。湯が跳ね、俺は片手で顔を拭いながら後に続いた。温まった身体は淡く色づき血色がよく、のぼせることよりも余程毒だと思った。
「明日……婦人方が出かけた頃合いで、というのが無難なタイミングだろうな」
ナイトガウンを羽織り、髪をタオルドライで乾かしながらシリル様が言う。気のせいか声色はいつもよりも低く思えた。
俺は、……俺も、シリル様に倣うように柔らかなタオルで髪を拭く。両手を動かしながら応えた。
「心しておきます」
「胃が痛いと席を外す手もあるぞ」
「それでは温泉施設にも行けないのでは?」
シリル様が言葉に詰まった。珍しいこともあるものだ。
腕がだるくなり、もういいかと手を止める。頭に被せるようにしていたタオルから顔を出すと、シリル様は首にタオルをかけ、その片端で口元を覆っていた。
良い言い訳を思案しているのかもしれない。が、本心はそこではないように思えてならなかった。
未だ水気を含み乱れたその髪をそっと整えながらシリル様の顔を見る。伏し目がちな表情は憂いを帯びているように見えた。
「あなたが不安に思うことがあるなら、それは俺には拭えないものなのだと思います。仮に今回家から関係を認められたとしてもそれは同じです」
「……」
彼の瞳がゆっくりと俺を見つめ返した。未だタオルで隠された口元は見えなかったが、俺は微笑むことができた。
「精一杯あなたに尽くしたい。その気持ちは変わっておりません」
そんな俺をどう見たのか、シリル様は一度眉をひそめるようにして強く目を閉じた後、くつりと笑った。そして、柔らかくも苦笑めいた顔でそっとため息を。
「――どうやら私は自分の感情に振り回されている場合ではないらしい。お前が私のためにと悪行に走らぬよう、務めるとしよう」
かわいらしくも頼もしくも見えるその表情と声に有耶無耶にされかけたが、決して褒め言葉とは言えない言い方に俺の顔は情けなくも渋面になった。……場合によっては、そうすることも厭わないのではないかと思ってしまったからだった。
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