3 / 3
3
しおりを挟む
「お前が倒れたら、このラピッドはどうするんだ?」
「そ、それは……」
グラビエルに痛いところを突かれてブランシュは呻いた。また、それはラピッドを家族として迎えるという信条にも反していた。
「……ねぇ、抱っこしていい?」
「別にいいけど……」
やわらかいぬくもりに、ブランシュの瞳からは、じわりと涙が溢れだした。
「な、泣くなよ……! お前が俺の嫁になればいいだけだろ……! 俺と結婚すれば、こいつもオマケでついてくるんだから……!」
「へ……? そ、それって……!?」
「いつも言ってんだろ、俺はお前が好きなんだよ……!」
ぼふんとブランシュの顔が真っ赤になった。
「……ほんとに? いつも冗談で言ってるのかと思ってたんだけど……」
「俺は冗談で言ったことなんか、一度もないぞ!?」
「そ、そうなんだ……!?」
グラビエルは真剣な顔つきで、ブランシュを見た。
「で、どーするんだよ? 言っておくが、友達からとかはだめだからな。付き合い長いんだし、俺の性格なんて分かってんだろ。結婚するか、しないかの二択から選べ。まぁ、結婚する以外の選択肢はやらねーけどな」
「ど、どうしよう……!?」
「迷うなら、俺にしとけよ。いっぱいうまい飯を食わせてやるぞ」
グラビエルは猛アプローチをして、数日後、ブランシュを口説き落とした。
「ほら、ブランシュ、あーんして」
「グ、グラビエル!こんなの、恥ずかしいよ……!? 私、ラピッドじゃないよ……!? ……あっ、これ美味しいね……!」
「だろ? 気に入ったなら、俺のもやるよ」
「いいの? ありがとう、グラビエル!」
グラビエルはブランシュの父親と同様、愛妻家となり、グラビエルとブランシュは周囲が羨むほど仲の良い夫婦となった。
「こっちにおいで、ルルー」
「いや、こっちにおいで! ほら、ルルの好物だよ!」
「餌で釣るなんなんて、ずるいや!」
その傍らには白い毛玉のラピッドが、幸せそうな顔で夫婦とその間に出来た子供達に愛されていた。
「そ、それは……」
グラビエルに痛いところを突かれてブランシュは呻いた。また、それはラピッドを家族として迎えるという信条にも反していた。
「……ねぇ、抱っこしていい?」
「別にいいけど……」
やわらかいぬくもりに、ブランシュの瞳からは、じわりと涙が溢れだした。
「な、泣くなよ……! お前が俺の嫁になればいいだけだろ……! 俺と結婚すれば、こいつもオマケでついてくるんだから……!」
「へ……? そ、それって……!?」
「いつも言ってんだろ、俺はお前が好きなんだよ……!」
ぼふんとブランシュの顔が真っ赤になった。
「……ほんとに? いつも冗談で言ってるのかと思ってたんだけど……」
「俺は冗談で言ったことなんか、一度もないぞ!?」
「そ、そうなんだ……!?」
グラビエルは真剣な顔つきで、ブランシュを見た。
「で、どーするんだよ? 言っておくが、友達からとかはだめだからな。付き合い長いんだし、俺の性格なんて分かってんだろ。結婚するか、しないかの二択から選べ。まぁ、結婚する以外の選択肢はやらねーけどな」
「ど、どうしよう……!?」
「迷うなら、俺にしとけよ。いっぱいうまい飯を食わせてやるぞ」
グラビエルは猛アプローチをして、数日後、ブランシュを口説き落とした。
「ほら、ブランシュ、あーんして」
「グ、グラビエル!こんなの、恥ずかしいよ……!? 私、ラピッドじゃないよ……!? ……あっ、これ美味しいね……!」
「だろ? 気に入ったなら、俺のもやるよ」
「いいの? ありがとう、グラビエル!」
グラビエルはブランシュの父親と同様、愛妻家となり、グラビエルとブランシュは周囲が羨むほど仲の良い夫婦となった。
「こっちにおいで、ルルー」
「いや、こっちにおいで! ほら、ルルの好物だよ!」
「餌で釣るなんなんて、ずるいや!」
その傍らには白い毛玉のラピッドが、幸せそうな顔で夫婦とその間に出来た子供達に愛されていた。
10
お気に入りに追加
8
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
皇帝陛下は身ごもった寵姫を再愛する
真木
恋愛
燐砂宮が雪景色に覆われる頃、佳南は紫貴帝の御子を身ごもった。子の未来に不安を抱く佳南だったが、皇帝の溺愛は日に日に増して……。※「燐砂宮の秘めごと」のエピローグですが、単体でも読めます。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる