女冒険者ミレイアの秘密【完結】

ちゃむにい

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7※スヴェン視点

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「自分ばっかり気持ち良くなってんじゃねーよ。もっと腰を動かせや」

パチン、と強く尻を叩かれ、女は艶かしい嬌声を上げた。

「あ? 尻叩かれて、いったのか? とんでもない痴女だな……!」

男は女が見せた痴態に、笑い声を漏らした。安い宿だ。壁はないに等しく、部屋で行われている性交の声も筒抜けだった。

(やっと見つけた……!)

その女の声を忘れるわけがなかった。それはスヴェンの恋人だった女の声だった。

届いた手紙を見て、必死で探し回ったが、町にミレイアの姿は既になかった。スヴェンはミレイアの手紙を握り潰した。

「……こんな紙切れ1枚で分かれるなんて、俺は認めないからな……!」

工房を閉め、ミレイアの足取りを辿って追いかけたが、かつて愛した女には悪い噂が流れていた。その噂が真実であることを、スヴェンは実際にその耳で確認した。

愛していた女は、ミレイアは、まるで娼婦のように男に抱かれていた。

「ミレイアに触れていいのは俺だけだ! ……俺以外の男は食ってやる……!」

スヴェンは、ミレイアが男に抱かれている部屋の扉に体当たりをして中に侵入した。部屋の中では突然の侵入者に、裸の男女が驚いた顔でスヴェンを――低い唸り声を出す魔狼を見た。

「魔狼……!? なぜ、こんなところに……!!」

魔狼はミレイアを置いて、我先に逃げようとする男を噛み殺し、怯えて震えるミレイアを咥えて、宿を後にした。

ミレイアからは様々な男の匂いがした。その体を貪る男は1人だけではなく複数いるのだろう。

(人間になると嗅覚が鈍くなる。そんなにミレイアが男好きだとは知らなかった……! 人間の性欲は個人差が大きいと、母上も言っていた。きっと俺がすぐに抱かなかったから、逃げられたんだ……!! こんなことなら、我慢するんじゃなかった!!)

男は人間ではなかった。

魔女が母親で、父親は魔狼だった。スヴェンという名前は母親が付けた名前だ。父親の遺伝のほうが色濃く出たため、母親に頼まないと人間になることは出来ない。

スヴェンの体躯は、兄弟の中で最も優れていた。魔狼は群れを形成するが、成獣になると、群れから出て独り立ちをするか、そのボスである父親を倒し、新たなボスになるしかなかった。

だからスヴェンは群れから出て独り立ちすることを選んだ。最も愛情を注いで育てた子であったためか、母親である魔女は寂しがっていたが、スヴェンは父親と母親のような関係に憧れていた。
スヴェンは誰かを懸想することもなく、初恋もまだだった。

群れの中に仲の良い姉妹は居たが、恋愛感情を抱くことはなかった。だから、群れから離れ、探すつもりだった。









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