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『負け犬の遠吠え(5)』

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結婚式が終わり、帰宅すると俺はエリーナを抱き上げ、真新しいベットに連れて行った。

顔を俯き、俺を見ようとしないエリーナに、愛していると伝えても、エリーナは目を潤ませるばかりだった。
けれども、エリーナの手を握ると、柔らかく握り返してくれた。

心が、喜びで満ちる。

ああ、もっと早く、こうすればよかった、と思う。
醜い感情に駆られて、やり返したところで何も得るところはなかった。けれど、こうなった事を、俺は感謝しないといけないのかもしれない。
回り道をしたからこそ、自分の気持ちに気が付けたのだから。

「エリーナ、抱きしめていい?」
「そ、そんな事、いちいち聞かないでよ……!」
「わかった」
「……!」

俺は思う存分抱きしめ、唇に触れるぐらいのキスをした。
けれども、それでは満足できず、エリーナの頭を手で掴んで固定し、呼吸を奪うかのような深い口づけを始める。
最初は抵抗があったが、舌を絡めると次第に抵抗も緩やかになり、唇を離す頃には寂しそうな瞳になっていた。

「もっとしたい?」

ぺろりとエリーナの舌を舐めると、ビクリと震える手に、笑顔が零れる。
顔を真っ赤にさせて体を逃れようとしていたので、組み敷いて鳴かせたいという欲がむくむくと膨らんできた。結婚式を終えたのだから、世間一般的には初夜だ。エリーナは名実共に俺の妻であり、遠慮するつもりはない。
だから、そのまま押し倒してやった。心と体を絡めとっておかないと、何時また逃げ出すかわからない、不安定な人だから、尚更だった。

エリーナが混乱している隙に乗じて、俺は彼女の身体にキスの雨を降らせた。逃げられないように体重をかけ、ドレスを脱がせると、露わになった白い乳房が視界に入った。
胸に顔を埋めると、ぷくりと立ち上がった乳首を舌で転がした。

よほど敏感になっているのか、触れる度に体を震わせる。
まるで体全体が性感帯のようだった。
エリーナの感じている声が聴きたくて、柔らかな乳房を揉みながら、感じやすいところを探るように、体の隅々を愛撫をした。

「や……やっぱりむり! だって……私、こんな……初めてで……」

花弁に入れる指の本数を増やすと、エリーナは弱弱しく呟いた。
こんなエリーナが見れるなんて、神様に感謝しないとなと思いつつ、俺は苦笑いしながら、エリーナのおでこにキスをして、耳元で囁いた。

「エリーナ、君が欲しい」
「……わたし、も……」

顔を近づけたら、涙を堪えたエリーナに上目遣いで見られて、頭をハンマーで殴られるほどの衝撃を受けた。エリーナの中を掻き回すと、次から次に愛液が溢れてくる。あのエリーナが俺が与える刺激に体を震わせ、自ら体を摺り寄せてくる。
これで抱かなければ男じゃない。

「エリーナ……! もう挿れるよ……!」
「ライアン……――あ、ぁッ!」

不安そうな瞳にキスをして、はち切れそうになっている肉棒で、ひくついている花弁を押し開く。
包まれる熱い感触に理性が崩れそうになる。
奥へ奥へと突き動かし、ついに根本まで入れた。

「や、だ、動かさな……あぁッ!」

優しく抱こうと思ってたが、エリーナの嬌声を聞くと、自分のものにたいという昏い劣情と、中に出して孕ませたいという生理的欲求に抗えなかった。
わざといやらしい音を立つように、腰を動かし続けた。

「あッ、あん……ッ、ぁ! も、許してぇ……!」

パンッパンッと奥まで貫く度に身悶えするエリーナが愛しくて、たまらない。
エリーナが俺で感じていると思うと、ぞくぞくとした。
卑猥な言葉を投げかける度に、きゅうきゅうと締め付けてくる。エリーナが喘げば喘ぐほど、痺れるような快感が迫ってくる。

「だめだよ、許さない。もっと俺を感じて」

幼い頃から好き嫌いが多く、ベジタリアンだったそうだが、何を食べたらこんな胸がでかくなるのだろうか。
たわわに育った乳房を揉みながら、激しい突き入れを繰り返し、得られる快感に我を忘れそうになる。
荒い呼吸音と、ぐちゃぐちゃと湿った卑猥な音が室内に響いた。
感じやすい体をしているのか、エリーナが俺の体に感じている顔――
最高だった。

「あッ、ぁ、も、もうだめぇ……おかしくなっちゃう!」
「エリーナ、可愛い」

褒め言葉に慣れていないのか、かぁっと耳まで真っ赤になる。
その可愛いらしい反応に、俺はエリーナの体を抱きしめ、乱れたエリーナの長い髪を撫でた。
もうエリーナの事しか考えられなくなっていた。

その夜、俺とエリーナはくたくたになるまで愛し合った。

とろとろに蕩けきって弛緩している胎内に欲望を注ぎ込む度に、魔力が混ざり合って逆流してくるのを感じた。噂では聞いた事があったが、よほど魔力同士の相性が良いのだろう。
まるで一体となるような心地よい感覚に、もっと欲しいと体が訴えてきた。

エリーナは、ほどなくして妊娠した。
新婚である事をいいことに、尽きる事のない欲望の赴くまま、昼夜を問わず抱いていたから当たり前ではあるのだが。
エリーナのご両親には、俺の好きな事をして良いと言われたので、その言葉に甘えて、俺はそれまでの経験を活かし、教職についた。

「ライアン、お疲れ様」
「パパ! おかえりなさい!」

慣れない仕事で、思春期の生徒を相手にするのは大変だったが、エリーナが隣にいて、可愛い子供たちが応援してくれるだけで、何でも出来るような気がした。

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