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落胆 ※エリー視点
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強靭な体、異常な性欲。
せめて、このボスから逃れることが出来れば違うのかもしれない。そう思うが、他のゴブリンをあてがわれる事はなくなった。どうやら私は、ボスの女となったらしい。
厄介なことに、人間に化けるスキルを得たゴブリンが居た。人間に擬態することで商人となり、王都で素材を売買して、安い獣人の奴隷を、合法的に暗闇の洞窟へ連れて来る。
まさか奴隷の女も、人間ではなくゴブリンに買われたとは、思いもしなかっただろう。奴隷印があるので、逆らうことも出来ない。
それこそ死ぬまで、巣穴で子を産む。
獣人は人間に差別されており、物扱いだ。
特に獣人の奴隷の売買は、貴族や富裕層の商人、それに農民などが、安価な労働力として頻繁に行う取引なので、追跡調査をすることもない。
そのため、巣穴には奴隷の女が増えてきた。
これならば、そのうち私に飽きるだろう。そんな目論見もあった。
だが、そうはならなかった。
奴隷の女の大半が見目麗しい少女だった。だが、ゴブリンのボスは、奴隷をすべて配下のゴブリンに与え、見向きもしなかった。
少しずつ、ボスが囲う女も増えていったが、私を抱くことはやめなかった。
ゴブリンの出産は1度に5、6匹が出てくる。
産まれて数秒で彼らは動き出し、我先にと乳首にかぶりつき、またあるものはゴブリンとしての本能か、母であるものと交わろうとする。
生存競争は産まれた瞬間から始まっているのだ。
私の股から小さなゴブリンが出てくると、ゴブリンのボスは雄たけびを上げて、新たな仲間を祝福した。
そして、ある時、ゴブリンのボスが進化した。
一回り大きくなり、私の上に跨った、その姿を見た時、悪寒が止まらなかった。ゴブリンなのに、ゴブリン以上の何かになった化け物が、そこにいた。
そして進化したからか、より猛る雄に、一晩中犯し尽くされ、もう無理だと思った。これは人間がかなう相手ではない。
万が一にも、人間の私が殺すことは無理なのだと、本能的に察してしまった。
私は生涯、このゴブリンの玩具なのだ。
それでも、屈することが、あきらめる事が出来なかった。
私だって何もしなかったわけじゃない。
何か1つだけでも光明を得たくて、足掻いた。
だが、ここでは経験値を得る術もない。
私は、ない知恵を絞り、浄化スキルを使うことで、地面に転がっている死にかけのゴブリンを殺した。ゴブリンは、思ったよりも安らかに、眠るように死んでいった。そうして、レベルを上げることで運良く鑑定スキルを入手した。
だが――
鑑定したところで、絶望が広がっているだけだった。
ボスに至っては、レベルが格上すぎて、ほとんど意味をなさなかった
それでも、秘かに牙を研ぎ澄まそうと、ゴブリンを浄化して殺していった。
けれど、時間が経てば経つほど、ゴブリンのボスは強くなっていった。巣穴は拡張を続け、手足が出せなくなりつつあった。
私は、ただただゴブリンのボスに犯され、妊娠出産を繰り返すだけとなった。流石の私も気が狂いそうになり、何度舌を噛み切ろうとしただろうか。
だが、体に危害を加えるような行為をしようとすると、体がまるで石で出来てるかのようにピクリとも動かなくなるのだ。
これはおかしい、と思った。
再度ゴブリンのボスを鑑定し、私は「精神支配」というスキルに着目した。見たことも聞いたこともないスキルだが、これが肝なのだと直感した。
おそらくそれは、いちどでもボスの精液を胎内にいれることで、スキルが発動されるのだろう。自分が望もうと望まないと、気が付かぬうちに私の体は、もうゴブリンのボスの物になってしまったのだ。
私はボスのスキルの影響で死ねないし、狂えなくなったのだ。それどころか、ボスを攻撃することすら出来なくなった。
――これではレベル上げをした意味がない。
その事に気がついた私は、悔しくて悔しくて泣いて過ごした。
もはや正攻法の突破は無理だ。ボスの策略に嵌ってしまった私では、もうこれ以上どうすることもできない。――それなら、もっと別のやり方を考えないといけない。
私はボスに向けた矛を収め、視点を変える事にした。
せめて、このボスから逃れることが出来れば違うのかもしれない。そう思うが、他のゴブリンをあてがわれる事はなくなった。どうやら私は、ボスの女となったらしい。
厄介なことに、人間に化けるスキルを得たゴブリンが居た。人間に擬態することで商人となり、王都で素材を売買して、安い獣人の奴隷を、合法的に暗闇の洞窟へ連れて来る。
まさか奴隷の女も、人間ではなくゴブリンに買われたとは、思いもしなかっただろう。奴隷印があるので、逆らうことも出来ない。
それこそ死ぬまで、巣穴で子を産む。
獣人は人間に差別されており、物扱いだ。
特に獣人の奴隷の売買は、貴族や富裕層の商人、それに農民などが、安価な労働力として頻繁に行う取引なので、追跡調査をすることもない。
そのため、巣穴には奴隷の女が増えてきた。
これならば、そのうち私に飽きるだろう。そんな目論見もあった。
だが、そうはならなかった。
奴隷の女の大半が見目麗しい少女だった。だが、ゴブリンのボスは、奴隷をすべて配下のゴブリンに与え、見向きもしなかった。
少しずつ、ボスが囲う女も増えていったが、私を抱くことはやめなかった。
ゴブリンの出産は1度に5、6匹が出てくる。
産まれて数秒で彼らは動き出し、我先にと乳首にかぶりつき、またあるものはゴブリンとしての本能か、母であるものと交わろうとする。
生存競争は産まれた瞬間から始まっているのだ。
私の股から小さなゴブリンが出てくると、ゴブリンのボスは雄たけびを上げて、新たな仲間を祝福した。
そして、ある時、ゴブリンのボスが進化した。
一回り大きくなり、私の上に跨った、その姿を見た時、悪寒が止まらなかった。ゴブリンなのに、ゴブリン以上の何かになった化け物が、そこにいた。
そして進化したからか、より猛る雄に、一晩中犯し尽くされ、もう無理だと思った。これは人間がかなう相手ではない。
万が一にも、人間の私が殺すことは無理なのだと、本能的に察してしまった。
私は生涯、このゴブリンの玩具なのだ。
それでも、屈することが、あきらめる事が出来なかった。
私だって何もしなかったわけじゃない。
何か1つだけでも光明を得たくて、足掻いた。
だが、ここでは経験値を得る術もない。
私は、ない知恵を絞り、浄化スキルを使うことで、地面に転がっている死にかけのゴブリンを殺した。ゴブリンは、思ったよりも安らかに、眠るように死んでいった。そうして、レベルを上げることで運良く鑑定スキルを入手した。
だが――
鑑定したところで、絶望が広がっているだけだった。
ボスに至っては、レベルが格上すぎて、ほとんど意味をなさなかった
それでも、秘かに牙を研ぎ澄まそうと、ゴブリンを浄化して殺していった。
けれど、時間が経てば経つほど、ゴブリンのボスは強くなっていった。巣穴は拡張を続け、手足が出せなくなりつつあった。
私は、ただただゴブリンのボスに犯され、妊娠出産を繰り返すだけとなった。流石の私も気が狂いそうになり、何度舌を噛み切ろうとしただろうか。
だが、体に危害を加えるような行為をしようとすると、体がまるで石で出来てるかのようにピクリとも動かなくなるのだ。
これはおかしい、と思った。
再度ゴブリンのボスを鑑定し、私は「精神支配」というスキルに着目した。見たことも聞いたこともないスキルだが、これが肝なのだと直感した。
おそらくそれは、いちどでもボスの精液を胎内にいれることで、スキルが発動されるのだろう。自分が望もうと望まないと、気が付かぬうちに私の体は、もうゴブリンのボスの物になってしまったのだ。
私はボスのスキルの影響で死ねないし、狂えなくなったのだ。それどころか、ボスを攻撃することすら出来なくなった。
――これではレベル上げをした意味がない。
その事に気がついた私は、悔しくて悔しくて泣いて過ごした。
もはや正攻法の突破は無理だ。ボスの策略に嵌ってしまった私では、もうこれ以上どうすることもできない。――それなら、もっと別のやり方を考えないといけない。
私はボスに向けた矛を収め、視点を変える事にした。
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