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理想と現実
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「あ゛ー……C、めちゃくちゃ良かったなあ……」
もとの世界に帰ってきて、日常が戻ってきたけど、時間が経てば経つほど、俺はCを抱いた日のことが忘れられないでいた。
好奇心に駆られて、やってしまったが、いっそ、知らないままのほうが良かったのだろうか。何事もなかったかのように振舞うCが、憎らしかった。伴侶に相応しい相手が身近に居て、抱くことが出来ない。
俺にとっては、生殺しに近かった。
あれは人間の女に変化したCだって分かってるけど、それでもやばいぐらい興奮した。そもそも、俺が妊娠可能な女を抱くなんて、奇跡に近い。そのまま妊娠して欲しかったから、別に避妊薬なんて飲まなくていいだろと思っていたが、儀式には胎児を使う。大丈夫だとは思うが、万が一Cがそれに該当してしまったら、母子共々どうなるかわからない。
確実にこちらの世界へ戻れる保証もなかった。
Cも「こんなところで妊娠なんて出来ません」と不安を訴えていた。その気持ちは分かるから、Cが望むままに薬を手渡したけど、正直、中身は別のものにすり替えたいぐらいだった。別に俺は、あの世界への拘りはなかったし、親父の故郷が嫌いではなかった。美味いものもあるし、ゲームも漫画も読み放題だ。
住処とする上で、不都合はない。Cを妊娠させ、そのままその世界に居ついたって構わなかった。
一応「あっちに戻ったら、俺の子供を妊娠してくれんの?」と聞いたら、Cは「開いた口が塞がりませんね」と激怒して、露骨に俺を避けるようになった。
その後、俺の機嫌が悪いから何とかしてくれと、親父殿が仲介したらしく、その態度は軟化した。ただ、Cとホテルに泊まる際は「部屋は別です。これだけは譲れません」と言い張って、それからは同じ部屋で寝ることもなくなった。
「Cと同じ部屋がいい」と言っても「貴方といるほうが、私の身が危ないんですよ。朝になったら電話しますから」と押し問答になった。あいつがベットにいたら、手を出さないとは誓えないし、むしろ積極的に襲いたいぐらいだったから、確かにCの立場に立ってみたら、そうなのかもしれない。
ラストヘルムに戻ってきてから、Cとは数週間ほど逢ってない。半年近く、ラストヘルムを留守にしていたわけで、事後処理が多く、忙しいのかもしれないけど、Cとの接点を失ったのは痛い。
以前もCと対立して、数年単位で顔を合わせない時期があった。それだけの権力をCは持ち合わせている。もっともらしい理由を付けて、俺をCの目に触れないほど、遠方に派遣しまくればいいのだから。
Cは俺と何十年顔を合わさなくても平気なんだろうし、気にしないんだろう。
これは俺の怠慢が招いた事態だ。ずっと面倒な仕事をCに押し付けて、自分がしたい仕事しかしてこなかった。
元々俺とCは、犬猿の仲なのだ。俺はCを伴侶にしたいけど、Cは違う。
Cにとって、俺に抱かれるというのは認めたくないし、意に沿わないことだろう。Cは俺との関係を清算したがっている。
ただ、時が過ぎ去り、関係を風化させようとしている気がした。
Cを抱く快楽を知る以前であれば「仕方ねぇなあ」とあきらめ、放っておくところだが、それは今の俺には耐えられないことだった。
「俺、おかしくなったんかなー……。Cが可愛く見える……。なんで食えもしない男のケツを追いかけないといけねぇんだ……」
まるで魔法にかかったみたいだ。
抱きたいなら、あの時みたいに、無理やりやればいい。俺には、それだけの力がある。だが、違うのだ。出来ることならVとQみたいな関係になりたい。
これまでは惚気話を聞いても、ふーんとしか思わなかったが、今聞くと、死ぬほど羨ましい。VとQが伴侶になってから、かなり時間が経つが、未だにこの2匹は仲が良い。話を聞けば聞くほど、俺もCとそうなりたいと思うようになった。
もとの世界に帰ってきて、日常が戻ってきたけど、時間が経てば経つほど、俺はCを抱いた日のことが忘れられないでいた。
好奇心に駆られて、やってしまったが、いっそ、知らないままのほうが良かったのだろうか。何事もなかったかのように振舞うCが、憎らしかった。伴侶に相応しい相手が身近に居て、抱くことが出来ない。
俺にとっては、生殺しに近かった。
あれは人間の女に変化したCだって分かってるけど、それでもやばいぐらい興奮した。そもそも、俺が妊娠可能な女を抱くなんて、奇跡に近い。そのまま妊娠して欲しかったから、別に避妊薬なんて飲まなくていいだろと思っていたが、儀式には胎児を使う。大丈夫だとは思うが、万が一Cがそれに該当してしまったら、母子共々どうなるかわからない。
確実にこちらの世界へ戻れる保証もなかった。
Cも「こんなところで妊娠なんて出来ません」と不安を訴えていた。その気持ちは分かるから、Cが望むままに薬を手渡したけど、正直、中身は別のものにすり替えたいぐらいだった。別に俺は、あの世界への拘りはなかったし、親父の故郷が嫌いではなかった。美味いものもあるし、ゲームも漫画も読み放題だ。
住処とする上で、不都合はない。Cを妊娠させ、そのままその世界に居ついたって構わなかった。
一応「あっちに戻ったら、俺の子供を妊娠してくれんの?」と聞いたら、Cは「開いた口が塞がりませんね」と激怒して、露骨に俺を避けるようになった。
その後、俺の機嫌が悪いから何とかしてくれと、親父殿が仲介したらしく、その態度は軟化した。ただ、Cとホテルに泊まる際は「部屋は別です。これだけは譲れません」と言い張って、それからは同じ部屋で寝ることもなくなった。
「Cと同じ部屋がいい」と言っても「貴方といるほうが、私の身が危ないんですよ。朝になったら電話しますから」と押し問答になった。あいつがベットにいたら、手を出さないとは誓えないし、むしろ積極的に襲いたいぐらいだったから、確かにCの立場に立ってみたら、そうなのかもしれない。
ラストヘルムに戻ってきてから、Cとは数週間ほど逢ってない。半年近く、ラストヘルムを留守にしていたわけで、事後処理が多く、忙しいのかもしれないけど、Cとの接点を失ったのは痛い。
以前もCと対立して、数年単位で顔を合わせない時期があった。それだけの権力をCは持ち合わせている。もっともらしい理由を付けて、俺をCの目に触れないほど、遠方に派遣しまくればいいのだから。
Cは俺と何十年顔を合わさなくても平気なんだろうし、気にしないんだろう。
これは俺の怠慢が招いた事態だ。ずっと面倒な仕事をCに押し付けて、自分がしたい仕事しかしてこなかった。
元々俺とCは、犬猿の仲なのだ。俺はCを伴侶にしたいけど、Cは違う。
Cにとって、俺に抱かれるというのは認めたくないし、意に沿わないことだろう。Cは俺との関係を清算したがっている。
ただ、時が過ぎ去り、関係を風化させようとしている気がした。
Cを抱く快楽を知る以前であれば「仕方ねぇなあ」とあきらめ、放っておくところだが、それは今の俺には耐えられないことだった。
「俺、おかしくなったんかなー……。Cが可愛く見える……。なんで食えもしない男のケツを追いかけないといけねぇんだ……」
まるで魔法にかかったみたいだ。
抱きたいなら、あの時みたいに、無理やりやればいい。俺には、それだけの力がある。だが、違うのだ。出来ることならVとQみたいな関係になりたい。
これまでは惚気話を聞いても、ふーんとしか思わなかったが、今聞くと、死ぬほど羨ましい。VとQが伴侶になってから、かなり時間が経つが、未だにこの2匹は仲が良い。話を聞けば聞くほど、俺もCとそうなりたいと思うようになった。
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