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マリアの献身愛~貢ぐ女と言われて~【R18】
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「ごめんなさい。私、男の人と付き合うつもりがないの」
魔術師のマリアは、今は恋愛をするつもりがないことを伝え、告白を断った。
その話を聞いたマリアの友人は、ため息をつきながら「そろそろ貴方も結婚を考えないといけない年齢よ? あの男に貢ぎ過ぎて貯金も出来ていないんでしょ。今すぐ冒険者はやめるべきよ。貴方のためにならないわ。人生を棒に振るつもり?」とマリアにとって耳の痛いことを言った。
「心配してくれて、ありがとう。でも、私は勇者様に恩があるから……」
マリアは勇者に生まれ育った村を救われた。勇者のおかげで、愛する両親と姉妹が救われた。
(私が居なくても、お母様とお父様には、しっかり者の姉と可愛い妹達がいるから大丈夫)
それはマリアにとって、返しても返しきれない恩だった。マリアは「この命をすべて捧げます。だから、お願いします。家族を、村を、お救いください……!」と神に祈った。神様は救ってくれなかったが、勇者が救ってくれた。マリアは神様が勇者を遣わしてくれたのだと思った。
だからこそ、マリアは勇者にすべてを捧げることに決めた。
マリアの両親は人間だが、マリアの祖母はハーフエルフで、先祖返りなのかマリアの耳も尖っていた。そのためか、魔力も高く、だからこそ勇者の力になれると思った。
マリアは、まだ仲間の居なかった勇者に自ら志願し、パーティに加えて貰った。
それからのマリアは、血の滲むような努力をした。そうでなければ勇者のパーティから追い出されてしまう。マリアの代わりなど、いくらでもいた。
マリアは勇者の片腕として、気の休まらない日々が続いた。そんな生活が数年続いた。その間に色々な出来事があったが、無事に勇者は魔王を倒すことが出来た。
「2人だけなんて、久しぶりですね。誰かパーティに入れますか?」
「いや、しばらくは2人のままでいい」
魔王を倒すという最大の目的を達成して、他のメンバーは離脱していき、最終的にマリアだけが残った。
「おい、そんな飯で腹は持つのか?」
マリアはパーティのメンバーに分配されるお金も、勇者のために使った。それは魔王を倒した後も同じだった。2人だけになったからか、勇者はマリアのことをよく見るようになった。
「はい。問題はありません。あまり食べてしまうと逆に動きにくくなりますし」
「……そうか。俺、魚は嫌いだから、食ってくれ」
マリアは故郷にいた頃と同じような質素な食事を済ませ、報酬はすべて勇者に貢いでいた。
代わり映えのしない依頼を、2人で淡々とこなしていた。あまり変わらない日々だったが、ゴブリンの群れを討伐した後、勇者とマリアは鈍い光を放つ宝箱を見つけた。
「な、なにこれ……!」
大抵の事には動ずることがなく、仲間にも「肝が据わっている」と評価されていたマリアだったが、さすがにそれには驚愕した。
宝箱の中身は指輪だった。鑑定してみた結果、呪われていないようだったので、試しにマリアが人差し指に着けてみたが、いきなり上着のボタンが弾け飛ぶほど胸が肥大化した。
それは、指にはめると胸が大きくなるという、ゴブリンの秘宝だった。
「これ、絶対に高く売れますよね、勇者様……!」
「欲しいやつはいっぱいいそうだな」
指輪を外してみると胸は元の大きさに戻った。再び指に嵌めると、また胸は大きくなった。まるで夢のような指輪の効果に、勇者も興味津々だった。
「マリア。これ、触ってみてもいいか?」
「は、はい」
勇者に対してイエス以外言ったことのないマリアは、無防備に胸を差し出した。ボタンが弾け飛んだとはいえ、それほど露出がなかったからこそ、抵抗感がなかったのかもしれない。
マリアにとって、その行為は純粋に指輪の効果を確認するためのものだった。
「……ひゃっ!」
マリアは服の上から胸を揉まれ、必死に声を抑えようとしたが、乳首をこりこりと転がされ、悲鳴を上げた。
「思ったよりも、柔らかいな。色はどうなっている?」
「ゆ、勇者様……!」
「綺麗なピンク色だ。……乳輪はそれほど大きくないな」
勇者は、マリアの下着の中に両手を入れ、その大きな胸を揉んで堪能した。最初は興味本位だったのかもしれないが、勇者はマリアの胸の触り心地に魅了され、興奮しているようだった。
マリアの大きくなった胸は、無理やり下着を剥がされ、勇者の目に晒されることになった。乳首を舐められ、吸い付かれ、生暖かい勇者の舌と唇の感触に、マリアは混乱した。
勇者はマリアに「やりたい」と告げた。マリアは男性と付き合った経験がなく、性の知識に乏しかった。「何をやりたいのですか?」とマリアは勇者に聞いた。
「セックスしたい、お前と」
「そ、それって……!? まさか、赤ちゃんを作る行為ですか……!? わ、私と……!?」
「お前以外に誰がいるんだ、ここに?」
いくら鈍いマリアでも、勇者のストレートな言葉に驚き、頬を染めた。
それからの勇者の行動は早かった。
勇者はマリアを抱き上げ、近くにあったゴブリンの寝床にマリアを置いて、組み敷いた。
狼狽えるマリアの太腿を掴み、左右に広げると、硬く勃ち上がった肉棒を挿入しようとしたが、あまりにそこは狭く、侵入を拒んだ。
「まだ、だめか」
勇者は舌打ちをすると、そこに舌を入れた。マリアから熱い吐息が漏れるようになった頃、ようやく解れたそこに勇者は己の物を捻じ込んだ。
「あっ……! 痛い、痛いです、勇者様……!」
「初めてなら当たり前だ。少し我慢しろ」
勇者はマリアの叫びを無視して、腰を動かした。舌と体が絡み合い、マリアは涙目で勇者の体にしがみ付き、恐怖に慄いた。
「勇者様、こ、こんなことをしたら、赤ちゃんが出来ちゃいます……!」
「赤ん坊か。2、3人ぐらい欲しいな」
勇者は「中に出すぞ」と言って、マリアの中に射精をした。
「あぁっ……!」
マリアは泣き始めた。
これで勇者との旅は終わるかもしれない。今まで、何人もの仲間が、恋愛をし、結婚するためにパーティを離脱していったのを見てきた。
だが、勇者とマリアは恋愛をしているわけでも、結婚の約束をしているわけでもない。
(妊娠したら1人で育てなきゃ……)
マリアは強引に事を為した勇者を責めることはなかった。その代わり、未婚のまま、一人で赤ん坊を産み、育てる覚悟をした。
マリアにとって、敬愛してやまない勇者の子供を授かるのなら、それはそれで嬉しいことだったが、妊娠してしまったら今までのように勇者のサポートが出来なくなることが悲しかった。
マリアは、その日を境に、勇者に抱かれるようになった。元々従順だったので、勇者に「自分で挿れてみろ」と言われると、命じられた通りにした。勇者が「抱きたい」と言えば、マリアはそれを断ることが出来ず、ずちゅずちゅと淫らな水音を響かせながら、甘い声を上げて喘いだ。
すぐに体は勇者が与える快楽に順応し、熱く蕩けるようになった。お互いの肉体を貪るように体を重ね、自ら腰を動かすようになってしまった。
「やっぱり……」
避妊をしたことがなかったので、何時かはその日が来るだろうとは思っていたが、案外その日は早く訪れた。
マリアは勇者の子を身籠った。吐き気が辛く、戦える体ではなくなったマリアは、パーティの離脱を勇者に求めたが、「そんなこと認めるわけないだろ」と一蹴された。
(なんで……!? 臨月になるまでダメなの……? 今のままだと、私はただのお荷物なのに……!)
つわりと戦いながら、マリアは今までのように勇者を優先した生活を続けた。そして、ついに陣痛がきた時、マリアは勇者が借りている家の中で赤子を産んだ。
「可愛い……! いい匂いがする……!」
勇者との子供は、例えようがないほど可愛くて、マリアは子供に夢中になった。子供は女の子だった。どんな名前にしようか迷っていたが、勇者がハンナと名付けてくれた。
「貴方、幸せ者ね。勇者様に名付けて貰えるだなんて!」
マリアは幸せだった。ハンナが産まれた日から、ハンナが生活の中心になった。
(お母様とお父様に子供を見せたい。私が村で育ったように、子供を村で育てたいな)
自然と故郷が懐かしくなり、マリアは勇者に「勇者様、私は故郷に戻ろうと思います」と別れを告げた。
勇者はハンナを抱き上げながら「そうしようか」とだけ言った。マリアは、これですべてが終わったんだな、と思った。
(私は、勇者様のお力になれたでしょうか……)
出来ることなら、生命が尽きるその時まで、傍に居たかった。でもそれは、もう自分の役目ではないようだ。勇者様なら、すぐにマリアの代わりを見つけることは出来る。
そう思いながら、旅立ちの日を迎えた。
「あの……、勇者様……?」
なぜかマリアの隣には勇者がいた。
「なんだ?」
「私の故郷に行くおつもりなんですか?」
「当たり前だ。俺がいなければ、大変だろう」
「そ、そうですね……」
勇者の食事を用意するのはマリアの役割だった。けれど、つわりが酷くなってからは、食事を用意してくれたのは勇者だった。それは授乳などで子供の世話に忙しくなってからも、変わらなかった。
(そうか。故郷に着くまでは、お手伝いをしてくれるつもりなのかな?)
長距離の移動は大変だ。それが乳飲み子連れなら猶更だ。マリアは特に深く考えることなく、勇者の同行に納得した。
だが、故郷の村に着いても、勇者は出て行く素振りがなかった。
勇者を勇者だと知らない友人は、マリアの隣で赤子を抱いている勇者を見て「旦那さんカッコイイね!」と言った。マリアはその言葉にギョっとした。
「ご、ごめんなさい、勇者様……!」
慌てて勇者に非礼を詫びたが、勇者は「なぜ謝る必要がある?」と訝し気な顔をした。
勇者は爽やかな笑顔を浮かべると「妻がお世話になっています」と言った。
(えっ……!? 今、なんて言ったの……!?)
マリアは、口をあんぐりとあけて、勇者の言葉に腰を抜かした。
「勇者様……!? 嘘は言わなくても大丈夫ですよ……! 私は一人でハンナを育てるので……!」
マリアは、友人には聞こえないように、勇者の耳元で囁いた。
「は? 何を言っているんだ? ハンナは俺の子供なんだから、俺も育てる。そうじゃなきゃ妊娠なんてさせるわけねぇだろ」
「で、ですが、赤子連れでは勇者様のご迷惑に……」
「俺は勇者である前に、一人の男だ。そろそろ家庭だって持ってもいいだろ、魔王だって倒したんだし」
結婚届けは出してきたからな、と勇者はマリアに言った。
「そろそろ2人目が欲しいな。子供がこんなに可愛いとは思っていなかった。2、3人欲しいとは思っていたが、もっと欲しいぐらいだ。ハンナが寝ている間がチャンスだ。やるぞ」
「え……? え……!?」
マリアは引きずられるようにして寝室に連れ込まれた。
「勇者様、乳首ばっかり弄らないで……!」
「あぁ、こっちを弄って欲しいのか?」
「そ、そういうわけでは……!」
「じゃあ、両方弄ってやるよ。でも声は抑えろよ。ハンナが起きてしまうからな」
ぐじゅぐじゅとした、いやらしい音に、マリアの体は敏感に反応して、愛液を溢れさせた。旦那となった勇者に何度も愛され、マリアは第二子を懐妊した。
魔術師のマリアは、今は恋愛をするつもりがないことを伝え、告白を断った。
その話を聞いたマリアの友人は、ため息をつきながら「そろそろ貴方も結婚を考えないといけない年齢よ? あの男に貢ぎ過ぎて貯金も出来ていないんでしょ。今すぐ冒険者はやめるべきよ。貴方のためにならないわ。人生を棒に振るつもり?」とマリアにとって耳の痛いことを言った。
「心配してくれて、ありがとう。でも、私は勇者様に恩があるから……」
マリアは勇者に生まれ育った村を救われた。勇者のおかげで、愛する両親と姉妹が救われた。
(私が居なくても、お母様とお父様には、しっかり者の姉と可愛い妹達がいるから大丈夫)
それはマリアにとって、返しても返しきれない恩だった。マリアは「この命をすべて捧げます。だから、お願いします。家族を、村を、お救いください……!」と神に祈った。神様は救ってくれなかったが、勇者が救ってくれた。マリアは神様が勇者を遣わしてくれたのだと思った。
だからこそ、マリアは勇者にすべてを捧げることに決めた。
マリアの両親は人間だが、マリアの祖母はハーフエルフで、先祖返りなのかマリアの耳も尖っていた。そのためか、魔力も高く、だからこそ勇者の力になれると思った。
マリアは、まだ仲間の居なかった勇者に自ら志願し、パーティに加えて貰った。
それからのマリアは、血の滲むような努力をした。そうでなければ勇者のパーティから追い出されてしまう。マリアの代わりなど、いくらでもいた。
マリアは勇者の片腕として、気の休まらない日々が続いた。そんな生活が数年続いた。その間に色々な出来事があったが、無事に勇者は魔王を倒すことが出来た。
「2人だけなんて、久しぶりですね。誰かパーティに入れますか?」
「いや、しばらくは2人のままでいい」
魔王を倒すという最大の目的を達成して、他のメンバーは離脱していき、最終的にマリアだけが残った。
「おい、そんな飯で腹は持つのか?」
マリアはパーティのメンバーに分配されるお金も、勇者のために使った。それは魔王を倒した後も同じだった。2人だけになったからか、勇者はマリアのことをよく見るようになった。
「はい。問題はありません。あまり食べてしまうと逆に動きにくくなりますし」
「……そうか。俺、魚は嫌いだから、食ってくれ」
マリアは故郷にいた頃と同じような質素な食事を済ませ、報酬はすべて勇者に貢いでいた。
代わり映えのしない依頼を、2人で淡々とこなしていた。あまり変わらない日々だったが、ゴブリンの群れを討伐した後、勇者とマリアは鈍い光を放つ宝箱を見つけた。
「な、なにこれ……!」
大抵の事には動ずることがなく、仲間にも「肝が据わっている」と評価されていたマリアだったが、さすがにそれには驚愕した。
宝箱の中身は指輪だった。鑑定してみた結果、呪われていないようだったので、試しにマリアが人差し指に着けてみたが、いきなり上着のボタンが弾け飛ぶほど胸が肥大化した。
それは、指にはめると胸が大きくなるという、ゴブリンの秘宝だった。
「これ、絶対に高く売れますよね、勇者様……!」
「欲しいやつはいっぱいいそうだな」
指輪を外してみると胸は元の大きさに戻った。再び指に嵌めると、また胸は大きくなった。まるで夢のような指輪の効果に、勇者も興味津々だった。
「マリア。これ、触ってみてもいいか?」
「は、はい」
勇者に対してイエス以外言ったことのないマリアは、無防備に胸を差し出した。ボタンが弾け飛んだとはいえ、それほど露出がなかったからこそ、抵抗感がなかったのかもしれない。
マリアにとって、その行為は純粋に指輪の効果を確認するためのものだった。
「……ひゃっ!」
マリアは服の上から胸を揉まれ、必死に声を抑えようとしたが、乳首をこりこりと転がされ、悲鳴を上げた。
「思ったよりも、柔らかいな。色はどうなっている?」
「ゆ、勇者様……!」
「綺麗なピンク色だ。……乳輪はそれほど大きくないな」
勇者は、マリアの下着の中に両手を入れ、その大きな胸を揉んで堪能した。最初は興味本位だったのかもしれないが、勇者はマリアの胸の触り心地に魅了され、興奮しているようだった。
マリアの大きくなった胸は、無理やり下着を剥がされ、勇者の目に晒されることになった。乳首を舐められ、吸い付かれ、生暖かい勇者の舌と唇の感触に、マリアは混乱した。
勇者はマリアに「やりたい」と告げた。マリアは男性と付き合った経験がなく、性の知識に乏しかった。「何をやりたいのですか?」とマリアは勇者に聞いた。
「セックスしたい、お前と」
「そ、それって……!? まさか、赤ちゃんを作る行為ですか……!? わ、私と……!?」
「お前以外に誰がいるんだ、ここに?」
いくら鈍いマリアでも、勇者のストレートな言葉に驚き、頬を染めた。
それからの勇者の行動は早かった。
勇者はマリアを抱き上げ、近くにあったゴブリンの寝床にマリアを置いて、組み敷いた。
狼狽えるマリアの太腿を掴み、左右に広げると、硬く勃ち上がった肉棒を挿入しようとしたが、あまりにそこは狭く、侵入を拒んだ。
「まだ、だめか」
勇者は舌打ちをすると、そこに舌を入れた。マリアから熱い吐息が漏れるようになった頃、ようやく解れたそこに勇者は己の物を捻じ込んだ。
「あっ……! 痛い、痛いです、勇者様……!」
「初めてなら当たり前だ。少し我慢しろ」
勇者はマリアの叫びを無視して、腰を動かした。舌と体が絡み合い、マリアは涙目で勇者の体にしがみ付き、恐怖に慄いた。
「勇者様、こ、こんなことをしたら、赤ちゃんが出来ちゃいます……!」
「赤ん坊か。2、3人ぐらい欲しいな」
勇者は「中に出すぞ」と言って、マリアの中に射精をした。
「あぁっ……!」
マリアは泣き始めた。
これで勇者との旅は終わるかもしれない。今まで、何人もの仲間が、恋愛をし、結婚するためにパーティを離脱していったのを見てきた。
だが、勇者とマリアは恋愛をしているわけでも、結婚の約束をしているわけでもない。
(妊娠したら1人で育てなきゃ……)
マリアは強引に事を為した勇者を責めることはなかった。その代わり、未婚のまま、一人で赤ん坊を産み、育てる覚悟をした。
マリアにとって、敬愛してやまない勇者の子供を授かるのなら、それはそれで嬉しいことだったが、妊娠してしまったら今までのように勇者のサポートが出来なくなることが悲しかった。
マリアは、その日を境に、勇者に抱かれるようになった。元々従順だったので、勇者に「自分で挿れてみろ」と言われると、命じられた通りにした。勇者が「抱きたい」と言えば、マリアはそれを断ることが出来ず、ずちゅずちゅと淫らな水音を響かせながら、甘い声を上げて喘いだ。
すぐに体は勇者が与える快楽に順応し、熱く蕩けるようになった。お互いの肉体を貪るように体を重ね、自ら腰を動かすようになってしまった。
「やっぱり……」
避妊をしたことがなかったので、何時かはその日が来るだろうとは思っていたが、案外その日は早く訪れた。
マリアは勇者の子を身籠った。吐き気が辛く、戦える体ではなくなったマリアは、パーティの離脱を勇者に求めたが、「そんなこと認めるわけないだろ」と一蹴された。
(なんで……!? 臨月になるまでダメなの……? 今のままだと、私はただのお荷物なのに……!)
つわりと戦いながら、マリアは今までのように勇者を優先した生活を続けた。そして、ついに陣痛がきた時、マリアは勇者が借りている家の中で赤子を産んだ。
「可愛い……! いい匂いがする……!」
勇者との子供は、例えようがないほど可愛くて、マリアは子供に夢中になった。子供は女の子だった。どんな名前にしようか迷っていたが、勇者がハンナと名付けてくれた。
「貴方、幸せ者ね。勇者様に名付けて貰えるだなんて!」
マリアは幸せだった。ハンナが産まれた日から、ハンナが生活の中心になった。
(お母様とお父様に子供を見せたい。私が村で育ったように、子供を村で育てたいな)
自然と故郷が懐かしくなり、マリアは勇者に「勇者様、私は故郷に戻ろうと思います」と別れを告げた。
勇者はハンナを抱き上げながら「そうしようか」とだけ言った。マリアは、これですべてが終わったんだな、と思った。
(私は、勇者様のお力になれたでしょうか……)
出来ることなら、生命が尽きるその時まで、傍に居たかった。でもそれは、もう自分の役目ではないようだ。勇者様なら、すぐにマリアの代わりを見つけることは出来る。
そう思いながら、旅立ちの日を迎えた。
「あの……、勇者様……?」
なぜかマリアの隣には勇者がいた。
「なんだ?」
「私の故郷に行くおつもりなんですか?」
「当たり前だ。俺がいなければ、大変だろう」
「そ、そうですね……」
勇者の食事を用意するのはマリアの役割だった。けれど、つわりが酷くなってからは、食事を用意してくれたのは勇者だった。それは授乳などで子供の世話に忙しくなってからも、変わらなかった。
(そうか。故郷に着くまでは、お手伝いをしてくれるつもりなのかな?)
長距離の移動は大変だ。それが乳飲み子連れなら猶更だ。マリアは特に深く考えることなく、勇者の同行に納得した。
だが、故郷の村に着いても、勇者は出て行く素振りがなかった。
勇者を勇者だと知らない友人は、マリアの隣で赤子を抱いている勇者を見て「旦那さんカッコイイね!」と言った。マリアはその言葉にギョっとした。
「ご、ごめんなさい、勇者様……!」
慌てて勇者に非礼を詫びたが、勇者は「なぜ謝る必要がある?」と訝し気な顔をした。
勇者は爽やかな笑顔を浮かべると「妻がお世話になっています」と言った。
(えっ……!? 今、なんて言ったの……!?)
マリアは、口をあんぐりとあけて、勇者の言葉に腰を抜かした。
「勇者様……!? 嘘は言わなくても大丈夫ですよ……! 私は一人でハンナを育てるので……!」
マリアは、友人には聞こえないように、勇者の耳元で囁いた。
「は? 何を言っているんだ? ハンナは俺の子供なんだから、俺も育てる。そうじゃなきゃ妊娠なんてさせるわけねぇだろ」
「で、ですが、赤子連れでは勇者様のご迷惑に……」
「俺は勇者である前に、一人の男だ。そろそろ家庭だって持ってもいいだろ、魔王だって倒したんだし」
結婚届けは出してきたからな、と勇者はマリアに言った。
「そろそろ2人目が欲しいな。子供がこんなに可愛いとは思っていなかった。2、3人欲しいとは思っていたが、もっと欲しいぐらいだ。ハンナが寝ている間がチャンスだ。やるぞ」
「え……? え……!?」
マリアは引きずられるようにして寝室に連れ込まれた。
「勇者様、乳首ばっかり弄らないで……!」
「あぁ、こっちを弄って欲しいのか?」
「そ、そういうわけでは……!」
「じゃあ、両方弄ってやるよ。でも声は抑えろよ。ハンナが起きてしまうからな」
ぐじゅぐじゅとした、いやらしい音に、マリアの体は敏感に反応して、愛液を溢れさせた。旦那となった勇者に何度も愛され、マリアは第二子を懐妊した。
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