如月万里は寒がりです

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 このお店で作られている干し柿が万里ばんりは大好きで、食べれば目覚めるかもと思って買いに来た。

 この時間に一人で来ようとしたのは大勝たいしょう文音あやねに会いたかったから。
 万里ばんりは干し柿を買いに行く時はいつも、文音あやねと話せるようにこの時間を狙って大勝たいしょうを誘ってくれた。その時の万里ばんり大勝たいしょうの後ろにいてほとんど話さない。

 でも今は里奈にプロデュースされた見た目でこの中身。言い寄られて喜ばない人などいないと大勝たいしょうは怖かった。

 いや大丈夫だと大勝たいしょうは自分に言い聞かせた。文音あやねは見た目が変わっていく万里ばんりの様子を見ているし特別ときめいている様子は無かったじゃないかと。

 そう考えて気が付いた。
 万里ばんりは母方の実家にはあまり行っていないと言ったらしい。
 盆暮れだけではなく、祖母の誕生日や母の日、敬老の日、見た目が変わっていく段階を文音あやねが見れる程の頻度でこの町に来ている。どうしてそんなことを言ったのかと理由を考える。

 この状況を万里ばんりはどれくらい予測できていたんだろう。
 漠然と不審に思ってこの町に近付かせないようにしたかったのか。
 夢に堕とされることまで気付いていて、裏をかいて大好きなこの町に来るように仕向けて起きようとしているのか。

 文音あやねを巻き込みたくはないし万里ばんりの好物は他にもある。
 大勝たいしょうはそれ以上お店に近付かずに引き返した。
 それに一番好きなのはこの町で過ごすお正月。初詣に行けば起きるような気がしていた。
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