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兄ちゃんマジゆるふにゃぁ……
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* 愛心 *
そうだ、夜這いをしよう。
愛心は決め顔でそう言った。
この場合の決め顔とは、覚悟を決めた顔の略称である。
時は少し遡る。
兄ちゃんが珍しく朝から外出した。
愛心が寝ている間に、である。
許せない許せない許せない許せない。
帰宅したら必ず理由を問う。
強い決意をした愛心の前に現れた兄ちゃんからは──女のにおいがした。
長時間、隣で過ごしたにおい。
その後ふらふらと歩き回ったかのようなにおい。
「兄ちゃん、どこ行ってたの?」
「映画館です」
「……誰と?」
「一人ですが、途中で先輩と会いました」
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ”!?
「ふ、ふーん? 途中で? 待ち合わせじゃなくて?」
「ええ。明日、芽衣と行くための下見に行ったのですが、そこで偶然、ばったりと」
いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ”!?
──はい、夜這い。
以上の理由で愛心は夜這いすることにしました。
もう一刻の猶予も無い。
このままでは兄ちゃんが発情したメスに襲われてしまう。
その前に、愛心が襲う。
このオスは私のモノなのだとマーキングするのだ。
「……兄ちゃん、寝てる?」
真夜中。
枕元に立った私は、小声で問いかける。
「……うむ。すやすやだね」
熟睡していることを確認して、布団に潜る。
それから仰向けで寝ている兄ちゃんの上に乗って……うっへへ、くっさぁ。遺伝子が兄ちゃんを拒否してるぅ♡ でも好き♡ 遺伝子なんかに負けないもん♡
「兄ちゃんが悪いんだよ……」
マジで許せない。
愛心という者がありながら、他のメスとイチャコラと……。
「兄ちゃんは愛心の──ッ!?」
突然、抱きしめられた。
動けない。強い力で、ギュッとされている。
「……も、もしかして起きてる?」
恐る恐る問いかける。
返って来たのは寝息だけ。
「……ど、ど、どうしよ。どうしよ♡」
ダメ。逃げられない♡
愛心がお兄ちゃんを食べに来たのに、このままじゃ逆に食べられちゃうよう♡
「ふわぁ……頭、撫でちゃダメぇ……」
えへ、えっへへへ。
なんか久し振りぃ~。
小学生の頃は毎日こうやって……Σ(゚□゚;)!?
そうか分かった。
兄ちゃんの身体に刻み込まれてる。愛心が布団に入ったら、ギュッとしてナデナデするというフローが、刻み込まれている!
「……ご、ごまかされないからね」
ダメダメ。このままじゃダメ♡
愛心、ハートを強く持つのよ。
こんな浮気者にちょっとギュッとされたくらいで、ごまかされたらダメ!
「兄ちゃんマジゆるふにゃぁ……」
ダメッ♡ にやけちゃうよぅ♡
「……仕方ないなぁ」
今日だけ。今日だけ、許してあげる。
でも次は絶対に許さない♡ ほんと、今日だけなんだから♡
「えっへへぇ……兄ちゃん好きぃ……」
その後めちゃめちゃ気持ち良く眠った。
そうだ、夜這いをしよう。
愛心は決め顔でそう言った。
この場合の決め顔とは、覚悟を決めた顔の略称である。
時は少し遡る。
兄ちゃんが珍しく朝から外出した。
愛心が寝ている間に、である。
許せない許せない許せない許せない。
帰宅したら必ず理由を問う。
強い決意をした愛心の前に現れた兄ちゃんからは──女のにおいがした。
長時間、隣で過ごしたにおい。
その後ふらふらと歩き回ったかのようなにおい。
「兄ちゃん、どこ行ってたの?」
「映画館です」
「……誰と?」
「一人ですが、途中で先輩と会いました」
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ”!?
「ふ、ふーん? 途中で? 待ち合わせじゃなくて?」
「ええ。明日、芽衣と行くための下見に行ったのですが、そこで偶然、ばったりと」
いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ”!?
──はい、夜這い。
以上の理由で愛心は夜這いすることにしました。
もう一刻の猶予も無い。
このままでは兄ちゃんが発情したメスに襲われてしまう。
その前に、愛心が襲う。
このオスは私のモノなのだとマーキングするのだ。
「……兄ちゃん、寝てる?」
真夜中。
枕元に立った私は、小声で問いかける。
「……うむ。すやすやだね」
熟睡していることを確認して、布団に潜る。
それから仰向けで寝ている兄ちゃんの上に乗って……うっへへ、くっさぁ。遺伝子が兄ちゃんを拒否してるぅ♡ でも好き♡ 遺伝子なんかに負けないもん♡
「兄ちゃんが悪いんだよ……」
マジで許せない。
愛心という者がありながら、他のメスとイチャコラと……。
「兄ちゃんは愛心の──ッ!?」
突然、抱きしめられた。
動けない。強い力で、ギュッとされている。
「……も、もしかして起きてる?」
恐る恐る問いかける。
返って来たのは寝息だけ。
「……ど、ど、どうしよ。どうしよ♡」
ダメ。逃げられない♡
愛心がお兄ちゃんを食べに来たのに、このままじゃ逆に食べられちゃうよう♡
「ふわぁ……頭、撫でちゃダメぇ……」
えへ、えっへへへ。
なんか久し振りぃ~。
小学生の頃は毎日こうやって……Σ(゚□゚;)!?
そうか分かった。
兄ちゃんの身体に刻み込まれてる。愛心が布団に入ったら、ギュッとしてナデナデするというフローが、刻み込まれている!
「……ご、ごまかされないからね」
ダメダメ。このままじゃダメ♡
愛心、ハートを強く持つのよ。
こんな浮気者にちょっとギュッとされたくらいで、ごまかされたらダメ!
「兄ちゃんマジゆるふにゃぁ……」
ダメッ♡ にやけちゃうよぅ♡
「……仕方ないなぁ」
今日だけ。今日だけ、許してあげる。
でも次は絶対に許さない♡ ほんと、今日だけなんだから♡
「えっへへぇ……兄ちゃん好きぃ……」
その後めちゃめちゃ気持ち良く眠った。
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