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兄ちゃんそれマジ笑えない
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* 愛心 *
愛心は不機嫌です。
べつにっ、兄ちゃんの帰りが遅いからじゃないんだからね!
愛心は不機嫌です。
マンガを読みながら謎のツンデレを披露してしまう程です。
愛心は不機嫌です。
兄ちゃんが隠していたプリンを食べてしまう程です。
ああ、プリン。
ああ、ああ、プリン。
ああ、プリン。
喧嘩の元です。
大変なことになります。
兄妹が仲違いする理由第一位です。
でも兄ちゃんは許してくれます♡
プリンひとつで怒る兄ちゃんじゃないのです。好き♡
「ただいま」
あっ、兄ちゃん帰ってきちゃぁ~♡
「……おかえり」
あくまで態度は平静を装います。
それからチラッと兄ちゃんを見て──私はマンガの本を床に落とした。
「愛心、マンガ落としたぞ?」
「兄ちゃん、何ニヤニヤしてるの?」
私の兄センサーが警鐘を爆発させます。
「……おっと、顔に出てましたか」
これは、まずい。非常にまずい。
「今日、良いことがあったんです」
「へぇ~?」
「気の良い先輩と偶然出会って」
「……へぇ~?」
「まぁ、楽しく会話しました」
「…………へぇ~?」
間があった!
何!? 何の話をしたの!?
「愛心はどうですか?」
「……どうって?」
「学校。何か楽しいことありましたか?」
兄ちゃんがキモい。
めっちゃ上から目線で話してくる。
は? 中学とか兄ちゃんと会えない拷問のような時間だが?
「たとえば、仲の良い友達と遊んだとか」
は? 同級生とかモンキッキーにしか見えないが? 私は兄ちゃん一筋だが?
「愛心は昔から勉強が得意ですが、友達を作るのが苦手なようで、兄は心配です」
「……ママみたいなこと言わないで」
にゅぅ~♡
愛心のこと考えてくれる兄ちゃんしゅき♡
「何? そんなに楽しい話したわけ?」
「そうですね」
「何の話だよ」
「……」
なんで黙るのよさ。
「分かった下ネタだ。兄ちゃんのえっち」
「違います。もっと綺麗な話です」
「言えないようなことが綺麗な話なのぉ?」
渾身の煽り。
兄ちゃんは観念したように溜息を吐いて、白状しました。
「恋バナです」
「兄ちゃんそれマジ笑えない」
キュッと心臓を握られたような感覚。
「……兄ちゃん、好きな人いるの?」
知ってる。本当は分かってる。
兄ちゃんは昔から一途だった。
「あまり妹に話すような内容ではないですが」
この鬱陶しい丁寧語だって、あいつの好みを押し付けられたものだ。まぁ私も品性を感じて好きだけど。でもあいつの臭いを感じて非常に腹立たしい。
あの泥棒猫、本当にどうしてくれよう。
「そうだ。愛心はどうですか」
「……どうって?」
「学校で好きな人とか」
兄ちゃんマジ笑えない。
刺すよ。刺すぞマジで。
てか刺されるぞ寝てる間にマジでコラ。
「……興味ない」
「そうですか」
「てかマンガ読んでるから。どっか行って」
「……了解」
私はバイバイと手を振る。
兄ちゃんは素直に退散した。
あぁぁムカつく。
兄ちゃんまだあの泥棒猫が好きなのかよ。
あぁぁぁ。
あぁぁぁぁぁ!
……。
…………もういいや。良いこと考えよう。
そう。良いこと。
良いことあったよ。今さっき。
……うへへ。
兄ちゃんと7分24秒も会話しちゃった♡
今日は良い夢見れそう♡
「……でも、恋バナなんて誰としたのかな」
嫌な予感がする。
「……まぁ、どうせクラスの男子でしょ」
後に私は後悔する。
この時、もっと考えるべきだったのだ。
愛心は不機嫌です。
べつにっ、兄ちゃんの帰りが遅いからじゃないんだからね!
愛心は不機嫌です。
マンガを読みながら謎のツンデレを披露してしまう程です。
愛心は不機嫌です。
兄ちゃんが隠していたプリンを食べてしまう程です。
ああ、プリン。
ああ、ああ、プリン。
ああ、プリン。
喧嘩の元です。
大変なことになります。
兄妹が仲違いする理由第一位です。
でも兄ちゃんは許してくれます♡
プリンひとつで怒る兄ちゃんじゃないのです。好き♡
「ただいま」
あっ、兄ちゃん帰ってきちゃぁ~♡
「……おかえり」
あくまで態度は平静を装います。
それからチラッと兄ちゃんを見て──私はマンガの本を床に落とした。
「愛心、マンガ落としたぞ?」
「兄ちゃん、何ニヤニヤしてるの?」
私の兄センサーが警鐘を爆発させます。
「……おっと、顔に出てましたか」
これは、まずい。非常にまずい。
「今日、良いことがあったんです」
「へぇ~?」
「気の良い先輩と偶然出会って」
「……へぇ~?」
「まぁ、楽しく会話しました」
「…………へぇ~?」
間があった!
何!? 何の話をしたの!?
「愛心はどうですか?」
「……どうって?」
「学校。何か楽しいことありましたか?」
兄ちゃんがキモい。
めっちゃ上から目線で話してくる。
は? 中学とか兄ちゃんと会えない拷問のような時間だが?
「たとえば、仲の良い友達と遊んだとか」
は? 同級生とかモンキッキーにしか見えないが? 私は兄ちゃん一筋だが?
「愛心は昔から勉強が得意ですが、友達を作るのが苦手なようで、兄は心配です」
「……ママみたいなこと言わないで」
にゅぅ~♡
愛心のこと考えてくれる兄ちゃんしゅき♡
「何? そんなに楽しい話したわけ?」
「そうですね」
「何の話だよ」
「……」
なんで黙るのよさ。
「分かった下ネタだ。兄ちゃんのえっち」
「違います。もっと綺麗な話です」
「言えないようなことが綺麗な話なのぉ?」
渾身の煽り。
兄ちゃんは観念したように溜息を吐いて、白状しました。
「恋バナです」
「兄ちゃんそれマジ笑えない」
キュッと心臓を握られたような感覚。
「……兄ちゃん、好きな人いるの?」
知ってる。本当は分かってる。
兄ちゃんは昔から一途だった。
「あまり妹に話すような内容ではないですが」
この鬱陶しい丁寧語だって、あいつの好みを押し付けられたものだ。まぁ私も品性を感じて好きだけど。でもあいつの臭いを感じて非常に腹立たしい。
あの泥棒猫、本当にどうしてくれよう。
「そうだ。愛心はどうですか」
「……どうって?」
「学校で好きな人とか」
兄ちゃんマジ笑えない。
刺すよ。刺すぞマジで。
てか刺されるぞ寝てる間にマジでコラ。
「……興味ない」
「そうですか」
「てかマンガ読んでるから。どっか行って」
「……了解」
私はバイバイと手を振る。
兄ちゃんは素直に退散した。
あぁぁムカつく。
兄ちゃんまだあの泥棒猫が好きなのかよ。
あぁぁぁ。
あぁぁぁぁぁ!
……。
…………もういいや。良いこと考えよう。
そう。良いこと。
良いことあったよ。今さっき。
……うへへ。
兄ちゃんと7分24秒も会話しちゃった♡
今日は良い夢見れそう♡
「……でも、恋バナなんて誰としたのかな」
嫌な予感がする。
「……まぁ、どうせクラスの男子でしょ」
後に私は後悔する。
この時、もっと考えるべきだったのだ。
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