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負けられない理由
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* 芽衣 *
私には将来を約束した婚約者が居る。
名前は尾崎太一。近所に住む幼馴染だ。
あれは私達が三歳だった時。
一緒に御飯事をしていた私は、思い切って告白した。
大きくなったら結婚しようね。
彼は「いいよ!」と返事をした。
婚約成立である。
その後、私は常に彼と行動を共にした。
しかし小学生になった頃、ふと思った。
こいつ、頼りなくね?
何かあれば直ぐに泣く。
身長は私より小さくて、何かこう、かっこ悪い。
だから鍛えることにした。
毎日、徹底的に弱さをわからせた。
彼はちょっとずつ強くなった。
この調子なら、きっと理想的な夫になる。
私は遠い未来に思いをはせていた。
しかし、あるとき友達に言われた。
「芽衣、尾崎くん虐めすぎじゃない?」
「そうだよ。かわいそうだよ」
私は驚愕した。
百パーセントの愛なのに、客観的に見ると違っていた。
そして私は気が付いた。
私を見る太一が、まるで親の仇でも見るような目をしていることに。
まずい。
明らかに嫌われている。
いや、しかし。
彼はいつも私に勝負を挑む。
私のことが好きなはずだ。
だって、いつも一緒なのだから。
「太一? いつか絶対に泣かすってよく言ってるよ」
太一と仲の良い男子がそう言った。
「言っちゃ悪いけど、お前相当恨まれてるよ」
太一と仲の良い別の男子がそう言った。
まずい。
本当に嫌われていた。
どうしよう。
私は枕を濡らした。
しかし太一は勝負を挑み続けてくる。
私は気が付いた。
勝負に勝ち続ける限りは、一緒に遊べる。
時間稼ぎをすることにした。
勝ち続ける限り彼と毎日遊べる。
その間に私の魅力をわからせる。
あいつをメロメロにして、告らせるのだ。
だから私は、絶対に負けられない。
私には将来を約束した婚約者が居る。
名前は尾崎太一。近所に住む幼馴染だ。
あれは私達が三歳だった時。
一緒に御飯事をしていた私は、思い切って告白した。
大きくなったら結婚しようね。
彼は「いいよ!」と返事をした。
婚約成立である。
その後、私は常に彼と行動を共にした。
しかし小学生になった頃、ふと思った。
こいつ、頼りなくね?
何かあれば直ぐに泣く。
身長は私より小さくて、何かこう、かっこ悪い。
だから鍛えることにした。
毎日、徹底的に弱さをわからせた。
彼はちょっとずつ強くなった。
この調子なら、きっと理想的な夫になる。
私は遠い未来に思いをはせていた。
しかし、あるとき友達に言われた。
「芽衣、尾崎くん虐めすぎじゃない?」
「そうだよ。かわいそうだよ」
私は驚愕した。
百パーセントの愛なのに、客観的に見ると違っていた。
そして私は気が付いた。
私を見る太一が、まるで親の仇でも見るような目をしていることに。
まずい。
明らかに嫌われている。
いや、しかし。
彼はいつも私に勝負を挑む。
私のことが好きなはずだ。
だって、いつも一緒なのだから。
「太一? いつか絶対に泣かすってよく言ってるよ」
太一と仲の良い男子がそう言った。
「言っちゃ悪いけど、お前相当恨まれてるよ」
太一と仲の良い別の男子がそう言った。
まずい。
本当に嫌われていた。
どうしよう。
私は枕を濡らした。
しかし太一は勝負を挑み続けてくる。
私は気が付いた。
勝負に勝ち続ける限りは、一緒に遊べる。
時間稼ぎをすることにした。
勝ち続ける限り彼と毎日遊べる。
その間に私の魅力をわからせる。
あいつをメロメロにして、告らせるのだ。
だから私は、絶対に負けられない。
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