上 下
4 / 68

第4話 フォロワー獲得大作戦

しおりを挟む
『第一回、ミーコがフォロワー千人集める方法を考える会、始まるよ~!』

:イェェァァァアアア!
:日替わり謎の会クセになってきた
:これが俺のデイリークエストってわけ
:今日も四人か。安定感あるな

『説明します』

:どうぞ
:お願いします

『ほぅ、貴様がミーコか。この我をママにしたいそうだな』

:またなんか始まって草
:がんばって出してる低い声かわいい
:ママ候補に魔王属性付いちゃった

『条件を出す。一ヵ月以内にフォロワーを千人集められれらたた……ふふっ』

:嚙んだw
:諦めんなよw

『一ヵ月以内にフォロワーを千人集めラレタナラバ、貴様のママになってやる』

:なるほどね
:多重影分身の術!

『分身はダメ。ズルしても意味無い。実力でがんばりたい』

:異世界転移とチートスキルはセットだぜ

『ミーコには既にチートスキル《兄》が発現してるから』

:くっ
:お兄様はスキルだった?
:とりま状況は理解した。フォロワーって、チャンネル登録者数のこと?

『ツイッター』

:ついったー?
:知らない子ですね……
:公式が勝手にXって呼んでるだけだから

『というわけで……』

 ミーコはパソコン画面を配信した。
 配信画面に彼女のアカウントが表示される。

『じゃーん、早速アカウントを作ったぜ!』

:フォローした
:ワイも
:私も
:俺も

『へへっ、ありがと。愛してるぜ』

 ミーコはパソコン画面を操作して、マウスカーソルを「フォロワー」の位置に移動させた。

『ふーん、これがお前らのアカウントかぁ』

:きゃー!
:あーダメダメ! エッチすぎます!

『後で楽しむね』

:ミーコ、お義姉ちゃん許さないよ
:おっ、今日もお兄様ガチ勢おるな

『というわけで、あと996人を集める方法を考えるよ』

 ミーコはパソコン画面の配信をオフにした。
 配信画面は元に戻り、アバターとコメント欄、申し訳程度の背景が映った状態となる。

 ミーコのアバターは困った表情をした。

『冷静に考えて無理ゲーじゃない?』

:その心は?

『だってさ、学校ひとつ分の人がミーコをフォローするわけだよ? もはや校長先生じゃん』

:ここにミーコ学園を設立します

『チャンネル名はミーコ学園っと』

:草
:今作ってんの?

『URLこれだよ~』

:チャンネル名ほんとにミーコ学園で草
:まだ何も投稿してない感じか
:このスピード感いいね。ワクワクする
:結局、肉体はどうするの?

『肉体は、ミーコの手書き猫を使います』

 ミーコは再びパソコン画面を共有する。
 そこには六種類の猫が表示されていた。

:表情差分あって草
:ユラティブのスクショは規約違反だっけ?
:この絵で千人か・・・
:審議中

『ミーコの猫、ダメ?』

 コメントは沈黙した。

『……そっか。がんばって描いたんだけどな』

 ミーコは回想する。
 千人のフォロワーを集める為、一生懸命に絵を描いた時のこと。

 何度も書き直し、これだと思った猫を採用した。
 表情差分を描く間に、それなりに愛着も湧いていた。

:いや、ダメってわけじゃないんだけどさ
:私は可愛いと思うよ。ゆるくて味がある感じ

『う~、優しさが染みるぅ』

:肉体を求める猫

『むむ?』

:あー、そういう設定か
:絶妙。魂だけになった猫って感じが出てる

『……おみゃぁの肉体、ミーコにくれにゃ!』

:はい喜んで!
:もっと健気な感じにしよう

『健気?』

:フォロワーが千人集まると肉体が貰える猫
:100日後に集まりそうな名前やな
:全力で媚びる感じか

『ん-? どんな感じ?』

 ああでもない、こうでもない。
 ミーコをプロデュースするための試行錯誤は夜通し続いたのだった。
 

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

処理中です...