19 / 68
2ー06.真のエンターテイメント
しおりを挟む
「なんでこんなところに月影くんが!?」
説明する。
俺は今、カリンの実家に居る。
要するに冥界である。
バイト後、胡桃を家に送った後で直行した。
「分からないか?」
俺は渾身のドヤ顔を披露した。
「ごめんマジほんとキモい。てか怖い」
カリンは青ざめた顔で言った。
その直後、部屋の外から誰かが走ってくるような音がした。
「やばっ、隠れて!」
「良かろう」
「うぇ!? 消えた!?」
俺が透明化スキルを使うとカリンは大袈裟な反応をした。
実は、彼女を尾行する際にも透明化していた。冥界人に胡桃程度の抵抗力があれば多少は騒ぎになっていただろうが、その可能性は杞憂に終わった。
「カリン! 無事か!?」
ノックもせず部屋に飛び込んだのは、銀髪赤眼のイケメンだった。
「兄上さま、どうされましたか?」
俺は咄嗟に鼻と口を塞いだ。
カリンの皇女モードとでも表現しようか。その仕草が妙にツボだった。そしてあのイケメンがブラック企業で心を折られたかと思うと、口の中に蜜の味がした。
(……蜜の味、だと?)
美形兄妹の会話を聞きながら、ふと考察する。
俺は異世界で三年ほど生きた。
現実世界に戻った直後の状況から鑑みるに、精神だけ転移していた可能性が高い。
俺のステータスは激減している。
大淫魔と戦った頃と比較した場合、寝取られ男と寝取り男くらいの差がある。
異世界から帰還する直前の俺ならば、イケメンに嫉妬するなど有り得ない。しかし陰キャだった頃の俺ならば、イケメンの写真を藁人形に貼り付けて五寸釘くらいやるかもしれない。
自分自身の反応を考察するのは妙な気分だが、中間という表現がしっくりくる。
(……陰キャと淫キャ、半分ずつ残ったというわけか)
俺は思考を中断してカリンに意識を向ける。
ちょうど話がついたようで、カリンは上品に手を振って兄を送り出した。
「……行ったかしら」
彼女は慎重な様子でドアを開けた。
外を確認した後で静かにドアを閉め、部屋の内側を見てから溜息を吐いた。
「おかしな幻覚を見てしまったわね」
「幻覚ではないぞ」
「──ッ!?」
俺は咄嗟にカリンの口を片手で塞いだ。
「落ち着け。話がしたいだけだ」
カリンはコクコクと頷いた。
俺は自らの唇に人差し指を当て、騒ぐなよと目で訴えながら手を離した。
「……月影くん、マジ何者?」
「救世主、とでも言っておこうか」
「ごめんマジ無理キモい真面目に答えて」
ふむ、どうしたものか。
俺は味方なのだと端的に伝えたつもりだったが、怒らせてしまった。
「昨日、俺は異世界に旅立った」
カリンは睨むような目で俺を見た。
この様子だと、早々に本題を切り出した方が良さそうだ。
「戦争を止めたいのだろう?」
カリンは目を見開いた。
「……どうしてそれを?」
俺は長く息を吐き、神妙な面持ちで言う。
「異世界パワーだ」
「……まさか、本当に?」
俺は神妙な面持ちでそれっぽい間を取る。
「信じてくれたか?」
「……分からないわ」
カリンは俺の目を見た。
その表情は直前までとは違っていた。
「ひとつひとつ質問するわよ」
「良いだろう」
「どうして冥界に居るの?」
「カリンの後を付けた」
「……やっぱり変態だったのね」
やっぱり?
「あなたの邪な視線、本当に嫌だったわ。今日は改善されたと思ったのに、結局何も変わらないのね」
……。
「やめてくれ」
俺は懇願した。
「陰キャ時代の唯一の思い出なんだ」
俺は土下座した。
「……やめてください」
「ごめんなさい。そこまで嫌っていたわけではないのよ」
「本当か?」
「もちろん。むしろ関心していたのよ。幻界は、このような薄汚い弱者でも──」
カリンはハッとした様子で口を塞いだ。
俺は歯を食いしばり、胸に感じる激痛を両手で握り潰した。
これ程の痛み、異世界でも数える程しか経験していない。
そうか……これが失恋の痛みか。陰キャ時代の俺は、やはり日下部夏鈴に恋をしていたようだ。ふはは、実に滑稽だ。本当は哀れまれていたとも知らずに。誰にでも優しい彼女は、お情けで声をかけただけだったのだ。
──だが、それがどうした?
俺の心が彼女に救われ続けた事実は消えない。
彼女に返すべき恩は、この程度では決して消えない!
「話を続けようか」
「……あの、それ大丈夫なの? 目から口から血が出てるわよ」
カリンは唖然とした様子で俺を見て言った。
確かに致命傷だ。陰キャとしての俺は瀕死状態である。しかし淫キャとしての俺は無傷に等しい状態だから問題は無い。
「配信活動は順調か?」
「……そんなことまで知っているのね」
カリンは怯えた様子で言った。
現状、俺に対する印象は最悪みたいだ。
「カリンが俺を嫌いなことは理解した」
……否定してくれよ。
「だが俺には恩がある。お前が居なければ、きっと不登校になっていた」
「そんなに私のおっぱいが見たかったの?」
「今そういう話はしていない」
ダメだ。好感度が低すぎてシリアスな会話ができない。
「利害の一致だッ」
俺はヤケクソ気味に言った。
むしろ叫ばなかった自分を褒めたい。
「冥界との戦争は、俺の望むところではない」
「……まぁ、それは、そうよね」
カリンは深呼吸をした。
「正直、猫の手も借りたい状況だったの。大歓迎よ」
そして握手を求めた。
その笑顔は、とても引きつっていた。
「その様子だと、配信活動の効果は薄いようだな」
握手に応じる。
彼女はコンマ数秒で手を離した。
「アイデアは正しいと思うのよ」
彼女は背中に手を回し、俺から離れるようにして後退した。
「問題があるとすれば、私の配信スキルかしら」
彼女は手を伸ばしても届かない距離で俺に言う。
「だから最近はアルバイトを増やしたのよ。幻界で配信機材を揃えて、少しでも経験を積み上げるために」
……ふむ。
「厳しいことを言っても良いか?」
「もちろんよ。私、こう見えて皇女だもの。批判されるのは慣れているわ」
「お前はエンターテイメントというものを全く理解していない」
「……どういうことかしら」
俺はパチッと指を鳴らした。
「……これは?」
「スキルだ。俺が見た記憶を投影している」
「……本当に異世界へ行ったのね」
まだ信じてなかったのかよ。
ならば今のスキルで信じたということだな。ふははは。前進だ。
「これは、私の配信ね……」
「その通りだ」
しばらく静観する。
『最初の分かれ道ですね。既に攻略された階層なので、真っ直ぐ進む方が多いです。しかし私は、あえて右側に進んでみたいと思います。こちらの道、意外と通ったことのない方が多いのでは? ふふ、楽しみですね』
彼女は現場を実況するアナウンサーのような口調でダンジョンの探索を続けた。
『おっと、モンスターが現れました。少しグロテスクな映像になるので、一旦配信を止めますね』
彼女は美味しい場面をことごとくスキップした。
『──』
スキップ中、画面には綺麗な花の映像が流れ続けた。
「何が問題なのかしら。こんなにも面白いのに」
……なん、だと?
「カリン、それは本気で言っているのか?」
「もちろんよ」
俺は溜息を吐いた。
「不愉快かしら。理由を聞かせなさい」
「台詞がパッと頭に入ってこない」
「……それは、私も少し思ったけれど」
俺は指を折りながら言う。
「動画が編集されていない」
「生配信なのよ。当たり前でしょう」
「スキルか魔法による配信なのだろう。やりようはあるはずだ」
「……あるけど。でも無修正の方が好まれると思って」
「無修正が喜ばれるのはエッチな動画だけだ」
「変態!」
「カリン! 何を叫んでいるのだ!?」
再び兄フラ。
俺は咄嗟に透明化スキルを使い、カリンは苦笑しながらごまかした。
「……とにかく、カリンの動画はまるでダメだ」
「……至らない点があることは認めるけれど、まるでダメとは思わないわよ」
兄が退出した後、俺達は小声で会話を再開した。
「ジアス帝国の人口を言ってみろ」
「有権者の数は約480万人よ」
「配信の視聴者数は?」
「昨日の最大数は19287人だったかしら」
カリンは誇らしげに言った。
「初日からの推移は?」
「少しずつ増えているわよ。徐々に浸透している証拠ね」
カリンは胸を張った。ぽよん。
「配信活動を始めてから何日経った?」
「まだ二ヵ月くらいよ」
カリンは髪をファサッとして言った。
たった二ヵ月で二万人。凄いだろ。そんな声が聞こえてくる態度だ。
「少なすぎる」
「んなっ、2万人よ?」
「ライバル不在。しかも皇女の配信だぞ」
「それが何よ」
「最低でも国民の半数は視聴するはずだ。宣伝をしていないのか?」
「帝国放送で宣伝してるわよ」
俺は溜息を吐いた。
「そこまで言うのなら、何かアイデアを出しなさいよ」
カリンは不機嫌そうに言った。
「もちろんアイデアならある」
「言ってみなさい」
「その前にカリンの覚悟を問いたい」
「私は皇女よ。一般人の物差しで計るなんて不敬だわ」
「覚悟はあるということで良いのだな」
「当然。なんでもやってみせるわよ」
──ほう?
「今、なんでもと言ったか?」
「ええ、言ったわよ」
「よろしい。ならば俺が真のエンターテイメントを教えてやる」
俺は息を吸う。
そして、訝し気な目をしているカリンに向かって言った。
「──エロトラップダンジョン」
【あとがき】
Q.言葉は一緒なの?
A.違います。主人公のパッシブスキルで語学力無双してるだけです。
説明する。
俺は今、カリンの実家に居る。
要するに冥界である。
バイト後、胡桃を家に送った後で直行した。
「分からないか?」
俺は渾身のドヤ顔を披露した。
「ごめんマジほんとキモい。てか怖い」
カリンは青ざめた顔で言った。
その直後、部屋の外から誰かが走ってくるような音がした。
「やばっ、隠れて!」
「良かろう」
「うぇ!? 消えた!?」
俺が透明化スキルを使うとカリンは大袈裟な反応をした。
実は、彼女を尾行する際にも透明化していた。冥界人に胡桃程度の抵抗力があれば多少は騒ぎになっていただろうが、その可能性は杞憂に終わった。
「カリン! 無事か!?」
ノックもせず部屋に飛び込んだのは、銀髪赤眼のイケメンだった。
「兄上さま、どうされましたか?」
俺は咄嗟に鼻と口を塞いだ。
カリンの皇女モードとでも表現しようか。その仕草が妙にツボだった。そしてあのイケメンがブラック企業で心を折られたかと思うと、口の中に蜜の味がした。
(……蜜の味、だと?)
美形兄妹の会話を聞きながら、ふと考察する。
俺は異世界で三年ほど生きた。
現実世界に戻った直後の状況から鑑みるに、精神だけ転移していた可能性が高い。
俺のステータスは激減している。
大淫魔と戦った頃と比較した場合、寝取られ男と寝取り男くらいの差がある。
異世界から帰還する直前の俺ならば、イケメンに嫉妬するなど有り得ない。しかし陰キャだった頃の俺ならば、イケメンの写真を藁人形に貼り付けて五寸釘くらいやるかもしれない。
自分自身の反応を考察するのは妙な気分だが、中間という表現がしっくりくる。
(……陰キャと淫キャ、半分ずつ残ったというわけか)
俺は思考を中断してカリンに意識を向ける。
ちょうど話がついたようで、カリンは上品に手を振って兄を送り出した。
「……行ったかしら」
彼女は慎重な様子でドアを開けた。
外を確認した後で静かにドアを閉め、部屋の内側を見てから溜息を吐いた。
「おかしな幻覚を見てしまったわね」
「幻覚ではないぞ」
「──ッ!?」
俺は咄嗟にカリンの口を片手で塞いだ。
「落ち着け。話がしたいだけだ」
カリンはコクコクと頷いた。
俺は自らの唇に人差し指を当て、騒ぐなよと目で訴えながら手を離した。
「……月影くん、マジ何者?」
「救世主、とでも言っておこうか」
「ごめんマジ無理キモい真面目に答えて」
ふむ、どうしたものか。
俺は味方なのだと端的に伝えたつもりだったが、怒らせてしまった。
「昨日、俺は異世界に旅立った」
カリンは睨むような目で俺を見た。
この様子だと、早々に本題を切り出した方が良さそうだ。
「戦争を止めたいのだろう?」
カリンは目を見開いた。
「……どうしてそれを?」
俺は長く息を吐き、神妙な面持ちで言う。
「異世界パワーだ」
「……まさか、本当に?」
俺は神妙な面持ちでそれっぽい間を取る。
「信じてくれたか?」
「……分からないわ」
カリンは俺の目を見た。
その表情は直前までとは違っていた。
「ひとつひとつ質問するわよ」
「良いだろう」
「どうして冥界に居るの?」
「カリンの後を付けた」
「……やっぱり変態だったのね」
やっぱり?
「あなたの邪な視線、本当に嫌だったわ。今日は改善されたと思ったのに、結局何も変わらないのね」
……。
「やめてくれ」
俺は懇願した。
「陰キャ時代の唯一の思い出なんだ」
俺は土下座した。
「……やめてください」
「ごめんなさい。そこまで嫌っていたわけではないのよ」
「本当か?」
「もちろん。むしろ関心していたのよ。幻界は、このような薄汚い弱者でも──」
カリンはハッとした様子で口を塞いだ。
俺は歯を食いしばり、胸に感じる激痛を両手で握り潰した。
これ程の痛み、異世界でも数える程しか経験していない。
そうか……これが失恋の痛みか。陰キャ時代の俺は、やはり日下部夏鈴に恋をしていたようだ。ふはは、実に滑稽だ。本当は哀れまれていたとも知らずに。誰にでも優しい彼女は、お情けで声をかけただけだったのだ。
──だが、それがどうした?
俺の心が彼女に救われ続けた事実は消えない。
彼女に返すべき恩は、この程度では決して消えない!
「話を続けようか」
「……あの、それ大丈夫なの? 目から口から血が出てるわよ」
カリンは唖然とした様子で俺を見て言った。
確かに致命傷だ。陰キャとしての俺は瀕死状態である。しかし淫キャとしての俺は無傷に等しい状態だから問題は無い。
「配信活動は順調か?」
「……そんなことまで知っているのね」
カリンは怯えた様子で言った。
現状、俺に対する印象は最悪みたいだ。
「カリンが俺を嫌いなことは理解した」
……否定してくれよ。
「だが俺には恩がある。お前が居なければ、きっと不登校になっていた」
「そんなに私のおっぱいが見たかったの?」
「今そういう話はしていない」
ダメだ。好感度が低すぎてシリアスな会話ができない。
「利害の一致だッ」
俺はヤケクソ気味に言った。
むしろ叫ばなかった自分を褒めたい。
「冥界との戦争は、俺の望むところではない」
「……まぁ、それは、そうよね」
カリンは深呼吸をした。
「正直、猫の手も借りたい状況だったの。大歓迎よ」
そして握手を求めた。
その笑顔は、とても引きつっていた。
「その様子だと、配信活動の効果は薄いようだな」
握手に応じる。
彼女はコンマ数秒で手を離した。
「アイデアは正しいと思うのよ」
彼女は背中に手を回し、俺から離れるようにして後退した。
「問題があるとすれば、私の配信スキルかしら」
彼女は手を伸ばしても届かない距離で俺に言う。
「だから最近はアルバイトを増やしたのよ。幻界で配信機材を揃えて、少しでも経験を積み上げるために」
……ふむ。
「厳しいことを言っても良いか?」
「もちろんよ。私、こう見えて皇女だもの。批判されるのは慣れているわ」
「お前はエンターテイメントというものを全く理解していない」
「……どういうことかしら」
俺はパチッと指を鳴らした。
「……これは?」
「スキルだ。俺が見た記憶を投影している」
「……本当に異世界へ行ったのね」
まだ信じてなかったのかよ。
ならば今のスキルで信じたということだな。ふははは。前進だ。
「これは、私の配信ね……」
「その通りだ」
しばらく静観する。
『最初の分かれ道ですね。既に攻略された階層なので、真っ直ぐ進む方が多いです。しかし私は、あえて右側に進んでみたいと思います。こちらの道、意外と通ったことのない方が多いのでは? ふふ、楽しみですね』
彼女は現場を実況するアナウンサーのような口調でダンジョンの探索を続けた。
『おっと、モンスターが現れました。少しグロテスクな映像になるので、一旦配信を止めますね』
彼女は美味しい場面をことごとくスキップした。
『──』
スキップ中、画面には綺麗な花の映像が流れ続けた。
「何が問題なのかしら。こんなにも面白いのに」
……なん、だと?
「カリン、それは本気で言っているのか?」
「もちろんよ」
俺は溜息を吐いた。
「不愉快かしら。理由を聞かせなさい」
「台詞がパッと頭に入ってこない」
「……それは、私も少し思ったけれど」
俺は指を折りながら言う。
「動画が編集されていない」
「生配信なのよ。当たり前でしょう」
「スキルか魔法による配信なのだろう。やりようはあるはずだ」
「……あるけど。でも無修正の方が好まれると思って」
「無修正が喜ばれるのはエッチな動画だけだ」
「変態!」
「カリン! 何を叫んでいるのだ!?」
再び兄フラ。
俺は咄嗟に透明化スキルを使い、カリンは苦笑しながらごまかした。
「……とにかく、カリンの動画はまるでダメだ」
「……至らない点があることは認めるけれど、まるでダメとは思わないわよ」
兄が退出した後、俺達は小声で会話を再開した。
「ジアス帝国の人口を言ってみろ」
「有権者の数は約480万人よ」
「配信の視聴者数は?」
「昨日の最大数は19287人だったかしら」
カリンは誇らしげに言った。
「初日からの推移は?」
「少しずつ増えているわよ。徐々に浸透している証拠ね」
カリンは胸を張った。ぽよん。
「配信活動を始めてから何日経った?」
「まだ二ヵ月くらいよ」
カリンは髪をファサッとして言った。
たった二ヵ月で二万人。凄いだろ。そんな声が聞こえてくる態度だ。
「少なすぎる」
「んなっ、2万人よ?」
「ライバル不在。しかも皇女の配信だぞ」
「それが何よ」
「最低でも国民の半数は視聴するはずだ。宣伝をしていないのか?」
「帝国放送で宣伝してるわよ」
俺は溜息を吐いた。
「そこまで言うのなら、何かアイデアを出しなさいよ」
カリンは不機嫌そうに言った。
「もちろんアイデアならある」
「言ってみなさい」
「その前にカリンの覚悟を問いたい」
「私は皇女よ。一般人の物差しで計るなんて不敬だわ」
「覚悟はあるということで良いのだな」
「当然。なんでもやってみせるわよ」
──ほう?
「今、なんでもと言ったか?」
「ええ、言ったわよ」
「よろしい。ならば俺が真のエンターテイメントを教えてやる」
俺は息を吸う。
そして、訝し気な目をしているカリンに向かって言った。
「──エロトラップダンジョン」
【あとがき】
Q.言葉は一緒なの?
A.違います。主人公のパッシブスキルで語学力無双してるだけです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
101
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる