1 / 41
第一章 汚れた初恋
1.初恋の終わり
しおりを挟む
その夜、俺は見知らぬ男に半裸で跨る幼馴染を目にした。
(……は?)
俺は咄嗟に身を隠した。
(見間違い、だよな?)
ここは学校。時刻は午後八時頃。
明日提出する宿題に必要なノートを忘れ、取りに来た。
鍵あいてんじゃん。
セキュリティがガバガバかよ。
そんな感想は、教室に近づいたところで新たな衝撃に塗りつぶされた。
声が聞こえた。
よく知る女の声だった。
最初は空耳だと思った。
だけど気になったら止まらない。
恐る恐る声がした教室に近づいて、覗き込んだ。
窓際、人影がふたつ。
机に寝転がる人物と、その上に跨る制服を半分だけ脱いだ女子。外から差し込む光によって顔がハッキリと見えた。
(……待て、待て、ありえないだろ)
何かの見間違いかもしれない。
息を整え、再び覗き込もうとした時、声が聞こえた。
「いやぁ、意外だったわ」
男の声だった。
「優愛ちゃん、小倉と付き合ってると思ってたわ」
それは幼馴染と、俺の名前だった。
「あんなインポ野郎の話しないで」
息が止まった。
「ハル君、私がずぅ~っと誘惑してるのに、ぜーんぜん手を出してくれないの」
歯がカタカタと震え、吐き気がした。
「だからぁ、たまにこうしてぇ、肉◯イブ使ってるんだよねぇ。お金も貰えて最ッ高♡」
視界が歪む。
噓だ。ありえない。
「てか君、もっとおち〇ちん硬くできないわけ? ちっとも気持ちよくないんだけど」
「はぁ? 大きさには自信あるんだが?」
「うわ、童貞っぽいこと言わないでよ。大きけりゃ良いとかエッチな本の中だけだから」
俺は這うようにして教室から離れた。
直ぐにでも走り去りたいのに、手足の感覚が無くて、まともに移動できなかった。
部屋に戻るまでの記憶は残っていない。
頭が真っ白だった。
理解できたことはひとつしかない。
俺の初恋は、最悪の形で終わったのだ。
(……は?)
俺は咄嗟に身を隠した。
(見間違い、だよな?)
ここは学校。時刻は午後八時頃。
明日提出する宿題に必要なノートを忘れ、取りに来た。
鍵あいてんじゃん。
セキュリティがガバガバかよ。
そんな感想は、教室に近づいたところで新たな衝撃に塗りつぶされた。
声が聞こえた。
よく知る女の声だった。
最初は空耳だと思った。
だけど気になったら止まらない。
恐る恐る声がした教室に近づいて、覗き込んだ。
窓際、人影がふたつ。
机に寝転がる人物と、その上に跨る制服を半分だけ脱いだ女子。外から差し込む光によって顔がハッキリと見えた。
(……待て、待て、ありえないだろ)
何かの見間違いかもしれない。
息を整え、再び覗き込もうとした時、声が聞こえた。
「いやぁ、意外だったわ」
男の声だった。
「優愛ちゃん、小倉と付き合ってると思ってたわ」
それは幼馴染と、俺の名前だった。
「あんなインポ野郎の話しないで」
息が止まった。
「ハル君、私がずぅ~っと誘惑してるのに、ぜーんぜん手を出してくれないの」
歯がカタカタと震え、吐き気がした。
「だからぁ、たまにこうしてぇ、肉◯イブ使ってるんだよねぇ。お金も貰えて最ッ高♡」
視界が歪む。
噓だ。ありえない。
「てか君、もっとおち〇ちん硬くできないわけ? ちっとも気持ちよくないんだけど」
「はぁ? 大きさには自信あるんだが?」
「うわ、童貞っぽいこと言わないでよ。大きけりゃ良いとかエッチな本の中だけだから」
俺は這うようにして教室から離れた。
直ぐにでも走り去りたいのに、手足の感覚が無くて、まともに移動できなかった。
部屋に戻るまでの記憶は残っていない。
頭が真っ白だった。
理解できたことはひとつしかない。
俺の初恋は、最悪の形で終わったのだ。
0
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説
帰ってきたら彼女がNTRされてたんだけど、二人の女の子からプロポーズされた件
ケイティBr
恋愛
感情の矛先をどこに向けたらいいのか分からないよ!と言う物語を貴方に
ある日、俺が日本に帰ると唐突に二人の女性からプロポーズされた。
二人共、俺と結婚したいと言うが、それにはそれぞれの事情があって、、、、
で始まる三角関係ストーリー
※NTRだけど結末が胸糞にならない。そんな物語だといいな?
※それにしても初期設定が酷すぎる。事に改めて気づく。さてどうしたもんか。でもこの物語の元ネタを作者なりに救いたい。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
幼馴染をわからせたい ~実は両想いだと気が付かない二人は、今日も相手を告らせるために勝負(誘惑)して空回る~
下城米雪
青春
「よわよわ」「泣いちゃう?」「情けない」「ざーこ」と幼馴染に言われ続けた尾崎太一は、いつか彼女を泣かすという一心で己を鍛えていた。しかし中学生になった日、可愛くなった彼女を見て気持ちが変化する。その後の彼は、自分を認めさせて告白するために勝負を続けるのだった。
一方、彼の幼馴染である穂村芽依は、三歳の時に交わした結婚の約束が生きていると思っていた。しかし友人から「尾崎くんに対して酷過ぎない?」と言われ太一に恨まれていると錯覚する。だが勝負に勝ち続ける限りは彼と一緒に遊べることに気が付いた。そして思った。いつか負けてしまう前に、彼をメロメロにして告らせれば良いのだ。
かくして、実は両想いだと気が付かない二人は、互いの魅力をわからせるための勝負を続けているのだった。
芽衣は少しだけ他人よりも性欲が強いせいで空回りをして、太一は「愛してるゲーム」「脱衣チェス」「乳首当てゲーム」などの意味不明な勝負に惨敗して自信を喪失してしまう。
乳首当てゲームの後、泣きながら廊下を歩いていた太一は、アニメが大好きな先輩、白柳楓と出会った。彼女は太一の話を聞いて「両想い」に気が付き、アドバイスをする。また二人は会話の波長が合うことから、気が付けば毎日会話するようになっていた。
その関係を芽依が知った時、幼馴染の関係が大きく変わり始めるのだった。
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
君と僕の一周年記念日に君がラブホテルで寝取らていた件について~ドロドロの日々~
ねんごろ
恋愛
一周年記念は地獄へと変わった。
僕はどうしていけばいいんだろう。
どうやってこの日々を生きていけばいいんだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる