2 / 44
02.ウチ、真理に至る
しおりを挟む
修行を始めてから二年が経った。
今のウチは五歳。だけど、ジャンプして屋根に上ったり、グーパンで岩を砕いたりできる。元の世界だったら間違いなく最強だ。
でも、この世界の基準だと雑魚。
ウチは未熟。まだまだ修行が足りない。
でもウチにはゲーム知識がある。
イーロン・バーグの長所、短所、どちらも知り尽くしている。そのおかげかママから成長が早いと褒められることが多い。とても嬉しい。
それはさておき。
ウチは今、トイレに居る。
個室でコトを終え、お尻を拭いている。
この世界は色々とファンタジーだ。
例えば魔法がある。貴族とか身分とかある。
でもトイレは元居た世界と同じ。
だからウチはトイレが好き。実家のような安心感がある。
さて、本題に入ろう。
ウチがやりたかったこと、そのいち。
それはおちんちんに触ること。
ウチは呼吸を整える。
そして、これまでは意図的に目を背けてきたそれを見る。
「……これが、おちんちん」
ウチには前世の記憶がほとんどない。
それでも、強く印象に残ったこと、何度も繰り返したことは覚えている。
そのひとつが、おちんちん。
ウチと仲良くしてくれた人達が、頻繁におちんちんの話をしていた。
前世のウチは、女。
当然おちんちんは無い。
だけど今のウチは、男!
おちんちんが……ある!
「……はぁ、はぁ、おちん、ちん」
何故だろう。
今からこれに触れると考えたら、呼吸が乱れてしまう。
ウチは修行をしている。激しい動きをしても全く息が乱れないのに、どうして今、こんなにも呼吸が苦しいのだろう。
「……さ、さわ、さわ」
右手を伸ばす。
咄嗟に左手が右手首を摑む。
「……さわ、っても、大丈夫?」
分からない。爆発するかもしれない。
ウチは、おちんちんについて何も知らない。
「……恐れることは、無い!」
思い出す。宿敵、聖女ノエルの姿。
あいつに比べたら、股の間に生えてる謎の物体なんて怖くない!
「……」
ふにふに。
「……」
ぷにぷに。
「痛った」
強く握ったら痛かった。
半端ない痛み。ふにふにした物体の中にある……なんだろ、骨かな? とにかく、硬い部分を強く握ってみたら悶絶する程に痛かった。
「強く握っちゃダメ」
ウチのおちんちん知識がひとつ増えた。
「……引っ張ると、どうなる?」
好奇心。後、即実行。
「……伸びた!?」
これは、皮なのかな?
痛くない。でも、なんか思ったより伸びる。
「……っ!?」
その刹那、天啓。
ウチは生命の真理に至った。
「……おちんちんは、生殖器」
その役割は子供を作ること。
即ち、種を存続させる役目を担っている。
全てのおちんちんが滅べば、人類は滅ぶ。
おちんちんは人類を支える最も重要な体組織のひとつ。
それが、引っ張ると、伸びる。
即ち──生命とは、外から与えられた力によって広がるということ。人は一人では生きられない……ってコト!
「……おちんちんは、人類の縮図」
おちんちんは、ただそこにある。
しかし、誰かが力を加えることでその在り方を変える。まさに、人類の縮図だ。
「……深い」
この日、ウチは生命の真理に至った。
ウチ一人が強くなるだけでは、目標を達成できない。
「……ありがとう」
おちんちんが教えてくれた。
ウチが長生きするために必要なこと、それは……!
「仲間を……増やす!」
今のウチは五歳。だけど、ジャンプして屋根に上ったり、グーパンで岩を砕いたりできる。元の世界だったら間違いなく最強だ。
でも、この世界の基準だと雑魚。
ウチは未熟。まだまだ修行が足りない。
でもウチにはゲーム知識がある。
イーロン・バーグの長所、短所、どちらも知り尽くしている。そのおかげかママから成長が早いと褒められることが多い。とても嬉しい。
それはさておき。
ウチは今、トイレに居る。
個室でコトを終え、お尻を拭いている。
この世界は色々とファンタジーだ。
例えば魔法がある。貴族とか身分とかある。
でもトイレは元居た世界と同じ。
だからウチはトイレが好き。実家のような安心感がある。
さて、本題に入ろう。
ウチがやりたかったこと、そのいち。
それはおちんちんに触ること。
ウチは呼吸を整える。
そして、これまでは意図的に目を背けてきたそれを見る。
「……これが、おちんちん」
ウチには前世の記憶がほとんどない。
それでも、強く印象に残ったこと、何度も繰り返したことは覚えている。
そのひとつが、おちんちん。
ウチと仲良くしてくれた人達が、頻繁におちんちんの話をしていた。
前世のウチは、女。
当然おちんちんは無い。
だけど今のウチは、男!
おちんちんが……ある!
「……はぁ、はぁ、おちん、ちん」
何故だろう。
今からこれに触れると考えたら、呼吸が乱れてしまう。
ウチは修行をしている。激しい動きをしても全く息が乱れないのに、どうして今、こんなにも呼吸が苦しいのだろう。
「……さ、さわ、さわ」
右手を伸ばす。
咄嗟に左手が右手首を摑む。
「……さわ、っても、大丈夫?」
分からない。爆発するかもしれない。
ウチは、おちんちんについて何も知らない。
「……恐れることは、無い!」
思い出す。宿敵、聖女ノエルの姿。
あいつに比べたら、股の間に生えてる謎の物体なんて怖くない!
「……」
ふにふに。
「……」
ぷにぷに。
「痛った」
強く握ったら痛かった。
半端ない痛み。ふにふにした物体の中にある……なんだろ、骨かな? とにかく、硬い部分を強く握ってみたら悶絶する程に痛かった。
「強く握っちゃダメ」
ウチのおちんちん知識がひとつ増えた。
「……引っ張ると、どうなる?」
好奇心。後、即実行。
「……伸びた!?」
これは、皮なのかな?
痛くない。でも、なんか思ったより伸びる。
「……っ!?」
その刹那、天啓。
ウチは生命の真理に至った。
「……おちんちんは、生殖器」
その役割は子供を作ること。
即ち、種を存続させる役目を担っている。
全てのおちんちんが滅べば、人類は滅ぶ。
おちんちんは人類を支える最も重要な体組織のひとつ。
それが、引っ張ると、伸びる。
即ち──生命とは、外から与えられた力によって広がるということ。人は一人では生きられない……ってコト!
「……おちんちんは、人類の縮図」
おちんちんは、ただそこにある。
しかし、誰かが力を加えることでその在り方を変える。まさに、人類の縮図だ。
「……深い」
この日、ウチは生命の真理に至った。
ウチ一人が強くなるだけでは、目標を達成できない。
「……ありがとう」
おちんちんが教えてくれた。
ウチが長生きするために必要なこと、それは……!
「仲間を……増やす!」
0
お気に入りに追加
155
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
今さら帰ってこいなんて言われても。~森に移住した追放聖女は快適で優雅に暮らす~
ケンノジ
ファンタジー
「もうお前は要らない女だ!」
聖女として国に奉仕し続けてきたシルヴィは、第一王子ヴィンセントに婚約破棄と国外追放を言い渡される。
その理由は、シルヴィより強い力を持つ公爵家のご令嬢が現れたからだという。
ヴィンセントは態度を一変させシルヴィを蔑んだ。
王子で婚約者だから、と態度も物言いも目に余るすべてに耐えてきたが、シルヴィは我慢の限界に達した。
「では、そう仰るならそう致しましょう」
だが、真の聖女不在の国に一大事が起きるとは誰も知るよしもなかった……。
言われた通り国外に追放されたシルヴィは、聖女の力を駆使し、
森の奥で出会った魔物や動物たちと静かで快適な移住生活を送りはじめる。
これは虐げられた聖女が移住先の森の奥で楽しく幸せな生活を送る物語。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる